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高島茂のことなど
東京こけし友の会の機関誌「こけし手帖」のバックナンバーを読んでいると、知られている俳人の名がみえる。
例えば高島茂(一九二〇‐一九九九)。新宿の居酒屋「ぼるが」の経営者で瀧春一の「暖流」同人、西東三鬼や石川桂郎、高橋鏡太郎、寺山修司など多くの俳人・作家との交流でも知られている。
また、ねじめ正也。『高円寺純情商店街』のねじめ正一の父。乾物屋から、こけしなどを扱う民芸品店「ねじめ」を経営したというから、こけしでも本格派である。高島茂の無二の友人でもあった。
ここでは高島茂の句をあげる。(「こけし手帖」三六号、一九六一年七月号)
「雪とこけしと」と題して十二句がここにはあるが、そのなかから数句を紹介する。
雪光に老いてはげしくこけし挽く 高島 茂
妻に似しこけしを怒り描きつゞく
実際に東北のこけし作りを見ているのだろう。ここでは老工の姿。単純な描写ではなく、「はげしく」「怒り」なとと心情を重ねているところは、プロの技である。「暖流」は基本的に有季派だが二句目は無季。
あやめ咲く五平・庄七のこけしにも
こけしマニアというか収集家は特定の工人に執着することが多い。そうなると収集家以外には分らない句となるが、それかマニアの業でもある。
ここでの五平は小松五平。庄七は菅原庄七。〈あやめ咲く〉は、こけしの胴模様のこと。五平は鳴子出身ながら、転々とした後、秋田県の大湯で生涯を閉じた。
そのこけしは古い鳴子の風を残していて愛好者も多い。ここでの「あやめ」はおそらくフィクションだろう。こけしにアヤメを描く工人は多いが、五平のこけしはほとんど菊模様で、アヤメ模様はなくはないが非常に稀である。このあたりも俳句の虚実である。
こけし造りの歳月雪の泉の音も 茂
雪に籠りてこけし造るはさびしからず

画像はヤフオクから 30.3
㎝ 昭和 15
年(仙台 陸奥売店)
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