システムエンジニアの晴耕雨読

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2015.02.01
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【楽天ブックスならいつでも送料無料】実践・プレッシャー管理のセオリー [ 高杉尚孝 ]
高杉尚孝「実践・プレッシャー管理のセオリー  ビジネスパーソン必修 メンタル・タフネス強化のセルフ・コーチング術」

NHK出版

2004年刊



 「メンタル・タフネス」とは、

 「プレッシャー状況」において、粘り強く業務を遂行するための思考と感情を

 コントロールする技術のこと。



≪大きなプレッシャーに襲われると、誰しも不安や怒りを覚えたり、落ち込んだり、

 罪悪感などの感情に襲われたりするものです。

 こうした感情によって、時としてプレッシャーに屈して逃避したり、諦めてしまったり、




 プレッシャーに屈するとは?

≪大きな「不安」を感じた結果、そこから「逃避」してしまう。

 強い「怒り」を覚えたため、相手を「攻撃」してしまう。

 極度の「落ち込み」から、自宅に「閉じこもって」しまう。

 強い「罪悪感」のため、自分を「否定」してしまう。≫

 つまり、

「悪いマイナス感情によって、悪い行動に至ってしまう」



 それでは、一方、

 プレッシャーに打ち勝つとは?

 それは、「プレッシャー状況」において、

「『良い』マイナス感情によって、良い行動をとること」である。



 「不快感」を覚えたために、相手に「交渉」する。

 「悲しい」からこそ、皆とそれを「分かち合う」。

 「呵責(良心の呵責)」を覚えることで、行為を「反省」する。≫

 つまり、

「良いマイナス感情によって、良い行動を選択」する




 マイナス感情には、

 「善玉的マイナス感情」と「悪玉的マイナス感情」とがある。


 「悪いマイナス感情」の代表が、「不安」「怒り」「落ち込み」「罪悪感」であり、

 「良いマイナス感情」の代表が、「心配」「不快感」「悲しみ」「呵責」である。

 まず、「不安」と「心配」、「怒り」と「不快感」、「落ち込み」と「悲しみ」、「罪悪感」と「呵責」

 とは、どれも似て非なることを知り、その違いを理解しておくことは、

 「プレッシャー状況」から抜け出すために必要なことである。



 状況と感情の誘発との関係・・

たとえば、

 上司に批判され、強い怒りを覚えた。

 ミーティングで笑われ、極度に落ち込んだ。

 目標を達成できなかったため、強い罪悪感にかられた。


 しかし、

 同一状況下において、誘発される感情は、人によって大きく異なる。

 それは、

 「外部状況(苦境)」と、「マイナス感情」との間に、

 「思考」が介在しているためです。

 にもかかわらず、

 感情や行動を誘発する「思考」は、ほとんど場合、意識にのぼらないため、

 「外部状況(苦境)」から直接「マイナス感情」が誘発されたと思っている。




 「悪いマイナス感情」を誘発してしまう「悪い思考」とはどういうものか?

 そこには、「ねばならぬ」という目標、価値、志への「絶対的な要求」がある。

 一方、「良い思考」においては、それらを「相対的な願望」として位置づけている。


 したがって、

「プレッシャー時に、元にある悪い思考を良い思考へと修正することによって、

 悪いマイナス感情と後ろ向きの行動を、

 良いマイナス感情と前向きの行動へと転換する思考の技術」が、

 「メンタル・タフネス」の本質といえる。

 つまり、

 1.プレッシャーの元にある悪い感情を特定する

 2.悪い思考を論駁する

 3.良い思考を発見する

 4.良い思考を基に、良いマイナス感情と前向きな行動を選択する




 悪い思考の原点は、「ねばならぬ思考」(絶対要求思考)にある。

 「私は常に完璧でなければならぬ」

 「絶対に負けてはならない」

 「ミスをおかしてはならない」

 「他人は私の思うとおりでなければならない」

 でも、実際には、

 「あってはならない」ことが「起きてしまう」し、

 「してはならない」ことが「起きてしまう」。

 この矛盾は、当人にとって、耐えがたい心理的葛藤となる。

 また、「ねばならぬ思考」から派生する思考としては、以下のものがある。

 ・物事を「最悪だ!」と思い込む「絶望悲観」思考

 ・「耐えられない!」と決めつける「耐乏欠乏」思考

 ・「犯人を許せない!」「自分はダメだ!」いう「非難卑下」思考

 これらの「悪い思考」があると、

 ・怒りは、攻撃に、

 ・落ち込みは、閉じこもりに、

 ・不安は、逃避に、

 ・罪悪感は、自己否定に、

 つながってしまう。


 そのため、

 まず「悪い思考」を論駁する。

 「悪い思考」は、論拠に乏しく、かつ経験的に検証しにくいものである。

 ・論理的でない

  結論に至るまでの論拠が不明確、または不十分。飛躍がある。

 ・実証的でない

  論拠から結論が導かれる確率が低い。
  経験的に検証できない。

 ・実利的でない

  目的達成を阻害する。マイナスに働く。実利的でない。 

 ・柔軟性に欠ける

  絶対的な思い込み。かたくなに信じきっているだけ。



 次に、良い思考を発見する。

 良い思考の原点は、

 ・であることにこしたことはない
 ・することはとても望ましい
 ・できることはとても大切だ

 という表現に代表される「相対的な願望」である。

 つまり、

 「ねばならぬ」思考を、相対願望である「良い思考」である

 「こしたことはない」という表現に置き換える。

 さらに、

 絶対要求を否定する。

 「私は失敗しないにこしたことはない。
  しかし、絶対に失敗してはならないという理由はない。」 

 つまり、悪い結果の発生を認知する。

 「できないこともありうる」「そうでない場合もありうる」ことを認める。



 組織が「ねばならぬ」を迫ってきた場合であっても、

 現実的には、それは強い願望でしかない。



<目次>
はじめに なぜ今、メンタル・タフネスの強化なのか
総論 メンタル・タフネスの本質
第1部 理論編
(悪い思考を特定する
悪い思考を論駁する
良い思考を発見する
良いマイナス感情と前向きな行動を選択する)
第2部 実践編
(怒りを乗り越える
罪悪感を払拭する
不安を克服する
落ち込みを回避する)





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最終更新日  2015.02.01 20:02:27
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