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カテゴリ: 着物の話
実家の父から封筒が送られてきて、何かと思ったらDVDが入っていました。

ディスクには手書きのマジック文字で「想い出の映像」(!)とタイトルが…

一体何ごと?と思い聞いてみたら、家の整理をした時に、昔撮った8ミリフィルムが大量に出てきたとのこと。
すでに映写機は手元にないため、DVDにダビングする業者を探し、試しにフィルムの一部を出してみた。そうしたら、サービスでもう1枚ディスクを焼いてくれたから、そっちに送ってやった・・・と、そういうことだったらしい。

何が飛び出すやら?と、恐る恐る再生してみましたら、今から35年前(!!)、私が3歳の時の七五三の映像でした。

071008photo1.jpg


横浜の総鎮守、伊勢山皇大神宮にお参りに行った様子が映っています。

境内の石段は大賑わいです。着物姿が多い・・・というのが、第一印象でした。
主役の子ども達はもちろんですが、付き添い役の大人の側も、女性はほぼ100%が着物。

画面を横切る人々の眼鏡が、一様に太い黒縁だったり、男の子が真っ赤なベレー帽をかぶっているところにも、時代を感じます。

071008photo2.jpg



祖母のように、黒羽織をまとった女性の姿は、他にもたくさん映っていました。

大人たちに囲まれ、千歳飴と記念品を両手に持って、アップアップ状態なのが、当時3歳の私であります。

一緒に映像を見ていた夫が「連れてこられた宇宙人か」と爆笑していましたが…

画面の主役である女の子は、慣れないものを着せられ、不自由さと非日常の状況に、完全に思考停止状態に陥っている様子。
大人たちがカメラに笑顔を向けている中、ニコリともしません。
…われながら情けない(苦笑)

映像は、お参りの後、神社のすぐ近くにある祖母の実家を訪ねたところで終わっていました。
死んでしまった人たちが元気だった頃の姿が、たくさん出てきた3分間でした。

動く映像の中に閉じ込められた過去というのは、写真とはまた違うリアリティがあって。

音声も無く、暗い色調の粗い画像でありながら、記憶の中の家族が、そして、幼い自分の目を通して見ていた風景が、様々に呼び起こされました。
それは、一瞬、胸が苦しくなるほどの経験でした。


かしわ手を打つべきところで、パチパチと延々拍手を続ける、悩みなき3歳の私です。
071008photo3.jpg





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最終更新日  2007.10.08 11:19:05
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