先日、キングコングを観た。ご存知の通り、1933年に製作されたキングコングのリメイクだ。オリジナルは子供の頃に観た記憶がある。野獣と人間(美女)との悲しく切ない恋愛を描いた画期的な映画だった。 今回のキングコングは、Lord of the Kings 3部作を監督し、アカデミー賞を受賞したピーター・ジャクソン監督による作品ということで、鳴り物入りで公開が始まった。興行成績も上々のようだ。 まず驚くのは映像の凄さだ。最近の映画はCG映像が見事なため、人工のものとは思えない迫力あるシーンの連続で、目が離せない。島や山川の景色、キングコングそのもの、恐竜(とキングコングとの闘い)、動物などの映像が見事である。山、岩、川といった映像部分は、Lord of the Kingsを思い出した。そっくりだ。 オリジナルと比較し、映像は大々的に変わったが、ストーリーは同じだ。冒険映画を撮影するために幻の孤島「スカルアイランド(頭蓋骨の島)」にやってきた女優のアン・ダロウが現地人に囚われ、生け贄としてコングに捧げられるが、コングは彼女をさらって恋愛が始まる。そしてコングは恐竜などの敵から彼女を守り、愛が深まる。彼女との別れも止むなしとなったところで、撮影班一行はコングを捕らえニューヨークに連れて帰って見世物にすることにする。コングはNYで暴れ、エンパイア・ステート・ビルで殺される、というストーリーだ。最後のシーンはとても悲しく、感動的だ。 しかし、今回の映画全体としては、それほど感動がなかった。映像は迫力があるが、心を打つシーンや台詞が少なかったように思う。気持ち悪い虫のシーンが妙に長かったし、恐竜との闘いのシーンも長かった。そして、ニューヨークに連れて来られてからのコングとアンとの心のやりとりはあまりなく、ただ暴れて殺された感じだ。率直に言って、あくまで「娯楽」映画で、感動は少ないと言ってもよいように思う。ちょっと物足りなかった。