さしの部屋

さしの部屋

ベルギー、オランダ

麗しのベルギーから戻ってきました。
行った街は、日帰りも含め、
ブリュッセル、ニーヴェル、ナミュール、リエージュ、
トゥルネ、ゲント、ブルージュ、アントワープ、
そして、アムステルダム(オランダだけど)です。

まず、到着したのはブリュッセル。
実は8年前の旅行でちょっとイメージが悪かったので
夕方に着いて、一泊して翌日朝には旅立ってしまいました。
小便小僧くらいしか見ていません。

翌日、ある人に勧められていた
ニーヴェルのサン・ジェルトリュード教会を訪ねました。
クリプタはガイドツアーでのみ入れるということでしたが、
一日一回のみ。時間的に合わず、やむなく断念。
教会を本当の意味で実感できていなかったかも。
勢いよく降り出した雨が、我々(私と母)をちょっと
盛り下げていて、ゆっくり見学できなかったのが少々残念です。

ナミュールでは、豪華シャトー・ホテル(といっても安い)に泊まり、
気持ちだけは盛り上がっていたのですが、
天候はあくまで私たちの見方をしてくれませんでした。
街の高台にあるシタデル(城砦)の敷地にあるのですが、
霧で視界が狭いので、ただの、アクセスの悪いホテル状態でした。

ノートルダム女子修道院宝物室ではベルギー七大秘宝の聖遺物箱を見学。
我々2人の為に、丁寧な説明をしてくれる老修道女さんの気持ちが伝わってきて、
ほんの、6畳程度の展示室がもっともっと大きいものにさえ見えました。

それにしても聖遺物入れって本当に多い。
インドでも、お釈迦様の遺骨を分けて、ストゥーパを
つくったわけで、やはり、異文化に共通する説得力があるんでしょうね。
それにしても、いくら人寄せとは言え、一箇所に
1個か2個で十分ではないかしら。

日帰りしたリエージュでは第二の秘宝(その後七大秘宝のうちの
六個まで見学。残りはブリュッセルのブリューゲルだそうで)を見ましたが
いたって地味な印象。それを保存する聖バルトミー教会が
大々的な修復中だったからでしょうか。

トゥルネはベルギーの中でも古い歴史を持つ街という
理由だけで訪れました。
そしてこの街が持つ趣に心を打たれました。
5本の塔がそびえ立つノートルダムも
グランプラスに建つ12世紀の教会も
人間的に美しく過度ではない。
ベルギー最古という、12世紀の鐘楼も
修復中で内部の見学は出来なかったもの、
イタリアの土臭い古さに慣れている私には、
え?これが一番古いの?という印象。
でも、旅行先で感じる、知らない街の知らない美しさって
こういうものなのではないかしら、と、ふと感じさせられる、
そんな街でした。

ゲント。神秘の子羊が居る、あのゲント。
私の記憶をあっさりも裏切る、“もの”でした。
それは、絵画ではなく、とは言え、信仰対象と割り切ってしまうのにも
何かが足りず、オーディオガイドから聞こえてくる
色々な説明や、ヤンか、フーベルトかという
議論をも、覆い尽くす瞳で見つめつづける生贄の子羊。
そこに、居るのです。本当に不思議な事に。
私には真似の出来ない祈り。
それはフランスのカニグー山でも感じた事でした。
この街では、現代美術館にも足を伸ばしましたが
その辺はノーコメント。こういうものはタイミングなのかもしれません。

ブルージュ。到着すると当日から、
何のことか分からないパレードが街をにぎわしていました。
ガイドブックに載っている聖血の祭ともなんだか違う。
偶然に出会ったこのパレードに我々はすっかり、心地いい足止めを
くらってしまいました。
メムリンク美術館。私が以前訪れた時と違って、
すっかり修復されて、大変近代的な美術館の印象がありました。
聖ウルスラの聖遺物箱、ゆっくり見学してきました。
私が以前ブルージュを訪れた時、この美術館では、
何かメムリンクの特別展が行われており、綿密に描かれた
肖像画がずらりと並んでいたのですが、今回はそうでもない。
実は今回、聖ウルスラ、案外“雑?“だなって、思いました。
ああやって描き尽くすメムリンクの筆致の残り方が
こころなしか目に止まりました。
でももちろん、それがマイナスポイントという訳ではありません。
描かれた人物を見つめる(見つめられる)事になる
人物画と違い、劇的な聖ウルスラのストーリーを
追っているのですから、作品としての役割も違ってくるのですかね。
ひょっとしたら技法自体が違うのかもしれません。
この聖遺物箱をメムリンク自信
どのような作品として受け取ったのでしょう。

そして、この街でも観たファン・アイクが
全てを凝視しているように思えて、
むずむずするような感慨を覚えたものです。

アントワープでは念願の聖バルバラを、見ることが出来ました。
バルバラはとても小さい。その小さいバルバラは
そこに、佇んでいます。あの、躍動的なルーベンスなんて
私、知らない、という調子で。彼女が閉じ込められるべく塔からは
どのような景色が見えたのでしょう。
そして、どのような音が聞こえてきたのでしょう。
ブルージュの塔からはカリオンの音が響き渡っていましたし、
アントワープの鐘楼からはトランペットの音を聞きました。
そして、その音はその日常性をきちんと超えた所で
私たち訪問者を包み込んでいました。

その後、デルフトに寄ってからアムステルダムに行く予定でしたが、
ベルギーで起した私の腹痛(もちろん食べ過ぎのせい?)で
デルフトは省略。
フェルメールやレンブラント、そして、お決まりゴッホなどを見学。
母はフェルメールの前でご機嫌に記念撮影をしていましたが、
彼女にとって、オルセーのルノワールと何も変わらないんだろうなあ、
と思うと苦笑いしてしまいました。

アムステルダムのダム広場の傍らの教会では、
現代美術展がやっていました。
何でここで、草間弥生やマリオ・メルツ?とは思いましたが、
嫌がる母上を連れて見学。

そして一言。
「???(SASHI)がこんな事をやるために
イタリアに居るかと思うといたたまれない。。。」


全体の印象としては、ベルギーってとても優しい国。
もちろん胃には決して優しくはありませんでした、が。





© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: