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カテゴリ: 今日のつぶやき
昨日、早朝のニュースで「小泉首相、今日靖国参拝?」という第一報が流れたと思ったら、10時からのTV番組は各局、靖国神社からの中継特別番組に変更。

「あっ、ポケットに手を入れました、お賽銭を投げたようです!」

…なんて、冗談としか思えないような実況中継のもと、首相の参拝はあっという間に終わり、黒塗りの車で去っていかれました。

実は私、大学生の頃ずっと、九段にある教育系の出版社でアルバイトをしていました。
事務手伝いの雑用係みたいなものでしたが、多いときには週に3日か4日、九段下の駅から坂を上ったところにある仕事場に出勤していて、靖国神社の前をいつも通り過ぎていたのです。

そんなこともあって、TVで靖国神社が映ると、報じられている問題の深刻さとは別の次元で
(あ、懐かしいな)
と感じている自分がいます。

千鳥ケ淵の石垣や、九段会館の古い建物、長い長い九段坂をマラソンさせられている九段高校の生徒たち、それを見守る大山巌の銅像…

そんな、二十年近い昔に飽きるほど眺めた風景が、次々に思い出されるのです。



千鳥ケ淵の春


でも、実際に靖国神社の境内に足を踏み入れたことは、覚えている限りではただ1度、バイト仲間とお花見に行ってみただけ。
お参りもしないで、桜だけ見て帰ったような気がします。

当時の私は、靖国神社の成り立ちや歴史についてはほとんど知識がなく、ただ漠然と、自分には無縁の場所だし、「素人が近づいちゃいけない」ところ、と思っていたのでしょう。

今年の夏、話題になったちくま新書の 「靖国問題」 を読みました。
「靖国問題とはどのような問題であるのか、どのような筋道で考えて行けばよいのかを論理的に明らかにする」ということを主題に掲げた本で、読んでおいてよかった、と思わせてくれた一冊でした。

それにしても、靖国神社というのは本当に、様々な考え方を持つ人々の想いや思惑を激突させる場所としてあるのだなぁ、と、今日の報道などを見ていて実感します。
中国と韓国との関係だけが問題のすべてではないんだ、ということは、もっとちゃんと取り上げられないといけないと思うのですが。

ところで、九段周辺に思い出の多い私が、もう一冊とっても面白く読んだのが、坪内祐三「 靖国 」。新潮文庫から出ています。



靖国

江戸末期から、明治維新を経て昭和にいたるまで、豊富な写真や図版とともに、九段坂界隈がどんな空間だったのか、全然知らなかった史実が次々に登場します。
明治時代、靖国神社の例大祭で最大の人気イベントは、なんと敷地内で行われた「競馬」だったんですよ。ご存知でした?

この本の目次には、

*第二章 大村益次郎はなぜその場所を選んだのか
*第三章 嘉仁親王は靖国神社がお好き

*第十章 力道山の奉納プロレス

…などという文字が並んでいます。興味をそそられた方、おすすめですよ。





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最終更新日  2005.10.18 12:18:30
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