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こけし工人名鑑 by 松田ひろむ【佐久間俊雄】
佐久間俊雄
(さくま としお) 1948-2002
[ 人物 ]
1948 年 ( 昭和 23 年 )2 月 16 日、福島県福島市早稲町の木地業佐久間芳雄の長男に生まれた。昭和 50 年 28 歳より父の芳雄について木地を習得し、湊屋のこけしを継承してその製作を始めた。昭和 51 年 12 月の〈ばんかき・ 22 〉により俊雄の存在が紹介され、翌昭和 52 年 2 月の〈ばんかき・ 23 〉でその作品が紹介された。名古屋こけし会では翌月の 3 月例会で頒布が行なわれた( KokeshiWiki )。 2002 年 ( 平成 14 年 )55 歳で逝去。
[ 作品 ]
作品の時代変化を①<こけし千夜一夜物語> 249 話、②小川一雄<佐久間俊雄のこけし>(「こけし手帖」 357 号)および、③田宮順一<例会ギャラリー佐久間俊雄年代別の表情の特徴>「こけし手帖」 648 号を統合してみると以下のようになる。(一部表記変更)
こけしは昭和 51
年頃からのものが知られている。
51年は18㎝平塚俊雄所蔵「こけし手帖」546号。51年12月、18㎝目黒一三所蔵(『わたしたちの佐久間俊雄』)がある。
初期、昭和 52 年 のものは「①目が大きくぱっちりとしていて若々しいこけし。」「②まだ眼に湊屋系列の特徴は見られないが、清々しい。鬢が最も長い。」「③鬢が最も長い。ガラス眼」(小川写真 2 阿部弘一蔵)。
昭和 53 年頃 には「①目の湾曲がやや大きくなって笑顔の優しい甘美なこけし。」「②胸にふくらみがある。表情は甘い時期」(小川写真 3 ・ 4 阿部弘一蔵)
昭和 54 年頃 になると「①湊屋の特徴である下瞼の長い目でアルカイックの表情となる。」「②頭は丸みを帯び、前髪は少なく芳雄のように重くない。表情も明るく張りがある。」「③(ピーク期)鬢が短く、つぶし目等表情豊か」(小川写真 5 ・ 6 小川一雄蔵)
昭和 55 年頃 から「①目尻が上がるようになって鋭い表情となる。この傾向はさらに強くなった。」「②髷が中心となる。髷は大きく頭に乗り、飾りの描彩は精緻を極める。眉は吊り上がって、鬢が長くなり下方が開き出した。坊主の頭はこの頃より小さくなる。」「③鬢がまた長くなり、目・眉が吊上がってくる。」(小川写真 7 小川一雄蔵。千夜一夜画像:国府田恵一蔵)
昭和 56 年 「②眼も眉も吊り上がり、眼はもっとも鋭くなった。面描の筆も細い。地蔵型の形が大きく変化する。」「③鬢の下方が開き、目・眉共に最も吊り上がる。」(小川写真 8 小川一雄蔵)
昭和 57 年 「②鬢の下方開きは真っ直ぐになり、髷こけしは見られない。筆も太くなり眼も大きく開き、上方を見つめているかに見える。木地の形態は一層丸みが少なくなる。」「③びんが真直ぐに戻り、目大きく開く。」(小川写真 9 小川一雄蔵)
昭和 58 年頃 からは休業状態になった。」ただし平成元年10月に父佐久間芳雄(1921-1996)木地、俊雄描彩の10.5㎝(小川一雄所蔵)があり、これが最後となった。(「こけし手帖」357号、『わたしたちの佐久間俊雄』)
田宮順一氏は 54 年をピーク期とし、国府田恵一氏は 55 年の笠こけしを掲げて代表作という。
佐久間浅之助、由吉、芳衛、芳雄と続いた湊屋本流。工人としての活動期間は約 6 年と非常に短い。後継者はなく、湊屋直系は絶えた。由吉型、太子型、笠こけし、帽子付、子持ち(孫持ち)などヴァリエーションは多く没後も人気は高い。 三土新明会 では 2015 年 04 月 23 日に「佐久間俊雄の不思議な世界」 として、俊雄のこけしを多数持ちより年代変化について話し合っている。(松田ひろむ)
[ 文献 ]
蒲生穂見<佐久間俊雄のこけし>(名古屋こけし会「木でこ」 116 号) 1983 年 5 月
木犀窓<本物をさぐる‐佐久間俊雄‐>(書肆ひやね「木香往来」 2 号) 1989 年
小川一雄<佐久間俊雄のこけし> ( 「こけし手帖」 357 号 )1990 年
小川一雄<佐久間俊雄初期のこけし> ( 「こけし手帖」 546 号 )2006 年
田中厚志<例会ギャラリー 2 月<佐久間俊雄工人の小寸こけし>(「こけし手帖」 627 号) 2013 年
田宮順一<例会ギャラリー田宮順一による(佐久間俊雄の)年代毎の表情の特徴>(「こけし手帖」 648 号) 2015 年
箕輪新一<本物をさぐる‐俊雄それから‐>「木でこ」 209 号 2015 年 11 月
矢田正生『わたしたちの佐久間俊雄』(こけし小家・木精游房) 2016 年
矢田正生『 わたしたちの佐久間俊雄 』 ( 改訂版 ) (こけし小家・木精游房) 2018 年 (最初期から晩年まで 310 点のこけしを写真掲載。解説を含めもっとも詳しい。ただし昭和 55 年が抜けている。)
大石真人『伝統こけしハンドブック』 ( 緑書店 ) 1981 年
高井佐寿『東北のこけし』(光芸出版) 14 ページ。
[
画像 ] 2019
年 11
月 19
日に 32200
円で落札されたもの。 18
㎝。
(本文の年代変化に従って判断すると昭和 54
年作と思われる。)
(<こけし工人名鑑 by 松田ひろむ>は、『こけし辞典』、 KokeshiWiki に立項されていない工人。また取り上げられていても内容が相当程度異なるもの、あるいは増補した工人を取り上げる。)
こけし工人名鑑by松田ひろむ【今晃】 2019年12月26日