さかえ古書店

さかえ古書店

PR

フリーページ

お気に入りブログ

今時の育休って・・・ New! manmaru2897さん

源氏物語〔12帖 須磨… New! USM1さん

冬が来たよ デコちゃん6902さん

舌が茶色くなったこ… 保険の異端児・オサメさん

「恋心」「人魚姫」… 47弦の詩人さん

カレンダー

カテゴリ

カテゴリ未分類

(2)

(82)

(21)

(26)

(50)

ブログ

(5)

オークション

(162)

お馬

(0)

いわき

(3)

バックナンバー

2024年12月
2024年11月
2024年10月
2024年09月
2024年08月

購入履歴

お買いものレビューがまだ書かれていません。

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2009年01月17日
XML
カテゴリ:
■気になる本 - 一神教の闇 アニミズムの復権 -



 私が子供の頃は、現在よりも環境に優しかった人間の
活動だったと思います。
(もっとも、過去に遡る毎に、自然のリサイクルを
利用していたと思いますが)

 コロッケや焼き芋、魚を購入しても、包装してくれた
のは、新聞紙です。コロッケを食べて包装の新聞紙を
舗装されていない道路に捨てても、雨が降り、新聞紙は


 この前、近くの河川の土手を愛犬と散歩したのですが、
いたるところにゴミがあります。人為的に投棄された
家電(とくに冷蔵庫、テレビ、電子レンジ等)が
目につきます。

 また、木の枝には白いものが風になびいています。
何かなと思ってよくみますと、ビニュール袋です。
この買い物袋は、どんなに年月が経とうとも決して
土には戻らないものです。

 あまりの便利さを追求しすぎて、環境に優しくない
現代ができてきているということでしょうか。

 雨も地上に降り、それが川になり、海に戻ります。

移動し、冷やされて雨や雪になります。
私達は、地球という閉じた系の中に存在しているので
あり、循環できる物や仕組みをなんとか見いださないと
いけないかもしれません。

 そのためには、多少、便利さが犠牲になっても


 もっとも、著者は「稲作漁撈文明は持続を重視し、
江戸社会に見られる高度な環境調和型文化を築いてきた。」
といっております。


 いま、「一神教の闇 アニミズムの復権」(著者 安田喜憲、
出版社名 株式会社筑摩書房、発行年月 2006年11月)
を読み終えました。

 著者のプロフィールは、裏表紙にあります。


安田 喜憲(ヤスダ ヨシノリ)
 1946年生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。国際日本文化研究センター教授。スウェーデン王立科学アカデミー会員。京都大学大学院理学研究科教授(併任)、フンボルト大学客員教授などを歴任する。
 文明の盛衰を環境変動との関わりで調査・研究し、地球環境問題への提言は高い評価を得ている。2001年、地球科学や環境科学の分野で著名なクロホード賞にノミネートされる



 著者が、アニミズムに感心をもったのは、1989年に
ヨーロッパからトルコへ至る道を、車で家族で旅したときだと
あとがきで述べています。

 アニミズムとは、著者が明確に定義を述べていないので、
「ウィキペディア(Wikipedia)」によりますと、次の通りです。
----------引用-----------
アニミズム(英:animism)は生物・無機物を問わないすべてのものの中に霊魂、もしくは霊が宿っているという考え方。19世紀後半、イギリスの人類学者、E・B・タイラーが著書『原始文化』(1871年
)の中で使用し定着させた。日本語では「汎霊説」、「精霊信仰」などと訳されている。この語はラテン語のアニマ(anima)に由来し、気息・霊魂・生命といった意味である。



 著者は、旅で何をみたのか。それは、アニミズムの神である
メデューサの像だというのです。著者はいいます。
「キリスト教は、輝かしいヨーロッパ文明を生み出し、
人類に愛と福音をもたらしたが、アニミズムの神々を弾圧
するという闇の部分がある」と。

 「アニミズムの神だったメデューサは、キリスト教によって
怪しげなイメージを与えられ、地下深くに沈められたのである。」

 たしか、世界の四大文明というのを歴史で習いました。
発達した都市、そして人間の精神(宗教)まで確立できた都市が
文明であると。著者は次のように述べています。
イスラエル文明 ユダヤ・キリスト教
ギリシャ文明  ギリシャ哲学
インド文明   仏教
中国文明    儒教
これらは、枢軸文明ともいわれています。

 畑作牧畜民は、森林を破壊し、力をもって拡大しつづけた。
一方、稲作漁撈民は、その場所にとどまり、自然とともに生きたと
著者はいっております。

 畑作牧畜民は、一神教的世界観(キリスト教、イスラム教)をもち、
稲作漁撈民は、多神教であり、現世的秩序を有するといいます。
でも、前述の河川のゴミを思い出すと、?になりつつは
ありますが。

 著者は、1990年には、国際日本文化センターの
英文ニュースレターにアニミズム・ルネッサンスについて
発表しましたが、世界中の日本研究者から反論が殺到し、
再反論を試みたものの、3回の書き直し要請を応じたのに
掲載してもらえなかった と述べています。

 著者の主張は反論者の言質でわかります。
その部分を引用します。
「安田は、キリスト教を中心とする一神教の文明が、
平和で穏やかなマヤ文明やアズテク文明を滅ぼしたという。
マヤ文明やアズテク文明は自然を崇拝し、アニミズムの
世界に生きた平和な文明だったと述べているが、
アズテク文明のどこが平和なのか。あの文明は、
太陽に人間を生贄として捧げていたではないか。
そんな文明がなぜ平和で穏やかなのか。」

 著者は、この本でもこの意見について反論しています。
「太陽は東の空で生まれ、西の空で死ぬ。太陽が衰退して
しまうことを恐れた彼らは、生贄の真っ赤な血を捧げ、
太陽の力を復活させたいと。(中略)ただ、生贄は
自分が選ばれて、自分の生命を捧げることで現世的秩序が
持続できると喜んで死んでいった。(中略)自然の秩序を
維持するためには、時には人間さえ犠牲にならなければ
ならないという心を理解し、太陽の恵みに感謝する心を
復活せよと主張しているのである。」

 もっとも、このあとには、ヨーロッパの魔女裁判について
著者が述べています。
1620年にドイツのワーベルン村でマリーという女性が
魔女として処刑されたと。

 この頃は、気候が寒冷化してブドウがとれなく、ブドウが
とれないのはマリーのせいだ として、
本人も拒否しているのに、処刑をしているのです。
(キリスト教のヨーロッパで)


 西洋では、アニミズムは、野蛮で猥雑だと著者の友人が
著者に教えてくれたのですが、著者は、アニミズムという
言葉の概念を根底から覆し、「美と慈悲の文明」、
「生命文明」の時代を構築したいと述べています。

 著者の狙いは、「世界に戦争や紛争がなくなり」、
「本当の平和を構築する」のだというのが、この本を読むこと
によってわかります。


 日本もアニミズム文明といっては大げさでしょうか。古くから
草木や樹木、動物、海川、山野に命が宿っているのを知っている
のですから。

(参考) 梅原猛の授業 仏教

 そうです、著者もそのように考えているのです。
稲作漁撈民は、インドネシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、
ラオス、カンボジア、マレーシアは、4000年前に、
北方の畑作牧畜民の南下と侵入によって、故郷を追われ、
中国の雲南省、貴州省等の中国南部や東南アジアへと
移動したというのです。

 稲作漁撈民は、日本もそうです。著者によると、中国からの
ボートピープルではないか というのです。

 同じように、台湾や中国の沿海州のオロチョン族、ツングース族、
中国東北部の朝鮮族、満州族、そしてモンゴルやチベットの
少数民族もそうだ というのです。 そして南太平洋の島々の人達も。
また、南米のいくつかの国々も。

 著者がいうのには、自然を崇拝するアニミズムグループを形成し、
そしてその考えを世界に適用していき、実践していく という
主張だと思います。

 たしかに、著者のいうように、中国の河川は汚れていて
それが日本海に流れ込み、日本海の天然資源に影響を与えると
著者は危惧しているのです。漂着物は、いまでも日本海沿岸に
きているのです。空中では、黄砂がやってきます。

 著者は、中国、台湾、韓国、インドと日本が強力な連携をして
自然を守るという観点から、中国をはじめ各国の砂漠地帯への植林、
河川の浄化、飲料水の確保、等を行って、自然のサイクルを
生かす方策を考え、実施していかなくてはならない時期だ と
いっているのです。

 でないと、中国は、その性格から本土から逃げ出し、
日本のような快適な地を求めて動き出す というのです。
(そういえば、離島の土地を中国人が買っているという
報道を目にしたことがありました。)

 いろんなブログを参照していますと、今回の経済危機を
打開するためには、
■1 第三次世界大戦を行う
■2 新しい世界秩序が席巻する
しかないという意見もあります。しかし、私達は、いかなる
戦争も認める訳はできません。

 中国とアメリカの争いになることも止めなければなりません。
中国だって、共産党がいつまでもつか、また、アメリカは、
もう世界のリーダではなくなっています。世界が新たな
秩序を求めているのです。新自由主義でもなく、共産主義
でもなく。

 この本は、過去の人類の歴史と宗教について、深い洞察が
感じられます。このようなことは、学校では教えてくれません
ので、一度、読まれることをお勧めします。世界観が変わる
と思います。

 専門的ではあり、難しい用語もでてきますが、高校生以上
の方でしたら、読めると思います。これから、世界で活躍する
若い方々に、読んでもらいたい本です。

(1月17日)


一神教の闇





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年01月17日 11時14分47秒
コメント(0) | コメントを書く
[心] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

サイド自由欄

さかえの選書















プロフィール

さ か え

さ か え

コメント新着

坂東太郎G @ 小泉武夫 今回こちらのtitleです。 もしよろしかっ…
背番号のないエース0829 @ 第二次世界大戦 映画〈ジョジョ・ラビット〉に上記の内容…
さ か え @ 「属国・日本論」の序章となった本 「決然たる政治学への道」(JANコード:9…
さ か え @ 湯武放伐論 2 P76の「湯武放伐論」についてです。「四書…
さ か え @ 湯武放伐論 1 4月22日の20km警戒区域指定から1ヶ月がた…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: