三月二六日、民進党など野党三議員が籠池氏との接見予定を間近にした二三日「日刊ゲンダイ」(後掲サイト)は、森友問題に関する長文の記事を掲載したが、この分析と主張は正しいと思う。しかし、やや楽観的ではないだろうか。文書改ざんは、一部削除、書き換え、前面削除によって内容が全く異質な「虚偽文書」に改ざんされたことが立証されないと、立件は難しいというのが、法律家の意見だ。その意味で、文書改ざんは、周到に計画された、関与隠しだったといえる。
住田弁護士が報道番組で言っていたと思うが、改ざん文書によって、国会が国政調査権を行使することを妨害した「偽計業務妨害罪」での控訴をすべきではないか。そうすれば佐川元長官は、偽計業務妨害罪で告訴することが可能だ。
首相と妻の「関与」は明々白々で、国会議員と首相の座を降りたとしても、それで事件の全貌が解明されることにはならない。「関与」の構造は、現金や圧力だけを意味するのではなく、通常貸し付け相当を、破格の価格で売り払いに持っていくようにさせる間接的な関与も「関与」だ。土地を買おうとする籠池氏の背後に、首相やその夫人、「日本会議」のメンバー国会議員らがいると分かれば、売買に関わる財務省職員ならずとも民間企業でも、大学でも「忖度」せざるを得ない。それを関与と言う。私たち国民も人事(ごと)を決め込むのではなく、積極的に本件の真相究明に関わっていくべきだ。
日本は、数百年に渡って絶対王政の殻を破り、市民革命を成し遂げたイギリスはじめアングロサクソン諸国やフランスとは異なり、封建遺制を引きずりながら、なし崩しに近代化を進め、下からの市民革命を経験していないアジア的生産様式の中で資本主義経済を作り上げた「特殊性」をもつ国家だ。平和憲法は守るべきだが、明治憲法以降、大戦をはさんでの議会制民主主義は、国民が権利として自らが勝ち取ったものではない、未熟な民主主義という制約を持っている。
今私たちが森友・加計疑惑で見ている行政府と政治の腐敗構造は、明治以降の近代化の後進性を克服する「市民革命」の運動ではないかと思う。本事案に対する「市民」の関わり方が重要な意味を持つことは言うまでもないし、そのことが次第に明らかになりつつある。自民党内にも、事態の深刻さに危機感をいだき始めた人たちが出てきたことは、真相解明への追い風と言ってよい。まずは、三月二六日の野党による籠池氏接見と二七日の佐川氏証人喚問の成り行きを見守りたい。(三月二三日)
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