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2003年10月13日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
新潟空港からようやく我が家に到着したのは、夜10時を過ぎていた。ベットに入ってすぐに寝付けると思ったが睡魔はすぐに襲ってこなかった。天井をみつめながらふと私は、自分のもう一つのラブストーリーを思い出していた。
別に、妻に秘密にするほどのことでもないし過去形の物語だ。現在進行中であれば不倫という烙印を押されるだろう。
もう4年も前の話である。元妻と別れて寂しさと落胆と面白くない日々を過ごしていた時。
仕事帰りに入った。いわゆるパブというお店。「いらしゃいませ」という片言の日本語。こんな家のそばでも外国人のひとが働いているのか。座ったテーブルに、獲物をもとめて女の子たちは精一杯の笑顔と優しさをふりまいていた。たまにはこんなところもいいなと内心おもった。一種の擬似恋愛だ。いかに恋人らしく振舞って、またお店にきてもらうかそれが彼女たちに課せられた職務なのだ。だからもてない訳はないし、お客様がどんなことに興味をもっているのか、いちはやく観察しその話題に興味を示してあげる。あわよくば私も、それをしたいは、こんどぜひ教えてとか連れてってとさりげなく恋人感覚で迫っていくのだ。そしてそんな甲斐あって常連さんになってもらえば、お店でNO1にだってなれるのだ。しかしいかに自然にお客様の心をつかむか。営業用のスマイルやトークだと遊びなれたお客は、しらけるばかりである。お客にあなただけ他はみんなただのお客さんあなたは、特別と思わせなければだめなのだ。それは一種の洗脳にちかいものがある。だから世の奥さんたちから見れば天敵みたいなものだ。しかし擬似恋愛の結果、家庭崩壊などというケースもある。妻の座にいるからといって安泰ではない。
お客は、心の空白をうめるため、お店に通うケースも多い。一人暮らしの老人だったり妻を病気でなくした男だったり,借金で自己破産した男だったり、恋人に振られた男だったり、さまざまな空白を埋めるため男たちは、そんな秘密の花園にかようことになるのだ。

「いらしゃいませ」
何人かの女の子たちがいれかわりたちかわり我がテーブルにもやってきた。何処に住んでいるの?とか、いくつですか?とか、お仕事は?とか、そんなたわいもない会話が最初は続くのだ。
ふと店内を見回す。結構客がはいっているものだ。皆さん奥さんじゃ満足できない。
多分。でお客はお客で、みな独身を演出する。離婚してねとか、恋人にふられてとかなどなど、結局そんなやり取りで好みの女の子をさがすのだ。

「こんばんは」とやってきた。声の調子は、見た感じと違って優しい声だ。
ふうんと思ったが、これが本気モードに入ってしまうとは、自分でもわからなかったのである。けしてうまい演出をする女性ではなかった。その自然さが演出といえばたぶん主演女優賞だろう。擬似恋愛そんなことはわかっている。そうだれでもおもうのだが。
いつしか、二人は、自然と話をするようになっていた。おそらくロマンチックじやない話。心臓病のはなし、彼女の見せてくれた日本の病院の診断書。体の弱い彼女にとって夜の仕事は、大変である。同情ではなく、どこか同じ視点で物事を見つめる彼女にどんどんひかれていった。でも心の片隅には、これも彼女の高等な演出なのかもしれないとおもったりもした。ただ、ナニが欲しい、お金頂戴とか、お母さんが病気だとかでお金と言う言葉は、一切でなかった。恥ずかしいよ、お金頂戴なんて、わたしがいつもチップをさしだすと怒ったようにそれをはらいのけた。お金じゃないよ。なに考えてるの。その態度さえ計算された演技なのかと思った。それは、お店とお客という構図のなかでは、完全に払拭しきれないものだろう。もちろんそんなところで知り合い結婚するカップルもいるそして幸せに日本でくらしていたりするのだ。男と女の出会いと別れそれは途方もない謎を秘めたものなのだろう。いつか人は、老いそして死んでいくその中でいったいどんなドラマがまちうけているのだろうか・・・。

「結婚しょう」
私は、その言葉を発していた。
「まだ、わからないよあなたのこと」
と彼女。
確かにそうだ。結構色々な話をしていたが、自分の詳しい話は、ほんのちょつとだけであった。
「それに、わたしまだ働かないと、国に兄弟多いし」
「そうだったね」
自分だけの感情で色々なことを決定できないのだ。






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最終更新日  2003年10月13日 10時18分57秒
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