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サリィ斉藤

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カテゴリ: お気に入りの話
渋谷に、「オ・タン・ジャディス」という小さなカフェがあります。いや、何十種類もバリエーションがあるクレープをいただくお店なので、今風に言えば「クレープリー」と言った方が正しいのでしょうか。

私が、友達に連れられて初めてこの店に入ったのは、もう二十年前のことになります。
(今、自分で計算してみて、我ながら愕然としてしまいました)

当時の渋谷は、まだセンター街もそんなに殺伐としていませんでした。
DCブランドブームに踊らされた中高生(その頃の私です)が、バーゲンの時期になるとお小遣いを握り締めてマルイやパルコに行ったり、 ちらほらと出来始めたミニシアターに、「ぴあ」で見つけた面白そうな映画を見に行ったり…
制服を脱いで、ちょっと「大人っぽい時間」を過ごすにはとても快適な街でした。

試験休みで遊びに出かけたある日、友達から
「すごく素敵な喫茶店を見つけたんだけど、サリィだけに教えてあげる。ほかの子は連れて来ないからね。内緒だよ」
と言って、教えてもらったのがこのお店でした。


緑の多い、閑静な一角にあるレンガ作りの建物、半地下にあって中庭から光が明るく差し込む店内、あまりの可愛らしさに、まるで別世界に来たような感じがしたものです。
階上にある、輸入物の手芸用品を数多く揃えた雑貨店も、独特の雰囲気があって素敵なのです。


オ・タン・ジャディス
中庭に面した
窓際の席がお気に入り。



「内緒だよ」…と、私を連れてきてくれた同級生とは、いつの間にか疎遠になってしまいましたが、その後も何十回となくこの店には足を運びました。
夫とも、独身時代のデートから結婚後まで、映画を見た帰りによくお茶しに行ったものです。

余談ですが、豊川悦司さんが聾の青年画家を演じて話題になった「愛していると言ってくれ」というドラマで、この店が登場したことがありました。そのときは、テレビの前で大騒ぎしてしまいました。絶対、今度はトヨエツが座った場所に座ろう、と(笑)

先日、帰省の際に女友達とランチをすることになり、久しぶりに足を運んでみました。
東京は、移り変わりの激しい街。私のように、地方在住でたまに出かける身になると、訪れるたびに思い出の多い場所が無くなっている現実に驚かされます。

本当は、ドキドキしながら出かけたのですが、大丈夫でした。オ・タン・ジャディスは健在でした。
クレープの味も、店内に流れるゆったりとした空気も、何も変わっていなくて、いつものお気に入りの席で思う存分、おしゃべりをすることが出来ました。

変わらないでいてくれる場所の温かさ。まるで、「お帰り」と言ってくれているような。
「オ・タン・ジャディス」Au Temps Jadisという店名は、フランス語で『懐かしいくつろぎの時間』の意味だとか。


ラタトゥイユのクレープ
この日のランチメニューは
ラタトゥイユのクレープでした。



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最終更新日  2005.06.27 00:21:57
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