ワルディーの京都案内

ワルディーの京都案内

2017/11/22
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テーマ: 京都。(6076)
カテゴリ: 常駐ガイド
2017年 11月22日(水)】

 大徳寺塔頭興臨院でのガイド第10日でした。

 前回のここの勤務は11月12日でしたので10日前。そのときは紅葉はまだまだだったのですが、今朝、表門から覗いたらビックリ。素晴らしい紅葉になっていました。方丈の周りの紅葉は、緑も残っていてグラデーッションが綺麗でした。次第に紅葉していくところを見れるのはガイドの役得です。













 平日にも拘わらず、やはり紅葉本番、それから飛石連休の前日ということもあり、多くのお客様に来ていただきました。ここでは初めて予約の団体さんの案内もさせていただきましたが、北側の部屋は縁が狭く、お茶室も一度に全員入れないことなどなど、多人数の案内の場合、特別な工夫が必要なことが分かりました。

 午後から雨の予報でしたが、拝観時間中は何とか持ちこたえ、我々が帰る頃になって雨が降り出しました。

 昨日から我々の持ち時間終了後(16:30)のライトアップも始めたようです。ガイドはなしで、拝観料は昼間と同じとのことです。去年から始められたようです。ネットを見てもライトアップのことは載っていませんので、積極的には宣伝していないようですが、部屋の中も照明され昼間の拝観よりも、襖絵やお軸がはっきりと観賞できるので、これはこれでお薦めです。



●興臨院案内#9 興臨院#6 本堂(方丈)礼の間、檀那の間

 興臨院の本堂について続きです。

 南側の東側の部屋(向かって右)は 「礼の間(らいのま)」 「葡萄図」 です。葡萄の葉や実が描かれていますが、向かって左側の奥から2枚目にはイタチ、奥の右から2枚目の下の方にはメジロも描かれています。葡萄の葉が鳥が飛んでいるようにも見えるので、たくさんの鳥がいっせいに飛び立ちそうな姿にも見えます。

 掛かっている興臨院の額は、縁どりが非常に鮮やかです。このオリジナルは室中の間の外に掛かっている扁額です。右に「 為日本国天啓和尚」 と書かれ、左に 「大明梅がい方伯行書」 (「がい」は崖の山がない字)と書かれています。天啓和尚は開祖小渓和尚の一番の弟子で、興臨院の2代目の住職です。左側に書かれた中国の僧によって、この額が天啓和尚に贈られたことを示しています。縁の飾りにわずかに色彩が残っていますが、これをX線分析をするなどして、オリジナルの色彩が割り出されました。それが礼の間の額の縁の部分です。中国から贈られたものなので、中国的なデザインです。

 西側(向かって左)の部屋は、 「檀那の間」 です。檀那とは檀家さんのことです。檀家さんをここへお通しします。お寺にとっては経済的な支えでもあります。ですのでいわばVIPルームです。「檀那」は、「布施」を意味するサンスクリット語(梵語)の「ダーナ」から来ています。英語の"donation(ドネーション)"、"donor(ドナー)"も同じような起源と意味を持つ単語です。日本では、奉公人がその主人を呼ぶ場合などの敬称にも使われ、家庭内で奥さんがご主人を呼ぶ場合にも使われています。語源からすると、稼ぎの悪いご主人は「檀那」と呼んではいけなのかもしれません。

 この部屋の襖絵も村石氏によるもので、 「寒山拾得図」 です。巻物を手にしているのが「寒山」で文殊菩薩の生まれ代わりともいわれます。箒(ほうき)を持っているのが「拾得」で普賢菩薩の生まれ代わりともいわれます。唐代の脱俗的な人物で、宋代以後、彼らの生き方に憧れる禅僧や文人によって格好の画題とされてきました。ですので、禅宗のお寺に行くと、達磨大師同様、よく絵の題材になっています。


 家内はSさんと京都でランチでした。Sさんはドイツ時代に家族ぐるみでおつきあさせていただきました。久しぶりの再会で、おしゃべりも長くなったようです。


(内容再考版。原文は非公開日記に移動済み。)





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最終更新日  2019/06/13 07:59:44 AMコメント(0) | コメントを書く


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