PR
キーワードサーチ
タイガー理髪店心中 [ 小暮夕紀子 ]
書店ではなかなか見つからなかった本。
少し前、新聞の書評欄で見ていつか読んでみたいとおもっていた。
なんてたってタイトルが不気味。
長年連れ添い、「タイガー理髪店」を営んできた糟糠の妻に、
認知症の症状が出始め、
どんどん病状が進んでいく。
そんな妻と、
その現実を見たくない、現実から逃れたい夫との無理心中の話か??と
おもい読みはじめたら、
いやいや、違った違った。
これは、
ホラーだっ!
(ギャー)
全編から漂う”ワケあり感”の夫婦。
終盤に、
妻が夜な夜な徘徊し、それを探しまわる夫の描写。
そして「穴」へと転落し・・・
なるほどこれが”心中”かの場面、
これまで呆けていた妻が突如、真顔で言う、
「そうやって辰雄も殺したのね」
”辰雄”とは幼いころ亡くなった夫婦の息子、
とくりゃ、
まさしくホラーとサスペンスではないか!
いや、実のところ、そんな穿った読み方をすることで、
読後の重苦しさから解放されたいのだ。
長崎次郎書店さん、ありがとうございまし… 2024年06月30日
『欲望という名の音楽 狂気と騒乱の世紀… 2023年09月14日
NHK「事件の涙」と「カニバの弟」 2023年05月05日