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この前図書館に行ったら、エレベーターの脇の目立つ棚に「歴史と民俗」という雑誌の最新号が置いてあった。そんなものをうっかり手に取ってしまった時点でもうかなりあやしいのだが、パラパラとめくってみると、「オーラル・ヒストリーの可能性―満州移民体験を中心に(中村政則)」という記事があったので、もっとあやしいことに借りてきてしまった。「歴史苦手」とか、「オーラル怖い」とか常日頃言っているさくさく堂とは思えない。とうとう心を入れ替えたか!前半は、満蒙開拓青少年義勇隊関連の聞き取りの記録。南洋の戦争体験談では伝染病との闘いがメインになったりするが、満州は寒さとの闘いである。満蒙開拓青少年義勇隊は、当時はもちろん美談だったはずだが、内実は壮絶で、気がふれた人の話や、お互い自決し合う(首を切ってあげたりするんです)話など、読むに耐えない壮絶な話が続く。これが仕事で回ってきたら、怖くて泣く。「「なぜオーラル・ヒストリーなのか」。私はひとことでいって、「面白いから」の一語に尽きると思う」(p76)ぞくりとする文である。「口述記録は信用できない」とは歴史家が必ず言うセリフだが、文献資料に間違いがたくさんあることも歴史家たちはよく知っている。両方が補完し合う役目を果たすだろうと著者は言っている。テクニカルな問題として、いかに口述記録を文章にするかについて、著者は「聞き手が話し手の語りを、地の文に挿入する方法」(p82)がよいとしている。雑誌のインタビューなどでもよく見る手法である。その点で著者は、歴史家は文章家にならねばならないと考えているようだ。テープ起こし者の手法は、「語りを忠実に再現する方法」(p82)だが、テープ起こし者だって、もちろん文章家にならねばならないのだ。その点は、多くの歴史家と意見が分かれるところだろう。最後にもう一つ。「オーラル・ヒストリーは、今後、ますます隆盛に向かうであろう。ジェンダー史、子ども・老人の歴史、病気の社会史、戦争と記憶、植民地史・辺境史などのテーマは、口述資料をぬきに描くことはできない」(p84)とある。将来はブログ研究が出てきそうだが、しばらくは口述による歴史の記録は増えそうである。 ----もう一つテクニカルな話だが、歴史家自身は「史料」という表記に関して大変慎重である。こういう文章を読むと、それがよくわかる。
2006年10月25日
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「在宅事務募集」という業者メールがきたので、ちょっと読んでみた。チャットボーイ募集というもの。だから、私は男じゃないってば。「チャットボーイ」「チャットレディ」という言葉は、最近知った。途中に、 セキュリティー対策は万全の安システムってあったけど、セキュリティー対策万全のやすシステム?不安なシステムだなあ。(大笑)「安全システム」か「安心システム」の打ち間違いだと思う。ついでに、「詳細はHPにて」とあるのに、、どこにもURLが書いてない。おーい、大丈夫かー。
2006年10月25日
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NHKネタでいつまでも引っ張るのはやめよう(笑)。「在宅ワーク」というくくりは、実は在宅ワーカーたちはあまり使わない言葉なんですね。だいたい「なんの仕事してるんですか」って聞かれたときに、「在宅ワーク」って答える人いないだろうし。自宅で働く人には、正社員の人もいるし、派遣社員の人もいるし、社長もいるし、個人事業主もいるし、アルバイトもいます。もちろん業種もさまざまです。「正社員」「派遣社員」「在宅ワーク」というくくりだと、前者二つは雇用の分類ですが、在宅ワークはワークスタイルの分類で、対立概念になり得ません。なんつーか、「在宅ワーク」って一口で言ってもさー、中身は人によって全然違うのよ、と思うわけですな。派遣社員は、派遣社員という立場である限り、地位や給与はほとんど変わりません。通常在宅ワークと呼ばれる仕事は、外部スタッフに任せても支障がなく、できれば機械にでもやってもらったほうが効率がいいんだけれど、微妙なテクニックが必要で機械化できない、でも短調でつらい仕事であることが多いです。そういう仕事の単価は、大抵派遣業務よりも低いです。いわゆる内職商法詐欺の引っ掛けは、在宅でバリバリ稼いでいる(架空の)人物のすてきなライフスタイルを餌にしていることがあります。ところが始めてみると、時給換算で100円、200円の仕事がくる。「こんなはずじゃなかった」って誰だって思いますよね。在宅ワークのほうが派遣よりも最初は収入が低いし、仕事は地味だし、挫折者も圧倒的に多いと思います。そんな中で生き残って派遣社員並み、正社員並みに稼いでいるだろう人たちを並べてみると、一つの共通点がありました。皆さん、外に出ていますね。主な業務は自宅でやりますが、打ち合わせに出ることをいとわない。テープ起こしに限りますが、例えば録音テープの発送が間に合わないとき、「じゃ、これからとりに伺います」と出掛ける。録音に出る。必要なものはすぐ買いに出る。オフ会の幹事をやる。いろいろですが、とにかく自宅から出ることが多い。どうも「在宅ワーカー」というイメージがない人ばかりです。そうか、だから、「在宅ワーク」って言葉がピンとこないんですね。
2006年10月24日
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【ワーキングプア】一人あるいは複数がフルタイムで働いているか、働く準備があるにもかかわらず、最低限度の生活水準(生活保護レベル)を保てない収入の世帯。生活保護の対象となる年収は220万だと思っていたんですが、はっきり書いてあるサイトが少ないんですね。えっと、地域で違うんでしょうか。とりあえず低めに、年収200万としておきますね。1日7時間で月に20日間、年間240日働いたとしますと、時給1200円程度いただかないと生活保護レベルになっちゃうんですよ。(生活保護は年収だけじゃなくて、ほかにもいろいろ審査があると思います)時給1200円以下で働いている方って、た~~~~~~くさんいますよね。親元でアルバイトしている学生さんや、「扶養控除枠内で働きたいの」という主婦層は、よもや自分がワーキングプアだとは思っていらっしゃらないでしょうが、統計上には出てこないワーキングプア予備軍なんですよね。なんか愕然としますねえ。世帯収入をどう考えるか、つまり家族のあり方というのも曲がり角にきていますが、最近「いじめによる児童生徒の自殺者は7年連続0人」という統計が問題視されていますが、ワーキングプア人口の統計なんかも低めに算定されやすい数字だと思います。いままでは、お父さんの収入に家族を養うための手当てや優遇制度が上乗せされていたことと、アルバイトやパートの低賃金がセットだったと思うんです。サラリーマンの手当てはどんどん廃止されていますが、その分アルバイトやパートが高給になったわけではありません。前回「パートタイム型派遣」の話をしました。この話、私はちょっと引っ掛かりを感じていたんです。派遣社員というのは正社員よりは低賃金ですが、生活保護レベルよりは上を想定している時給だと思うんです。そこに「パートタイム型で扶養の範囲で働きたいの」という人が参入してくるということは、労働時間か労働単価のどちらかを抑えて調整することになりますよね。これは、時給が下がる方向の壁が低くなったことを意味するんじゃないかと私は感じました。
2006年10月23日
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たまたまテレビをつけたら、NHKの「家計診断」という番組で、在宅ワークとパートタイム型派遣の紹介をしていました。在宅ワークのお宅訪問~で出てきたのは、在宅ワーク界では超有名人さん。あらー、そういえばブログに、取材がどうたらこうたらって書いてあったような。労働の紹介自体は短い時間なので物足りない感じはしましたが、メリット・デメリットを両方説明して、無難にまとまっていました。それを聞いた上で、「お悩み家族」という一般参加の方3人が、全員パートタイム型派遣のほうを選んだのにびっくり。「やっぱり外に出たい」「社会とつながっていたい」「こっちのほうが安定した収入のような気がする」とのこと。「在宅ワーク」=「低所得」「過酷な労働」「不安定な収入」というイメージは定着したのかな?収入についてはちょうど書きたいネタがあるので近いうちに書こうと思っていますが、私の中では「低所得」という感覚は減ってきています。今年の年収は,10月分までざっと記帳したのですが、ちょっと増収の予定です。
2006年10月21日
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昨日の続き。昨日の原稿はもう一次納品してチームの校閲待ちだけど、またしてもネットをうろうろしていたら、もう一つ裏取りができたので原稿を差し替えておこう。裏を取ったところは、「●月に行われたシンポジウム」というところで、納品してからも未練がましく昨日の続きをしていたら、「あら、日付違うじゃない」ということが判明。今回の原稿とは直接関係ないけれど、リンクをたどって行き着いたサイトをご紹介しよう。水商売ウォッチング「確かに水道水っておいしくないし、カビとか入ってるんでしょ?でも、浄水器ってたくさんあって、説明書き読んでもよくわからないし、ピンキリよね」と思ったことがない人はいるか?もちろんここに書かれていることが正しいかどうかの基礎的な理科の知識がおぼつかないのではあるが、でも科学的なようだけど小難しい効用の説明を読んで、「結局なんのことやらわからない」というモヤモヤッとした不快感は一掃される。少なくとも、反対の意見を両方知っておくことはいいことだと思うし、片方の意見しか見えない状態というのはよくないことだと思う。言っておくが、これは今回の仕事で検索をかけたところからリンクが張ってあったサイトで、決してこれを読むことが今回の原稿のプラスになるわけではない。早く仕事に戻れ!
2006年10月20日
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先日の録音で、「Aさんとは先日mixiで議論したんですが」というフレーズがあったので、ごそごそと検索しておりましたら該当箇所を見つけました。私自身は、mixi日記は非公開にしておりまして、なんかお恥ずかしい。ごめんなさい、私は非常に階層的な思考保持者なので、公開度合いが違うブログを複数所持しているのは居心地がいいのです。それで、その議論の中身ですが、若手のバリバリの研究者同士の話ですからよくわからないわけですが、屁理屈でたたみ込むタイプとは違う聡明さが文章から漂ってきて、爽快感があります。なんか楽しいなあ。そんなこんなで、今日は研究者のブログなどをうろついてしまい、仕事なんだか仕事サボってるんだか。
2006年10月19日
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オフラインの会合で話題になることの一つに、「自分(あなた)はどのくらいまずい原稿を見たか」というものがあります。一般論として、「個人事業主として独立するスキルがない段階で、独立開業している人がいる」という話があります。テープ起こしは、とにかく参入障壁が低いのです。・[夫の]パソコン・[夫の]メールアドレス・買ったときにプレインストールされていたワードはい、これで日本語がわかる人なら誰でもテープ起こしができます。日本語がわかって、パソコンスキルがあれば、誰にでもテープ起こしはできます。それは間違いありません。ただ、それが職業として報酬をもらえるレベルなのかどうかというところが違うのです。その尺度は?ここが非常にグレーなので、みんな尺度が欲しいんです。テープ起こしをやって、報酬をもらっている自分でも、「みんなが言うほど、そんなにひどい原稿というものは存在するのか」「いったい何がどのぐらい違うものか」ということがわからない。「自分自身が、そのヤバイほうの部類だったらどうしよう」という不安があります。だから、オフ会では、「自分(あなた)はどのくらいまずい原稿を見たか」という話題が出るのです。そういう噂話で、「自分で聞き直したら、100個の聴取不能箇所が全部埋められた。たぶん聞き直ししていなかったんだと思う」「『公文書学会』って入ってて、検索していればヒットしないから、そんな組織がないことなんてすぐわかるし、そもそも公文書を研究する学会なんておかしいと思わないってことは、文章の意味がわかってないんだよね」「10.5ポイントでMS明朝の指定だったのに、12ポイントでMSゴシックで納品してきた」「全角スペースの字下げが、途中からインデントになってる人もたくさんいるよね」という話を聞いて、「よかった。私はそんなにひどくないわ」「あれー、それ私も間違ったことある」「なんの話をしているのかわかりませーん。ってことは、私もヤバイ!」と、安堵したり、冷や汗をかいたりしていくわけです。それはそれで必要なことです。他人が駄目出ししたところから、今後の自分のチェック項目ができてくるからです。「聞こえない部分は、何度も聞き直さないといけない」「文脈がつながっていない単語は、たとえそう聞こえたとしても、裏取りできなければ漢字表記してはいけない」「フォントの種類やサイズ、字下げの設定は事前にチェックする」でも、これらのことは必要最低限のこと、という気がします。こういう話だけで終わってしまってはいけない。自分よりスキルの低いワーカーは必ずいます。「とんでもワーカー」「困ったちゃんワーカー」というのは必ずいるんです。(これに関しては別日記でアップします) そこと比べて、「わー、私のほうがずっとちゃんとしている」と安心しても、しょうがないでしょう。「じゃ、いったいどんなすごい原稿が世の中にあるのか」、これも見てみたいですね。それは、決してオフ会ではわからないことです。実際に仕事の場で原稿を読ませてもらうしかない。そういう先につながるきっかけになるかもしれないのも、オフラインの良さです。(ちなみに、噂話といっても、特定の団体名や個人名を出して話すことは稀です。だから結構わかりにくい話になることが多い)
2006年10月16日
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2日前に、「あさって東京に行きます」という連絡が入り、急遽オフ会開催。ネットのやりとりはかなりしているけれど、なかなかお会いできない人だったので、一も二もなく、「行きます」。実は三日前ぐらいに、その方の家を訪ねる夢を見たのでした。うーん、予知夢?こういう好機は逃さないタイプです。もう一人、こういう好機を逃さないタイプにも声を掛けましたら、30分しか滞在できないのに、ちゃんと顔を出していきました。ほらやっぱり。だいたい最近のオフ会は、「何月何日に●▲に行きますので、ご用とお急ぎでない方はランチを付き合ってください」というかたちが多いです。私自身も1回やったことがある。お呼び立てする本人のほうはちょっと気兼ねするんだけど、これが一番楽ちんです。異業種の方も入って、楽しかったです。話題になったことで少し書きたいことがあるけど、別日記にしますね。季節の変わり目で、9月ぐらいから体調を崩しています。医者に、「出掛けたりすると、夜まで体力が持たないんです」って言ったら、「そりゃ、食べないから体力が落ちてるんだから当然でしょう。ちゃんと自分の体力を考えて生活してください」ってあっさりかわされました。この医者、嫌いです。だって、わかってること言うんだもん。
2006年10月12日
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街道をゆく40 『台湾紀行』司馬遼太郎著 朝日新聞社ちょっと長くなるが、引用する。----「きょうは、蒋経国の命日です」 と、この人はいった。笑顔だったが、感情がさしのぼって、目もとが赤くなっていた。 私は、鈍感だった。蔡さんはひとの命日までおぼえている、と思っただけけだった。 が、意味がふかかった。蒋経国は、すでにふれたように、蒋介石の子で、“蒋王朝”の最後のひとである。糖尿病が悪化し、1988年1月13日に亡くなった。 蔡焜燦氏は、私の鈍感のために、もうひとこと付け加えざるをえなかった。「台湾人の李登輝さんが総統になった日でもあります」 副総統だった台湾人出身の李登輝氏が、規定によって即日総統になった。革命以上の事態だった。 台湾人が“少数民族”でなくなった日ともいえる。抑圧は消えた。以後、5年になる。蔡焜燦氏が“命日”ということばに託した感慨なのである。蔡さんたちの文化は、寓意を好むのである。(p412)----だいたい私がこんな本を読んでいることが疑わしいが(笑)、例えば「聞き取りのコツを教えてください」という質問があったとして、それの答えは、「その話題に対して知識があること」しかない。再生機器やヘッドホンを替えることによって音質を変える工夫は、当然のこととして必要だが、音が悪かろうが知識のある人の原稿が勝つに決まっている。インタビューで「キョウハショウケイコクノメイニチデス」と聞こえれば、「キョウ」は「きょう」にするか「今日」にするか、「ショウケイコク」は「蒋経国」という字だ、テンとマルはどこに挿入する、ということが決まれば、日本語の文章にはなる。けれどもその言葉の意味は、「台湾の台湾人による政権が革命などの争い事もなく実現された」という感慨である。オランダ、日本、中華民国という名の同朋によって統治され続けた歴史、先住民と大陸から渡ってきた中国系移民との歴史を知っているかいないかによって、言葉の重みが変わってくる。言葉の重みまで受け止めたい。受け止めた原稿をつくりたい。でも、一つのジャンルだけをやり続けるわけにはいかない。あるジャンルの研究者になりたいわけではない。もっかのジレンマである。
2006年10月06日
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