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2026/04/20
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アメリカのドナルド・トランプ大統領と、イタリアのジョルジャ・メローニ首相の間に、かつてない亀裂が生じている。これまで欧州で最も親米的な右派指導者と目されてきたメローニ氏が、トランプ氏の姿勢を公然と批判し始めたのだ。

発端は2026年4月12日、トランプ大統領が自身のSNSに投稿したローマ教皇レオ14世への厳しい非難だった。トランプ氏は、教皇が米・イスラエルによる対イラン軍事行動を「非人道的」と批判したことを受け、「犯罪に弱腰」「核問題に甘い」などと痛烈に攻撃。教皇を「米国の大統領を批判する資格はない」とまで書き連ねた。

これに対し、メローニ首相は即座に反応した。
「トランプ大統領の発言は容認できない。教皇はカトリック教会の長として、平和を訴え、あらゆる戦争を非難するのは当然のことだ」と声明を出し、明確にトランプ氏を牽制した。

カトリックを国教とするイタリアでは、教皇への敬意は国民感情の根幹にある。メローニ氏自身もカトリック信者として、国内世論を無視できなかった形だ。トランプ氏はこれにさらに反発。イタリア紙『コリエレ・デラ・セラ』のインタビューで「彼女は私が思っていたような勇気ある人物ではなかった。実に残念だ」とメローニ氏を名指しで批判し、両者の温度差は一気に表面化した。
メローニ首相の「反撃」は教皇擁護だけにとどまらない。

彼女は米・イスラエルによるイラン攻撃自体を「国際法の枠外」と位置づけ、イタリアの軍事参加を明確に拒否した。ホルムズ海峡での海上封鎖への協力、イタリア国内の米軍基地使用許可——いずれも「参加しないし、するつもりもない」と断言。民間人、特に子どもたちへの被害を強く憂慮する姿勢も示している。

さらに踏み込んだのが、イスラエルとの防衛協力協定の一時停止だ。長年続いてきた軍事装備交換や共同訓練の枠組みを、2026年4月14日に凍結すると発表した。これは右派政権下のイタリアとしては異例の決断であり、対イスラエル政策の転換を象徴している。

メローニ氏は「イランが核兵器を持つことは絶対に容認できない」との原則は崩さない。しかし、軍事力による体制崩壊や内戦への直接介入は避け、停戦交渉と外交努力を優先する現実路線を貫いている。4月上旬にはサウジアラビア、カタール、UAEを歴訪し、エネルギー供給の安定化を図るなど、国家利益を最優先に中東外交を展開。イタリアは湾岸諸国からの石油・ガス輸入に大きく依存しており、紛争長期化による国内経済への打撃を最小限に抑える狙いも透けて見える。



イタリア国内ではメローニ首相を「地中海の鉄の女」と呼ぶ一方で、「イタリアのマンマ(母)」という親しみのある愛称も根強い。遠い中東の紛争に自国の若者や税金を投じるより、まずは国内のエネルギー価格高騰、物価上昇、移民問題、少子化対策に全力を注ぐべき——そんな現実的な「母親目線」の政治が、彼女の支持基盤を支えているようだ。

トランプ氏との蜜月関係に黄色信号が灯った今、メローニ首相は欧州右派の中で独自の道を歩み始めている。
「私は私の国をまず守る」。その一言に、彼女の覚悟が凝縮されている。


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Last updated  2026/04/20 02:13:56 PM
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