世界で初めて公共交通手段として営業的に成功を収めた鉄道は、イギリス産業革命の最終局面にあたる1830年に開業したリバプール/マンチェスター間、約70kmの鉄道であった。鉄道はその後急速に欧米諸国に伝搬し、ほぼ20年後の1849年には、世界の総営業距離は約3万kmに達した。

海外渡航が禁止されているなかで、アメリカにわたって実際に鉄道に乗った日本人がいた。ジョン万次郎こと中浜万次郎である。中浜万次郎は土佐の漁師で、天保12年(1841)に遭難しアメリカの捕鯨船に救助されアメリカに渡った。万次郎は、1850年、カリフォルニアの金山に入ることを目的に、サクラメントで鉄道に乗った。初めて鉄道に乗った日本人ということになる。プチャーチンが蒸気機関車の模型を日本に持ち込む3年前の出来事であった。中浜万次郎は、帰国後の取り調べで「1日に300里(1,178km、江戸・福岡間距離相当)走った」と語っている。


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