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「親」という字は、「木の上に立って見る」と書きます。
可愛さから単に溺愛するのでなく、子供の将来を見据えて厳しく躾るのが、親の本当の役割であり愛情だと思います。
躾は字の通り、『身(体)を美しく』見せる仕種です。
仕種が美しければ、自ずと人に好かれ尊敬されます。
そうすれば、勉強一筋で育った単なる学校秀才よりも、多くの人に囲まれてうんと楽しい人生を過ごせるはずです。
ところで、子どもの躾は、物の道理が分かりかけてきた年頃からすればよいだろうと考えて、小学校の高学年あたりになってから急に厳しくしがちです。
でも、それではもう手遅れなのです。
なぜなら、物の道理がわかるということは、裏返せば子供の我が強くなりかけたという ことです。
頭ではそうする方がよいと分かっていても、我が強くなっているので、親から注意されるとつい反抗するというわけです。
だから、子供を躾るには「つ」のつく年齢(九つまで)のうちが勝負です。 「三つ子の魂、百まで」と言うように、この時代に体で覚えたことは一生忘れません。
他の動物の子供と同じように、「つ」のつく年頃までは子供は親を真似て育ちます。
親が率先垂範して後ろ姿を見せて教えることです。
いくら立派なことを口では言っていても、親がろくに実践していなければ、子供が実行するはずがありません。
言うことと行うことの一致が大切です。
親がろくに挨拶も返事をしなければ、いくら口で言っても子が行うはずがありません。
一家の最高責任者である主人が妻に「おはよう」と挨拶し、妻も何か言われたら口答えせず素直に「はい」と言って率先して示せば、子供も自然に見習うようになります。
国民教育の父と言われた森信三先生のところに、あるとき登校拒否児を持つ母親が訪ねて来て、「どうしたらいいのでしょう」と相談したことがありました。
すると先生は、 「あなたは、ご主人から呼ばれたら、必ず『はい』とはっきり返事をしなさい」 とだけアドバイスしました。
それだけを実行したところ、二週間もすると、どんなに言い聞かせても学校へ行かなかった子供が登校を始めたそうです。
登校拒否の原因はさまざまで、すべてがこのように解決するとは思わないが、挨拶や返事は、お互いが心を開くための最初のカギであることは確かです。
この時期には、次の三点をしっかりと躾るだけで十分です。
第一に、明るく元気な挨拶と「ありがとう」という感謝と労りの言葉を口癖にする。
第二に、「はい」と素直に返事をして自分の心を開き、相手を受け入れる習慣をつける。
この二つが身に付けば、コミュニケーションが円滑になり、人生が楽しくなります。
第三に、整理整頓を常に行い、使ったら、その都度必ず元の場所に返す癖をつける。
これがきちんとできるようになると、心も体もシャンとしてきます。
円福寺愛育園の藤本幸邦園長は「履物をそろえると」いう詩で子供を躾てみえます。
履物を揃えると心も揃う
心が揃うと履物も揃う
脱ぐ時に揃えておくと 履く時に心が乱れない
誰かが乱しておいたら 黙って揃えてあげよう
そうすればきっと 世界中の人の心も揃うでしょう
スリッパなどを揃える習慣は、次に使う人の身になって行動する本になります。
それは、 自利利他の心を養い、相手のことや次の人のことを思う「思いやりの心」を育てます。
七人の子供を育てた大久保悦子さんは、『育て育てられの記』という本の中で、子育てに悩んでいる人は、とりあえず次のことをしてみてくださいと言われます。
一、毎朝鏡を見て一番いい笑顔で笑う。
一つひとつは簡単なことだが、「当たり前のことを、ごく当たり前に、執念深く、確実に実行し続ける」となるとなかなか難しいものです。
でも、今日から始めてみれば、一カ月もしないうちにあなたの悩みのいくつかは解決されていると思います。
子供は善悪の基準がわからないので、人に迷惑をかけない生き方の大切さや、弱い者いじめをすることの卑劣さも、親が実践して後ろ姿で示すと共に、繰り返し言って聞かせたり、時には体で覚えさせることも大切だと思います。
終わりに 2018.04.21
番外編 終わり良ければ総て良し 2018.04.20
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