窓辺でお茶を

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November 23, 2007
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カテゴリ: 本
 「民際英語でいこう」という本を買いました。表紙のタイトルに「ザメンホフ先生、すみません」のふき出しが書かれています。ザメンホフ先生とは、言わずと知れた、人工語、エスペラント語を創製したかたです。たしか共通語をつくって理解しあえば平和な世界をつくる第一歩になるのではないかと考えたのですよね。

 著者は、英語が共通語たりうるか、共通語にするには何を心がけたらいいか、を述べています。それで、ザメンホフに対する尊敬の念は替わらないけれども、「ごめんなさい」となるわけです。

 ただアメリカ人のように話せるようになりたい、という「植民地根性」「奴隷根性」ではなく、どういう目的を持っているのか、何を発信したいのかによって、英語を道具として使えるようにするべきであって、それぞれの国の人独特のなまりがあっても、それでいいではないか、と書いています。そしてネイティブの人たちは他の国の人たちの英語を理解しようと歩み寄るべきだとも言います。

 私は個人的に、英米人が世界中どこでも英語が通じてあたりまえのような態度なのが気に入らなくて(笑)、英語以外のことばを専攻しました。外国語を学ぶには、どうしてもその国の文化や国民性も付随してきて、それが楽しみでもあるので、実際に日常生活で使っている人のいないラテン語やエスペラント語にはあまり興味が湧きませんでした。20ヶ国語マスターしたかたの話で、新しい言語を学び始めるとき、部屋をその国風に模様替えすると聞いたことがあります。

 でも言われてみれば、特定の国の言葉が世界に広がって、考え方や文化も伴ってくるとすると、なにか公平でないことになりそうな気がします。昔からなんとなく感じていたのはそういうことだったのだとわかりました。

 まだ最初の方しか読んでいませんが、キング牧師の「私には夢がある」のスピーチや、移民でアナーキストだったために偏見から冤罪で死刑になったヴァンゼッティの最終陳述、一緒に死刑になったサッコが息子に残した言葉など深い感動をよぶ例文が挙げられています。キング牧師の非暴力主義とマルコムXの自衛のためなら暴力は認めるという考えの対比なども興味深いです。

American Rhetoric com. でキング牧師のスピーチやチャップリンの「独裁者」の演説などを聞くことができます。

「Congratulation!あなたは999,999番目の…」などと出てくるかもしれませんが、クリックしないでください。ウィルスかスパイウェアが入ってしまいます

 この本の著者は、人権、平和を大切にするヒューマニズムに裏付けられたエスペラント語の可能性を再確認し、勉強を始めたとのこと。ちなみに大杉栄は「一犯一語」といって、逮捕・拘束されるたびに一ヶ国語ずつマスターすることを心がけていたそうで、最初に3ヶ月でエスペラント語をマスターしたのだそうです。知りませんでした。エスペラント語を学ぶ人たちは、戦前の日本では「アカ」と迫害され、ソ連ではスターリンにコスモポリタンと迫害され、中国でも文化大革命のころ迫害されたそうです。

 「民際英語」とは、国どうしの「国際」ではなく、市民どうしの交流に使われる英語、の意味です。


「民際英語でいこう」池内尚郎著 解放出版社





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最終更新日  November 29, 2007 12:57:34 AM
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