さしの部屋

さしの部屋

スペイン(ウエスカ~バルセロナ1日目)

ウエスカは小さな町だけど、鉄道駅はバス駅と同じ建物で、ホテルも併設していて
大変近代的だった。駅から旧市街のホテルへと歩く。旧市街は少々柄が悪い?って思うような
雰囲気だったが、思えば、日曜日で、人が少なかったからに違いない。
小さな町だから、逆にネットでオステルを探した時もでてくるものが少なく、
少しいいオステルにしたんだった。旧市街のある広場のその名前が着いたホテル。
おばあさんが迎えてくれたけど、どうやら家族経営みたいで、
お嫁さんが2歳ぐらいの女の子と遊んでいる。予約した時のネットの領収書を
見せると、ネット予約には不慣れな様子で、家族に見せて相談するからと
持って行ってしまった。ちょっと心配だ。もう、カード払いをしているはずだったから。
どこか懐かしい感じの部屋で、ゆっくりしてから、町に繰り出す。カテドラルがある
中央広場はホテルの本当に近くだった。ゴシックの聖堂はとても立派だったけど、
この町に来た目的は、サン・ペドロ・エル・ヴィエホというひとつの教会だったので
あまりゆっくりとは見学せずに外に出てしまう。

huesca1

ホテルに置いてあった地図を片手に、目的の教会に行く。ん?閉まってるぞ。
まさか!だって、この教会を見に、この町にやってきたというのに。
小さな町の小さな教会だったので、日本では開館時間を調べることは出来なかった。

教会の前に鉄の柵があってそれが閉まっているから、開館時間の表示すらよく見えない。
そうだ、今回は、出発前に父にもらった、単眼鏡を持ってきていたんだ。
天井画などのディテールを見るのに役立つかなって思った。そして、このとき初めてそれを取り出した。

huesca-san-pedo

そして、確認してしまった。今日は1日閉まっていて、明日の10時に開くんだってこと。
明日の10時には、バスでこの町を出発する予定だ。つまり、、見られないのね。

この、青森!?みたいな町でどうやって今晩を過ごそう。本当に何にもないみたいだよ。
レストランすら見かけないよ。一気に心配になって、先ほどのカテドラルがある
中央広場に行ってみる。なんと、既に教会はしまっていた。いや、今、閉めたばかりだった。

礼拝を済ませ、出てきた家族について行ってみる。本当に、何もすることがなかったから。。
すると、カテドラルの裏手に回る。裏手の、今は閉鎖されている人気のない入口に、
でも、はっとするような彫刻を見つける。これは、ゴシックのごく素朴な、
ある意味興味深いものなんだと思う。この発見ぐらいから、気持ちが切り替わった。

huesca2

新市街に行けば、噴水がある素敵な広場がある。素敵なBARもあるから、
そこでゆっくりして、今までの旅行の記録をまとめたりして過ごした。
でも、でも、暑いのね。時間はいくらでもあるから、一度ホテルに戻って、
ゆっくりしてから夕飯に繰り出そうって思った。

帰り道、子供たちが、暑さの中、水を掛け合って楽しんでいた。つい、微笑みかけてしまったら、
お兄ちゃんの方は、いたずらっぽい笑顔を私に向け、そして、お水をかけてきたんだ。
「バスタ~!」(もう十分よ!)って、イタリア語で言ったけど、多分、スペイン語でも
通じるんだろう。えへ!って微笑を浮かべて、お兄ちゃんは立ち去っていった。

ホテルに戻ると、先ほどのおばあさんが、テレビでワールドカップを見ている。
「あ、イタリア対フランスね。」って言うと、そうなのよ!って言う調子。
部屋で、写りの悪いテレビをつけて、そのまま、夕寝してしまった。そろそろ、
疲れもたまってきていたんだと思う。試合は、延長に入っていた。このまま、
待っていたって、いいんだけど、もう、10時。夕飯食べて、眠りに付いた方がいいな。
再度、新市街に向かい、レストランでお食事をした。途中、ワールドカップがどうなっているか
店員さんに聞いたりしていたら、なんだか仲良しになったりした。
イタリアが勝った事に、あまり大騒ぎしないように気をつけて、残りのお食事を堪能した。
茸がたくさん入った卵料理や、リオハ風のトマトソースのチキンは、
ソースがたっぷりで、家庭的な味だった。何にも気取ったりしていない路地のレストラン。

朝、ホテルでは男性がレセプションにいて、会計は済んでいますと、あっさり。
心配した私が馬鹿みたい。駅へと向かったのである。

駅は、近代的でバルは駅の併設のホテルの宿泊者の朝食場所でもある様子だった。
地元の人は朝からワインを飲んでいる様子だったが、私は、カフェ・コン・レチェと
クロワッサンをゆっくり頂いた。今日は、一度サラゴーサまで戻り、そこから
バルセロナまで特急列車に乗るのだけど、2等車が満席だったから1等の移動だったの。

すごいんだよ。飛行機みたいなの。まずは、シャンパンかオレンジジュースのドリンクが
サービスされ、映画用のイヤホンが配られ、(知っている映画だったから、スペイン語でも、
十分に楽しめたわ)しまいには、車内食(サンドイッチ程度だけど)
が配られ、本当にまるで飛行機なの。バルセロナの鉄道駅からは、どうやってホテルに
行くか、わかっていたから、全く不安はなかったし、バルセロナは、行ったことがあったから、
安心だね。そして、チェックイン。またもや、ツインの余裕がある部屋に通された。
立地も本当にいいの。シャワーを浴びて、ゆっくりしてから、街に繰り出す。
突然やってきた大都会。早速だけど、サン・クガ・デ・バジェスに行ってみることにする。

san-cugat3

通勤エリアだ。30分ほど電車に乗れば到着する。バルセロナのインフォメーションの
人に聞いてみたけど、開いているかどうかも、全く知らなかった。
だから行ってみた。本当は、ちゃんと覚えていないんだ。駅前の風景とか、
回廊のディテールとかがはっきりと思い出せる。だけど、全体像の記憶が結びつかない。
ただ、夜に催される回廊でのコンサートのための準備をしていて、
一人の男の子が、へたくそながら、弦楽器を弾いていた。私は、見学に
邪魔だから、どいてほしいくらいの気持ちでいた。だって、ヘタクソなんだもん。

san-cugat2

回廊の中には、前身の教会の遺跡が残っていた。ごく小さな教会の遺跡だ。

この街で、この教会はどういうものなんだろう。
殺風景な近郊都市の新興住宅街に不意に湧き出るようなロマネスクの回廊を持つ教会。
これだけの回廊をもつ教会はヨーロッパでも、そんなに多くはないのに、
そんなことは住民は気付いていないだろう。いや、気付いていたとしても、実感していない。
うちの街にあるあの、修道院のことね、って思っているんだろうな。
私は、馬鹿みたいに、写真を取って、1個づつの柱頭に感嘆の声を上げていたのにね。

san-cugat1


さて、バルセロナに戻り、今日はどこでお食事をしようか。急に都会に来ると
そういうことって逆に難しいね。それ以前にいっぱいやることがある。例えば、
イタリアの友達にスペイン土産を買うこととか。。大都会をさまよっていると、
以前ここに来たときに泊まったホテルや、食べたレストランや、色々な懐かしいものに
出会うのし。あ~、久しぶりにやってきた私が知っている街なんだ。

夕飯のお話が面白いんだ。バルセロナはカタルーニャの文化がある。
言語も残るんだ。私が入った典型的なレストランはカタルーニャのお料理も出す所だった。
結構、感じのいい地元っぽいお店だったけど、所詮都会のバルセロナ。
メニューは各国語が用意されているらしく、英語メニューでいいですか?と聞かれるもんだから、
とっさに、スペイン語メニューでいいですよと言ってしまう。というのも、
今回のスペイン滞在で、気を遣って、英語を話しかけられるとき、スペイン人の
下手な英語の発音と、私の稚拙なスペイン語の能力を考慮しても、
スペイン語で責めた方がずっと楽だってすごく思っていたんだよね。

後で思ったけど、何でそこで、イタリア語のメニューをくださいと言えなかったんだろう。
私が一番分かる外国語はイタリア語だし、バルセロナならば、イタリア語メニューが
ないとは思えないんだ。失敗したわ。だって、まず前菜に白アスパラのサラダを頼み、
メインには、カタルーニャ語でよく分からないXで始まるようなお料理を
適当に頼んでしまったんだ。だって、材料に、ジャガイモとかにんじんとか、他にも
よく分からないものがいくつも書いてあったから、何か、お肉の煮込み料理だと思ったんだもん。
隣の人もそんな感じのもの食べていたし。(後でその人たちはイタリア人と分かった!)

店員のお姉さんは絶対、私がベジタリアンだと思っただろうなぁ。
だって、2皿目は、サラダと同じような材料のお野菜のマリネみたいなお料理だった。
あのぉ。はっきり言って不満。でもさぁ。いまさら何にも言えないでしょ。

私は不満だったけど、お姉さんはあくまで親切だったし、ワインは美味しかったし、
食後酒をサービスしてくれもした。きっといいレストランだったんだ。

しかも店員さんが、パン・コン・トマテという、
地元ならではの一種のブルスケッタを薦めてきたときも、なんだか惹かれず、
お断りしてしまった。そうしたら、普通のパンも運んでくれなかった。
なんか私が理解していなかったのだろう。でも、本気で野菜だらけの夕飯なのさ。

サービスで、クレーマ・カタラーナという地元のリキュールをくれたんだけど、
私はとっても、ブルーだ。おいしい動物性たんぱく質が欲しかった!!!
美味かったのは、ワインくらいだわ。大事な事!なんだけどさ。
明日、スペインでの最後のディナーは美味しいもの食べよう。。


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: