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サリィ斉藤

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カテゴリ: 映画の話
渋谷のミニシアターで大人気というこの映画、こんな地方の小さな町ではまず公開されないだろう…と思っていたら、突然、隣町のシネコンで上映されることがわかり、大喜びで出かけて来ました。

私を迎えにきたのは、若くて美しい男。彼は、父の恋人だった・・・・

タイトルの「メゾン・ド・ヒミコ」とは、海岸沿いに建つ、ゲイ専用の老人ホームの名前です。
主人公の沙織(柴咲コウ)は、自分と母を捨ててゲイバーのマダム「ヒミコ」となり、今は引退してそのホームを経営している父親が、癌で余命いくばくもないことを、父の若い恋人(オダギリジョー)から知らされる。そこから物語が始まっていきます。

監督・犬童一心、脚本・渡辺あやというのは、 「ジョゼと虎と魚たち」 のコンビ。

「ジョゼ…」では、「障害者と健常者」という、立場を異にする二人の恋が描かれました。
この映画でも、「同性愛者と異性愛者」「若者と老人」「男と女」…と、様々な面で“違っている”人々が、お互いの垣根を乗り越えようとしたり、乗り越えられなかったりする。
そんなひと夏の物語が、静かに描かれます。

『メゾン・ド・ヒミコ』オフィシャル・ブック


柴咲コウって、きれいな女優さんなのに、なぜかいっつも仏頂面で、上目使いに誰かを睨みつけているような印象ばかりが強いのですが、この映画でも、彼女の「ふくれっ面と強い目」の魅力が最大限に発揮されています。


スラリとした腰回りを際立たせるパンツ(下着の方ではありません、念のため)が本当によく似合っていて。最近の若い男の子の、ダボダボ・ズルズルの「腰ばき」を全滅させたいと思っている私にとっては、我が意を得たりという感じ(笑)
役柄にピッタリのスタイリングでした。

物語のキーパーソンとなる「ヒミコ」を演じているのは、「たそがれ清兵衛」の名演で有名になった、舞踏家の田中泯。
化粧も整形もしていないのに、立ち姿で「伝説のマダム」だったことを観る側に納得させてしまう。素晴らしかったです。

個人的には、ストーリー展開の中で「それはちょっとあり得ないんじゃ…」と引いてしまった部分もあったのですが、この「ヒミコ」を巡る物語はこうして終わっていくのかなぁ…と思った最後に、何とも言えずグッとくるラストシーンが用意されていて、あぁ観てよかったなぁと思えた作品でした。

たとえ家族でも恋人でも、人間は、一人ひとりが別々の存在であることに代りはありません。
どんなに親しい間柄でも、隣の人との間には垣根がある。
それでも、わかりあいたいと思うこと、つながりを持つということ、そばにいるということ。
その困難さと喜びの双方を、しみじみと実感する映画です。
何度も大写しになる、様々な海と空の表情が、胸に沁みました。

公式サイト から壁紙をダウンロードして、今私のPCでは、あの海辺の情景がいつでも見られるようになっています。
サントラ も、なかなかいいんですよ。同じくサイトで聴くことが出来ます)

【オフィシャルフォトブック。スチールは平間至が担当。】
『メゾン・ド・ヒミコ』official photo book





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最終更新日  2005.10.26 17:19:17
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