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さしの部屋
ポンポーザ
ポンポーザ。
ボローニャから30分ほどのフェッラーラから
ローカル電車で1時間。さらにそこから5km行った
アドリア海も近い所に建つロマネスク教会。
最寄の町コディゴーロに到着したのは
夕方。今日は町をゆっくり散歩でもして、
夕飯食べて、明日の朝に備えようと思っていたけれど、
なんと、、この町、何にもない。
猛暑のせいか、人影もまだら。
こんなに住宅があるんだから、住民は多いはずなのに。
ふと気付くと、木曜日の午後が閉店のお店が多い。
そうか、だから人が出ていないんだ。
一時間もすると、散歩にもいい加減飽き、
くつろげるバールを探していると、
今度は、ぞろぞろと、人が広場へと向かっているのを発見。
すごい人数なんです。
みんな、広場の教会の前でたかっている。
普段着だし、いったい何があるんだろう。
バールに入り、暑いのでとりあえずビール。。
店員さんに聞いてみると、、なんとお葬式だそうです。
きっと、町中の人は知り合いで、しかも、
みんなが集いやすい木曜日の午後に設定してあるんだわ。
意味もなく、その教会の様子をうかがいながらビールなんぞ飲む私。
翌日の朝、荷物まとめて、教会へと向かう。
コディゴーロからタクシーバスというもので
ほんの5分程度。前日までに電話予約しなくてはいけないだけで、
結局の所、ミニバス。お兄ちゃんはとにかく人懐こい。
ポンポーザのバス停にはこれでもかと言うほど
こてこてのお土産屋さん(サッカーシャツとか売っている)と、
屋台のような趣のバールが軒を連ねます。
一瞬、場所を間違えたかと思ったけれど、
でも、もう目前には鐘楼がそびえ立っているので
そんなわけはありません。
そこからはほんの数分で教会にたどり着きます。
教会のみは入場料はいらないのを知っていたので、
とりあえず入ってみようとすると、アトリウムの所に
管理の人たちが座っているので、ちょっと怖いから、
入ってもいいですか?と訊ねる。
いや、あっちのポルティコがある方に行けば入場券が売っているから
あっち先に行って。。との事。なんかちょっと感じ悪いかと思ったけれど、
他の施設も見るつもりだったので、券を買って、入場。
中庭には、修道院の旧食堂や博物館などが
見学できるようになっているのですが、一番興味深かった
博物館は、「電気を消してしまって危険だから」という理由で入れないし、
でもまあ、他の施設に残る壁画は、14世紀前後のもので
好感の持てるものでした。
さて、教会には南の小さい入り口から入ります。
ラヴェンナとの関係はとても深く、
まず一目で分かる事は、モザイクの床です。
これはまさにラヴェンナのものを見ているようでしたが、
事実、ラヴェンナから持ってこられたのだそう。
コディゴーロもすでに海に近い町ですが、ラヴェンナもそう。
いずれにしても距離的に非常に近い。ラヴェンナの建物よりは
少しだけ時代が後になるものの、思えばこの関係は
ごく自然な事だと、現地に来て実感しました。
モザイクの床は、ポンペイやエルコラーノなどの遺跡にも見られるように
幾何学的なものではありますが、文様のような形、
たまにいる動物(象までいる)の様子が、なんともラヴェンナ的。
職人さんが経験によって美しさや哲学を知り、
楽しんでつくったのが感じられるような質のものなのです。
そして、柱頭の上の逆さ台形部分。これもまた、ラヴェンナで見てきたもの
そっくりです。
内部は一面にフレスコ画で覆われています。
14世紀と聞くと、どうにも、サン・プロコロの記憶が新しいので、
ちょっと、、と思っていたのですが、
見た印象はパドヴァっぽい。つまりです。ジョットーのスクロヴェーニ礼拝堂、
そして、ドゥオモ附属礼拝堂の天井画を足して2で割って、、
そんな感じなんです。
部分的に10世紀の壁画が残ってはいるのですが、
こちらはいたってプリミティヴ。もしこういう壁画で覆われていたとして、
14世紀に描きかえが行われたのなら、ここでは
すんなり受け入れられるような気がしてきさえしました。
また中庭に面した窓の透かし彫りとでも呼ぶのでしょうか、
文様が陰になって窓にうつるものがはめ込まれている様子は、
とても美しく思いました。
教会を出るときにアトリウムを通過すると、
面白い事に管理の人が座っていた中央部分の
左右に別室があることが分かりました。
多分、後の時代に区切られて作られたのでしょう。
事実、ファサードの裏面の壁にはもう埋められてしまっている
“山”の丸文字みたいな窓跡が残っていましたし、
そこは、現在、左右のアトリウム別室につながりますが、
あれでは採光にはならないし。。。
いわゆるファッチャータはアトリウムがあることから、
上部が見えるだけですが、アトリウムのファッチャータとでも言うべき部分には
可愛らしい装飾が残ります。特に目を引いたのは、
はめ込まれた陶器のサラダボールのようなもので、
これは、塔の方にも多く見られました。
ガラス瓶の底のようなものがはめ込まれる装飾は
よく見ますが、サラダボールは初めて。
一個、家に欲しくなるようなものでした。
塔の下からの遠近ですが、感じて見て下さい。
日差しが強すぎて、写真をとるのが
非常に難しかったのですが。。。
周辺を真剣に見ていると、先程の管理人がなにやら同僚に愚痴を言っている。
「そりゃあねえ、いくらなんでも、わざわざここに来て、
15分で、はい見ましたって出て行っちゃう人見ると、残念なんだよね。」
事実、短パンでご機嫌に通り抜けていく観光客はいました。
どうせ言葉もろくに分からないであろう外国人観光客である私に、
入場料払って、ちゃんと全部見て行けよ、って思う気持ちは
分からなくもありませんでした。その後、どこかで防犯ブザーが鳴ると、
彼は、駆け足でその場に向かっていきました。
ここ数日、北イタリアの猛暑はすごく、
ホテルでは熱帯夜で4回も水シャワーを浴び、
汗疹まで出来てしまう始末でした。
帰り、暑さに疲れ果てた私は、木陰のベンチで一眠り。
でも、世の中うまくは行かないみたいで、
ズボンの上を歩く毛虫さんにたたき起こされました。
帰りはモデナと言うパバロッティの生まれたことで有名な
町の素敵な教会を見学。
こちらには昔行った事があったのですが、
改めて見たくなったのです。
とにかく可愛らしいの一言。
駅の事故で電車が片っ端から1時間近く遅れる中、
数回の乗り換えをこなし、無事にミラノに戻ってきました。
モデナによったりしたからもあって、
すごくすごく時間がかかったけど、、取り合えず
帰ってこれたのなら良いと言うことにしましょう。
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