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◎まずは,高校入試レベルの「素数の問題」でウォーミング・アップです。そのあとで,おまけのハイキングのコース決めの基礎コースを学びます。 【問題1】 3599の素数を求めましょう。【1の解説】 マック「何の二乗に近いか,素数はそこからスタートですね!」 60×60=3600 に目をつけます。 3599 =3600-1 =60×60-1×1 =(60+1)(60-1) =61×59 答えは,59と61 40×40=1600 から 1599の素数50×50=2500 から 2499の素数70×70=4900 から 4899の素数も実験しておきましょう。答えは文末にあります。◎次は,中学入試レベルの問題です。【問題2】連続した5つの整数の積が2441880であるとき,これら5つの整数のうち最も小さい整数は□です。【2の解説】5つということは,最小モデルの1×2×3×4×5が必ず含まれるということですね。とりあえず,積を出しておきましょう。1×2×3×4×5=120割ってみたら…2441880÷120=20349この数は素因数分解してみると20349=3×3×7×17×19これに1×2×3×4×5を合わせて2441880=1×2×3×4×5×3×3×7×17×1917と19がうまい具合に見つかりました。大事なヒントですね。2つの数の間の18を探します。2×3×3=18とありました!残りは4×5×3×7です。前後の16か20は見つかりますか?4×5=20その残りから3×7=212441880=17×18×19×20×21答えは17ですね。(2002年の灘中の問題でした。)◎一見ランダムな問題も,ちゃんと規則があるのですね。こういう不思議を体験しておけば,数となかよしになれますね。▽森の学校の”おまけ号”のはじまりです。ハイキングが気になるので,行くつもりになって,プランを立ててみましょう。マック「秋だね。ハイキングに行きたいなー。」サーヤ「今週の土曜日には運動会があるわ。行事で忙しいー。ハイキングはそのあとね。」マック「一筆書きをやっておこう。ハイキングのコースづくりで使えるかもしれないよ。」サーヤ「一筆書きは中学入試問題でも出ていたわね。」マック「道の本数を数えれば,可能・不可能の判定ができる!それを証明したのが,18世紀の偉大な数学者オイラーだ。」サーヤ「みんなも,ノートに図をかいていくといいわね。」マック「まずは四角形をかいてみよう。」サーヤ「はい,かいたわ。」マック「これは当然一筆書きできるね。角の4個の点からみて,道はそれぞれ何本になっている?」サーヤ「2本ずつ。」マック「偶数だね。次は,星をかいてみよう。道と道がぶつかったところを点として,道の数はどうなってる?」サーヤ「点は10個あったわ。内側で,五角形をつくっている点が5つあり,道は4本ずつ。まわりの点も5つあって,道は2本ずつになっている。」マック「全部,道の数は偶数だね。この場合,一筆書きできるんだ。」どれか1個をスタートに決めます。スタートになった点だけは,もし道が2本出ていれば 出て→入って 略して 出→入 となります。もし道が4本出ていれば 出→入→出→入 となります。でも,最後には「入いる」だから,スタート地点に,もどります。ほかの点では道が2本出ていれば 入→出 道が4本出ていれば 入→出→入→出 最後には,必ず「出る」になるので,通過点です。[道路が偶数本だけの場合の結論]道が偶数だけの場合,一筆書きは可能です。しかも,スタート地点がゴール地点と一致(いっち)します。▽マック「道が奇数本の場合の点を考えてみよう。3本の道で考えると,次の2とおりになるね。出→入→出入→出→入これしかない。これをスタートとゴールの1セットにすれば,一筆書きは可能なんだ。」サーヤ「出→入→出は,最後が”出る”だから,これがスタート地点。入→出→入は,最後が”入る”だから,これがゴール地点ね。」マック「ほかの点は道が偶数だから,入→出 の通過点に過ぎない。」サーヤ「奇数になる点が3個以上の場合は,一筆書きは不可能ということ?」マック「そうなるんだ。ゴールが2つ以上あると,一筆書きは不可能だね。」[結論]道の数が奇数本になっている点が3個以上ある場合は,一筆書きは不可能です。サーヤ「ハイキングで使えそうな気がしてきたわ。」マック「いろいろな図をかいて,みんなに問題を出してあげると,おもしろいかも?」サーヤ「学校でやってみよっと。」◇図形のエッセンス9◇9/30 レンズの公式覚えたかい。 10cmのレンズを落としたら,57(こな)ごなだ。 1cmなら,0.57(おこんな)いでね。 (円周率を3.14とする。) ※1日1項目だけ。図形のイメージ訓練です。◎マックの中学数学ノートから--(準備5号)連立1次方程式の続きです。前号の話の中で,気がついた人,いますか?それは,Δ=0のとき です。Δ=0になると,計算できませんね。分母が0になることは,絶対にありませんから。※たとえば, 5÷0 で考えてみましょう。5÷0に答えがあると仮定し,答えを●としますよ。すると●×0=5 が成り立ちます。つまり,「●を0倍すると5」になる●が存在することになります。これは事実と矛盾しますね。すべての実数は0倍しても0ですから。だから,5÷0に答えがあると仮定したのがまちがいのもと。5÷0に答えはありません。話を元に戻します。例として2x+3y=54x+6y=7という連立1方程式を考えてみましょう。ΔをテストするとΔ=2×6-4×3=0なので,これ以上計算できません。グラフを描けば明らかですが,この2本の方程式は,一次関数でもあり,グラフ上では平行な位置関係になるため,永遠に交わらず,交わらないということは,答えがありません。しいて答を書くとすれば 「解なし」 です。2x+3y=54x+6y=10というΔ=0型の連立1方程式は?これは,4x+6y=10 の両辺を2で割れば2x+3y=5 となって,同じ式になるので,2x+3y=5 という1本の式に集約できてしまいます。2x+3y=5 を満たすx,yの組は無数に存在しますね。これは,「解は不定」,「定められない」と答えます。0x=0 (左辺は0かけるxのことです)と同じことが起こっています。中学数学はここまでで,十分でしょう。(答え) 1599は39×41,39=3×13なので, 素数は 3,13,41 2499は49×51,49=7×7,51=3×17なので, 素数は 3,7,17 4899は69×71,69=3×23なので, 素数は 3,23,71
2003.09.30
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◎HPをスタートして,1ヵ月が経ちました。読み返してみて,表現がおかしかったり,説明が不十分であったりで,赤面ものです。でも,マックの書きたいことはまだまだたくさんあります。これからも,算数嫌いのこどもたちが一人でも減るように,書き続けていきたいな,と思っています。こどもたちと算数や数学をいっしょに研究する,そういうスタンスが大切と,マックは常々感じています。こどもたちといっしょにいると,次々と新たな発見ができます。大人ではあたりまえのことが,こどもたちには不思議。そうすると,自分の常識を疑ってみなければいけない,そのように思います。分かっているつもりで,こどもたちに説明できないとしたら,常識をこどもの立場になって見つめ直す。これは,算数・数学に限った話ではありませんが。たとえば,小数を説明する場合,無限級数を使ってあげるとすぐに分かる子もいます。 1 0 60.106 = ── + ─── + ──── 10 100 1000そうすると,分数は,低学年のうちにマスターしておいた方が,合理的と思えるのです。また,20÷0.5 の小数わり算は5年生でやりますが,教科書には20÷0.5=20÷(5÷10) というアルゴリズム(計算のしくみ)が出てきます。これを,こどもたちの何人が本当に理解しているのでしょうか。まだ,??は続きます。教科書の続きです。20÷0.5=20÷(5÷10)=20÷5×10( )の中の「÷」が( )をはずすことによって「×」に変化します。これを,こどもたちにどう説明すればよいのでしょうか。「÷(割る)を2回繰り返すと,×(かける)になる」とは,その本当の意味は,どういうことなのでしょうか。マックの日記で,後日,この問題をとりあげてみたいと思います。こどもたちに分かってもらえる説明とは…。◎今後とりあげてみたいテーマは,計算のしくみ,数の規則,場合の数など。それに,途中になっている剰余系の話も書きたいし,関数やグラフ,ベクトル,一次変換,行列,線形計画法もできれば,と考えています。ゲームの理論も楽しくできないか,と現在研究中です。そのほか,さっき話題にした無限級数や,できれば微分・積分,点集合論からトポロジーも,その世界に少しでも触れておけば,きっと役に立つときがくると思います。マックの塾では,以上のうちのいくつかを,小学生向きにアレンジして教えています。(思考が柔軟な時期なので,実験して発見する作業をいっしょにしてあげると,大人より理解が速いですよ。)何をテーマにしていくか,試行錯誤しながら書いていきます。中学数学ノートも改訂版の編集にあわせて,少しずつ書いていきたいと思います。◎高校数学について一言 現在,マック特製「高校数学ノート(改訂版)」を,娘のカオリンに試用してもらっています。文字のアルゴリズムが多用される方程式や不等式,関数などで考えこむ時期もありましたが,今は手を離れ,自分で問題を解いています。カオリンが分かりにくかったところのサンプルです。│(x-4)(x+2)│<0 や y=│(x-4)(x+2)│は,数字の世界なので理解できます。しかし,│(x-a^2)(x+a)│<0 や y=│(x-a^2)(x+a)│は文字の世界です。はじめは戸惑っていました。これら方程式・不等式・関数は,文字のアルゴリズムに慣れれば,今度は重要な得点源になります。この手の問題は,(1)内生変数と外生変数の区別をし,(2)外生変数で場合分けし,(3)微分・積分に出てくる表を作れば,ほとんどオートマティックに解けてしまいます。そこに気づいてもらうよう,誘導します。数Ⅰの最後に出てくる三角関数は,マックの秘密の技(わざ)で実験し,時間制限30分でカオリンにマスターしてもらいました。これを長くやるから,こどもたちは,いつまでもひとり立ちできないし,退屈になってしまう…そんな感じではないでしょうか。高校数学の理想的なマスターの仕方は,こうです。まずは,1年分の概論を,3ヵ月程度の短期間に集中してすべて教えてしまいます。これで全体的な視野ができます。あとは本人に参考書と問題集で演習してもらい,どうしても分からないところだけ説明してあげる…これで,必要にして十分です。ということで,方程式や関数をやるときには,微分・積分も並行して学んでいくのが,本当は楽なのです。◎さて,きょうも森の学校のはじまりです。今回は,2002年に出題された入試問題をとりあげてみたいと思います。最後の『積の法則』の説明は,中学数学もふくみます。マック「きょうは,修学旅行のふりかえでお休みだね。」サーヤ「ええ,もう疲れはすっかりとれたし。」 マック「よかった。それでは,さっそく一題やってみよう。テーマは,左右対称になっている数。」サーヤ「左右対称っていうと, 11 からスタートして 22 33 …」 マック「そう。3けたの場合は,101 111 121 …,4けたの場合は,1001 1111 1221 …と続くよ。」【問題】左右対称の数字の中で,2002は何番目に出てきますか。また,2002番目の数字は何ですか。(問題文が長文なので,文章は簡略化してあります。)【解説】サーヤ「11 が1番目。22 が2番目だから,2けたのときは,場合の数で1から9までの9とおり!」 マック「さて,次は3けただ。」101 111 121 全部書くと時間がなくなるので1#1で表すと,#に入るのは 0から9までの10とおりです。1#12#2と変化する場合の数は,$#$の$が1から9までの9とおりですね。積の法則あてはめて,10×9=90とおり。サーヤ「次は,4けたね。でも,1##1で,#のところは,3けたのときと同じ10とおりよ。」 マック「いいところに気がついたね。ここまでくると,2002は近い!」9とおり+90とおり+10とおり=109とおりサーヤ「109番目は 1991 でしょ。1991 の次は,いきなり 2002 にとぶから,2002 は110番目!答えにたどりついた,フーッ。」 ☆答え 2002は110番目です。マック「それで,4けたの場合も90とおりって分かったしね。」サーヤ「5けたに行くわよ。」 10001 10101 … → 10#01 → #は10とおり10#01 → 1$#$1 → $も10とおり○$#$1○ → ○は9とおりサーヤ「積の法則あてはめて,10×10×9=900とおり。」 マック「6けたも900とおりだね。」100001 100001 … → 10##01 → #は10とおり10##01 → 1$##$1 → $も10とおり○$##$○ → ○は9とおりサーヤ「これまでのを合計すると,9+90+90+900+900=1989とおりかなり近づいてきたわ。7けたに行きましょ。」1000001 1001001 … → 100#001 → #は10とおり サーヤ「ここまでで,1999とおり。10$0$01に直して考えると次の最初の数は $=1 に進んでいるから1010101 ね。2000番目 → 1010101 このまま続けて,2001番目 → 1011101 2002番目 → 1012101 答えが出たわ。」 ☆答え 2002番目は 1012101 です。マック「やったね。おめでとう。」サーヤ「ところで,これ,どこの問題?」マック「ラサールだよ。2002年にちなんだ出題だね。センスのある,おしゃれな問題だ。」サーヤ「わたし,何とも言えないわ…。」 (注)これから先は,「積の法則」って何?と思った人だけ,読んでおきましょう。 中学生の子も,ですよ。高校入試にも必須の知識です!◎積の法則(小学6年から中学生レベル) 「お見合い」を例にしてみます。 3人の男性と2人の女性がお見合いすることになりました。 何とおりの組み合わせが考えられますか? 男性はAくん,Bくん,Cくん 女性はSさん,Tさん としておきましょう。 Aくんのお見合い相手は SさんとTさんの2とおり。 Bくんのお見合い相手も SさんとTさんの2とおり。 Cくんのお見合い相手も SさんとTさんの2とおり。 合計で6とおりの組み合わせができますね。 これをいちいち数えるのが手間なので, 3×2=6 と一発で計算してしまうのが,「積の法則」です。 もう一度整理しておきます。 Aくんも,Bくんも,Cくんも2とおりずつだから 3×2=6とおり。 ▲×●=■ 「2とおりずつ」が単位量の●,魔女のモニカの●ですね。 それを3人分で,これが魔法のつえの▲です。 サイコロも大きいサイコロと小さいサイコロを一度に投げて出る目の 組み合わせは 大きいサイコロの目を基準にし, (大きいサイコロの目,小さいサイコロの目)で表すことにすると 大きいサイコロの目が1のときは (1,1) (1,2) (1,3) (1,4) (1,5) (1,6) と,6とおりありますね。(これが魔女のモニカ●ですよ!) 大きいサイコロの目が2でも3でも4,5,6でもみんな同じことが起こる, と分かったら (魔法のつえ▲が見えましたか?) 「積の法則あてはめて」 と呪文を唱えると 6×6=36とおり ▲×●=■ の組み合わせ のできあがり。 ツリー図でもイメージできるように,しておきましょね。◇図形のエッセンス8◇ エジプトひもの直角三角形,12人でひっぱろう。 3 : 4 : 5 (三四の五) とかけ声出して。 ※1日1項目だけ。図形のイメージ訓練です。
2003.09.29
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◎サーヤが昨日,日光から帰ってきました。爆睡し,また,きょうからにぎやかです。◇◇森のなかまのナレーション:きょうは『数の周期』の世界です。◇◇◇サーヤ「電卓で,9をどんどんかけていったら,おもしろいことに気がついたわ。」99×9=819×9×9=7299×9×9×9=65619×9×9×9×9=590499×9×9×9×9×9=5314419×9×9×9×9×9×9=4782969サーヤ「ほら,一の位に1と9が規則正しく表れているわ。」マック「ほかの数で実験してみようね。7の場合はどうなるかな?」サーヤ「規則正しくなるかしら?」77×7=497×7×7=3437×7×7×7=24017×7×7×7×7=168077×7×7×7×7×7=1176497×7×7×7×7×7×7=8235437×7×7×7×7×7×7×7=57648017,9,3,1の4つで繰り返しね。」マック「試験のときは,電卓は使えないから,一の位だけ見ていけばいいよ。」サーヤ「そうなんだ!7の場合は,こうやるの?77×7で4949の9に7かけて 9×7=6363の3に7かけて 3×7=2121の1に7かけて 1×7=7 もとの7にもどったわ。」マック「もっと練習しておこうね。」[きょうの問題]□に数字を入れてくださいね。(1) 3を100回かけたら,一の位の数は□になります。(2) 8を50回かけたら,一の位の数は□になります。[解説]サーヤ「電卓が使えないから,一の位だけで考えよーっと。」(1)の解説です。33×3=99×3=(・・・)77×3=(・・・)11×3=(・・・)33×3=(・・・)9 (注)(・・・)は十の位以上の数を省略しているマークです。3,9,7,1 3,9,7,1 と4回周期で表れます。100は4で割り切れるので,周期の一番最後の数の1になります。答え 1(2)の解説です。88×8=(・・・)48×8×8=(・・・)28×8×8×8=(・・・)68×8×8×8×8=(・・・)88×8×8×8×8×8=(・・・)48,4,2,6 8,4,2,6 とこれも4回周期で表れます。50を4で割ると2余るので,2番目の数の4が答えですね。答え 4マック「電卓でおもしろいことに気がついたら,また,教えてね。」サーヤ「√を使っても,いろいろできそうだわ。」(つづく)◇図形のエッセンス7◇ さいころを積み重ねた立体図形の表面積は,六方向から数えよう。 真正面,右手,左手,後ろ,真上,真下 ※1日1項目だけ。図形のイメージ訓練です。◎マックの中学数学ノートから--(準備4号)三角形の面積に Δ=ad-bc を使う話から,今回は,連立1次方程式の検算に使えるΔの話をしておきます。クラーメルの公式です。あまりにも有名なので,知っている方も多いと思います。ですから,知らない人だけ読んでくださいね。ax+by=s (1)cx+dy=t (2)(1)×dよりadx+bdy=ds (1)’(2)×bよりbcx+bdy=bt (2)’(1)’-(2)’より(ad-bc)x=ds-bt ds-bt x=───── ad-bc同様にして at-cs y=───── ad-bcこの結果を覚えておくと,連立1次方程式の検算に使えます。分母は Δ=ad-bc なので,すぐ覚えられます。Δは行列式のスタイルでは│a b││c d│でしたね。 a cを s tに置き換えると,│s b││t d│となって,xの分子になりました。yも同様の操作をして,│a s││c t│が,xの分子になりますね。これでは忘れてしまいそう。 a b c dの間にsとtを入れてみます。 a s b c t d1列目と3列目から,Δ1列目と2列目から,yの分子2列目と3列目から,xの分子ができますね。「はさみこみ」と覚えておきましょう。さっそく,実験してみます。7x+5y=31 3x-2y=5 「はさみこみ」を忘れないようにして,係数を並べます。 7 31 5 3 5 -2 両端の列からΔ,1列と2列からyの分子,2列と3列からxの分子です。右下がりはプラス,右上がりはマイナスの符号でしたね。Δ=7×(-2)-3×5=-14-15=-29 yの分子=7×5-3×31=35-93=-58xの分子=31×(-2)-5×5=-62-25=-87x=-87/-29=3y=-58/-29=2マックは,中学2年のときにこのやり方を習いました。ですから,この公式をみると,遠い遠い中2の昔を,ついつい思い出してしまいます。なお,式が3本以上,3元1次以上の連立1次方程式を,クラーメルの公式で解く作業は,大学に入ってから…ですね。
2003.09.28
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◎前半は小学校低学年向き,後半は小学校受験レベル~中学生向きです。◎サーヤがいないと,調子が出ません。きょうの夜にはもどりますが…。ということで,きょうは,マックのひとりごとのような日記・特別号になります。それでは,森の学校の始まりです。◎小学算数の計算をアルゴリズムでみてみよう!アルゴリズムとは計算のしくみ,計算のシステムのことです。歴史的には,「筆算」を表す言葉から由来しています。(さらに元をたどっていくと,数学者の名前から由来していました。)アルゴリズムを分かりやすく言うと,同じ種類の計算や問題を解くときに,いつも使える計算方法や手順のことです。小学校で学ぶたし算や引き算,かけ算,わり算は,計算のアルゴリズムです。3+4=7 という例で考えてみます。3を5にしたら5+4=9 こどもたちは,これで”+”がたすというアルゴリズムであることを知ります。そして,こどもたちは,このしくみを発展させていきます。4を6にしたら結果はどうなるかな?5+6=11ここで,こどもたちは十進法の壁に行き当たります。この壁を越えられるでしょうか。9の次は10,99の次は100…こうなるのは,十進法の世界だけですね。おとなにとって当たり前でも,こどもたちにはこの表記法がとても不思議なのです。でも,お子さんの疑問を解決するツールが,日本にはあったのです。そ・ろ・ば・ん です。そろばんが,9から10へ移るときの理解を助けてくれます。9の次は,位がひとつ上がります。そろばんで実験しましょう。99の次も,位がひとつ上がります。また,そろばんで実験ですよ。そして,そろばんの玉を数字にもどせば,十進法の数が表れます。 ◆ ◆────── ◆◆ ◆これは,526ですね。そろばんのアルゴリズムを6+5で再現してみましょう。6+5=(5+1)+5=(5+5)+1=10+1=116を5+1で表す→これに5をたす→5+5を瞬時に計算→ひとつ上の位に1と入れる。繰り上がりの計算の教科書的な説明は6+5=6+(4+1)=(6+4)+1=10+1=11これをタイルを使って説明します。共通しているのは,どちらも,10を合成するために,数を一度分解することですね。繰り上がり計算の不得意なお子さんは,数の分解がにがてです。高い確率で,7+8の結果を棒暗記しようと苦心しています。暗記したてで覚えているうちは,計算は速いです。でも,忘れてしまったら,指を使って計算します。こうならないように,低学年のうちに,数の分解をマスターしてください。7+8の計算のしかたは,何通り見つかるか,お子さんと競争してみてください。7+8=2+5+8=2+8+5=10+5=157+8=7+3+5=10+5=157+8=2+5+3+5=2+3+5+5=5+5+5=10+5=157+8=10-3+8=10+8-3=18-3=157+8=7+3-3+8+2-2=7+3+8+2-3-2 =10+10-5=20-5=15いろいろなアイデアが出てきます。新しいアイデアをお子さんが発見したら,心からほめてあげてください。お子さんが自分流のアルゴリズム(計算システム)を発見したら,記録しておきましょう。算数の公式発見の記録ノートを作っていくと,貴重な成長記録になります。世界でひとつだけの宝物になります。ほんとうのスピードは,このように何通りもの答えの出し方を練習し,アルゴリズムを発見することで,自然に身に備わってきます。機械的に計算することに,マックは否定的です。計算のしくみがマスターできている子には計算プリントの練習はある程度,有効でしょう。しかし,計算のしくみがわかっていないこどもたちにとっては,苦痛な単純作業でしかありません。計算のしくみの理解こそが,アルゴリズムを見抜き,応用問題の解答力に直結していく力の源になっています。文章問題などの応用問題が苦手なお子さんは,計算のしくみがマスターできていないと思って,まずまちがいありません。このようなこどもたちは,繰り上がりや繰り下がりの計算を,ほぼ2問に1問の割でまちがえます。ですから,数の分解のマスターこそが先決問題,優先事項です。その克服法で一番安上がりなのは,そろばんを買ってくることですね。そろばん用の安価な解説兼問題集も,大手書店で売っていると思います。(お子さんが中学生になっている知人がいたら,貸していただいてもいいですね。)◎中学数学・文章問題にアルゴリズムを発見!ゲームやビジネスなどのソフトのプログラムは,現代のアルゴリズムの代表選手です。科学の世界でも,自分で仮説を立て,モデルをつくり,実験していくためには,式をたてたり,論証とたりします。自分たちの未来を知るためにも,アルゴリズムをみつけることは必須です。(算数・数学を学ぶのは,アルゴリズムを自分で見つけ,それをもとに自分たちの未来を予測したり,計画したりするため,といっても過言ではありません。その練習ができるように,算数・数学の授業も組み立てられているべきですが…。)それでは,アルゴリズムをみつける旅に出かけましょう。方程式や関数は,アルゴリズムの世界,かつ,宝庫です。【問題】ボールを2mの高さから落とします。落とした高さの3/5だけバウンドする数学モデルを考えましょう。3回目にバウンドするときの高さは何cmになりますか。【解説】小学生の受験クラスでやっている問題です。これを中学で習うやり方で解いてみましょう。一般的に話を進めるために,高さをhcmとおきます。1回目のバウンドは 3h → ── × h 52回目のバウンドは 3 3 ── × ( ── × h ) 5 53回目のバウンドは 3 3 3 ── × ( ── × ( ── × h ) ) 5 5 5もう一度,1回目をみてみると 3h → ── × h 5hを□におきかえてみます。 3□ → ── × □ 5最初は,□に h をいれます。 次は,□に 3/5 × h をいれます。 次の次は□に 3/5 × ( 3/5 × h ) をいれます。 次の次の次は□に 3/5 × ( 3/5 × (3/5 × h ) ) をいれます。 関数で表します。落とす高さをx,バウンドする高さをyとします。すると,y=0.6xという関数ができますね。yをf(x)にして,高校数学流に表記します。f(x)の方が,説明しやすいのです。y=f(x)よってf(x)=0.6x2回目のバウンドに入ります。そのために,すべてのx, all x を f(x) におきかえreplaceます。f(f(x))=0.6f(x)=0.6^2x(0.6^2=0.6×0.6 のことです。)再び,xをf(x)におきかえます。f(f(f(x)))=0.6f(f(x))=0.6(0.6^2x)=0.6^3xこれがアルゴリズムの精髄です。答えは,200×0.6^3=43.2 で 43.2cm です。 ▼マックのひとりごとこの手のアルゴリズムは,遺伝子みたいに増殖していくイメージだね。▽貯金やローンで有名?な金利計算も,アルゴリズムそのものですね。元金を S金利を r として,1年複利で考えてみましょう。1年後に,元金は次のように増えます。S→S(1+r)この式にアルゴリズムが隠れていますね。「Sを(1+r)倍して,S(1+r)にしなさい。」Sを□におきかえてみると「□を(1+r)倍して,□×(1+r)にしなさい。」つまり□→□×(1+r)これが,「金利のアルゴリズム」です。2年後を調べますよ。□はS(1+r)になっていますね。S(1+r)→S(1+r)×(1+r)=S(1+r)^2さらに,3年後を調べます。□はS(1+r)^2になっていますね。S(1+r)^2→S(1+r)^2×(1+r)=S(1+r)^3▼マックのつぶやきやっぱり,□→□×(1+r) という遺伝子を伝えているなー。▽食塩の濃度も,繰り返しが出てきたら,アルゴリズムで解けます。【問題】濃度が20%の食塩水が800gあります。その1/5を捨てて,代わりに水を入れ,800gにします。この操作を3回続けたら,濃度は何%になりますか。【解説】1回目の濃さをみてみましょう。食塩の重さは160gから120gに減少し,食塩水は800gのまま。120÷800×100=15%アルゴリズムをみつけましょう。食塩水の重さはいつも800gで不変なので,アルゴリズムが使えます。そこで,変化する食塩の重さに注目します。160g→160g×3/4=120g食塩の重さのアルゴリズムは,こうなりますね。□→□×3/4□に最初に入るのが,160ですね。160×3/4(160×3/4)×3/4=160×(3/4)^2(160×3/4)^2×3/4=160×(3/4)^3操作を3回続けると,食塩の重さは160×(3/4)^3(g)濃度を求めます。答えは,160×(3/4)^3÷800×100=135÷16=8.4375 %結論をいっちゃうと(=種明かしをしちゃうと),比の積の世界そのものです。小学算数が分かっていれば,数学の問題も解けてしまうんですね。◇図形のエッセンス6◇ さいころを積み重ねた立体図形の体積は,1段ずつ数えよう。 ※1日1項目だけ。図形のイメージ訓練です。◎マックの中学数学ノートから--(準備3号)ここで,疑問が出てきます。(出てこないかな?)原点が入っていない場合の三角形の面積は,どうもとめるの?【問題】三角形ABCがあります。座標は点Aが(6,-3),点Bが(8,2),点Cが(2,-1)です。三角形ABCの面積をもとめなさい。きのうかいた図の横に,この三角形ABCをかいてみましょう。三角形ABCと三角形PQOは合同になっていますね。三角形ABCで正直に解いたら,とても時間がかかりそうです。それに,計算まちがえしそうです。そこで,移動の術を使います。点C(2,-1)を原点に移動しますよ。そのためには,x座標から2を引いて,y座標に1を足してあげればいいのです。点C(2,-1) → (2-2,-1+1) = (0,0) 点A(6,-3),点B(8,2)も同じ移動をしてあげないと,図が変形しちゃいますね。点A(6,-3) → (6-2,-3+1) = (4,-2) 点B(8,2) → (8-2,2+1) = (6,3) これで,原点入りの三角形OPQにもどりました。ここまで準備してから,計算スタートですよ。(それでは,みなさん,おつかれさまでした。)
2003.09.27
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◎サーヤは,修学旅行に出かけました。今ごろ,にぎやかにやってることでしょう。◎さて,サーヤと2日分のお話はしたので,森の学校はきょうもはじまります。(前回からのつづき)サーヤ「それって,ギリシアの数学者のエラトステネスの話でしょ。」マック「当たり!エラトステネスの篩(ふるい)で,素数を見つけていくんだったね。」◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ここで余談です。 マックは記憶術が大好きです。けっこう調べたりしました。(そのうち,記憶術のコーナーも作りたいという野望?をいだいています。) たとえば,数字を記憶するには”ペグワード”を使います。数字を仮名に変換し,物語をつくって覚えます。 記憶術をやると,頭が柔らかくなります。発想の訓練になるからです。 たとえば,エラトステネスの覚え方で試してみると… 「エラの張った数学者,篩をもってトスしテネ,スっぱいだー。」 イラストは,へたでも,かいておきましょう。(マックはへたくそです。) 記憶の定着のため,1日10回くらい繰り返し,朝・昼・夜に 映像といっしょに記憶します。 次に,週末にもう10回繰り返して記憶します。 最後に1ヶ月目に10回繰り返して記憶します。 駄目押しに,試験前の思い出し訓練をします。 これで,まず忘れられなくなります。 夏は終わってしまいましたが,夏の大三角形の白鳥座のデネブ, マックは「白鳥はデブね。」で覚えています。夜空に太った白鳥が飛んでいる,そんなイメージが浮かんできます。(来年の私立中学受験の理科,火星が見える方向に夏の大三角形,この天体図が試験に出るかも…ですね。)◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇サーヤ「100までの自然数を篩(ふるい)にかけて,素数を調べてみましょ。」 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9,1011,12,13,14,15,16,17,18,19,2021,22,23,24,25,26,27,28,29,3031,32,33,34,35,36,37,38,39,4041,42,43,44,45,46,47,48,49,5051,52,53,54,55,56,57,58,59,6061,62,63,64,65,66,67,68,69,7071,72,73,74,75,76,77,78,79,8081,82,83,84,85,86,87,88,89,9091,92,93,94,95,96,97,98,99,100サーヤ「素数2を残して,2つ目ごとに2の合成数を消していく…。」 2, 3, 5, 7, 911, 13, 15, 17, 19 21, 23, 25, 27, 2931, 33, 35, 37, 3941, 43, 45, 47, 4951, 53, 55, 57, 5961, 63, 65, 67, 6971, 73, 75, 77, 7981, 83, 85, 87, 8991, 93, 95, 97, 99サーヤ「素数3を残して,3つ目ごとに3の合成数を消していく。消えた分も入れて3つ目ごとね。」 2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19 23, 25, 2931, 35, 37, 41, 43, 47, 49 53, 55, 5961, 65, 67, 71, 73, 77, 79 83, 85, 8991, 95, 97 サーヤ「素数5を残して,5つ目ごとに5の合成数を消していく。消えた分も入れて5つ目ごと。フーッ。」 2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19 23, 2931, 37, 41, 43, 47, 49 53, 5961, 67, 71, 73, 77, 79 83, 8991, 97 サーヤ「素数7を残して,7つ目ごとに7の合成数を消していく。消えた分も入れて7つ目ごと。」 2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19 23, 2931, 37, 41, 43, 47, 53, 5961, 67, 71, 73, 79 83, 89 97 サーヤ「25個の素数が残ったわ。」マック「お疲れさま。これで完成だ。大切なことは,素数は7まで調べれば,完成するということなんだ。そのことを理解するために,もう一度,篩(ふるい)にかけて試してみようね。」サーヤ「さっそく実験!まず,9までの自然数のうち,素数はいくつか調べてみようっと。」素数3は,まだ,封印しておきましょね。そして,9の手前の8までならべて,2,3,4,5,6,7,82は素数なので残します。2つ目ごとに2の合成数を消しましょう。残っているのは,2,3,5,79は次の素数3の封印を解けば,3の合成数として一番最初に消えますね。マック「これで完成。4個みつかったね。」サーヤ「9=3×3だから,素数3を封印したのね。8までの世界で起こっていることは…素数2で合成数を調べつくし,残っているのは素数だけ。8までの自然数については,素数2だけで調べればいいのね。▽次は,25までの自然数の中に,素数はいくつあるかな?」2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15 ,16,17,18,19,20,21,22,23,24,2525はフロンティア。最前線。まずは,24までの自然数をならべます。素数5は封印しておきますよ。2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15 ,16,17,18,19,20,21,22,23,24素数2は残し,その合成数を2つ目ごとに消します。2,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23素数3は残し,その合成数を3つ目ごとに消します。すでに消えている数もふくめて3つ目ごとに,ですよ。2,3,5,7,11,13,17,19,234は合成数なので,無視ですね。ここで,25にもどってきてもらいます。2,3,5,7,11,13,17,19,23,25いよいよ,素数5の封印を解きますよ。素数5は残し,その合成数を5つ目ごとに消します。でも,最初に消えるのは25ですね!2,3,5,7,11,13,17,19,23マック「25=5×5 はフロンティア。これから封印を解くと真っ先に消える位置にあるのが,25。」サーヤ「これで,9個の素数がみつかったわね。まとめておくわ。」 素数2と3まで合成数を消した結果, 5の合成数で,残っている一番小さな数が25。 だから,5の合成数を消しなさいといわれて, 最初に消すべき数が25。▽サーヤ「49でも同じかしら。やってみようっと。」49=7×7 はフロンティア。素数7を封印します。48から下の自然数で考えて,まず,素数2の合成数を消すと,2,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25,27,29 ,31,33,35,37,39,41,43,45,47素数3の合成数を消すと,最初に消えるのは 3×3=9 ですね。2,3,5,7,11,13,17,19,23,25,29,31,35,37,41,43,47素数5の合成数を消すと,最初に消えるのは 5×5=25 ですね。 2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47ここで,素数7の封印を解きます。49ももどってきてもらいます。2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47,49素数7の合成数を消すと,最初に消えるのは 7×7=49 で,49までの自然数なので,これで完結です。 ▽サーヤ「121までの自然数の場合は,121=11×11 だから,121をはずして,数をならべ…。」マック「10も合成数,9も合成数,8も合成数だから,121までの数の素数を調べる場合,素数7までの篩(ふるい)のテストをしてあげればいいのさ。」サーヤ「121まで素数さがしを1個ずつやっていったら大変だものね。だから,この方法は,手間をはぶいてくれる大切な法則ね。」◎お家の方へきょうのテーマに使った法則は,実際には次のように表現します。「ある素数pに達したならば,p×pよりも小さい自然数で消えずに残っているものはすべて素数である。」たとえば,素数11の場合は,素数7までの合成数は篩(ふるい)のテストで消えており,(実際に 22,33,44,55,66,77,88,99,110 はテストで消えてますね。)素数11の合成数として残っているフロンティアの数が,121なのです。そして,121より小さな数で残っている自然数は,テストで生き残った素数たちだけです。◇図形のエッセンス5◇ 相似な図形の線分比→面積比→体積比 a : b → a×a : b×b → a×a×a : b×b×b 一辺1cmのさいころと 一辺2cmのさいころ でイメージしましょう。 1 : 2 → 1×1 : 2×2 → 1×1×1 : 2×2×2 ※1日1項目だけ。図形のイメージ訓練です。◎マックの中学生数学ノートから--(準備2号)きのうの中学数学ノートで,行列式の罫線がぼろぼろでした。見にくかったでしょう。ごめんなさいね。きょうは,ノートで次の例題をやって,確認してもらおうと思います。罫線のくずれは,かんべんね。【例題】原点をOとします。点Pと点Qの座標がそれぞれ (4,-2)と(6,3)のとき, 三角形OPQの面積をもとめなさい。[解答] ノートにx軸とy軸をかいて,原点Oと点P,点Qをプロットし,三角形OPQをつくります。 次に,三角形を取り囲む四角形をつくり,面積をSとして, 1 S = 30 - ── (3×6+2×4+2×5) = 12 2 答えは 12 ですね。 これを,行列式でやってみると,Δ = │4 -2│ = 4×3-6×(-2) = 24 │6 3│したがって, 1S = ── × Δ = 12 2…
2003.09.26
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◎中学数学ノートを久しぶりに眺めていました。今年から高校生になった娘のカオリン用に作った,マック特製の高校受験数学の参考書です。まだ,半年前までは使っていたノートなのですが,こどもの成長が速いのか,なぜかとてもなつかしいのです。中には中学校の範囲を超えている考え方や解き方も入っています。でも,知っておくととても便利なものも,たくさんあります。マックはふと,閃きました。この中から,現役の中学生の子たちに使える項目を,週1回くらいのペースで日記に書いていこうと。サーヤもあと半年で中学生。塾の6年生の子たちももあと半年で中学生。そろそろ,最新版の中学数学ノートをつくるタイミングでもあるのです。そこで,現役の中学生のみなさんにも,いろいろな意見や質問・感想を寄せていただけたら,マックはとてもとてもうれしい限りです。よろしく,お願いします。◎サーヤは宿題やってきたでしょうか。実は,サーヤはあしたから,1泊の修学旅行に行きます。日光ですが,お土産やお買い物のことが気になっているみたいです。雨が止みますように…。◎きょうも森の学校のはじまりです。マック「0~999までの数の中で,5という数字を使わない数が何個あるか,分かったかい?」サーヤ「百の位で使える数字は5を除いた9個の数字でしょ。十の位も一の位も同じね。これって,場合の数だから『積の法則』を使って9×9×9=729答えは729個ね。」マック「大正解!『積の法則』もちゃんと使えたね。場合の数については,後の回であつかおうね。それでは,きょうの問題。数え上げの問題だよ。1から10までの整数をかけると,左はしに0は何個つくか,調べてみよう。」1×2×3×4×5×6×7×8×9×10サーヤ「そうね。0に関係するグループと関係しないグループに分けてみようっと。0に関係するグループ → 2と5と100に関係するグループ → 1,3,4,6,7,8,90に関係する数をかけてみると,こうなるわ。2×5×10=100だから,0が2個つく。」マック「そうだね。正解。10は2と5で,できていると考えればいいね。2の方はたくさんあるけれど,5の方は2個だけ。」サーヤ「5の数が0の数と同じということね。」マック「そうなんだ。だから,5の数を数え上げれば,それがこ・た・え。」☆[問題]☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆1×2×3×4×5×6×…×50の積は右はしに0が何個つきますか。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆サーヤ「5を数え上げるのね。」 5 1×510 2×515 3×520 4×525 5×530 6×535 7×540 8×545 9×550 2×5×5サーヤ「5はぜんぶで12個あったから,0も12個つくのね。」マック「絶好調だね。25と50は,5が二つずつかくれているから,みんな,ここでよくひっかかるんだ。それと,今サーヤが数え上げるのに使った積の形を何ていうんだっけ?」◇◇森のなかまのナレーション:話は素数の世界に入っていきます。◇◇サーヤ「『素因数分解』でしょ。」マック「質問していくよ。素数とは?」サーヤ「約数が1と自分の数しかない整数。つまり,1列ならびしかできない整数を素数っていうのよ。たとえば, 2,3,5,7で実験してみると2=1×23=1×35=1×57=1×71列ならびでしょ。だけど,4や6や8は約数がほかにもあり,1列以外にも並べるしね。4=2×26=2×38=2×4こういう数は素数じゃないわ。」マック「素数でない整数を何ていうのかな?」サーヤ「合成数ね。素数が組み合わさって,いろんな整数ができる。それで,合成数をもとの素数であらわすことが,素因数分解。」マック「そうだね。素数の世界では,整数は1を除いて,素数か合成数かのどちらか。」サーヤ「1は素数に入れないって,どう説明するんだっけ。」マック「どんな合成数も,一意的に素因数分解できるという,重要なルールがあるんだったね。合成数を素因数に分解して,答えが2つも3つも出てきたら困るんだ。一意的というのは,1対1,ワン・アンド・オンリーワンということなんだ。サーヤ「一意的って,かびくさい言い方ね。」マック「数学の世界にしか残っていないかもね。英語で言った方がかっこいいかも。 いかなる実数に対しても → for any real numbers ~に従って → subject to ~ 条件 : → Conditions : でも,日本語の言いまわしは,古いけれど,簡潔明瞭,しかも機能的なんだ。先に進もうね。たとえば,18で考えてみるよ。18=2×3×3 となって,1対1で対応,一意的。」サーヤ「ここに,1をもってくると,18=1×2×3×3 という表し方も登場し,1対1でなくなってしまうわね。」マック「分かったかい。もうひとつ,ここで覚えておきたいルールがあるんだ。」サーヤ「どんなルールだっけ?」マック「1回やっておけば分かるよ。次回に実験しよう。」サーヤ「思い出した!」(つづく)◇図形のエッセンス4◇ 30°60°90°の三角じょうぎの辺の長さの比は 中に正三角形をつくれば出てくるよ! 一番短い辺の長さ : 一番長い辺の長さ = 1 : 2 ある角が15°の直角三角形をイメージしますよ。 次に直角三角形を折り返し,頂角30°の二等辺三角形をイメージ。 面積の求め方が,うかんできましたか。 ※1日1項目だけ。図形のイメージ訓練です。◎マックの中学生数学ノートから--(準備号) 座標平面の3点O,P,Qを結んでできる三角形の面積Sを求めましょう。点Oは原点(0,0),点P(a,b),Q(c,d) としますね。 実際に計算してみましょう。 1 S= ── × (ad-bc ) 2になりましたか。ここで Δ=ad-bc とおきます。 (Δは”デルタ”と読みます。) 面積Sは 1 S = ── × Δ 2 で求められる,というのが,この式のエッセンスなのです。 │ a b │ Δ= │ │ │ c d │と,表します。そして,この右辺を行列式といいます。行列式から Δ=ad-bc をみてみましょう。aとdをかけるとき,aからdへ,右下に線をおろす動作をしますね。かいてみてください。この動作をプラスと決めます。これで ad が出てきます。cとbをかけるとき,cからbへ,右下に線をおろす動作をしますね。かいてみてください。この動作をマイナスと決めます。これで -bc が出てきました。両方あわせて,ad-bc になりますね。点Pと点Qの位置関係は,原点を中心にして,点Pから点Qへ向かうとき時計と反対回りになればプラス,時計回りならマイナスと定義します。(大学で学ぶ交代積やベクトル積の話なもんで,ややこしいかも。)だから,いつも時計と逆回りになるように点Pと点Qを決めます。これを逆に決めると,Δが負の値になってしまいます。だから,負になったら,さらに負をかけてプラスにしてしまうという,荒業(あらわざ)を使ってもいいです。その場合,Δは│Δ│としてしまいます。│Δ│は”絶対値デルタ”と読みます。使い方は,こうです。 │2│=2 │-2│=2絶対値は,正でも負でも,みんなまとめて正にする,という記号です。 │5-8│=│-3│=3高校生になると,いっぱい出てきますよ。○今日のまとめ 座標平面の原点Oと点P(a,b),点Q(c,d)を結んでできる三角形の面積Sは 1 │ a b │ S = ── × │ │ 2 │ c d │ この公式は,検算で使えますね。
2003.09.25
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◎あいにくの雨模様ですが,『クルミと森のなかまたち』の学校は,いつもと変わらず始まりますよ。マック「きょうは,数字のカードで問題だよ。0から9までの一桁(ひとけた)の数をかんじょうしてみて。」0,1,2,3,4,5,6,7,8,9サーヤ「全部で10個。」マック「0から9までの数字のカードが,全部1回ずつ使われてるね。」サーヤ「10÷10=1 で1回ずつね。」マック「それじゃ,二桁(ふたけた)の数にいくよ。」☆【今日の問題】☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆サラという名の少女が,友だちの誕生パーティに呼ばれました。友だちは,パーティで数占いをするため,サラに頼みました。「ねえ,サラ。0から9までの数字のカードを使って,0から99までの数をならべたいの。数字の5のカードを用意してきて,お願いね。」サラは,いったい5のカードを何枚用意していけばいいでしょう。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆【解説】サーヤ「全部書けなんて,言わないでしょうね?」マック「かわいい子には旅をさせろ,かな。まず,全部二桁にしておこう。0は00,1は01…。0から99までの数は100個だね。計算してみて。」サーヤ「99-0+1=100。」マック「そうだね。出てくる数字は全部でいくつになる?」サーヤ「2が単位量の●で,100が▲だから●×▲=■2×100=200全部で200個の数字が使われているのね。」マック「数字のカードは,0から9までの10種類しかない。すべての数字が平均して使われているのは,0から9までの数の場合と同じだね。」サーヤ「200÷10=20答えは20枚ね。ほんとかしら。数えてみよーっと。」5,15,25,35,45,65,75,85,95で9回50,51,52,53,54,55,56,57,58,59で11回マック「三桁(みけた)でも同じことだね。」☆【今日の問題2】☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆0から999の数に,5の数字が何回使われているか,調べましょう。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆サーヤ「三桁で,5が出てくるのは…。」マック「0~999までに,数は1000個。」サーヤ「0を000,1を001などと表すことにすれば,使われる数字は3×1000=3000個。」マック「3000÷10=300だから…。」サーヤ「5は300回出てくるのね。」マック「このように考えて時間を節約するのも,算数・数学なんだ。必要は発明の母だね。」サーヤ「不精は算数の母?」マック「?? おまけだよ。0~999までの数の中で,5という数字を使っていない数は何個あるかな?」サーヤ「5の数字カードを使わない数ね。簡単に答えを出すには,001から始めて除くのは,005と015と025と…。宿題ね。」◇図形のエッセンス3◇ 金太郎飴(あめ),どこで水平に輪切りにしても同じ形の空間図形は 底面積×高さ=体積 ● × ▲ = ■ で解きましょね。 ※1日1項目だけ。図形のイメージ訓練です。
2003.09.24
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◎きのう,6年のTくんから,マックがなぜ算数を教えるようになったのか,質問がありました。マックは2年ほど前までは,高校生を中心に教えていました。そして,中学校の数学が分かっていない子が多くて,これは何とかしないといけないって,ずっと,ずっと考えていました。数学をつまらなくしたのは,だれだ!マックはどんどん時間をさかのぼり,たどりついたのが,小学校の算数でした。小学生の娘,サーヤのテキストやノート,答案用紙,参考書,問題集,どれをとっても魅力を感じません。時どき,面白いページもあるのですが,基本的につまらない。サーヤがこんなつまらない勉強をしていたかと思うと,がっくりきました。高校数学にばかり目が行って,娘の算数の実態を知らなかったとは,痛恨のいたりでした。本当の算数・数学はちがう!マックは,後にサーヤがクルミと名づけたツールをつくり,サーヤと算数の研究をはじめました。あるときは,高校レベルの考え方もとりいれ,ゲームや物語を二人でつくったりして…こうして,『クルミと森のなかまたち』が誕生しました。サーヤの友だちや友人の子どもたちに,このツールで試しに教えてみました。すると,こどもたちが「楽しい」って,感想を寄せてくれました。「おじさんのところで勉強したい」とかけつけてくれたの子がTくんでした。『クルミと森のなかまたち』に新しいなかまができると,サーヤに最初に試してもらいます。たとえば,剰余系の話は30分で理解してくれました。ダイヤグラムも1回教えただけで,あとは問題を自分でこなしています。(『いちごの妖精』というなかまも最近できました。)メビウスの輪をつくったり,ピタゴラスの定理を庭で実験したり…。比例の話から一次方程式や双曲線,負の数に発展するなど,小学生だからこそ,いろんなことに興味が出てきます。小学生も,たくさんのことが知りたいのです。同じことを繰り返しやる,これも大切です。しかし,新しい好奇心のわいてくる話や実験に広がっていかないと,息がつまってしまいます。特に,数学の世界は,先へ進むほど解答が容易になってきます。学校よりも数歩先,力がついたら1年生でも,2年生・3年生の数学に進んだ方が,本当は解答は簡単なのです。算数,数学はそのような性質があるので,分からないところでぐずぐずしていると,つまりません。本当の算数嫌い,数学嫌いになってしまいます。逆に,今は分からなくても,先に進んでもう一度,分からなかったところに戻ると,霧が晴れたように分かるときが来ます。マックの塾の小学生のこどもたちは,中学数学・高校数学の考え方も学んでいます。先の先,高校生になっても,たとえば体積の積分を習う際に,この子たちは,マックの塾の体積の求め方でやったと思い出してくれるでしょう。教えるマックも,小学生が一番頭が柔軟で,教えやすいと感じています。小学生の子の能力はおそるべしです。教えた分だけ入っていきます。反対に,少なくインプットすれば,アウトプットも少ないようです。こどもたちの成長を実感できることが,マックの何よりの励みとなっています。電車で片道1時間かかるところから来ている子もいます。こんなわけで,小学生のこどもたちを教えるのが楽しいマックです。(もちろん,がんばり屋の中学生・高校生の子も好きですよ。)◎きのうの話のつづきです。マック「数を次のように表していく有名問題を考えてみよう。6はどう表せばいいかな?」●●○=1●○●=2●○○=3○●●=4○●○=5サーヤ「金貨のふくろで考えると,右はしが金貨1枚のふくろ,真ん中が金貨2枚のふくろ,そして,左はしが金貨4枚のふくろだわ!(金貨4枚,金貨2枚,金貨1枚)そして,○はそのふくろが「ある」,●はそのふくろが「ない」を表している。6枚は 4+2 だから(ある,ある,ない)○●の記号で表せば○○●どう,正解でしょ。」マック「さすがだね。7も分かるね。」サーヤ「4+2+1 だから,(ある,ある,ある)○●の記号で表せば○○○になるわ。金貨の入ったふくろで考えると楽しいわ。」◇図形のエッセンス2◇ ひし形の面積は,四角にすれば分かります。 対角線×対角線÷2 直角二等辺三角形は,正方形=ひし形の一部だよ。 図をかいて確かめてね。 ※1日1項目だけ。図形のイメージ訓練です。
2003.09.23
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◎先日の日記に「にわとりの足を,4本とまちがえている子がいる。」と書きました。S学園のH子さんの友だちにも,いたそうです。きのうの日曜特訓の休み時間に,彼女から教えてくれました。4本の子,まだまだたくさん,発見できそうですね。◎分量が多過ぎるので,剰余系のシリーズは,急きょ後回しにします。小6受験クラスの子は,正直に言って,ここをゆっくりやっている時間的余裕はありません。しかし,この剰余系や素数などの知識がないと,解答もどこか頼りありません。ですから,受験クラスのお子さんは,時間のある小学5年生までに,この分野をマスターしてしまうことをお奨めします。整数問題はとっつきやすいので,小学生のお子さんに人気があるんですよ。それと,公立中学に進むお子さんは,剰余系など,学校では教えてくれない分野を,じっくりと学んでおきましょうね。算数の力をつけておけば,数学が得意になること請け合いです。学校の算数だけしかやらなかった,では時間がとてもとても,もったいないって,マックは思います。(マックは,そのうち『学校では教えてくれない算数・数学』を特集しようかと考えています。)◎それでは,きょうの物語の始まりです。マック「昔むかし,ミミタン王国という美しい国があった。」サーヤ「どこにあったの?」マック「砂ばくの中のオアシスにあったのさ。」ミミタン王国にはおかしな法律があった。ミミタン王国のお金は金貨しかなく,それも金貨1枚で1ミタールだった。お金を使うときは,王様のしるしのついた袋を使うことになっていて,1度その袋に金貨を入れたら,王様以外は絶対に袋を開けてはならない。こんな法律だ。」サーヤ「なんか,むちゃくちゃな法律ね。」マック「ある日,外国商人と商いをしているヤフーホフが,市場に品物を仕入れに行った。予算は最大で63ミタールだ。」サーヤ「そろそろ,問題ね。」[問題]63枚の金貨を1ミタールから63ミタールまでの支払いができるように6つの袋に分けなさい。マック「このタイプの問題,中学入試にときどき出てくるんだ。小さな数から順を追って推理していけば,解けるよ。」サーヤ「まず,1は必要ね。 →( 1 ) 2も3を出すために必要。 →( 1,2 ) 3は1+2で出てくるから,いらないでしょ。でも,4は1と2でから出てこないから,必要よね。」 →( 1,2,4 ) マック「どんどん続けて。」サーヤ「フーッ。5は1+4で出てくるから,いらないでしょ。6も2+4で出てくるし,7も1+2+4で出てくるから,いらない。8は…新しく作らないとないわ。」 →( 1,2,4,8 ) マック「今までで作った数をならべてみよう。」1,2,4,8,…サーヤ「2倍ずつ増えている!ということは,次は16の袋をつくり,それから32の袋をつくるのね。」マック「袋の中の金貨の枚数を全部足してみると?」1+2+4+8+16+32=63サーヤ「たとえば,52ミタールなら32+16+4=52ちゃんと出てくる!答えは,1,2,4,8,16,32 ね。」マック「正解!実は,これは2進法を使った問題なんだ。計算や図形など,いろいろな形になって,中学入試に出題されてるよ。」サーヤ「2進法が分からなくても解けそうな気がするけれど。」マック「そのとおり。知らなくてもできる。今,サーヤが解いたようにね。」サーヤ「でも,2進法っておもしろそう。もっと,聞かせて。」マック「そうだね。金貨のふくろで2進法の練習をしようか。」(と,サーヤとの話は続くのでした。)◇図形のエッセンス1◇ 平面図形を軸のまわりに回転するときは,いつも 半径 → 底面積 → 円柱・三角すいの体積 の順に解きましょね。 ※1日1項目だけ。図形のイメージ訓練です。
2003.09.22
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◎昨日の地震は不気味でした。横揺れが長く続きました。きょうも台風の影響で雨模様。読書をするには最高の天気…です。日曜特訓にきている元気なこどもたちに囲まれ,きょうもマックは大忙しです。◎前回の宿題の答えからはじめます。 200-150=50 ●は50円/さつ ■は300円 ■÷●=300円÷50円/さつ=6さつ (22-6)÷2+6=14 答え 14さつ◎毎日,こどもたちを教えながら書く内容をセレクトしています。それで,話があっちこっちに行ってしまいますが,後日,まとめようと考えてます。☆また,小学生のみなさんからリクエストがあれば,その話題にも触れて行きたいと思っています。◎数の問題,とりわけ整数の問題は,公式らしい公式があまりないのが,特徴です。変な特徴ですね。それで,問題を解くには柔軟な思考と総合力がものをいいます。しかし,試験時間中に一度も見たこともない問題を解くのは,負担が大き過ぎですね。日記に10回シリーズで<整数の問題>に焦点をあててみます。代表的な問題や考え方を整理していきます。名づけて,数のお料理教室!◎グキキの法則?マック「グキキの法則って知ってるかい?」サーヤ「どうせ,パパが勝手につけたんでしょ。」マック「ばれたか。でも,数の世界では少しの工夫で楽に解ける考え方があるんだ。」サーヤ「知っているかどうか,が運命の分かれ道ね。」マック「敵の術中にはまらない。スマートな解決法があるかもしれない。これは問題をいろいろ解いていくうちに身についてくる力だね。」サーヤ「それで,どんな問題?」☆[今日の問題]☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆次のような数の列の50番目は2の倍数になるかどうか,答えなさい。1,2,3,5,8,13,21,34…☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆マック「数の列にどんな規則があるか,分かるかい?」サーヤ「3番目は1番目と2番目の和でしょ。4番目は2番目と3番目の和。」マック「その通り。さー,それからどうする?」サーヤ「9番目の数は21+34=5510番目の数は34+55=8911番目の数は55+89=144もういやになったわ!」マック「サーヤがどこまでやるのか,見ていたけれど,そうなんだ。こんなことやっていたら,明日になっちゃう。それで,偶数と奇数に登場してもらう。数を偶数か奇数かでシンプルにしちゃおう。」サーヤ「そうかー。それでグキキの法則なんて言ってたのね。」マック「偶数をグ,奇数をキと言うことにするよ。学校で教わった法則を思い出して! グ+グ=グ たとえば 2+6=8 グ+キ=キ たとえば 2+5=7 キ+グ=キ たとえば 5+2=7 キ+キ=グ たとえば 3+5=8だったね。」サーヤ「それを使うと,1番目 キ2番目 グ3番目 キ+グ=キ4番目 グ+キ=キ 5番目 キ+キ=グ 6番目 キ+グ=キ7番目 グ+キ=キ 8番目 キ+キ=グ 9番目 キ+グ=キ10番目 グ+キ=キ 11番目 キ+キ=グ 2番目からグキキ,グキキと続いているわ。」マック「3回ごとにグキキ…3回周期だね。」サーヤ「グになっているのは,2番目,5番目,8番目,…3で割ると2あまる番号ね。50番目は…50÷3=16 あまり2そうかー。50番目はグのところ。だから,2の倍数になってる!答えは『2の倍数になってる』ね。」マック「学校の教科書にものっている『偶数と奇数の和の性質』を使ったいい問題だね。」サーヤ「教科書,大切にしなくちゃ。」◇数のワンポイント・レッスン<剰余系2>きょうは7を割る数にして,1から順に割っていきますよ。1÷7=0 余り12÷7=0 余り23÷7=0 余り34÷7=0 余り45÷7=0 余り56÷7=0 余り67÷7=1 余り08÷7=1 余り19÷7=1 余り2今回から余りの数に注目して式をたてていくので, 「余り0」 が登場しました。剰余系の世界では,割る数を「法」とよびます。7が割る数なら,「法7」。(ほー,そーなんだ…。)さて,余りに注目して,剰余系での式の表し方をマスターしましょう。1÷7=0 余り1 は 1≡1 (法7)小学生のみなさんは,(法7)の代わりに(割る数7)でおぼえておきましょね。中学生のみなさんは,三角形の合同を表す「≡」とごっちゃにしないでくださいね。標準の表記法は「 1 mod 7 = 1 」ですが,≡を使った表記法もシンプルで人気があります。1÷7=0 余り1 は 1≡1 (割る数7)2÷7=0 余り2 は 2≡2 (割る数7)3÷7=0 余り3 は 3≡3 (割る数7)4÷7=0 余り4 は 4≡4 (割る数7)5÷7=0 余り5 は 5≡5 (割る数7)6÷7=0 余り6 は 6≡6 (割る数7)7÷7=1 余り0 は 7≡0 (割る数7)8÷7=1 余り1 は 8≡1 (割る数7)9÷7=1 余り2 は 9≡2 (割る数7)次に,余りが同じになる数をあつめてみましょう。1÷7=0 余り1 は 1≡1 (割る数7)8÷7=0 余り1 は 8≡1 (割る数7)15÷7=0 余り1 は 15≡1 (割る数7)22÷7=0 余り1 は 22≡1 (割る数7)「割る数7」の世界では, 1,8,15,22 は 余りが1で,みな兄弟です。余りが同じ兄弟を集めれば,「割る数が7の世界で,余りが1になる剰余類」というグループのできあがりです。もうお分かりのように,日歴算はこの考え方を使っているのですね。◎お家の方へ小学4年生・5年生のお子さんに剰余系を説明するために,マックの塾では物語をつくって教えています。 シーンは森の中の沼です。 この沼には数を食べるピラモンというモンスターが棲(す)んでいます。 きょうは,ピラモンが3という数を食べる日です。 「数の17」がやってきました。 何も知らないで,「数の17」は沼をわたり始めました。 ピラモンがそーっと後ろから近づいてきますが,「数の17」は気がつきません。 パクッ,パクッ,…17を食べ始めました。 17≡14≡11≡8≡5≡2 (割る数3) 「数の17」は,沼をわたり終えるころには「数の2」になってしまいました。こどもたちは,この物語からいろいろな発見をします。10からスタートして,「法3」つまり「割る数が3」の世界でどのようなことが起こるか?100ならどうなるか?1000ならどうなるか?ぜひ,お子さんとお話してみてくださいね。
2003.09.21
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◎マックは週に2~3回,午後9時ごろから約1時間ほど散歩をしています。夏のにぎわいも去り,海辺の街は落ち着きを取り戻したので,歩きやすくなりました。嫁さんや近所の友人たちと,おしゃべりしながら歩くので,あっという間に1時間がたちます。散歩は体にいいです。デスクワークがほとんどなので,以前はけっこう腰痛で悩んでいました。それではじめた夜の散歩ですが,2年が過ぎ,今では腰痛知らずです。でも,一人では続けられなかったと思います。それで仲間を募り,歩きます。歩いていると,四季折々の発見もできますね。『歩き隊』と名づけて,夜の街を数人で歩いています。◎きょうは,『まちがえて買ってしまった算』をやります。I子「マック先生,『まちがえて買った算』てほんとの名前じゃないんでしょ?」マック「『とりちがえ算』でもいいし,『かんちがいしてあべこべに買った算』でもいいし,ネーミングはみんなに分かりやすい方がいいんだ。こういうへんてこな名前の方が,I子さんも忘れないし。」I子「ええ,変な名前なので,忘れられないわ。」マック「…さっそく,問題に入るよ。」[例題Q]サラはお母さんに買い物を頼まれました。お母さんからおつりのないようにお金をもらい,森のケーキショップで1個300円のケーキと1個220円のクルミパンを合わせて10個買いました。でも,サラは数をあべこべにして買ってきたので,160円お金があまってしまいました。サラはケーキとクルミパンをいくつずつ買うように頼まれたのでしょうか。[解説]I子「お母さんに頼まれたとおりに買えば,おつりはなかったのよね。」マック「だから,値段の安いクルミパンの数が増え,値段の高いケーキの数が減ったと考えられるね。いつものとおり,まず単位量は?」I子「ケーキを1個減らして,クルミパンを1個増やすと,払う金額は80円減るから…●は80円/個でしょ。■も160円と分かっているから,■÷●=▲分かった!160円÷80円/個=2個」2個まちがえたのね。」マック「10個のうち,2個まちがえたということは,残り8個はまちがえていない。」I子「2個だけが出たり入ったりしてるから,数の組み合わせは4と6しかないわ。ケーキの方が多かったから,ケーキが6個で,パン4個。」マック「そのとおり!2個の差を線分図に書いて,和が10個の和差算で解いてもいいよね。」【宿題0920号】みおちゃんは,1さつ200円と150円のノートをあわせて22さつ買いに行きました。でも,はじめに予定していた数とはあべこべに買ってしまったので,しはらった代金は300円少なくなりました。200円のノートを何さつ買う予定でしたか。※宿題の答えは次回に!◇数のワンポイント・レッスン<剰余系1>割り算をして割り切れないすると,余りが出てきますね。まず,3で整数を割って実験しましょう。3÷3=1 4÷3=1 余り15÷3=1 余り26÷3=27÷3=2 余り18÷3=2 余り2ところで,1÷3や2÷3は,式と余りをどう表せばいいのでしょうか。4÷3=1 余り1は「4は 3が1個分 と 1」と読めますね。式で表すと4=3×1+1 これと同じように考えてあげればいいのですよ。1=3×0+12=3×0+2(マックから一言:こういう表し方に慣れておくことが,算数力アップのひけつですよ!)上の式の形を変えて1÷3=0 余り12÷3=0 余り2(つづく)
2003.09.20
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◎塾の6年生の子から,次の問題の解法のリクエストがきました。次のような有名問題です。分数の応用ですね。[例題]ロレインが,きいちごを3つのお皿A,B,Cに盛(も)っています。そこに兄のホームズがやってきて,「ねえ,ロレイン。きいちごの数は同じにした方がいいよ。」といいました。「あっ,いけない。考え事をしていたので,数をまちがえちゃったわ。」「ロレイン,見ておいで。こうやれば,数が同じになるよ。」算数好きなホームズは,次のようにきいちごを移動しました。まず,Aに盛られているきいちごの1/3をBに移し,それからBに盛られているきいちごの1/3をCに移し,最後にCに盛られているきいちごの1/3をAに移しました。これで,どのお皿のきいちごの数も16個と同じです。ロレインが最初にA,B,Cに盛ったきいちごの数は,それぞれ何個ですか。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆[解説の前の雑談]数の移り変わりが複雑です。マックの塾では『森の記録係』を使って解きます簿記を知っている人は,『森の記録係』の動きが一瞬で分かります。知らなくても,記録係が分かると複式簿記が分かるという,不思議な▽です。マックはこういう不思議が三度の飯より好きです。自分で発見して試す…それで,なぜか,税理士の簿記論にチャレンジ。独学オンリーで1日2時間,期間は半年と設定して合格しました。模擬試験は一切受けませんでした。もともと人と競争するのが好きではないので,雰囲気がなじめないのですね。それに,自分の実力を一番よく知っているのは自分自身であるわけですから。それで,マックほどお金をかけずに簿記論に合格した人間はいないと自負しています。さすがにヘビーな試験でした。それでも目標を決め,倍率よりも上位3倍の戦いである原則(どんな試験でも,要は上位陣の競争に過ぎないという原則です。)を意識して,戦略をつくり実行していけば,道は何とか切り拓かれます。その際,全体を流れる本質をつかむことが,とても大切です。勉強時間がいっぱいあり過ぎると,細部の罠にはまります。試験に出そうもないことに首をつっこんで,枝葉末節の頭になってしまうのです。ですから,勉強時間を短くするにはどうしたらいいかを考え,リラックスして学習し,自然に疑問が生じるのにまかせます。素直な疑問がわいてきたら,チャンスです。おそらく,その疑問を解くことで,本質に一歩せまることができますから。私の何倍も勉強して,何十倍もお金をかけて,落ちている人の方が多いというのは,何なのでしょうか。本質…ここが分かれば,受かります。マックのくせは,自分で自分に質問する,つまり,自問自答です。さっと,答えられないのは,自分の頭の中に,本質・体系がまだ入っていないからです。試験は,本質が見えなければ,戦う前から負けています。本質が分かれば,あとは繰り返し学習あるのみです。高速で,1冊を何度も何度も繰り返し,問題も試験時間の約半分で解き終えることを目標に,繰り返します。いいですか,試験時間の約半分ですよ。これ以上かかるのは,未消化の部分があるからです。そこを見つけるためにも,高速で繰り返し学習します。こうして,さらに,本質に近づきます。本質が分かれば,勉強はとっても楽になります。◎マック自身の体験や,娘の進学にまつわる経験や塾で教えた経験からつくりあげた学習方法は,上の考え方を応用しています。娘のカオリンは公立中学でしたが,1年のときは部活に専念し,かつ油断したため,5段評価でオール4に近い成績でした。しかし,マックは何も言いませんでした。時を待ちました。中2の1学期の成績は,やや改善していました。カオリンも数学,英語,理科計算問題をマックに聞いてくるようになっていました。マックは,本質に近づけるようなことしか教えませんでした。娘の力を信じてました。きっかけを与えてあげれば伸びるよう,幼い頃から学びの方法を教えてきましたから。中2の夏休みから,カオリンの力は爆発しました。本質がつかめたのです。マックもカオリン用の高速繰り返し学習資料を作りました。中2の2学期からは,ほとんどオール5に近い成績になりました。あいかわらず,部活も毎日遅くまでやっていましたが…。受けたい私立高校も決まり,倍率は毎年30倍程度でしたが,上位3倍の原則を知っているカオリンはゆうゆうと勉強していました。お互いに時間がないので,高速Q&Aを二人でよくやっていました。そして,カオリンは希望の高校に受かりました。◎なお,簿記は算数的考え方のオンパレードですね。株式会社制と複式簿記が,資本主義社会をつくったという説もあるくらいですから,複式簿記が分かると経済学,あの国民所得の三面等価がすっと頭に入ります。国際収支も産業連関表も複式簿記です。今のこどもたちが経済のしくみを知るようになって,日本経済の本当の回復がくるんだろうな,などとマックは思うのです。だから,小学生用に,『算数で分かる複式簿記入門』のゲームを開発してもいいんじゃないかと…これはいいアイディアを思いついた…。脱線も脱線,大脱線してしまいました。[本当の解説]ビデオの巻き戻しで考えます。手がかりはCの皿です。Cの皿に残ったのが16個なら,その直前に時間をもどすと16個は2/3にあたりますね。16÷2/3=24だから,Cの皿には24個あって,そこからAの皿に何個移したのか?8個ですね。Aの皿に注目します。Cの皿から8個もらって16個になったので,その直前に時間を巻きもどすと,16-8=8Aの皿には8個あったのですね。そして,これが2/3にあたります。8÷2/3=12Aの皿には最初12個あったのです。そのうち,4個はBの皿へ。Bの皿に注目します。Bの皿にはAの皿から4個やってきました。そして,Cの皿に何個か移して,残りが16個ですね。16個は2/3にあたるので,16÷2/3=24つまり,Aの皿から4個もらって24個になったのです。Bの皿には,もともと24-4=20で20個あったことが分かりました。そして,Cの皿に24×1/3=88個移したのです。もう一度Cの皿にもどると,Bの皿から8個移ってきて24個になったので,もともと24-8=1616個あったと分かりました。答え Aの皿…12個,Bの皿…20個,Cの皿…16個以上の考え方を『森の記録係』を使ってやる解法は,いずれ紹介したいと思います。
2003.09.19
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◎つるかめ算が直接入試に出てくることはあまりありません。他の文章問題と同様に,有名になり過ぎて,人気が落ちてしまいました。中堅私立では文章題でそこそこ出されていますが,難関校ではまったくといっていいほど登場しなくなりました。それでも,ときどき,さりげなく途中の式の展開で出てきたり,あるいは公式破りのつるかめ算がたまに出たりしますから,一度はやっておくべきです。やはり,みんなが知っていることは,はずしてはいけないのです。といって,公式で解ける場合ばかりではないので,公式にいたるまでの基本の考え方を大切に。と,前置きが長くなりましたが,つるかめ算をささっとやっておきましょう。[例題P]にわとりとかぶと虫の頭の数は全部で15こです。また,足の数の合計は58本です。にわとりとかぶと虫の数をそれぞれ求めなさい。I子「変な組み合わせね。」マック「マックの娘,カオリンが中学3年のときのこと…。美術の時間に,先生から鶏(にわとり)の絵を描くという課題が出されたんだそうだ。ところが,クラスのある女子が描いた絵をカオリンが見て,びっくり。なんと,その子の描いた鶏の絵には,足が4本あったんだ!」I子「まさか…。」マック「その子は本物の鶏を見たことがなかったんだろうね。見たことがあるのは,ケンタッキーのフライドチキンくらいだったのかな?」I子「それでも,鳥なんだから。」マック「飛べないから,足は4本と思いこんでいたらしい。カオリンが何か言わねば,と思うよりも前に,その子はカオリンの方を見てにこっと笑ったかと思うと,いきなり席を立ち,先生にさっさと絵を提出してしまったそうだ。」I子「先生,困ったでしょうね。」マック「その子も今しっかりと県立高校に通っている。」I子「マック先生,その人,ひょっとして今でも…。」マック「ありうるね…。」マック「ということで,にわとりの足が2本であることを,ケンタッキーしか知らない子たちに知っておいてほしいので,にわとりにしてるんだ。」I子「かぶと虫は?」マック「やはり,見たことのない子が多い。こん虫だから…。」I子「こん虫の足は6本。くもは8本。むかでは百足。」マック「さすが,というか安心したよ。最後のはよけいだけどね。」[解説]I子「きょうも,単位量の●を見つけるんでしょ?」マック「そのとおり!旅人算でも出てくるよ。つるかめ式旅人算?合計しか分からない。頭も足も合計のオンパレード。これがつるかめ算のパターンなんだ。だから,仮定法を使う。」I子「仮定法って?」マック「もし,ぜーんぶかぶと虫だったら,と仮(かり)に考えてみる,ここから出発する,ということなんだ。」I子「想像すると気持ち悪いけれど,ぜーんぶかぶと虫だったら,足の数は15ひき×6本/ひき=90本」マック「でも,実際は58本だから,差は90本-58本=32本。次にやることは,1つずつ実際に近づけていくこと。かぶと虫を1ぴきへらして,にわとりを1羽ふやすと,足の数はどうなる?」I子「4本へるわ。」マック「これを●と考えるんだ。」I子「■は32本ね。」マック「それで,式ができるね。」I子「■÷●=▲だから,…それに,この式からにわとりの数が出てくるから,32本÷4本/羽=8羽」マック「それで,かぶと虫は15-8=7ひき」I子「●や■が出てくるということは,面積図でもできるっていうこと。?」マック「YES。横に頭の数,たてに足の数をもってくればできるよ。」と,こんな感じて授業は続くのでした。◎次回は,6年生からの質問に答える緊急特集になります。
2003.09.18
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◎単位量をみつけれてあげれば,視野はぐーんと広がります。一挙に山登りだったら,6合目くらいまで行ってしまいます。その実例を小出しに出していきます。(一気にでは,スペースが足りませぬ。)◎旅人算マック「旅人算のうちの追いつき算,学校でやったかな?」I子「来年の2月ごろから入るわ。」マック「単位量の考え方が分かっていれば,かんたんだよ。」(暗示,暗示…。)[例題O]ロビンはいつも妹のサラと,分速60mで学校にいきます。でも,きょうはねぼうして,サラがいつものように出かけてから5分後に,分速80mで追いかけました。ロビンは家を出発してから何分後にサラに追いつくでしょうか。[解説](1) 妹のサラはどれだけ先に進んだでしょう → 60m/分×5分=300m →→ ■(2) 300mの差がありますね。この差をちぢめていくことを考えましょう。(3) 二人の差は1分でどれだけちぢまるでしょうか → ロビンは1分で80m進み,サラは1分で60m進むから,1分ごとに 80m-60m=20m ずつちぢまります。 → 20m/分 →→ これを単位量として●(4) 300mの中に20mは15こありますね。式で表すと300m÷20m/分=15分 答えは15分です。 (5) 公式(追いかけはじめるときの2人の間のきょり)÷(2人の速さの差)=(追いつくのにかかる時間) ■ ÷ ● = ▲マック「単位の計算を確認しておくよ。分数のかけ算・わり算の分かる子向けにね。」 m 分 m÷── = m×──=分 分 mI子「単位が分かると,便利なのねー。」マック「ダイヤグラムや面積図も,覚える苦労をしなくてもよくなるよ。」I子「マック先生。今度,5年生でも分かる分数のかけ算・わり算を特集してね。」マック「計算のこころを知ること。これが,数の世界に入る切符になるからね。」
2003.09.17
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◎小学2年生以上のお子さんのいるご家庭向けです。マックの塾では,小学2年で出てくるかけ算のところから,単位量での理解をうながします。●×▲=■を2通りに理解させています。ひとつは,2+2+2=2×3=6 と,▲を何倍と読むやり方で,教科書どおりです。しかし,この理解だけだと,連続量の世界に入っていくのが難しいのです。数の世界が広がるにつれ,離散量の世界(自然数の世界)から連続量の世界(小数や分数の世界)にだんだん入っていきます。ピポット,線型計画法をご存知の方はこのピポットでピンとくると思うのですが,ピポット=軸足ですね,このピポットにあたるのが単位量なんです。ジャングルのような数の世界も,ピポット=単位量で考えれば,整然としてきます。とっかかりが見えてきます。小数や分数の世界では,●を▲倍すると,●より小さくなることも当たり前になってきますね。こどもたちは,ここでつまづきます。離散量の考え方の▲倍では考えづらいのです。そこで,連続量の考え方,つまり,●は1という単位量の考え方を教えておいてあげないと,おこさんはあとで苦労することになります。小数や分数のわり算のしくみが本当に理解できるかどうかは,ここにかかっています。◎単位量の話を先に進めます。マック「魔女のモニカ●が分かれば,文章題はこわくない。単位量のついた●をさがしてみよう。そうだね…あめ30こを5人で分けました。●を単位をつけて言うと…。」I子「■÷▲から 30÷5=6。単位をつけて計算すると, 30こ÷5人=6こ/人。」マック「6時間で30km進みました。●は?」I子「30km÷6時間=5km/時間。」マック「5km/時 でいいよ。これからは時間の間を省略するからね。それでは,今出した2つの●を日本語になおしてみて。」 I子「はじめのは,『1人当たり6こ』で,次のは『1時間当たり5km』です。」マック「それでは,人口密度の単位は?」I子「1km^2(平方キロメートル)当たりにいる人間の数だから,『人/km^2』が答えです。」マック「そうだね。」I子「マック先生,●は平均のことともとれるんでしょう?」マック「そうだよ。あるクラスの算数のテストの平均点68点ということは,『1人当たり68点取った』ということだね。」I子「クラスの人数が35人なら,総得点は 68点/人×35人=2380点 ね。」マック「分数の分かる子なら,単位も 点 ──×人=点 人で,ちゃんと式がなりたっていることが,確かめられるよ。」I子「単位どうしをいろいろくっつけて,モニカ●の単位ができるのね。」マック「●の単位をいろいろ,つくってみよう。」☆☆ 練習 ☆☆ノート1冊の値段は120円 → 120円/冊一袋に栗(くり)の実が10こ → 10こ/袋遊園地の入場料金はこども一人2000円 → 2000円/人 1日は24時間 → 24時間/日 1時間は60分 → 60分/時 1直角は90° → 90°/直角 ポンプて水を入れたら,1分で3cmずつ水面が上がった → 3cm/分A管から1分ごとに2リットルの水が出た → 2リットル/分時計の分をきざむ長い針は,1時間で360°進む → 360°/時時計の分をきざむ長い針は,1分で6°進む → 6°/分時計の時間をきざむ短い針は,1時間で30°進む → 30°/時☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆マック「こういう練習は,めんどうかもしれないけれど,大切なんだ。マックがみていて,1当たり単位量をうまくあつかえる子は,算数・数学がぐんぐん伸びる。表が●,裏が1の札は,算数・数学のエッセンスといってもいい。中学生になっても,高校生になっても大学生になっても,ね。」I子「そうね,●×▲を『●の▲倍』としか読めないと,小数や分数のところで理解できなくなるって,マック先生が計算のところで言ってたわね。」マック「この日記ではまだ出てこないけれど,計算編で数のしくみ,計算のしくみを考えてもらうところがある。そこで,説明するからね。」I子「6年生向きだけれど,仕事算やニュートン算のときの仕事の単位は…。」マック「秘密の単位があるんだ。表が●,裏が1の札と秘密の単位を使うと,分数の問題も比の問題も,こどもたちがよく分かるしかけになっているんだ。」I子「私はマック先生の塾の子なので,比は分かっちゃっているけれどね…。」
2003.09.16
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◎ クルミの解法から,比例と反比例の考え方だけ書いておきます。 そして,いよいよ娘のサーヤが登場します。(本人の意思とは関係なく…。)サーヤがクルミの名付け親なのです。気が向くと,いろいろなネーミングを考えてくれます。<比例>マック「学校ではまだやっていないところだけれど,H子さんからリクエストが来ているので,比例と反比例をまとめてみたいと思うんだ。協力してね。」サーヤ「いいわよ。H子さんの宿題プリント,見せて。割合と比を使えば解けそうな問題ね。」 マック「比例や反比例を知らなくても,クルミや比が分かっていれば問題は解けちゃうよ。だから,わざわざ比例・反比例を勉強するのは,中学校の数学に入る準備のため,というとらえかたもできるんだ。」サーヤ「数学っぽいってわけ?」マック「そうなんだ。関数のところで勉強する1対1対応や,連続した量…これは身長や体重のように整数以外の数をくまなく並べたものなんだけれど…こういった抽象的な世界を組み立てていく数学の世界の典型(てんけい)だね。」サーヤ「ポイントを先に教えておいて。」マック「そうだね。できるだけ短くまとめとこう。」☆できるだけ短いまとめ☆●×▲=■ からスタートですよ。この形にならないものは,比例でも反比例でもありませんぞ。<比例>(1) ●×▲=■をノートに書きます。(2) ●を指先で隠(かく)します。▲と■が見えてますね。この2つが比例関係にあるのです。(3) 隠(かく)した●を『決まった数』といいます。 ※札の表■と裏▲が,比例の関係ですね。<反比例>(1) ●×▲=■をノートに書きます。(2) ■を指先で隠(かく)します。●と▲が見えてますね。この2つが反比例の関係にあるのです。(3) 隠(かく)した■を『決まった数』といいます。☆できるだけ短いまとめでした☆サーヤ「現実には比例って目には見えないわよね。」 マック「感覚で受け止めると,一方が増えれば,もうひとつも増えるっていうのは比例って感じだね。これを数学的に抽象化すると厳密(げんみつ)な意味での比例関係が誕生する。」サーヤ「お金をたくさん出せば,買えるケーキの量も増えるのが,比例関係。」マック「定価が「『決まった数』数だね。その数を中心において,2つの量が変わっていく。その関係が比例関係だね。1個のケーキを分けるとき,人数が多いとサーやの食べられる量がへってしまうのが,反比例の関係。」サーヤ「魔女のモニカの記号でまとめていきましょ。」 マック「変わる2つの量が▲と■で,が「『●決まった数』のときが,比例関係だね。」サーヤ「●が2のときは,▲を1とすると■は2。▲を10とすると■は20。●は,いつも▲を2倍して■をつくりなさい,という命令文になっているのね。」マック「量の関係を横でみてみると,サーヤの例なら,▲は1→10で10倍になってる。■をみてみると,2→20でやっぱり10倍になっている。これを比例関係という。」サーヤ「●×▲=■からスタートしましょ,マック先生!」マック「●が2なら,2×▲=■」サーヤ「▲=0なら■=0,ね。」マック「比例関係のとくちょうが,いろいろあらわれてきたね。」サーヤ「グラフをかくと,原点からまっすぐ右上にのびていくのが比例のグラフ。」 マック「どこかで見たことがあるグラフ。」サーヤ「ダイヤグラムでしょ。」マック「ダイヤグラムのはじめの部分,原点から出ている直線が,比例関係だね。それでは,まとめておこう。」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆<比例> ●×▲=■の形になっていれば,比例の関係 決まった数(中学生以上=比例定数のこと)が魔女のモニカ●で 魔法のつえ▲に●かけて,クララ■になります。 グラフの横軸,つえ▲があり, 縦軸上ではクララ■が遊んでる。 グラフの形は直線で, 原点から右上にあがっていくよ。 決まっている数●の出し方は ■÷▲=●です。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆サーヤ「中学校では,xとyで説明するんでしょ。」マック「そうだよ。▲→x,■→yとして,xとyは自由に動かしていいから,変数と呼ぶ。サーヤ「●は,aとおいて…これは決まった数だから定数っていうのよね。」マック「それで,2つの変数の関係が,xをa倍したらyになるタイプの式が比例関係。中学校以上では,かけ算の記号は省略するのが流儀だったね。」サーヤ「y=ax って書くんでしょ。わたしはノートにはそう書いてるわ。いつまでもお子様扱いしないで,といいたいわ。だって,私立の子たちも,中学校の公式バリバリ使ってるのよ。私立受験組も高校生になったら勉強する組み合わせの公式,知ってるわよ。」マック「学校でも,分かる子には,どんどん先を教えてあげられればいいのにね。」<反比例>マック「後半の反比例に入るよ。魔女の記号でいうと,『決まった数』は?」サーヤ「クララ■ね。」マック「●と▲が変われる2つの量。」サーヤ「●が2倍になると,▲は半分になるから,反比例っていうのよね。」マック「■を12にして考えてみよう。●×▲で,とりあえず整数になる組を言ってみて。」サーヤ「1×12,2×6,3×4,4×3,6×2,12×1,フッー。」マック「6個あるね。これをグラフにかいてから,つなげると?」サーヤ「原点に向かってゆるやかなカーブをえがいて近づいて,また離れていくわ。」マック「原点から離れていくとき,軸に近づいていくね。この形が反比例の関係。●×▲=『決まった数』文章題でたくさん出てくるね。比で出てきた逆比も,このグラフでイメージしてね。それではまとめておこう。」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆<反比例> 決まった数は■だよ。 だから,●×▲の値はいつも同じ。 グラフをかくなら,●と▲,縦横どちらに入れてもかまわない。 グラフの形は 原点に向かって凸の曲線。 縦軸・横軸に近づくけれど,交わらない。 決まった数■の出し方は ●×▲=■ですね。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆サーヤ「反比例を中学生用の言い方に変えると xy=a でしょ。」マック「そうだね。だから,この形で覚えられ子は,これで覚えておくといいね。」サーヤ「ひとつのケーキをみんなで分ける関係って覚えとこーっと。1人で分けたら,全部わたしが食べられる…。そういえば,ケーキが冷蔵庫にひとつあったわ。」マック「マックにも分けい。」
2003.09.15
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◎日曜特訓を開始して,またまた,あわただしい雰囲気になってきました。ほっとして研究に専念できるのは,受験が終わるまでは,平日の午前中のみという状態です。きょうも,これから,日曜特訓・午後の部の開始です。その間隙を縫って,日記を書き込んでおきます。◎I子「きょうは単位量の話ね。森のなかまに『』不思議な単位さん』がいたでしょ。あの単位はマック先生がつくったの?」マック「単位はだれでもつくれるんだ。単位はつくれる!ここが分かれば,物理でも化学でも楽勝?とまでは言わないけれど,スムーズに入っていけるよ。I子さん,▲に単位のついた問題をつくってみて。」I子「いいわよ。えーと,1本の長さが1.5mのリボンを4本,つなげずにまっすぐならべたら何mになりますか。」マック「つなぐところは0m。これをたとえば,結び目を25cmとると,などとすると植木算になるね。」I子「そのままの場合は,答えは●×▲=■から,6m。」マック「そうだね。それでは,▲のところについている単位は?」I子「本数の本。」マック「●についている単位は?」I子「1本で1.5mだから,m/本でしょ。」マック「●についている単位は,二階建てだね。/はパー(『当たり』という意味の英語)と言ってもいいし,毎(まい)と読んでもいいのだったね。」I子「1.5m/1本だけれど,1は当然ついている数なので,省略して1.5m/本と表すのよね。」マック「斜めの線/の意味は覚えているかな?」I子「単位をつけて計算すればでてきたんだっけ…。6m÷4本=1.5m/本だから,/は『割る』ということを表しているわ。」マック「よくできました。I子さんはよく理解しているけれど,このことがあいまいな中学生・高校生もいるんだ。」I子「それじゃ,そういう人たちにも,この日記を読んでもらえるとうれしいな。」マック「そうだね。I子さんで実験してみるよ。g/cm^3はどういうことを表していますか。」I子「1cm^3当たりの重さでしょ。」マック「これは『』密度』といって,物理で勉強するんだ。正確には密度=質量/体積。この,密度がビンと来ない子たちがいるんだ。」I子「質量って?」マック「重力の影響を受けない不変の量,と言っても分かりにくいね。地球の上でも,月の上でもI子さんの質量は同じなんだよ。」I子「月の上だと,体重が軽くなるって聞いたことあるわ。ダイエットしなくても軽くなるのよね。」マック「軽くなるというのは『重量』のこと。教科書では『重さ』と表されているけれど,I子さんの体重は『重さ』=重力の大きさ,のことなんだ。」I子「地球の上の方が,重力が大きいのね。でも,私の体重は重力なんだ。」マック「質量に重力がはたらいて,重量になっているんだ。重力が5倍になれば,質量は不変だから,重量は5倍になる。」I子「物理では,どこで測っても変わらない質量を使うのね。マック先生,おそろしいことに気がついたんだけれど,gが質量の単位だとすると,食塩水の重さとか体重とか,なにげなく使っていた単位は質量のことだったの?」マック「まあ,地球上では質量と重量を区別しなくても生活に影響がないので,重さといえばgやkgを使っているんだ。お米の袋にもkgってしっかりと印刷されているよね。こういうあいまいなところは,数学の世界でもいっぱい出てくるよ。」I子「何か,知ってはいけない世界のことを知ってしまったような…。」マック「厳密に学問をするというと,やはり大学に入ってからかなー?中学入試や高校入試,大学入試までは,与えられた情報だけで勝負する世界なんだ。ルールを同じにして試験しないと,採点できないしね。」
2003.09.14
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◎きょうは,森のバードをとちゅうで紹介します。◎●×▲=■からスタートだよ。マック「きょう,やるのは■÷▲=●の形だ。」I子「面積図は終わっちゃたの?」マック「終わったわけじゃなくて,もう少し全体の話をしておかないと。」I子「■÷▲=●で何か問題つくって,マック先生。」マック「そうきたか。それじゃ,問題にはいっていこう。」[例題L]ロビンのお父さんが川でつりをしてきました。魚が18びきつれました。これは昨日つった数の1.2倍にあたります。昨日は何びきつれましたか。[解説]元にする量●をみつける問題です。札を思い出してください。クララ■の裏に書いてある割合の数は▲倍でしたね。■が▲にあたります。■÷▲で魔女のモニカ●が現れます。18÷1.2=15 答え 15ひきマック「いいかい。■が▲にあたる,と出てきたら,すかさず割ること。●が出てくる。」I子「魔女を呼び出すおまじないね。」[例題M]AがBの0.25倍で,Aが16のとき,Bは( )です。I子「解説はいらないわ。16が0.25倍にあたるから,16÷0.25=64 答えは,64です。」マック「慣れてきたね。次の問題はどうかな?」[例題N]濃度が15%の食塩水の中に,食塩が27g入っています。食塩水の重さを求めなさい。[解説]元にする量●は食塩水の重さです。27gが0.15にあたります。■が27g,▲は0.15なので,27÷0.15=180 I子「魔女の出てくるおまじない…。■は▲にあ・た・る!」マック「今の問題で,水の重さの割合はいくつ?」I子「食塩水が1倍で,食塩が0.15倍だから…1-0.15で0.85倍。」マック「この関係を絵にすると,バードの形になるね。」I子「森のバードね。いつもUFOみたいに見えるれれど。」◎森のバードの作り方(1)真ん中に円をかきます。(2)左右に楕円をつけます。(つばさのように)(3)真ん中の円は食塩水の重さで1,(4)左のつばさは水の重さで0.85,(5)右のつばさは食塩の重さで0.15マック「線分図でもいいけれど,この方が楽しい。」I子「バードの使い道は,仕入れ値,定価,売り値のところで教わったわ。」マック「よく覚えていたね。」I子「UFOは1度みたら忘れられないわ。」マック「バードです!つばさとつばさを足して割合の1になる,そういう問題に使うと見やすいし,まちがえない。」I子「でも,仕入れ値と定価,利益のバードだけは左のつばさが仕入れ値で1左のつばさが見こめる利益,真ん中が定価ですよね。」マック「これだけは,そうしてね。」I子「バードを使うと,楽に解けるのが,仕入れ値,定価,売り値の問題ね。」◎マック「▲が割合の場合の話は,これで大体終わったね。」I子「次回はいよいよ,単位量?」マック「先に言われてしまった。」I子「そんな,がっかりしないで。」マック「気を取り直して,次回から,」I子「単位量。」マック「…。」
2003.09.13
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◎教材づくりが終わり,やっと日記を書く時間になった。1日が経つのが速すぎる。きょうは,面積図の話でした。さわりだけ,いきます。◎マック「きょうは,食塩水の問題を面積図で解いてみよう。」I子「魔女のモニカ●は食塩水の重さ。魔法のつえ▲は濃さ。●と▲をかけて,出てくるクララ■が食塩の重さ。だから…」マック「だから,●を横の長さ,▲をたての長さと考えてあげれば,■が面積だね。」I子「それが面積図…。なんか,ごまかされたみたいな…。」マック「数を面積に結び付けて考えるという方法は,とても分かりやすい方法なんだ。イメージしやすいからね。それに,もともと算数・数学は実用的な学問だったからね。それを抽象化したのが,近代数学で…。」I子「先が長くなりそうだから,元にもどりましょ。」マック「面積ついでに,古代エジプトの数学の話もしようかと…。エジプトひもの話はいずれしようね。図形で出てくるからね。約数にも関係してくるかな…。」I子「先生!」マック「オホン。ところで,●をたてに,▲を横にもってくるのが平均算,分配算,つるかめ算,過不足算,もうじき出てくるニュートン算などなど。逆にいうと,食塩の面積図が特殊なんだね。」I子「早くふつうの面積図も教えて。」マック「単位量をおさらいしてから説明するよ。といっても,1回教えればすぐできるようになる。それよりも,旅人算のことなんだけれど…。」I子「マック先生はダイヤグラムを使えっていってたわよね。イメージするにはダイヤグラムが一番いいって。クルミからダイヤグラムにいくんでしょ。」マック「そうなんだ。つるかめ算で解く旅人算,和差算で解く旅人算など,変形のものは面積図も少し使うこともあるけれどね。」◎実は,マックの塾では面積図で解きたい子とクルミで解きたい子がいます。マックはこどもたちの反応をみて,その子が好むやり方を教えます。強制はしません。しかし,ひとつ注意が必要です。慣れるまでは,ひとつのやり方で通してみるということです。いろいろな解法を試すというマックの主張と矛盾すると思われるかもしれません。要はその子のキャパの問題になります。マックは,一人ひとりをいつも観察しているので,この子ならいくつも教えても大丈夫,この子は面積図で通したほうがいいな,などとみきわめてから,教えています。それでも,慣れるまではひとつ,ですよ。
2003.09.12
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◎「食塩水」は「速さの計算」とともに割合の問題として,人気をニ分しています。解き方は線分図,面積図,天びん算などいろいろありますが,マックの塾ではクルミの解法を主に使っています。マックの日記では,塾のこどもたちの手前,クルミの解き方を公開できませんのです。しかし,それにいたる考え方は,ここに書いていきたいと思います。基礎こそが大切だからです。応用問題が多少できても,基礎ができていないとさらにその上の問題が解けなくなりますから。◎食塩水の問題にもどります。きょうから,S学園5年生の自立学習派のI子さんに登場してもらいます。 自立学習派と書いたのは,I子さんは5年になってから,宿題は一人でやると決めて,実行しているからなんです。(もちろん,マックの塾では分からない問題はいっしょに解いてますよ。)学校の宿題を終えるのが午前になってしまうこともありますが,自分でやったという満足感があるってI子さんは言います。ご両親もはじめの頃は,夜遅くまでかかっているで,手伝ってやりたいとはらはらしながら見ていたそうですが,今ではまったく気にならなくなったとのことです。時には遠くからわが子をみてあげる,ということも,こどもの自立のためには必要なんでしょう。(マックの家もそうでした。高校生の娘カオリンは小5のときから自立しました。学校の宿題でどうしても分からないところだけは手伝いますが,あとは自分でどうぞ,というスタンスです。下の娘,サーヤも最近,やっと自立しました。)I子「何で食塩なんですか。」マック「食塩でなくても,水にとける物なら何でもいいのです。砂糖水がときどき出てくるよ。」I子「ホウ酸のとけ方の実験したことがあるわ。」マック「ホウ酸や食塩の溶け方は理科で出てくるよね。水温の影響をあまり受けない食塩の方が算数向きなんだろうね。それと,水の体積1cm^3(立方センチメートル)は1gとして計算するんだよ。あまり意識していないと思うけれど。」I子「1cm^3は,たてもよこも高さも1cmのさいころのことよね。」マック「水はやはり,水温で微妙に体積が異なるけれど,1799年にフランスで,1000cm^3=1kgと決められたんだ。日常生活では誤差がほとんど気にならないから,1cm^3=1gでいいんだよ。」I子「濃さが出てきますね。濃さを出すには,食塩の重さを食塩水の重さで割って,100をかければいいんでしょ。」マック「そうだよ。ひとことでいえば,食塩水の重さを割合の1として,食塩の重さの百分率を求めればいいんだね。」I子「食塩を水に溶かすと,とうめいでしょ。だから,はじめて実験したときは,重さもなくなってしまうかと思ったわ。」マック「でも,なめてみると海水みたいにしょっぱい。食塩はどこかに消えてしまったのではなく,水の中に溶けていたんだね。マック「それでは,食塩20gを水120gにとかしたら合計で何gになるかな。」I子「はい,140gの食塩水ができます」。マック「これを『質量保存の原則』っていうんだ。とかす前と後とをくらべて,重さの合計は変わっていないよね。」マック「確かめておこうね。●×▲=■のどれが食塩水の重さかな。」I子「魔女の記号の●が食塩水の重さで,■が食塩の重さね。」マック「そうだ。そして,いつも●×▲=■だ。」I子「ということは…わかった。▲が濃さなのね。」◎食塩水の作り方食塩10gを水90gにとかすと,100gの食塩水ができます。食塩20gを水180gにとかすと,200gの食塩水ができます。◎食塩水の濃さ食塩10gを水90gにとかすと,食塩水の濃度は( )%になります。食塩の重さは食塩水全体の何%になっているのでしょう。10÷100=0.1 →→ 10%ですね。◎割合でもう一度食塩10gと水90gで食塩水は100g割合でみると,食塩は0.1倍水 0.9倍食塩水 1倍0.1+0.9=1 でなりたっていますね。◎例題を解いてみましょう。[例題J]食塩20gを水180gにとかすと,食塩水の濃度は( )%になります。[解説]食塩水の重さが●,それを▲倍したものが,食塩の重さ■です。■÷●=▲20÷200=0.1 答え 10 (%)[例題K]食塩20gを水380gにとかすと,食塩水の濃度は( )%になります。[解説]食塩水の重さが●,それを▲倍したものが,食塩の重さ■です。■÷●=▲20÷400=0.05 答え 5 (%)次回は,食塩の問題を面積図で解くには…というテーマで,面積図の考え方を書いてみたいと思います。
2003.09.11
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5年向け割合計算に入る前に,6年向けにちょこっと書いておきます。☆6年生向けダイジェスト版☆マック 「5年生シリーズで日記を書いているけれど,公立小の6年生は分数のかけ算・割り算や比に入るところが多いと思う。T夫くんところは,どう?」T夫 「分数のかけ算・割り算に入ってます。」マック 「Y子さんのところは?」Y子 「立体図形で立方体や直方体!」マック 「いいかい。みんな●×▲=■がスタートだからね。ここを押さえておけば,あとは千本ノックをやるから大丈夫。容積の場合は,どう?Y子さん,答えて。」Y子 「容積の場合は,底面積×深さが容積だから,●が底面積で,▲が深さで,■が容積。」マック「覚えていたね。よかった。」T夫 「マック先生とクルミのやり方でやっているうちに,気がついたら6年の範囲が終わっていたんだよね。だから,授業中,暇で…。」Y子 「わたしは,まじめに聞いているわよ。学校の先生もいろいろなプリントを用意してくれるし…。」マック「学校の授業をただ聞いているだけでは,チョーつまんないね。よゆうがあれば,授業を聞いている間に,別のやり方で解けないか,考えてみること。いろいろな発見ができるよ。いいかい。時間は大切にね。学校の授業も大切に。先生にどんどん質問してもいいと思うよ。」T夫 「分かりました。でも,マック先生,チョーは古いから止めてー!」マック「つい,口ぐせになってしまった。それでは,T夫くん。分数のかけ算・割り算では約分が出てくるよね。ちょっと前にもどって,約数と倍数を復習しておこう。●×▲=■を約数・倍数で読んでみて。」T夫 「●と▲は■の約数で,■は▲の倍数。■は●の倍数。」マック「■が24のときは…。Y子さんに答えてもらおう。」Y子 「1×24=24,2×12=24,3×8=24,4×6=24 」 マック「次も,Y子さん。割り切れる,という言葉を入れて●×▲=■を読んでみて。」Y子 「■=●×▲と変形して,■は●でも▲でも割り切れる。」マック「グッドだよ。次はT夫くん,わり算と比と分数の関係をいってみて。」T夫 「来ると思った。えーと, b÷a→b:a→b/a だったね。」マック「ふたたびグッド。よく勉強してるね。みんなすごいや。」こんな感じで講義はつづきます。ところで,S学園のY子ちゃん,最近,口から「したがって」とか「ゆえに」という言葉が勝手に出てきてしまうそうです。だれの影響なんでしょうか。☆ここから,5年向けです。☆前回の復習からいってみよー。 ●×▲=■(魔女のモニカ●を魔法のつえで▲倍すると,クララ■になります。)いつもこの式からスタートします。[例題C]「ある中学校を去年受験した人は1500人でした。今年受験する人は,去年よりも20%ふえて( )人です。」●の▲倍をみつける手順(1) ▲をつくろう。→→→20%ふえたから →→1+0.2=1.2倍(2) ●は,●×▲で,ふつう▲のすぐ前にある。→→→去年かな?(3) ●×▲で確かめよう。→→→去年の1.2倍→→ぴたっときたね!(4) 計算しよう。→→→1500×1.2=1800人(5) 最後に大きさを確かめよう。→→→今年の方が多い。→→決まったね!(1)の割合計算の注割合も数なので,割合どうしを足したり,引いたり,かけたり,割ったりすることができます。[例題D]「利益を仕入れ値の3割みこんで定価をつけました。定価の割合は( )です。」(1) 仕入れ値が●なので1です。(2) その3割ましは 1+0.3=1.3 (3) 定価■の割合▲は1.3倍です。◎クララ■は魔女●の▲倍 クララを魔女で割ると,▲が出てきます。 式で表すと ■÷●=▲[例題E]Aが25,Bが75のとき,BはAの何倍ですか。[解説]「Aの何倍」が●×▲ですね。 Aがもとになる量●なので,Bは比べられる量■です。 ■÷●=▲です。 75÷25=3 答え 3倍[例題F]ロビンはおはじきを25個持っています。アンナは100個持っています。アンナはおはじきをロビンの何倍持っていますか。[解説]「ロビンの何倍」から ●がロビンの分,■がアンナの分です。 ■÷●=▲ 100÷25=4 答え 4倍[例題G]ロビンはおはじきを25個持っています。アンナは100個持っています。ロビンはおはじきをアンナの何倍持っていますか。[解説]「アンナの何倍」から ●がアンナの分,■がロビンの分です。 ■÷●=▲ 25÷100=0.25 答え 0.25倍[例題H]仕入れ値1500円の( )割の利益をみこんで,1800円の定価をつけました。[解説]「仕入れ値の( )割の利益」から●が仕入れ値で,■が定価です。 ■÷●=▲ 1800÷1500=1.2 1.2-1=0.2 答え 2(割)[例題I]ロビンの身長は150cmで,お父さんの身長は180cmです。お父さんの身長はロビンの身長の何倍ですか。[解説]「ロビンの何倍」から,●がロビン,■がお父さんです。 ■÷●=▲ 180÷150=1.2 答え 1.2倍◎お疲れ様でした。次回は,食塩水の作り方講座に入ります。
2003.09.10
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5年生の子が割合を学んでいて,つまづくところは●と■の区別と,▲のつくり方です。今日も,●×▲=■からスタートします。●の▲倍は■ですね。【例題A】ロビンは森の中に住んでいるマックをたずねることにしました。ロビンの家から森の入口までの道のりは,2kmです。また,ロビンの家からマックの家までは,ロビンの家から森の入口までの道のりの1.25倍あります。ロビンの家からマックの家までの道のりは何mですか。【解説】「●の▲倍」で,●は▲のすぐ前にあることが多いと覚えておきましょう。▲のすぐ前の「の」にヒントがあります。この「の」は「かける」とう意味で使われることが多いのです。さあ,見つかりましたか。●×▲は「ロビンの家から森の入口までの道のりの1.25倍」●はロビンの家から森の入口までの道のりの2000m(単位はあらかじめ統一しておきましょう。)▲は1.25倍■を求めればいいのですね。2000×1.25=2500答え 2500mこれで安心しているきみ!「どちらが大きい?」をテストしておこう。◎たしかめ→→■は●の1.25倍でたしかに●より大きい。→→テストに合格。【例題B】ロビンは森の中に住んでいるマックをたずねることにしました。ロビンの家から森の入口までの道のりは,2kmです。また,森の入口からマックの家までは,ロビンの家から森の入口までの道のりの0.25倍あります。ロビンの家からマックの家までの道のりは何mですか。【解き方1】【例題A】と【例題B】の違いが分かりますか。 ■と▲が違いますね。 ▲は0.25倍です。 ●はロビンの家から森の入口までの道のりの2000m ■は森の入口からマックの家までの道のり■m ■=2000×0.25=500 ロビンの家からマックの家までの道のりは 2000+500=2500 で2500mです。【解き方2】 割合の「倍」で考えてみましょう。 ●はロビンの家から森の入口までの道のりで1倍 森の入口からマックの家までの道のりは●の0.25倍 したがって,ロビンの家からマックの家までは,1倍+0.25倍=1.25倍 ▲を1.25倍としておけば,ロビンの家からマックの家 までの道のりが■でいっぺんに求められます。 解き方2がマスターできれば,仕入れ値→定価→売り値の問題にとりかかれます。 また,この●×▲=■の▲倍を%にすれば,食塩水の濃度の問題にとりかかれます。その前に●×▲=■からみちびかれる■÷●=▲■÷▲=●について,次回に触れることにします。
2003.09.09
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◎今日から通常の講義に戻り,平和な1日になりました。私立中学受験組のTくんとは,しばしば数学談義になる。今日も,千本ノックという,難度中レベルの文章題をどんどん解かせる問題を終え,(これをやると格段に力がつくので,受験組の必須授業です。)しばし,雑談。Tくんは医師のお父様に,クルミの解法についてときどき話しているそうです。お父様も興味があるようで,マックが出した宿題をいっしょに解くことがあるそうです。しかし,クルミを使うTくんのスピードに追いつけないので,Tくんが解き方を教えたり…。得意になって教えてくれました。Tくんのお父様はマックの高校の後輩で,ときどき会っていますが,大変な勉強好きで好奇心も強く,Tくんの性格はお父様に似ています。クルミの中に行列に似た記号がでてきます。これを『森のバスケット』と呼んでいますが,Tくんはこの記号が気になって,マックに質問してきました。「ねえ,先生,バスケットは先生が考えたの?」「これは行列という式を表す記号からもってきたんだ。」「行列って何なの?」「データを集めてひとかたまりにしたもの。たとえば,Tくんの背の高さ,体重,視力,血圧をこの順番に書いてみると… (Tくんの背の高さ,体重,視力,血圧)これは,1行4列タイプの行列というんだ。」「2行も3行もあるわけ?」「データがあれば,いくつでも。」「3次元を超えているよね。」「数学の便利なところは,何次元でも扱えるという点なんだ。」「そうなんだー。頭が混乱しそう。イメージできないよ。」「3次元は4次元のかげという考え方もあるよ。実際,トポロジーという数学の入門書では,これを利用して4次元の図形を想像するという説明が出てくるよ。」こんなふうに,こどもが興味をもったら,どんどん話して聞かせる…こういうことも大切な学習です。S学園のH子ちゃんは円周率がふしぎでしかたなかったようです。それで,円周率の歴史を物語風に話して聞かせたら,それからしばらくは,円の問題に果敢に挑戦し,とうとう中学レベルの円周角までいってしまいました。そういえば,S学園の女の子のお父様もクルミの解き方を娘さんから聞いて,算数に興味が出てきたようです。お父様が塾にこられて,算数談義をしたこともあります。マックは,お父様たちの興味にこたえるため,クルミのニュースレターを発行することにしました。その模様など,また,日記に書いていこうと思います。
2003.09.08
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嵐のような1週間が終わった。ふーっ。S学園は明日からテストが始まる。その対策用に,これから資料作り。なかなか,HPのリニューアルができません。☆ 昨日の ●×▲=■ の説明の補足です。魔女のモニカの●は,もとになる量なので,いつも割合を1とし,1倍と読むことにします。▲は■の割合を表し,▲倍と読みます。したがって,クララの■は,●を▲倍したものです。例題です。「ロビンはアンナと森にやまももをつみに行きました。アンナは45つぶをつみました。ロビンはアンナの3倍つみましたとさ。ロビンは何つぶのやまももをつんだのでしょうか。」●はアンナのつんだ65つぶ▲は3倍■がロビンのつんだやまももの数●×▲=■65×3=195 答え 195つぶ●×▲=■タイプの問題です。(答えは一番下にあります。)6の3倍は( ① )です。3メートルの12倍は( ② )メートルです。( ③ )グラムは12グラムの2.5倍です。( ④ )デシリットルは12リットルの0.15倍にあたります。毎日50円ちょ金すると,30日で( ⑤ )円たまります。※割合を勉強したてのこどもたちは,何が●で,何が■かでおおいに迷います。国語の読解力といえばいえそうですが…。基礎を理解不足から,文章題がにがてということの方が多いと感じています。入門クラスは,割合と対にして解くようにしています。1倍は●,▲倍は■…。名刺大の札を2枚用意して,表にそれぞれ●と■をかきます。●の裏に「1倍」,■の裏に「▲倍」と違う色でかきます。この札を使って,問題練習をしてみてください。(きょうの説明,分かっていただけたでしょうか?)<問題の答え>①18 ②36 ③30 ④18 ⑤1500
2003.09.07
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小学5年生の女の子たち向けの,家庭でできる数の練習です。●×▲=■算数の世界は,ここから出発します。●はもとになる量で「魔女のモニカ」■は比べられる量で「クララ」という女の子▲は「魔法のつえ」でモニカからクララへ,クララから魔女に変身ストーリーはそれらしく,森の中でこどもたちが,いろいろなツールに出会うという構成にしてください。この物語で,割合の世界を理解してもらいます。お子さん向けにイラストを描き,切り抜いて魔女の住む家をつくります。お子さんと一緒に■と●から▲を導き出したり,■と●×▲の位置を逆にしたりしているうちに,数の法則が分かってくるというしかけです。●はいつでも割合が1です。■の割合は▲です。このことに注意して,物語を親子でつくってみてください。発見があったら,マックにも教えてくださいね。(掲示板の書き込み,大歓迎です。)
2003.09.06
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きのうに引き続き,きょうも算数テストで上位に入ったとの報告がありました。私立は二学期から授業の内容がレベルアップします。彼女の通う私立も年々中学入試が難しくなってきており,神奈川でも女子の難関校になってきています。授業の厳しさは定評があり,宿題の量も半端ではありません。彼女は,一学期はついていくのがやっとという状態でした。それが,夏休みの集中授業でかなり自信をつけたようでした。仕上げテストでは,問題を解くスピードが夏休み前のほぼ3倍になっていて,教えている森のマックが驚きました。「学校の先生もすごくやさしくなったよ。」「どうして?」「できる子にはやさしいの。」「そうなんだ。」学校の中の緊張感が伝わってきます。塾では「ほめほめ作戦」を展開。とにかく,こどもは自信と安心感がとても大切です。「マック先生,わたしはクルミを知っているから分かるけれど,ほかの子たちは大変みたいよ。」「これからがクルミを知っててほんとによかったと思えるようになるよ。」「でも,先生。知らない子たちはかわいそう…。」こういやさしさを失わず,がんばってほしいと,マックは心密かに思ったのでした。
2003.09.05
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集中講座も4日目終了。明日は中休みで,土日に試験対策編が待っている。やや,疲れたが,そんなことも言ってられません。うちの塾に半年前にやってきた女の子は,算数がクラスで下から3番目だった。その子が,今日の抜き打ちテストで上から3番目を取ったとの報告があった。先生も驚いていたと得意になって話している彼女は半年前とは別人のよう。どんなに疲れていても,こういう話を聞くと元気になります。クルミが私たちの塾の合言葉。クルミで解こうと声をかけてあげると,こどもたちは魔法にかかったように算数を解き始めます。これを半年繰り返せば,クラスで上位という実績が出て,今正直,私はほっとしています。今日は,これから高校生の娘と数学に取り組みます。みんな,がんばってます。
2003.09.04
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集中講座の3日目が終了しました。やや疲れが…。こどもたちのパワーについていくのは体力がいりますねー。分数計算で0.25や0.125をどう分数に料理するか,見ていました。しかし,覚えているようで使えない子がいたので再度説明…。イメージを使うことにしました。まず,4×25=100 とノートにかきます。「4と25は兄弟だった。でも,ある日二人は別れ別れになり,4が出ていきました。」といいながら25=100/4と式を変形します。「100は25と暮らすことになりましたとさ。」といって25/100=1/4と式を変形します。これで 0.25=1/4 のできあがり。(ふつう,分数を知らないとこの変形はできません。しかし,分数を知らなくても,クルミを知っているこどもたちは,この変形がおてのものです。)4×25=100とかきました。このように,こどもたちの理解のために,いつも●×▲=■ から入っていくスタイルをとると,こどもたちは自然に式の読み解きができるようになります。
2003.09.03
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短期集中講座の2日目が終わってほっと一息です。こどもたちが文章題でひっかかるところは,共通しています。わなを仕掛けておくと思いっきりはまります。そして,残念がります。「これは問題がいじわるすぎる。」とか,「こんなのにひっかかるようじゃ,まだ自分は修行が足りぬ。」と自己反省する子もいます。こどもたちには,「塾ではたくさんまちがえていいんだよ。」といってます。そして,問題のレベルを少しずつ上げ,チャレンジするよう動機付けます。逆に,「まちがえてはいけない。正確にやりなさい。」というと,萎縮して前に進めなくなります。人間の心理の機微なのでしょう。失敗を非難すると,こどもたちのやる気は大いに減退します。(大人もそうですね。)さて,文章題にはわながいっぱい仕掛けられています。まずは,ご存知のとおり,読解力・国語力です。文章題が苦手な子は,文章を流します。文章を意味のかたまりごとにスラッシュを入れる作業や,答えを要求している部分に下線を引くなどの手続きを省略しています。次は,線分図などのイメージをかいて考える習慣があるかどうかです。図をかかないで解くと,ほとんどの場合,わなにはまります。また,基礎力が問われます。たとえば,計算式の読み解き…計算式には,実にいろいろな情報が詰めこまれています。単なる計算式として素通りしてしまうのがもったいないと常々思っています。(計算式の読み解きは,思考訓練にとても効きます。この計算式の読み解きについては,いづれ日記で触れます。)その意味で,教科書は(つまらないけれど)大切です。あのぺらぺらの冊子に,よくもまあ,あれだけの情報とノウハウを詰め込んであることかと感心します。薄いだけに解説はとても不親切。消化不良をおこしそうな記述です。結果,こどもたちに敬遠され,ないがしろにされるのですが,ひととおり学習過程をマスターしたお子さんはもし,特定の分野が不安になったら,その分野だけでも教科書にもどると,とても参考になります。教科書の不親切な解説を読み直すだけで自分の弱点が見え,理解していなかった部分や足りなかった部分が補充されます。だから教科書は大切に!(中学校に入っても,割合や比,面積・体積・容積など小学5・6年の知識が必要です。約数・倍数など確認のために読み直すことも必要です。薄いので,読み返す時間はかかりません。それでいて,必要最低限の情報が入っています。)また,公式についてですが…こどもたちはすぐに公式を知りたがります。しかし,公式は解法のツールの一部に過ぎません。解法のパターン,囲碁や将棋でいえば定石を知っていても,実際の受験でそのまま使えることはまずありません。最近の入試問題は確かな基本力を要求してきます。その土台がしっかりしていれば,問題を解くことに楽しみを感じたりできます。さらには,公式をみちびく過程に,難問制覇の秘密が隠されているのです。解答にいたる道筋も何通りか,必ずあります。とっかかりは公式一辺倒でも,その時代を早く卒業し,別解を発見する楽しみを感じて欲しいと思いながら,これから明日の準備に入ります。
2003.09.02
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きょうは短期集中講座の初日。演習形式で進めていると,約1名がさっそく時間の換算でひっかかりました。こういうときこそ,わざの出番です。『必勝おだんご作戦』を開始しました。 ☆左から小さな円,中くらいの円,大きな円をノートに書 きましょう。 ☆左から円の上に「時間」「分」「秒」と書きましょね。 ☆左の方からとなりに移るときは60倍,逆に移動すると きは60でわる。 ☆とびこしは60×60で3600倍,逆は3600でわ りましょう。 ※わるときは6年生は分数を使うこと。◎日にちや時間の計算には12進法や60進法が登場し,それを理解することは,こどもたちにとって大きなハードルになっています。娘たちには,このハードルを越えさせるしかけとして,生活の中で時間をたずねるという地道なことをやってきた覚えがあります。「今,3時だね。あと25分たったら,お使いに一緒に行こう。それまで,ペンキを塗っているから,時間がきたら呼びにきてね。」幼いころの娘たちは,お父さんといっしょなら,お菓子を買ってもらえるという期待で5分おきくらいに,時間を教えに来ます。「あれ,まだ3時15分だよ。あと何分で行けるかな。」時計を見ながらいっしょうけんめい数えています。「分の針が5時のところまで行くから…あと,10分ね。」一般論ですが,生活実感・体験の豊富なお子さんは,抽象的なことばを具体的なイメージに変換することが得意なので,教える側も楽です。成績も伸びます。親としては,できるだけこどもにいろいろな体験をさせてあげる工夫が必要なんでですね。ここを省いてしまうと,『10歳の壁』を越えることが困難になり,小学4年生以降の学習に支障をきたす事態になります。子育ては手抜きをすると,あとで必ずその反動が来ます。こどもたちを教えていて,時おりそんなことを感じています。◎ところで,時間の換算でしたね。このおだんご(見るからにおだんご,という絵になります。)は他の単位の換算でもこどもたちには使いたければ使う,ということにしています。慣れてくると頭の中に絵が描けたり,もっと慣れると数だけで換算できるようになりますので。ただし,時速を分速に,分速を時速に,などの速さの換算だけはおだんごの大きさが左が一番大きくなりますので…。右はしから秒速を60倍すると分速に,分速を60倍すると時速になるので,大きさが逆になります。おだんごを実際に使うおこさんは,速さだけ大きさに注意してくださいね。
2003.09.01
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