最近やたらと来年度の税制改正の話題が日経新聞をはじめとした一般紙のメディアの一角をにぎわせています。
私も今でこそこの業界にいますから注意深くその漏れ伝わってくる情報を固唾を呑んで見守るようになりましたが、それ以前は全く興味がありませんでした。
危機的だと思うのは魂なき増税に「ふーん、苦しくなるね」と中途半端な納得をする姿勢。日本人は確定申告時など納めるときにしか税に対して不平・不満をもつことがないようです。いや、不平・不満はないのでしょう。増税路線に対して具体的な形でNOをつきつけたことがありませんから。税負担が重くなるといっても文句をいうという手段にたどり着くことができない国民なのかもしれません。
何故そのような税に興味のない国民になってしまったのか。やはり年末調整があるからでしょう。年末調整によって確定申告をすることもなく課税手続きは終了してしまう日本人は五千万人くらいでしょうか。自分がいくら税負担しているのかすら知ろうとしない。源泉徴収票には書いてあるけれどももらってもそのまま右から左へ片付けられる。年末調整の還付金はお上からもらった恩恵だと思っている。
為政者からするとこんなに便利な制度はないでしょう。一番苦慮すべき税の徴収が国民の半分以上の無関心のエリアに置くことができるのですから。
このような体制が税を金の成る木のごとく湯水のように使う政治にしていったのでしょう。為政者にとって威厳を保つ一番手っ取り早い手段は予算をつけて民間にばら撒くことですから。やはりもっと国民が税に関心を持ち、間違っていることは間違っていると言える社会にしていかないといずれこの国は政府そのものの存在によってつぶれていくような気がします。
今年もその国民の無関心の大きな原因となっている年末調整の時期がやってきました。毎年、フクザツな気分にさせられます。
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