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2007.01.23
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カテゴリ: 様々な人



【元泥棒の回顧録6】防犯カメラの死角から侵入――“体験談”から探る防犯対策
2005/11/18

 一見するとガードが堅そうな家でも、どこかしらすきがあるものだ。ガードの堅い家というと、神奈川県のみかん農家が住んでいた、大きな屋敷のことを思い出す。

 正面の門扉と玄関扉には1台ずつ防犯カメラが設置され、真っ黒の番犬が見張っていた。この程度なら珍しくないが、塀を見て仰天した。複雑に折り曲げたバラ線を張り巡らせた高さ2メートル半ぐらいのブロック塀が、敷地を囲っていたのだ。バラ線の高さだけでも50センチはあっただろう。

 通用門がいくつかあったが、下見のときはあえて防犯カメラが設置されている正面の門扉から侵入した。真下と裏が防犯カメラの死角になるので、真下をはうようにして通り抜けた。防犯カメラは見せたほうが威嚇になるとよく聞くが、むしろ隠してしまい、防犯カメラ作動中とでも表示しておくほうが私はいいと思う。カメラがむき出しだと、プロならどこが死角かわかるからだ。

 番犬を手なづけるのはお手の物だ。「よしよし」と頭をなでて、竹輪やソーセージを食べさせ、私のにおいを嗅がせるだけ。2、3回やれば、私を見るなり尻尾を振るようになる。

 下見中にちょうどいい足場を見つけた。ブロック塀の脇の物置だ。かなり高さがあるが、隣の家の雨どいから飛び移れそうだ。下見のルートより隣の家からのほうが人目に付きにくいぞ。

ねずみ小僧顔負けの侵入手口


 侵入手口はねずみ小僧顔負けだ。隣の家の雨どいを上り、雨どいから、例のバラ線をまたいで物置に飛び移った。さらに、物置の脇に通っていた雨どいを伝って、2階の高窓から懸垂のような姿勢で部屋に着地した。入ったとたん、室内犬と出くわした。人懐っこい犬だったので気にせず犯行を続けた。

下見で見つけた物置と隣の家の雨どいを足場にした

 最初に札束を見つけたのは、2階の若夫婦の寝室だ。枕元にあったポーチのなかに、財布と封筒が入っていた。財布に5万~6万円、封筒に20万円。幸先のよいスタートだ。老夫婦は農作業中なので、普段使いの財布が家にあるはずだ。1階の茶の間を探したところ、婦人用と紳士用の財布が、コタツのなかと座布団の下からそれぞれ見つかった。あわせて10万円以上入っていた。床の間に置かれていた100キログラム以上ありそうな大型金庫の中身はあきらめた。大バールのような道具で壊さないと開かないからだ。そんなものを持っていると怪しまれるので、普通は所持していなかった。

 帰りも行きと同じルートをたどった。1階から帰ったほうが楽ではあるが、カギを閉めて帰れないため、犯行に気づかれやすくなる。形跡をできるだけ残さないのが私の美学だ。
泥棒成金.jpg

【元泥棒の回顧録7】留守だと思って侵入したら、引きこもりの男を発見――“体験談”から探る防犯対策
2005/12/19

 住宅侵入盗の8割弱が、住人の不在中に侵入する空き巣だという。住人が居なくなる時間を綿密に下調べして実行するのだが、実は留守ではなかった、という経験もなくはない。印象に残っているのは、いまでいう“引きこもり”の若い男を発見したときのことだ。

 狙いをつけたのは、母親と娘と祖父母の4人暮らしだと勘違いしていた、京都市街の2階建て住宅だ。高い生垣と竹薮に囲まれた、雰囲気のある古い数奇屋づくりのたたずまいだった。

膝をついて室内を移動
 隣家の庭にまず入り、ブロック塀を足場にして生け垣を飛び越えるという方法で、敷地内に入り込んだ。生け垣をかき分けなかったのは、侵入の形跡が残ることを極力避けるようにしていたためだ。衣類についた葉っぱを家の中に落とすリスクも犯したくなかった。

 家のなかには、カギがかかっていなかった母と娘の寝室の欄間から、慎重な動作で侵入した。背中を向けて周囲を見渡し、人目がないことを確認してひょいと欄間に飛びかかり、懸垂で身体を持ち上げる。開口部には、頭ではなく足から少しずつ入っていくのが鉄則だ。室内では靴の上から靴下を履き、膝をついていざるように移動する。視線が低いほうが、万が一住人がいても気づかれにくいうえ、お宝やセンサーなども見つけやすい。


 お宝の隠し場所は、年齢や性別による傾向がある。たとえば、女性はベッドの下、男性は枕の下、高齢者は普段座っている場所の近くに置いていることが多い。この家も概ねそのパターンだった。最初に見つけたのは、母親のベッドの下だ。1万円札が5~6枚、布製の買い物袋のなかの財布に入っていた。

 1階の祖父母の部屋には、敷きっ放しの布団と座布団、ちゃぶ台、茶だんすなどが置かれていた。早速、座布団の脇に置かれた黒いハンドバックのなかから財布が出てきたが、中身は小銭だけだった。「残念、はずれだ」

 続いて、コートを着る季節でもないのに、鴨居にハンガーで吊り下げられた高級な男性用のハーフコートに目をつけた。大事そうに上から風呂敷を掛けている。これは怪しいと思いコートの内ポケットを探ったところ、使い古しの封筒に20万円ほど入っていた。

ドライバーでつっかえ棒を倒して戸を開ける
 2階は中廊下の両側と突き当たりに部屋があった。手前から順に部屋のなかをチェックし、突き当たりの部屋が最後に残った。入り口の引き戸を見ると、「勝手に入るな」とマジックで大きく書かれた画用紙が張ってある。そういわれると逆に入りたくなるのは、泥棒も同じ。ちょっとだけのぞくつもりで、戸に手をかけた。



 戸は開いた。さっと物陰に隠れてのぞき込むと、若い男が入り口に背を向けて床に座っていた。男は振り返ることなく、鼻歌を歌いながらはさみで新聞紙を細かく切り刻み続けている。床には新聞紙の破片が山のように積み重なり、足の踏み場もない。窓はすべてダンボールでふさがれていた。

 「なんだこれは……」

 住人がいたことより、目の前の光景が恐ろしくなった。一目散に逃げ去った。
網入りガラス割り.jpg


【元泥棒の回顧録8】見張りに安心して逃げ遅れ、相棒との別れを決断――“体験談”から探る防犯対策
2006/01/25

 刑務所に初めて入ったのは20歳か21歳のときだ。その前に少年院行きの前科が3回あったので、1年半の実刑判決を受け、罪の重い犯罪者を収容するB級の府中刑務所に送られた。このとき一緒に捕まった相棒は、軽犯罪者用のA級で、通称「名刑」と呼ばれる名古屋刑務所に1年2カ月服役した。私の刑のほうが重いのは、主犯であるうえ、親が身元引き受け人を断ったからだ。

見張りは歩き回りながら
 狙ったのは小田急沿線の住宅地に建つ、大きな2階建て住宅だ。家主が出勤してだれも居なくなった10時半ごろ私が侵入し、相棒が見張り役を務めた。

 見張り役は、近所の人に怪しまれないように振る舞う必要がある。相棒はカツラとちょび髭とだて眼鏡で変装し、一カ所に留まらず歩き回りながら監視した。訪問先を探しているように見せかけるため、近所のどこにだれが住んでいるかもきちんと下調べしていた。

 私は得意の雨どいを足場にして、2階から侵入した。1階の寝室の床の間にカバーをかぶせて置かれている手提げ金庫を見つけ、1万円札が数枚入った封筒と小銭をいただいた。単独での犯行ならこれで退散した。しかし、このときは見張りがいて、下調べで家主は夕方まで帰ってこないと確信していたため、欲を出してさらに探し続けることにした。

電車への乗り換えが失敗に
 そろそろ引き上げようとしていたとき、相棒が玄関からあわてて飛び込んできた。「親父が帰ってきたぜ」と言いに来たのだ。相棒とは、ガラスに石をぶつけて「逃げろ」という合図を送らせる約束をしていたが、それでは間に合わないほどの緊急事態だった。相棒の言いなりに玄関から出たところで、バイクに乗って戻ってきた家主と鉢合わせになった。「おい、何しに来たんだ。どろぼ~!」という家主の声が、近所に響きわたった。

 二人で全速力で走った。途中でタクシーに飛び乗り、2駅先の駅で降りて電車を待った。タバコを吸いながらホームのベンチに座って電車を待っていると、駅の横にパトカーが2台停まっていることに気づいた。私服警官がこちらを見ている。さっきまでホームに居た人たちの姿が見えなくなっていた。

 「逃げよう」と言う相棒に、「面が割れてしまった。もう観念しようぜ」と私は答えた。私服警察がつかつかと近づいて来て、取り押さえられた。

酒と女好きの相棒に愛想をつかす
 いま思うと、なんとお粗末な状況判断だったかと悔やまれる。経験が浅かった。警察から聞いた話では、家主は忘れ物を取りに戻って来たという。どおりで行動が早いわけだ。玄関から逃げたり、電車に乗り換えたりしたのが失敗だった。見張りがいるという安心感も、警戒を緩める原因になった。

 相棒とは、これをきっかけに手を切った。12歳で盗人の道に入り、支え合ってきたかけがえのない親友だったが、「このまま一緒に続けてもまた捕まる」と悟った。自分と違って酒好きで、飲むと時間にルーズになることや、付き合っていた女にすぐ会いに行きたがる点なども、気になり出していた。

 判決後、相棒と別れる前に警察官が二人で話す時間を少しだけくれた。私は「今度、塀の中から出てきたら、お前はまじめな仕事に就いたほうがいいぜ。俺は一人でやっていくから、出て来てもお前を探さないよ」と宣言した。相棒は「そんなこと言うなよ。またやろうぜ」と誘ってきたが、それ以降、二度と二人で組むことはなかった。相棒はその後6~7回、刑務所に入っている。
自転車ロック.jpg

どのようにこの回顧録を読んでも明るくならない・・・防犯の勉強にはなるが・・・

こうなったら最後まで紹介します。










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Last updated  2007.01.23 23:35:11 コメントを書く
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北の俳人 @ Re:サクラ サク ・・・(03/23) こんばんわ どうしてますか? ちょっと…
ikurin917 @ Re:サクラ サク ・・・(03/23) おひさしぶりです!!! なかなか写真だ…
tkmi @ Re:サクラ サク ・・・(03/23) 遅くなりましたが帰ってきました。 桜が…
ぴかリン @ Re:サクラ サク ・・・(03/23) さまざまさん、お元気ですか? 体調を崩…
北の俳人 @ Re:サクラ サク ・・・(03/23) こんにちわ お元気ですか?

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