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**************** 少し早すぎたかも。 美並は自分の気負いに赤面しつつ、開発管理課のデスクを雑巾掛けする。 窓から差し込むきららかな朝日、配湯室の湯もまだ湧いていなかったから、まあいいやと準備していたところへ庶務がやってきて、なんだか繰り返しお礼を言われた。『電車が遅れてとても間に合わないと思ったんですよ』 穏やかに微笑む富崎は、普通の企業なら女子社員に押し付けて当然とされるような仕事も率先すると評判がいい。『伊吹さんはどうしてこんな早く? 残った仕事でも?』 柔らかな問いに顔が赤くなるのを感じて、早々に湧いた湯を受け取って退散した。 言えるわけないだろ。 心の中で唇を尖らせてみる。 真崎京介を落としたいから、気合いいれました、なんて。『それ、婚約指輪?』 素早く見て取られた指先を隠すのも今更、伊達や酔狂で課を一つ仕切っている男ではない。『綺麗な細工ですね、よく似合う』 わずかに距離を置いた、けれど親密な気配のことば遣いが、きっと富崎の安定感の源なのだろう。 確かに社での評判は上々、けれど美並はそれほど富崎には魅かれなかった。 おそらくはその、安定感ゆえに。 安全パイ、という意味ではなくて、きっと表に見えている通りの穏やかで柔らかな人格、プライベートも平穏無事な幸福感漂う世界、でもだからきっと。「……わからない、だろうなあ…」 雑巾掛けの手を止めて、指に輝くアメジストを眺めた。 この小さな指輪が、人一人の命を引き換えにするような想いとか。 上品なレストランのテラスの向こうが、魔性の奈落に見える誘惑とか。 人の心の闇に蠢く様々な気持ちや想いを、根本的なところで理解できないだろう。 それはつまり、美並が抱える傷みについて、永遠に知ることはない、寄り添えないということでもある。「よし、と」 それぞれの机を丁寧に磨き上げ、自分の机のメモや書類を定位置に置き、不要なものを確認して捨て、文房具を片付けながら、一つずつ心の中もいろいろなものがそれぞれの場所におさまっていくのを感じる。「こういうこともきっと、わからない」 掃除はメンテナンスだ。周囲の環境を整えていくのと同じく、必要なものとそうでないものを分けていく、一つを手放し、他の一つを手元に残す選択、汚れを見つけ、それを拭い、あるべき場所にあるべきものを置いていく、そうやって人は心の整理をつけていく。 心は見えなくても、雑巾や机や書類は見える。 見えるもので見えない世界を代弁させて、見える世界を片付けることで見えない世界を整えていく。 けれどそれは、ある意味、危険な仕事だ。「……あ、そうか」 だから安心感があるのか、とふいに思った。 富崎の言動には、そういう「二つめの意味」がほとんどない。 朝早く女子社員が来ていることを、プライベートに結びつけず、仕事が残っていたからだと考える。珍しい指輪をしていれば、社内の噂を考えて推測はするけれど、その指輪をはめてきた「意味」までは入ってこずに、指輪へのコメントだけで終わらせる。 そこにはきちんとした距離がある。自分と相手とを隔てるものが常に認識されていて、そこからやたらと踏み込んではこない。 それが意識的なのか無意識的なのかはわからないが、その距離感が相手に信頼を感じさせる。その距離をコントロールできるのはこちらなんだと感じるから、安心感を持つ。 けれど、美並には始めからその距離感がない。 関わってしまえば、まともに相手の内懐に飛び込むことになってしまう。だからこそ、内側から相手の問題を見ることができ、時に相手の内側から揺り動かして物事を展開させる力を引き出せる。 でも、富崎は、その絶妙なバランス感覚で、その「内側に飛び込んだ美並」からも、きちんと距離をとって離れようとするだろう。美並が飛び込めば飛び込むほど、近づけば近づくほど、優しく丁寧に確実に、ある距離を保って離れていくだろう。「うーん…」 富崎が結婚相手としてよく名前が挙がるのはそういうことからかな、と思う。 恋人にするには、その距離感が寂しく遠いけれど、日常生活を送るなら、また別の話だ。 べったり四六時中くっついて暮らすわけにはいかない。子どもが産まれれば、なおさらそうだ。お互いの仕事、お互いのリズム、お互いの信念、お互いの感覚、それらがぶつかりあったり競合したりする中で、それでも一緒に暮らそうとするなら、適度な距離を保っているほうが血みどろの争いをしなくて済む。「大人…ってこと、なんだなあ」 また指に嵌めているアメジストを見る。 **************** 今までの話は こちら
2026.05.17
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**************** 自分には人にはない特殊な感覚がある。 それは苦痛をもたらしてきたけれど、どこかでそれでも自負があったのかもしれない、能力を使うことによる優越感。 けれど真崎はどれほど美並が向かい合っても「足りない」と訴えてくる。 美並が、足りない。 それはきっと、真崎にしてみれば、美並にもっと側に居てほしいということだったのだろうけど、美並の心はこう聞いていた、お前の存在では真崎の孤独を満たせない、と。 ふいに、目の前の視界に、はらはらと白い花びらが散るのが見えた。 現実ではない、それはいつも感じる、雪の上に落ちた山椿の光景だ。 真白に積る雪、混じることなく死を宿して紅を落とす花、一つ。 繰り返し見えたそれは、今までずっと自分だった。 けれど今感じる光景は、紅に傷ついた真崎の心に降り落ちる白い花びらとしての自分。 隠せるわけではない、覆いきれるわけでもない、それでも傷みに満ちる赤とめったに出会わぬ花が自らの身を削ぎ落として辿りつく、地上。 なるほど足りない。 美並の存在はあまりにも軽く、あまりにも無意味で、あまりにも儚いものだろう。 雪に埋まる方が紅の花は美しくあり、凍りついていくのも死にかけている身では容易いのかもしれない。 美並は足りない。 真崎の傷みを満たすには、足りない。 けれど。「……惚れて、ます」 ぼそりと呟いた自分の声が掠れていた。 そうだ、惚れている、身も世もあらぬほど、一世一代、その相手に足りないと詰られる傷みに、自分を曲げて誰かを利用しようとするほどに。「…なんだ」 くっ、と嗤った。「怖かっただけか」 真崎を失いたくないから。「ふざけてんな」 美並はたまたま能力で真崎の内側へ入りやすかっただけだ。そこで得た信頼と好意を、今度は外に出てきた真崎からは得られないだろうと、いつかの明の予言に重ねて怯えているだけだ。「失うも何も」 まだ何も得てないじゃないか、真崎を。 ごくり、とコーヒーを飲み下した。 苦い、ぬるい、香りがなくなってる、けれど喉の渇きを少しは癒す。 真崎にとっての美並の存在は、今その程度なのだろう。「ゼロより少しはましってか」 いい加減にしろ。 自分を叱咤して、空のカップを置き、着替えにかかった。そっと丁寧に置いておいた指輪を鎖から外して指にはめる。 美しいアメジストの紫を眺めながら自覚する。 そうだ、美並は怖かっただけだ、真崎を失うのが。 けれど本当は、まだ「本当の真崎」に出逢い始めたばかり、まだ何も得てはいないのだ。 癒そうなんておこがましい。慰めようなんて傲慢だ。役立とうなんてどこの何様。「何が、できる?」 美並は今何ができるだろう。「私は何だ?」 今、美並は真崎にとってどういう存在なのか、はっきりさせておこう。 指輪を返せと言われるならそれでいい。 たとえどう扱われようと、まずそこから始めよう。 鏡を覗き込むと、さっきより覇気の出た目が強く輝いて見返す。 顔を洗い直し、化粧を始める、いつもより気をつけて、自分の一番気に入っている顔に。口紅は薄紅、全体に薄め、けど、何度も見直して、自分が一番好きな表情を作る。「よし」 にやり、と零れた笑みは、今まで自分で見たことのない不敵さで、思わず笑う。 明、信じられる? バッグを手に玄関を出ながら、ふと弟に連絡を入れたくなった。 私、初めて自分で誰かを欲しいと思っている。 初めて、自分で誰かを手に入れようとしているよ。 自分が足りないことも、奇妙な力のことも、全部全部抱えて晒して、今このままの、私で。 真崎京介を、手に入れたいんだ、明。 **************** 今までの話は こちら
2026.05.16
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今segakiのいるところでは、お好きな方には言わずと知れた『東ラブ』、つまり『東京ラブストーリー』を再放送している。でもって、これもお好きな方には言わずと知れた(しつこい!)『ラスクリ』、つまり『ラストクリスマス』を放映していて・・・この2つのドラマの共通点は、織田裕二氏で、とある事情から彼が急に気に入ってしまったsegakiは、にこにこしながら楽しんでいる。 並べてみると、この2つのドラマはキャラクターといい、筋立てといい、とんでもなくよく似ているという感じなのだけど、それはまあ横に置いて、ふいと気になったのは織田氏の気配みたいなもので。 この方はどうもドラマに入り込まれるに従ってキャラクターが変わっていく人らしい。両方とも回数を重ねるごとにはっきりと顔立ちから姿形が変化していくのがわかる。基本的にはどんどん若く、どんどんセンシティブに、という感じ。印象的な笑顔はもちろん彼のポイントなんだろうけれど、その気持ち良さとは別に微かな違いを感じたりして。 それがナンダロウと考えていたら、それは「好き」のスタンスの違いかなと思った。『東ラブ』の完治は「何だか切なくて好きです」みたいな顔をする。けれど『ラスクリ』の健次は「何だか愛おしくて大切です」みたいな顔。 それはこの2つのドラマの間に流れてる年月の差かもしれないけれど、織田氏の重ねてきた内側のものの熟成なのかなとかも思ったりして。 テレビはけっこう酷い。 年月とそれが人にもたらしたものをはっきりと見せつけてくる。 特に恋愛ドラマになると、そのときにうんとこさときめいたものが、その実役者の「若さ」に引きずられていただけなんだなーと後になってわかると、微妙に悲しい。 いや、もちろん、それも「恋愛」の一要素なんだけど。 で、実は『東ラブ』が放映されると知ったとき、segakiは怯んだのだな。うんとこさ若い織田氏を見たら、今の『ラスクリ』がしんどくみえないか?と。 今の織田氏はとても気に入っている。できるなら、このまま楽しく幸せに見たい。 事実、『東ラブ』に描かれた街と人々の服装や振るまい感覚の古さにかなり引いた。 なんだこれ? 20年、いや、もっと前のドラマに感じるぞ。10年ぐらいしかたってないよな? 街とか世界の変貌ってそんなに急激だったのか? そして、そこにぽおんと放り込まれてきた織田氏は「うひゃ」と思うほど若い。っていうか、既にがきっぽい(馬鹿にしてるんじゃなくて、めっさかあいい、というとこだ)。 うあ。このときでこうなのか(泣)。20歳越えてるんだろうけど、そう見えないよ(涙)。『ラスクリ』でどかどか若く見えてくるのがわかるよ、ほんと(爆泣)。 で。じゃあ自分は『東ラブ』の織田氏の方がいいのかって自問してみて、あれ? そうじゃないよな?と気づく。 たとえば笑顔一つにしてみても、どっちかっていうと、今の彼に笑ってもらった方が嬉しいよな?とか。 で、ほっとしながら、さてそれはどういうことなんだ、と考えて最初の考えに辿り着いたというわけで。 で、他にもいろいろと考えて。 難しいよな? 年月が魅力に変わっていくのって、素晴らしいけど難しい。 「好きだ」って言う気持ちもそうだな。 切なくてかけがえなくて奪いたくてもどかしくて、という時期はインパクトあってドラマティックで胸を焦がす。けれど、それがいつしか胸の底に深く深く沈んでいって、大切で愛おしくて守りたくて支えたくて、もうその人が生きててくれたらそれで全てがおっけーだなんて思えてしまうほど馬鹿惚れしてしまっていて、というのもまた、インパクトあってドラマティックだよな。 でもって、織田氏のヒロインに向ける笑顔の差というのは、その辺を何だか見事に象徴的に示している気がした。笑顔というだけではなくて、一瞬戸惑う表情とか、視線をちらちら移動させる傾向なんかはまんまなんだけど、その前後に向ける表情の深さというか、感情の重層した感じというのは、『ラスクリ』の方がうんと豊かで、その豊かさに表情の一つ一つを追い掛けてしまう、という感じだな。 で。 初めて思った。 こうやって年月を飛び離れた状態の姿を見られるっていうのは幸せなことなんだな、重ねてきた年月がちゃんと実ってる姿ってのはいいもんなんだな、と。 年月に侵されない個性を抱いて、深みを増しながら時の間を渡っていく人の魂ってのは美しいよな。 人の寿命が伸びたのって、そのきれいさ見事さを味わうため、なのかもしれない。
2004.11.05
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あああああああ。いや、済みません、ありがとうございます。うれしいです、うん、本当に。けれど、それとは別に。ああああああああああ。『ラズーン』が。いや、下地はあります、今回は。まだ書けてないだけで。あああああ、、、、、、。い、ま、しばらくお時間を。
2026.05.16
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企画限定とか。 コピー誌終了とか。 HP限定とか。 まあいろいろと最近活動の場を限定することが多いんですが。 それはまあ全体的な時間配分もあるし、集中力もあるし、分野的にも表ではちょっとというのもあるしなんですが。 各々の分野で常連さんがいらっしゃるんで、それでいいんじゃないかと思ってたんだけど。 実は読者の方にさみしい思いをさせてしまってた、とはたと気付かされまして(汗)。 私の作品全部好きで、全部読みたいんだけど、いろんな事情で届かない分野があるというのがつらい、とこそっと打ち明けられることが重なって(汗)。 PCないのでHPのみ公開作品が読めません、PC買えません(涙)。 …あう。 あちこち行くときに作品持ち歩いて読みたいんだけど、HPとかコピーじゃ無理です、携帯じゃ長いです(涙)。 ……あうう。 凄く面白そうな作品あるみたいなのに場所がわかりません(方法がわかりません)(汗)。 …………あううう。 なんで一気にここで読めないんですか(なんで前のとか全部公開してないんですか)(悲)。 ……………あうううう。 なんでもう読めないんですか(泣)。 ……………あ、う~~~。 すいません(汗)。 いや、まじに私、各々の方は各々のところで満足しておられると思ってて。 他のまで読みたいと思って下さるとか思ってなくて。 えーと、だからサイトにも連載中のしか上がってないんですよ。原則的に(コンテンツ一杯がうざい、というのもありますが)。 どうか、少しでも簡単にたくさん作品読めるようにして下さい。 次のやつ(『ハレルヤ・ボイス』かな?)はちゃんと普通にアクセスできるところにオープンしますか? うううう。 あのですね。はい、えーと。 ガンバリマス(汗)。 で、『ハレルヤ・ボイス』は普通に簡単にアクセスできるところにオープンしますし、その御案内もちゃんとしますね………えーと……トップとかにしたほうがいいのかな? 日記とかじゃなくて? 『Brush Up』はいいよね? ここと同じもんだから……いいよね? WEB拍手で京介と伊吹がいちゃいちゃしてるぐらいだから……いいよね……?? 何か違うの、番外編とかあがったらリンクすれば……いいんだよね?? えーと………とにかく……すいません。 でもって……ありがとうございます。
2007.01.22
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なんとか、すこし。 動ける、かな。 いつも、境界を、越えるときってのは、えらくしんどいんですが、今回は特に、きつくて。 まじ、こわれるかと、おもっちゃった(笑)。 会話が、もう、できなくて。 呼吸、してんのが、手一杯で、再起動、かけっぱなし、みたいな(笑)。 そら、こんなの、いれんなら、二人ぐらい、ぬかないと。 容量、たらへんよ、全然。 今も、ぎりぎりで、稼動。 頭が、痛いんす。 それを、がまんして、ゆっくりと、のみこむと、少しずつ、余力ができるから、その余力で、しなくちゃならないこと、一つずつ、やってって。 そっちに、集中すっから、だろうな、食べもの、かぎられるし。 お腹、へっても、食えないの(涙)。くすん。 今、頭の右前ぐらい、にあるものから、少しずつ情報、分配してって。 あちこち、使えるように、おさめるんです。 それが、呑み込む、ってことね。 「とおこさん」と、いうのですが、このソフトを、呑み込むだけでも、大変で。 使えるのかな、ほんとに。 今まで使った、ことのない、とこへ、置かなくちゃいけない、ものがいっぱい、あって。 引き出し、開けて、ラベル貼って、よりわけて、いれて。 入れ損なうと、吐きそうになる。 でも、引き出し、から作らなくちゃ、ならないもんまである。 今は、かなりうまくなった。 ほんとに、これ、後で、使えるのかな。 けど、手順は、何とかわかったし、後は、時間だけ。 時間さえ、かければ。 ちょっと、かかるけど。 でも、この、最中でも、書けるんだから、きっと、ぎっちり、書き物系ソフト、なんだな。 もう少し、待ってね。
2007.02.04
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書きたいことを押さえ付けててはだめだね。 諸事情考えて、それはそれで大人になってたつもりだけど、結局、他の意欲まで削いでしまうから。 思いついたネタをさくさく書いていく方が、うんとずっとあたしらしい。 それでいろいろあるときはあるだろうけど、それもまた、「あたし」に付属してるものなら受け入れる。 表現っていうのは、常に自分を見つけ、その見つけた自分を受け入れるって作業なんだけど、時にその見つけた自分の意外さやぶざまさ醜さに怯えたり、ついでにもって立派そうで偉そうで賢そうで綺麗そうな外観にうんざりしてしまったりもするのだけど、まあ。 動けなくなるよりはましでしょう。 手加減はやめよう。 遠慮も捨てよう。 周囲から耳を塞ぎ、前だけを見据えて歩き出そう。 最大長くても、残り時間40年。 短ければ………。 なら躊躇してる暇なんぞないね。 明日終わりが来ても後悔だけはしたくない。
2005.11.10
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************************ 気づいた瞬間、凍るような不安が湧き上がる。 眼鏡が。 外されて。 それは蹂躙と虐待の開始の合図だ。「う…」 体を震わせながら大輔の膝を拒もうとし、なお深く突かれて中心が強く押さえつけられた。 刺激に反応する自分が居る。「……腰が揺れたぞ」 刷り込まれた悪夢が、勝手に体の内側で再生を始め、一番楽な方法を選びたくなる。 大人しく心を閉じてやり過ごせ、別に殺されるわけじゃない、と。 でも。『京介』 いや、だ。『逃げなさい』 もう、いやだ。 美並。「体は正直だな」「く、」 いっそ舌を噛むとか、自分で鏡に顔を叩きつけてやるとか。 ああ、それはいいかもしれない。 自分の中でひんやりしたものが凝り固まっていく。 顔を少し上げて、それから思いきり鏡に顔を叩きつけてやれば、割れるかもしれない、顔か鏡かどちらかが。 もう要らない、こんな自分など。 誰もかれも、京介の外側ばかりを欲しがっていくのなら、全部ずたずたにしてしまって、それから伊吹の元へ行こう。伊吹は京介を拒まないはずだし、それだけぼろぼろになって行ったらきっと、捨てるとか置き去りにするとか考えないだろう。他の誰かを好きになっても京介を側に置いてくれるかもしれない、哀れみと同情で。 それはいい。 それでもいい。 もう、伊吹以外の誰かに体を明け渡したくない。「…ふ…」「…感じてきたのか」 ゆっくりと体を起こして仰け反っていく京介の視界がふいに霞んだ。眼鏡が顔から滑り落ちていくのと同時に、思いきり顔を逸らしてそのまま一気に額から鏡に突っ込もうとしたとたん、「手を突け」 びしりとした声が響いてはっとした。************************ 一つ乗り越えるために自分を変えて。 一つ変わった自分が新たな出会いと運命を選び取る。 少しずつ、傷は浅く、手法はしたたかに鮮やかに。 京介が変わり始めます。これまでのお話はここから→ 伊吹視点はこちらから→ ついでに番外編などはこっちです→番外編*WEB拍手お返事*7/26>21:19 シュレッダー京ちゃんはここから本領発揮できるかしら?大輔なんてやられてしまえ気合いの入ったコメント、ありがとうございます(笑)。一度美並にガードされてるときにやり返せてんですから、何とかなりそうなものなんですが、弱ってる時には厳しかったようです。元気なときには(美並が側に居れば/笑)頑張れても、べったりくっついているわけにもいかないのが大人の事情、何とか自力対処の道を探すことになります。ちょっと意外な方向を、意外な人物がもたらします。>23:11 ラーズーンーはーあーいー(笑)。これはなんですかね、そろそろラズーンの連載をやってもいいんじゃないか、という意味合いですかね(笑)。んー、今ちょうど『京都舞扇』が乗ってますし、もう少しで終わりそうなんで、そっちが一段落ついてからにしようかと思ってます。まあふと気が向いたら、ってあたりでぬるめにお待ち下さい(笑)。拍手ご期待いろいろ感じます。頑張りますねv
2008.07.27
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聞かずに済むものなら犯してしまった過ちに気づかずに済むものなら号泣が聞こえる悲しみだけではなく己の愚かさ未熟さに苛立ち嘆き絶叫する声その声を二度とあげまいとして必死に生きながらもやはり辿ってしまった道の果てには血の涙が降り注ぐ天よ我を許せ
2004.12.28
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昨日とても嬉しい事が二つ。 一つはまたロストレイルのご感想頂いたこと。 以前の作品にもご感想頂いていたと教えて下さったこと。 できることなら、再送お願いしたいです(涙) ほんとずっと手探りで書いてましたんで、喜んでもらえていたのなら知りたい。 メールシステムの関係で、この数作以前は全くメール受け取れていない状態ですし、何よりも何よりも『掌の月』『ディープ・ブルー』は入院中に書いてたので、まともなものに仕上がったかとても不安だったので、それに対してのご感想があったのなら、なおさら知りたいです。 ご無理はいいませんが………できれば……ええ、できれば。 メールのお返事は改めてさせていただきますが、来年もまたお祭りがあれば、とのコメントを複数頂き、楽しんで頂けたのだなあと、ほんとにほんとに嬉しいです。 これから先も、楽しかったり切なかったり怖かったりどきどきしたり、いろんな物語をお届けしていきますので、どうぞよろしくお願いします。 で。 インヤンガイシナリオ、OP承認されましたので、近々また皆様をお誘いに上がります。 ちょっとやばめの奇妙な男が探偵として出て参ります。 『銀幕』からのお客さまは、ひょっとするとご存知かもしれません(笑)。 皆様に楽しんで頂けるよう、頑張りますね。 もう一つの嬉しいこと。 子どもが、私の子守歌を覚えていてくれたこと。 厳しい時期でした、いろいろと。それをしのいで頑張った、そのご褒美に思えてなりません。 ありがとう。 支えられたのは私の方なのに、なおも報いてくれてありがとう。 あなた達は、まさに、宝物です。
2010.09.07
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************************** ユーノは一人、ネークの草原に立っている。 腰の上、鳩尾近くまで押し寄せてくる緑色の波の中に一人立って、あたりを見回している。『………の子よ』 声は再びユーノを呼んだ。 振り返る耳元で風が鳴る。『人の子よ、なぜ、そうまで、悲しい?』 暗い空には星一つなく、草原には人影一つなく、声が密やかに響いてくるだけだ。『なぜに、そこまで、そなたは悲しい?』 草の擦れあう音、微かに青臭い香り。(なぜ……って?) 『そなたは「銀の王族」、幸福を世の始めから約束されたもの……』(銀の…王族?) ユーノは首を傾げた。 どこか優しい響きを持ったそのことばに、心の海が波立つ。『己の生命を覗き込んで見よ』 周囲を取り巻く草が波打ち、ユーノの体を包み込んだ。 ぴりっと一瞬、稲妻が走ったような衝撃が伝わり、襲ってきためまいの感覚にユーノは思わずよろめいた。同時に、自分を包んだ草の表面から何かの記憶が流れ込んでくるのを感じる。 生命を見よ。 目を閉じたユーノの脳裏に、絡み合うニ匹の蛇が映る。 蛇? いや、そうではない。 何か紐のようなものがニ本、二重に螺旋を作って巻き上がっているのだ。『「銀の王族」が「王族」である所以だ。これゆえに、「銀の王族」は、その生命を幸福に全うすべき義務を持ち、そのようにラズーンは取り計らう…』 声は老人の穏やかさと青年の熱意をもって囁いた後、疲れたように調子を落とし、再び物柔らかな問いを投げてきた。『だが、人の子よ、なぜにそなたは、それほどまでに悲しい?』 風が草原を撫でていった。ユーノにまとわりつき、ユーノの想いを引き出そうとするかのように、そこにたゆとう。(………) ユーノは淡く苦く笑みを浮かべて応えなかった。 一言で応えられる想いではない。一言で応えられるほどこなれてはいない。 それこそ未来永劫抱えしのいでいかなくてはならない想いだろう、ただそれを深く自覚した。 草が、まとわりつくレスファートのようにユーノの脚に絡み付いてくる。『………げぬか?』 ユーノの沈黙に、声はふいに問いかけてきた。(え?)『そなたの幸福を妨げぬか?』(何のことだ) ユーノは目に見えぬ相手の気配を追った。 深い、星明かりさえない夜の草原で、声はしばらくためらい、やがてことばを継いだ。『若い草猫達が、王を欲しがっている。我々の心をまとめあげる王を。そなたの一番若い連れが危ない』「レス!」 はっとして。ユーノは叫んで飛び起きた。 同時に習性で剣を掴んでとっさに振り返ったユーノの目に、闇色の空を背景に揺れるプラチナブロンドが映った。 立っても草に埋もれるはずの、レスファートの頭だ。「レス!!」 ユーノは声を張り上げた。************************** 突然何者かに攫われていくレスファート。 なぜ彼は抵抗しないんでしょうか? 『Brush Up書房』にて『閉めた戸の音』と『猫たちの時間』を販売することになりました。 特典つき、送料込みのお値段ですので、よろしくお願いいたします(つっても、ほとんど送料で、特典はえーとsegakiからのお礼、といいますか/照)。 『Brush Up書房通信』は毎月1日に、書房の御案内とsegakiのSS(写真付き/基本的にはサイト未公開のやつを中心に)、murasehisariさんとsegaki交互の編集後記などをお送りいたします。*WEB拍手お返事*2/1618:48 ラズーン大好きです!それでずっと気になっているのですが、レアナ姉さまってアシャのこと好きなんですか? うーむ、鋭い突っ込みですね(笑)。レアナは誰にでも優しいです。アシャのような見目形の美しい男に傅かれるのも慣れてます。ならば誰にでも惚れてるのかどうかっていうと微妙ですね(笑)。なら好きじゃないのかっていうと、セレドがああだし両親がああなんで、頼りにはしてます。………つまり……えへへ(汗)。どうでしょうねえ(こら)。大好きと言って下さって張合いがでます。頑張りますね。 ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回) これまでのお話はここ→ラズーンバナー 面白いと思われた方はこちらからランキングバナーをクリックしてやってくださいませ。 お気に召したらぽちっと下さい♪
2008.02.17
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抱えられるはずのない命を支えられるはずのない時間を背負ってずっと走ってる気付いて竦んで動けなくなる叱咤して目を固くつぶって無理矢理もう一度走り出すまで少しだけ時間を下さい崩れそうになった一瞬を何とか凌ぎ切るまで零れた涙を拭って消してしまうまで不可能を可能にして幻を現実にして両掌に大事なものをきっと守り切ってみせるから今108960時間最低でも後35040時間
2006.08.31
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弱音を吐いて、それをねじ曲げてとられるならまだしも、それを自己満足に使われちゃたまらない。だから何も言いたくなくなるんだ。
2006.06.28
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自分を信じ、守った。 人の範囲を侵さなかった。 たったそれだけのことをするのに、ことばだけでなく実行するのに、13年かかった。 かみさま。 ごほうびを下さい。 ついに逃げなかった、私に。
2007.01.29
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今回はスムーズに某所仕様でいけたんじゃないのか? ってことは、また前と変わってきてるってことか? まずい……。 あうあうあうあうあう。 どんどん変わっちゃうから、統一性が(涙)。
2006.11.03
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必死に掴んでるたもとの袖を、やんわりともぎはなされていくような感覚を感じるなあ。 長い長い思い込みのときを、それとどこかでわかっていながら、しがみついていた記憶の名残りを、切り捨ててしまいたくなくて抱きかかえていた一つの形を、そっと崩されていくような。 そうか。 つまりはそういうことだったんだ。 いくつもの断片を重ね合わせていって描かれる万華鏡は、少し揺らすだけで色も光も変えるけど、フタをあけてみれば、そこにあるのは何色かの切れ端と鏡のからくり。 それを掌の上に広げて、夢と魔法が解けたことに気づいたけれど、どうしてだろうな、もう淋しくない気がする。 なるほどねえ。 そういうことだったのか。 うむ、すとんと呑み込めた合点がいった。 謎が解けたあっけなさ。 いきなり開けた視界の広さにおびえるよりは茫然とただうなずいている。 なるほどねえ。 ははあ、なるほど、無理もないか。 欺かれていたことにも納得し、それで失ってしまった時間にもうなずき返し、過ぎ去った機会も受け入れられる一瞬。 幻と現実を引き剥がすのに、これほど時間と手間ひま必要なのは、segakiだからか、人はそうなのか。 そしてまた、なぜこの後に湧いてくるのが哀しみや喪失感や虚無感ではなくて、静かで揺るぎない自信なのか。 それは彼は死に、私は生き残ったという優越感を味わう残酷さからだろうか。 それとも彼がどれほど私を閉じ込めていたかについて理解でき得心できたことからくる達成感からなのか。 では、あれは、すべてそういうことだったのだな。そういうことを示す象徴であったのだ。 だが、それを私はずっと他者のものであると思っていた。それが私を解放してくれるものだとは思わなかった。そしてまた、私がその解放を望んでいたとも気づかなかった。 だからこその苛立ち。 だからこそのやるせなさ。 だからこその・・・・傷み。 もう、よろしいでしょう。 柔らかな声がそう告げて、泣きじゃくる私の手を彼の人のたもとからそっと離させる。 十分に傷つき、嘆いたのではないですか。 たとえどんなにことばを尽くしても、彼は死に、あなたは生きる。ただそういうことなのですよ。 彼の命は彼がまっとうするのです。貴女が貴女の命をまっとうするように。傍からどれほど惨くみえても、それで終わりではないことを、よく知っているではありませんか。 貴女の情念の強さ、その思いの深さは私がよく知っていますから。だから、もう、そう傷まれますな。 うん、大丈夫だよ。 私は私が万華鏡を楽しみたかったのを知っている。お互いの道が離れるしかないこともわかっている。今哀しいのは、もう少しだけ一緒にいたいと願う甘えだということも。自分がこの傷みさえも一遍の物語にしてしまう、その酷薄さも知っている。 私は一時喪に服し、自分の失ったものを、その開いた穴と潜む痛みを味わい尽くす。 貪欲に。 嘆きながら醒めながら、その両方を抱え込む。
2003.09.04
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呑まず食わずで5時間ぶっとおし書いてても、全然平気で、書きたいことがあるなら、もっとぶっ飛んでいっちゃいますぜ、みたいなのに、家事労働を2時間したらへたりました(こら/涙)。 うー。 いつの間にか、どこもかしこも作家仕様になってんの。 それでか、夕飯メニューとかお弁当とかが思いつかなくなってしまったのは(違)。いや、レシピとかいろいろあるんだけど、気力が(殴)。 でも食べにいくとか、何かを頼んで食べるというのも、そんなにうんと好きなわけじゃなくて、たぶん、3日続くと飽きてくるかもしれない。 いや、御飯はあるだけで嬉しいのだけど、なんとゆーか、そこに向ける気力があるなら、書くほうに回したいとか(爆)。 そしてまた、頼まれた原稿用紙2~3枚が書けなくて、別口なら20~30枚へらへらしつつ書けてしまうのはもう、どう言えばいいのやら。 今はねー、セッションネタと次回企画を(もうかい!)あれこれ考えてるんだが、楽しいんだよ~~(うふ) 目の前に座った男の頬を蹴り飛ばした。一瞬避けたから冷笑して、「私に仕えるんじゃなかったのか」 言い捨てると、ちらりと醒めた視線で見上げてきた。もう一度、目の前に膝をつく。その頬にまた足を振る。 びし、ときつい音が響いて、噤んだままのM下の唇の端から血が流れ落ちた。それでも、相手の冷えた瞳は揺らがなかった。「これでよろしいんですか、S城さん」 静かな声で確認するのに満足してうなずいた。 とか(は?/汗)。 いや、このまんまじゃないけど、こういう雰囲気だよね、とか。 デッサンみたいなもんだろうか。場面をちょこちょこ形にして、書いて、感触を確かめて、また書いて。 『いん』もそういう感じだったけど、立体造型してる気になる。 削って足して、少し離れて、ぐるりと見回して、また足して、削って。 一気に仕上がらないし、何度も細かく手を入れてイメージに近付けていくこの過程を、ずいぶん好きになったなあ。 こうやって日々『作家の体』は強化されてっちゃうんだろうな(苦笑)。
2005.10.21
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たて続けにいろいろ片付けたもんだから、さすがにちょっと息切れが(笑)。 やー、歳だわね~。 今日はなるたけのんびり過ごしたいもんです。 好きなもん書いて(それかよ!/笑)。 世間ではお雛祭りですが、今日のアップは全然華やかでも楽しくもないので、どうぞおめでたい気分でいらっしゃる方は避けて下さい。 また落ち込み気味の方も避けられたほうが。 ハッキリ言って不愉快な描写が続きます。 色っぽくも妖しくもないです。 この主人公もお隣さんも、平穏な生活を望むためには、同じマンションには居てほしくないような人物なんで、そういうのが苦手な方はすぐに回れ右されることをお薦めします。 まいるどすぷらった、と申しますか。 派手な殺戮画面はないのですが、状況をストレートに想像するとかなりキます。お食事しながらはおやめ下さい。 また、この後もほぼこういうテイストでなだれ込んでいきます。 ああ、なんかほのぼのした恋愛ものなんか読みたいわね(笑)。 しかも、困ったことに、segakiはこういう類、特にこの主人公が意外に嫌いではありません(え?/汗)。 どうしましょう(聞くな)。 あんまり世間的にもあれなんで、ちょっと気紛れに違うの上げてみようかな(笑)。 えーと、コンテンツから探して下さい。 『よいこのすすめ』、不定期にぼちぼちやります。
2006.03.03
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ただいま『虹』企画に没頭して楽しんでおりますんで、こっちの方が止まってしまってる………や、せっかく来て頂いてるのに、それはあんまりだろうと、前の作品の再掲載とかも考えたのだけど、それも御常連には退屈だろうと、また小編をアップ。 しかし……。 うーむ。 こういうやつの需要がどこまであるのかなあ……。 まあ、こういうのも書いたりもする、ということで。 お退屈しのぎに如何でしょう?
2005.02.17
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********************** なんだろう、これ。 なんでこんなに僕、笑ってんの? そう疑問符を浮かべて伊吹を見遣れば、もう止めましょう、ほら真っ赤、とか頬を突かれて、それが嬉しくてまた笑って。 何? 何? これは、何? 胸の中で小さな声が何度も何度も尋ねていた。 ネエ、コレハ、ナニ? シラナイヨ? こうして思い出しても、胸の中がどきどきではなく温かくなる。何だかたくさんいいものを注がれて、それで体中がほんわりと蒸し上がっているような感覚、うん、と思わず伸びをすると手足の先に触れた部屋の冷えた空気さえも体温を確認するためのもののように新鮮で。「生き返った、みたい」********************** 京介の中に生まれたのは疑問。 さて、それは如何なる芽を吹くんでしょう?*WEB拍手お返事*5/29>2:22 美並猛獣使い・・・もとい、保母さんですね。今回のを読んでもらうと、なおさらそういう感じかもしれないですね~。京介は初々しいばかりになってますが、その部分の負担を誰が背負っているのか、ふと気付きます。 >2:34 忘れてた。京介が20代ってことを(笑)そうなんですよ、幼稚園児じゃなくてですね(笑)。四六時中こういう状態だと、疲れるでしょうけどねえ……たまにはこれほど無防備に甘えてほしいかも。御心配、ありがとうございました。一瞬、京介の体を心配して下さったのかと思ったりしましたが(笑)たぶん私ですよね?幸い、何とか攻防戦は波打ち際を制しております(わかりにくいって/笑)。感謝します。>8:00 更新お疲れさまです!リンクが「闇を」の41になってますよ~。ありがとうございました! すぐにチェックしました(笑)。京介への慰め? お褒め? ありがとうございました。一緒に喜んで頂けて、私も嬉しいです。>8:40 あ、明の前なのに…(苦笑)酔っ払いは怖いものなし!? おお、そうだ!(笑)。もうそのへんは隠す気なんて全くないんですね!酔ってなくても酔ったことにしちゃうんですよ、きっと(笑)。>8:42 あんまり素直に甘えられると、可愛いなぁ、と思う反面、自分の可愛くなさに落ち込んだり…します。 う。そのお気持ち、なんとな~くなんとな~くわかる気も。でも、自分ができないから、せめて京介の甘えを見てやった気分になるという手もあるような(私はよくやります/笑)。甘甘場面で自分がどっちに滑り込むかって、癖がありますよね?気持ちいいほうにいけばいいけど、そうもいかないところが難しいとこです。>8:45 『闇から』が『闇を』のところにあって迷いました。ご確認くださいませ。 申し訳ありません。やっぱりばたばたしてる時にやるのはまずいですねえ。いつもは必ずリンクを確認するんですが、ちょっと急いでたんで抜けちゃいました。幸い、みなさんにお知らせ頂きましたんで、さくさく直すことができました。これからもよろしくお願いいたします。>9:25 ビールが美味しかったの、そーかそーか、良かったね(うるうる)。新しい家族(予定・笑)と、子供時代から生き直しているように見えました。 なるほど、と思わず唸ってしまったので、長めに引用させて頂きました。そっか~、なるほどなあ。それでこんなに機嫌いいのか、君は、と思わず続きも書いてしまった私(笑)。次も甘い甘いあま~~い、でいきます(笑)。 たくさん書き込み、拍手ありがとうございました。 お返事遅れてすみません。一つ一つ楽しみに読ませて頂いて、創作の力を得ております。 これからもよろしくお願いいたします。 更新速度が遅めになっております。 お許し下さい。 お気に召したらぽちっと下さい♪
2007.05.30
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**************************** 今でもシートスは、その時のことをありありと思い出すことができる。不敵というには、あまりにも艶やかに微笑んだアシャの顔も、揺らめく灯火も。「さすがの俺も、すぐには返事ができなかった。『黒の流れ(デーヤ)』流域の住民から、扇動者を引きずり出そうというのが彼の計画、『黒の流れ(デーヤ)』を馬で下っていくというとんでもない作戦も、それが聞き始めだった。結局、俺はあの方と一緒に殴り込みをかけ、見事に成功した。もちろん、反乱鎮圧が成功したのは言うまでもない」 シートスは自慢げに、周囲の男達のぽかんとした顔を見回した。「『黒の流れ(デーヤ)』を馬で下る、だと…」「そんな……鬼神ではないのか、アシャというのは……」「あのアシャが…」「何を言ってる!」 新参らしい男達ーー物見(ユカル)も入っているーーが、呆れ声を上げるのに、古参が言い返した。「『太皇』(スーグ)』以外で、『泉の狩人(オーミノ)』を御せるとすれば、アシャか、ミネルバだと言われておるのだぞ」「げ」「『泉の狩人(オーミノ)』をねえ…」 まだ半信半疑の新参兵に、やれやれと古参が肩を竦めるのに、シートスは静かに、だが力強く笑った。「まあ、ラズーンでアシャに会えば、すぐにわかる。今度の『運命(リマイン)』との戦いは、これまでにない大規模なものになるとのことだからな」 シートスはユーノを振り向いた。「……アシャがラズーンを出たのは、それから、半年ほどがたった日のことだ」「どうして?」「さあ……詳しいことは誰も知らんだろう、アシャ本人以外にはな。だが、冗談まじりには聞いたことがある。『探し出すべき人を探し出しに、出会うべき人と出会うために』と言うことだった」 ユーノの問いかけに、シートスはやや白けた笑いを浮かべた。(『探し出すべき人を探し出しに、出会うべき人と出会うために』) ユーノは心で、そのことばを繰り返した。(そして、アシャはレアナ姉さまと会った……) ギアナの裏切りにようよう逃げ込んだセレドの往来、あの美しさも埃に塗れては人を魅きつけることもなく、ただ路上に倒れていたアシャを、レアナは優しく救い上げた。その白い腕がどれほど眩かったのか、薄紅の唇がどれほど甘く微笑んだように見えたのか、ユーノには容易に想像がつく。 同じように、今までどれほど多くの国の王子が、レアナの笑みのために遠い山を駆け抜け、流れを渡り、馳せ参じことか。(懐かしい…) アシャと出会ったのが、ずっと昔のことのようだ。 ユーノはそっと唇を綻ばせた。(こうして、何もかも思い出になっていくんだろうな) これほど切ない想いも、いつかは若い頃の思い出の一つとして、心の宝石箱に転がしておける時が来るのだろう。 ユーノはそれまで待てばいい。それまで、この想いを、一言一動作にも示さなければいい。「あれほどの才を持ちながら、さても夢見がちな男だわい。……もっとも、あの美貌には似合っているがな」 シートスのことばに、ユーノはくすりと笑った。 イルファのことを思い出したのだ。妻にしようとまで思い詰めていたと聞いたことがあるから、アシャが男だと知った時はさぞかし衝撃だっただろう。(無理もない) 溜め息まじりに温かい赤と黄色の炎を見つめながら考える。(あの顔立ちだもの……それに、あの髪。娘に見えない長さじゃないし、何よりも紫の瞳のきれいなこと……あ……れ……) じわっと滲んできたものに、ユーノは慌てて目元に指を当てた。少し濡れている。(涙?) 違うことを考えよう、と思った。違うことを……あ、あの向かいの男、レスファートと同じような銀の髪をしている。(でも、レスの方がもっときれいだな、さらさらで艶があって。おかっぱが伸びて肩に触れていた。また切ってくれとだだをこねている頃じゃないのかな)「!」 不意にばさりとマントが頭からかけられ、ユーノはぎょっとした。跳ね上げようとした頭を、軽くマントの上から押さえ、シートスが低い声で呟いた。「ちょっと体が冷えてきたようだな、客人。これを被っているがいい」「…」 心遣いが優しく、ユーノは少し頷いてマントをかき寄せ、身を竦めた。炎の燃える音、人々の話し声、身近に寄せる温かな気配が、逆にユーノに孤独を押し付けてくる。「よほどの理由があったのだろう、客人?」「……」「世の幸福を約束された『銀の王族』がギヌアと剣を交えるとはな………痛ましいものだ」「シートス…」「何だ?」「ボクがここにいること、アシャには知らせないでくれる?」「…」「ボクがアシャといると……かえって危ないんだ」「どういうことだ?」「……ボクはカザドにも狙われている」「!」 シートスはぎくっとしたように手を強張らせた。そして、徐々に力を抜き、重い溜め息をついた。「それで……こんな無茶をしたのか」「……」「辛い旅をしてきたな」 その柔らかな労りの口調に思わずしゃくりあげそうになって、ユーノは息を詰めた。「……よかろう。それでは、お前を我らの野戦部隊(シーガリオン)の一員として迎え入れ、ラズーンへ帰還しよう。ただし、神々のお引き合わせによってアシャと巡り合ったなら、その時はお前のことを知らせるぞ」「うん……ありがとう、シー……」 ことばをとぎらせたユーノの頭を軽く叩いて、シートスは誰に言うこともなくつぶやいた。「動乱の期は、誰にとっても辛いのだよ」「……」 ユーノは頷いて、零れた涙を見せるまいと俯き、唇を噛んで体を竦めた。**************************** ロストレイル『ヌカ・タマ・ヒ(青空の涙)』OP公開されました。 ご参加ありがとうございました。 いろいろな立場でプレイングして頂けると思います。 どのような結末になるのか、未だ不明です。 けれど、他の作品でも同じですが、プレイング如何では続く何かが提示されるやもしれません。 頑張りますので、どうぞ思い切りプレイングなさってください。 楽しみにお待ち致しております。*WEB拍手お返事*11/4>13:19 はなさまいやいや、これからですよ、アシャが歯噛みするのはv以前ちらっとお知らせしましたが、この先ユーノはしばらく野戦部隊(シーガリオン)と行動を共にします。当然、仲良しな人もでてくるわけでvでもって、王道な展開もまたありましてvしばらくじれじれを楽しんで頂きますですはいv レス不要の拍手樣方も、ありがとうございます。 レスしたい。 でもでも、続きを待って下さっていること、よくわかります。 懐かしいお名前もお見かけしてますし、いらっしゃって下さる方々も多岐に渡り、ありがたいことです。 さて、物語はついに、個人誌ラストまで参りました。 何年も待って下さったあげくに、この先をお届けできないとご連絡した日の無念、未だに覚えております(もちろん、未だ果たせていない物語もありまして、忸怩たる思いではありますが)。 けれど、まあ一つずつ。 ようやく、この先へ進めます。 皆様のおかげです。 それ以外の何がありますか。 待って下さり、この先の物語を期待して下さる、そのお気持ちで支えられています。 精一杯、語らせて頂きます。 どうぞひと時の慰めとしてお楽しみ下さいませ。 今後とも、よろしくお願いいたします。
2011.11.08
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**************************「あつ…」 小さく呻いて、ユーノは目を覚ました。 右脇腹に鈍い痛みが澱んでいる。そっと手を伸ばして触れてみると、妙な熱っぽさが伝わってきた。(月獣(ハーン)の傷か) 微かな溜め息をついて目を閉じる。 時は深夜、人家のほとんどないキャサラン辺境の地。(まずい……化膿してきたかな) じんじんと広がってくる痛みと熱にぼんやりしながら考える。 瞼の裏に、ねじり角を額に頂いた華やかに輝く月獣(ハーン)の姿が浮かび上がる。闇夜に鮮やかな金の馬。(優しい月獣(ハーン)) 緑の瞳に限りない優しさと哀しみをたたえた獣。 だからユーノは抵抗できなかった。相手が、本当は脆いと知っていた。激しい攻撃はしてこないとわかっていた。けれど、ユーノの一撃で傷ついてしまうほど弱いのだと知らされた。 その月獣(ハーン)を相手にして、ひどく傷めつけてしまいそうで怖かった。(私なら……慣れている、と) 心の中で誰かがそう呟いて、体から力が抜けて、突っ込んで来る角を避けられなかった。囁く声に心の奥が引き裂かれ、ずたずたにされ、どうして生まれてきてしまったのだろう、そう自らに問わせた。(どうして…私なんか…生まれてきたんだろう?) 心の声はそう尋ね、答える術を知らずにユーノは逃げ惑った。逃げ込める場所はどこにもなかった。探して探して探し抜いて、ほんの一瞬、月獣(ハーン)の澄んだ冷たい金の光とは違う、日だまりの黄金が閃くのを見つけた。(アシャ…) アシャが振り返る。ユーノ、と豊かな響きの声が耳に届く。滲む視界、頬に流れる涙の熱さに身も心も焦がされそうだ。 両腕を差し伸べて駆け寄ろうとしたユーノは、その寸前で立ち竦んだ。そうっ…と両腕を引く。ゆっくりその腕で、自分の体を抱き締めながら、ユーノは眉をひそめた。 たぶん、アシャは彼女を受け止めてくれるだろう。抱き締めて慰めてキスしてくれるだろう。(だから…行けない…動けない…) 唇を噛む。体をなお強く抱き締める。目を閉じる。(それは、私のものじゃ、ない) 背後に居た月獣(ハーン)の気配が変わった。 振り返るユーノの目に薄紅の絹と淡いピンクの薄物をまといつかせたレアナの姿が映る。(ああ…姉さま) レアナは美しく微笑した。優しいレアナ。どこか儚げで、女らしくて、でも芯は強くて……傷つけたくない女性。 声が囁く、お前はレアナの犠牲になっているんだ、と。 馬鹿なことをしているぞ。アシャを好きなんだろう。なのに、みすみすレアナに渡してしまうのかい。それはただの言い訳だろう。アシャもレアナもお前の犠牲に気づきはしない。お前の傷には気づかない。 心の暗闇でじっとその声に耐えていたユーノの視界に、ふっと心配そうなアシャの顔が飛び込んできた。 美しい眉をひそめ、深い紫の目を曇らせ、唇を少し開いて今にも何かを話しかけてきそうだ。(ア…シャ…) ユーノは眉根を緩めた。唇の両端を上げ、おどけて笑ってみせる。(そんな顔、するなよ、アシャ。あなたを悲しませたく…ないんだ) 体をきつく包んでいた腕を解く。開いた空間には寒さだけが入り込んでくる。(私は誰の犠牲にもなっていない) 誇りが湧き上がる。『はぐれもの』の姿を思い出した。(お前もそうだろう? 自分で道を選んできたんだ。後悔もしないし、犠牲になったとも思わない) 同じ時間がもう一度巡ってくるとしても、やっぱりユーノは同じことをするだろう。 頬に零れ落ちてくる涙が熱い。(あなたが、大事) レアナが、セレドが、そして、アシャが。(あなたを守れさえすればいい) それがユーノにできる真実の心の証。「くっ」 ぐうっといきなり押さえつけられたような痛みを感じて目を開けた。甘酸っぱいものが胸に一杯になっていて、目を擦った手が濡れている。 哀しいのではない。寂しいのではない。 ただ切なくて。 どこまでいっても、こういう形でしか生きられない自分が、切なくて。「は…」 少し苦笑を漏らして息を吐いた。 見上げる空にはまだ満天に星が散っている。(まだ明けそうにないな…夜中に騒ぎたくない、けど) それでなくても皆疲れている、『運命(リマイン)』支配下(ロダ)を守り一つなく進まなくてはならない旅路に。イルファでさえ、疲れが見え出しているほどなのに。(もう少し、我慢すれば) 夜が明けるまで耐えたい、皆の眠りを妨げたくない。(く、そ) 無意識に右手で草を掴んでいた。傷を押さえた左手の下で、痛みが容赦なく強くなってくる。小刻みな呼吸で激痛を逃がし、強張ってくる体に空気を取り込み、力を抜く。草を離し、のろのろと額を擦った。 汗びっしょりだ。目を覚ますまでに結構痛んでいたのだろう。「っ」 くらっ、と視界が揺れた。(ろくなもの、食べてなかったからかな) ユーノが身に着けていた金細工はあったが、金は人間の居る所で初めて役に立つもの、金だけあっても腹の足しにはならない。レスファートの分を優先させていた付けがとんでもないところで回ってきたようだ。 めまいに呑み込まれそうになって、ユーノは歯を食いしばった。体が硬直する。硬直したまま、闇夜の中へ転げ落ちていく。一瞬閃光のように激痛が走って、思わず口を開いた。「…っう」「ユーノ?」 間髪入れずにはっとしたようなアシャの声が響いた。駆け寄ってくる気配に薄目を開ける。(そうか…今夜はアシャが火の番だった)「どうした? 苦しいのか?」 覗き込んで来る顔が、胸の中のアシャと同じように心配そうだった。その肩に、いつの間にか白いものが乗っている。「サマル…カンド…」「クェア?」「お前…どこに…っ!」 びくん、とユーノは体を跳ねさせた。貫いていった熱い稲妻に切り裂かれた気がする。「この…っ、苦しかったら呼べと言っただろうが!」 きつく舌打ちをしたアシャが額に触れ、厳しい顔になった。「かなり我慢してたな! 俺の名前を忘れたとは言わさん…」「アシャ…ラズーン…?」 思わず返した答えに、ぴくりとアシャの指先が震えた。「ラズーン支配下(ロダ)では、アシャ、だ」 吐き捨てる。「は…」 掠れた笑いを漏らしてユーノは目を閉じた。(わかって、ないな) 熱っぽさが全身を駆け巡って、意識が霞む。(その名前は…私には封じられている……呼べないんだ……知らない…だろ)「おい、ユーノ!」 アシャのうろたえた声が耳元で響いた。体を抱えて起こされ、何とか目を開ける。「大丈夫か」「うん……月獣(ハーン)の傷……化膿したのかな……っ」 突然痛みの範囲が広がって、息を呑んでアシャの腕を掴んだ。もたせかけた頭がアシャの胸に当たっていて、少し早くなっている彼の鼓動を伝えてくる。「きつそうだな」 アシャの声の不安、速まる鼓動に少しほっとすると、暗闇が視界を覆う。「ごめ……気を失い…そう」 耳鳴りがして沈み込みそうになる。「待ってろ」 アシャが片手でごそごそと荷物を開く気配がした。「あまり飲まない方がいいんだが」 取り出したのは例の痛み止めだろう、赤ん坊のように唇を開かれ含まされた。必死に呑み込もうとしつつ、目を開くと、アシャが当然のように水を含み、唇を寄せてきてぎょっとする。「だい、じょぶ、自分で、飲める」 もぐもぐ口を動かして何とか呑み込む。アシャがむくれたような残念そうな顔でユーノを見返し、ごくりと口中の水を呑み込む。「水は?」「くれる…?」 水入れを受けとり、何とか口に流し込む。上目遣いにアシャを見ると、濡れた口を無造作に擦る手の甲、それに捻られてふわりと戻る柔らかな唇の動きに視線が吸いつけられてどきりとした。(温かな、くだもの、みたい) ついばみたい、と意識を掠めた欲望に、何を考えてるんだ私は、と慌てて目を逸らせて大きく息を吐く。「息苦しいのか?」「ううん、だいじょう…」 言いかけて、ユーノはアシャの胸を押さえた。同時に顔は動かさず視線だけ背後へ送ったアシャが、片方の手を剣に伸ばしてユーノから離れる。同じく、ユーノものろのろと剣に手を滑らせた。「誰か来る」「ああ」 草の上を走る人間の気配。一人二人…四人……六人。 ただし、始めの一人は離れているようだ。(追われている) 目を細めて緊張を高めながら目の前の木立を見つめる。 突っ込んできている、ほら、そこだ。「はっ!」 木立の間を擦り抜けるようにして飛び込んできた相手は、突然目の前に現れたユーノ達に大きく目を見張って立ち竦んだ。 波打って流れる見事なプラチナブロンド、色があるのかないのか分からぬほど淡いグレイの瞳。整った顔立ちに逆らうようにきつく結ばれていた唇がぽかんと開く。歳の頃、十六、七の子ども子どもした感じが抜けない男だ。**************************これまでの話はこちらから→ 同じことを繰り返すのは過去に引っ掛かっているから。 一つ辿り着いたはずなのに、また動けなくなるユーノ。 そこをどう抜けていくか。 心身ともの死闘が始まります。
2010.09.08
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久々にわけのわからない夢を見ました。 夢の中でにこやかに告げられる。 「つちのこ退治、気ぃつけてな」 はい? ………つちのこ。 検索してみました。 赤磐市つちのこ情報。 ………。 これをどうしろと(汗)。 いびきをかいたり、転がったり、ジャンプしたり、鳴いたりすると………なんなんだろう、それわ。 たぶん「幻の生物」とか「2000年前後のこと」とか町おこしとか………つまりは違う意味を表現してくれたのだろうが、なぜ「つちのこ」なんだ? しかもそれを「退治」しにいくって? ただ、一つお仕事が済んで、その仲間と別れてどこかへ行くことを教えてくれた、というのは確かだ。 でもってその目的が「つちのこ退治」………。 情報の伝え方が間違ってますよ~と今夜訴えてみよう(汗)。 さすがに何の事やらわかりません~(涙)。 『闇』シリーズの感想頂きました。 なかなかになるほど。 ふむふむとまた閃きも刺激して頂いたりして。 梁塵なんてね>その時に 相手と求めるものが 一致した時 お互いの思いは通じるのではないか ここのところが、今ちょうど動いてる二人にヒット♪ かけがえないな、と確認したら、お互いに変化し始めた伊吹と京介。 変化していく中で、それでもお互いをうまく求めあえるのか? そこのところが難しいところです(笑)。 もちろん、煮詰まるのは、京介(爆笑)。 お気に召したらぽちっと下さい♪
2007.04.03
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*********************「汗かいてますね。パジャマ、着替えましょう?」「ん…」 うなずいたものの、ためらって不安そうに唇を寄せてきた。見上げて目を閉じて受け止める。「いぶき…さん」 風邪、移しちゃうかもしれない。 掠れた声が少し離れた口の間から零れ落ちる。 大丈夫ですよ。 美並も啄んでくる唇に触れながら囁き返す。 体は丈夫なんです。「は…っ」 息が続かなくなったのだろう、真崎が軽く喘ぎながらしがみついてきた。********************* えらく懐いちゃってる京介ですが(笑)。 明日からの『闇から』でなぜこうなっちゃってるのかはわかるかと。 関わってる各分野で組み替えと言うか再編と言うか、あれこれ違うことへの移行が始まってて、目まぐるしいです。 一日遅れてその意味がじわりとわかってくるというか。 あえていうなら、人にまかせる、そういうラインを保つと言うか。 ああ、そっか、そうかもしれない。 終わったところにこだわってちゃいけないって、繰り返し練習させられてる気がします。 やることやったんだから、離しなさいね。 そう言われてるっていうか。 そういう距離での在り方を学んでいるというか。 あ~……じゃ、考え直ししなくちゃいけないところがある~~(涙)。
2007.03.19
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やっちゃった感がありますね。 もう居直ってます。 けど、例の「テスト期間」みたいでぎっちりです。 あらゆる方面から「来てくれ」って言われて、トースト口にくわえたまま、家の中を動き回る状態です(涙)。 だから、怯んだり後悔してる間ないです。 昨日だって朝から書いて、昼食いながら家片付けて、仕事行って戻ってきてから掃除して洗濯して夕飯作ってアイロンかけてメール返事しましたよ。合間に別口の打ち合わせっす。 どこまで能力上げさせたら気ぃ済むんすか。 今日は洗濯干してこれから仕事行って、そのまま二つ目の仕事行って、買い物して銀行行って洗濯もの片付けて夕飯作ってカウンセリングやるんすよ。 昼寝かリラックスの時間と飯の時間確保しとかないとやばいんで、何とかそれを取ることを本日の目標にしたいと思います(汗)。 なので、メールBBS対応遅れます、ごめんっ!
2006.08.31
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くうりいさん、道が見えたかも。もう少し待って。
2006.06.26
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わはは。 いや~~、ついに『影の役員』までやることになるとは。 一時間単位の時間感覚でまったりやってられなくなったんで、分秒感覚に切り替えました。 戦闘モードってやつね。 まあ、こうなると、やたらとお仕事さくさく進みますから、いいけど。 会議上で「この役をやったことないでしょう!」と大見得切られてしまって、ははは、と笑ってしまいました。 すいません、やってます、だからそちらさんの大変なことわかってますし、わかった上で言ってます、と控え目に申告させて頂きました。 だーかーらー。 あのさー、自分が一番苦労してるって思わない方が。 思っても他の人に言わない方が。 不幸自慢しちゃわない方が。 せめて、自分の家だけでぶつぶつ言っててもらった方が。 世の中にはいろんなことをしらっとした顔で経験してる人間もいるから、えらい恥かいちゃうからさあ、って……何度言っても聞きゃしねえ。 時間やりくりして仕上げて渡した書類だが、提出時に忘れちゃった、てへ、とメール来ました。 お~い。 居なかった私が悪かったのか、そうなのか、しかし、てへじゃないだろ、てへじゃ。もー、こーゆーことするから、信用なくすんだって、何度言えば(ぶつかれば)わかるかな。もっと手痛い目に会いたいのかな、君は。 70000ヒットのリクエスト頂きました。「踊る」なんで、こちらのサイトにはあがりません。 仕上がったら『DIVE IN』でお知らせしますのでよろしく。 えーと、他何かあったかな。 あ、そーだ、パンの冷凍方法間違えて、サイズが一回り小さくなってしまいました(いや、それは言わなくても/笑) ま、いっか。 マーガリンとジャムてんこもりして食べておきます。 くすん。 もぐもぐ。
2005.10.04
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何の、って? や、私の文章が『魔法陣』であるかどうかの。 くすくす。 ただいまカウント74347。 一日日記記載日、概算100~130カウント。************************* 検証考察中。 キーワードは改行と文字数。 これって視野をどの程度まで安楽に確保できるかって視覚能力によるってだけでもなさそうだけどな。 たぶん、リズムだと思うんだよ。 だ~~っ、ぽん、ってやつ。 これがだ、っぽん、てのと、だ~~~~~~~~ぽんっ、てのとあるけど、そのだ~~~~っていくときに背景が関わってくるんじゃないかと。 だ、っぽん、てときには周囲にずっとその背景が認識されてるから、背景のメッセージ性が強いんだと思う。 で、それより強いのが、だ~~~~~~~~ぽんっ、の、だ~~の間の背景ね。これは文章と競り合うように語られる背景なんだろう。 で、ここは無地だからね。 だ~~ぽんっ、より、だ~~~~ぽんっ、ぐらいの方がいいんじゃないかなあと。 自分ではsimple textにそうやって書いてて、無意識にそこでのリズムを想像してるからね。 読みやすいかなあとフォント上げてたんだけど、どうも大きいからいいってわけじゃないらしい。特に文字読みさんは、私も経験あるけど、塊で読むからね。エンタはなおそうだろうな。文章一個ずつの吟味としては読まないもんな。 『BLUE RAIN』と『パセリ』はとりあえず、原盤であげて見よう。 移行期しばらく混乱させますが、ごめんね。 もし何か気づいたことがあったらお知らせ下さい。 早急に結果が出るとは思わないが……出たらおそろしかろ(笑) ただいま74367。カウンターは54→74。(14:30)************************* ただいま74397。カウンターは104(17:50) 触りたくなかったんだけど(最新になってしまって案内があがり、新着日記の来訪者が増えるから)、日記文章にひっかかりあり、訂正。あう(涙)。
2005.10.24
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***************************** あれ? ここはどこだ? 俺は瞬きしてきょろきょろした。 周囲はほとんど何も見えないが、足下が緩やかな坂道になっていることだけはわかる。ほのかに光っているその道をゆっくり上っていって、やがて左右が切り立った崖になっているような、人一人通れるか通れないぐらいの狭い場所にたどり着いた。道はその先は上ってきたと同じように緩やかな坂道で,今度は下っていくようだ。 ヨモツヒラサカ。 ふいにそのことばが浮かんでぎょっとした。 おいおい、俺は死んじまったのか? けれど不思議と怖さはなくて、ただこの光景をどこかで見たことがある、そう考えていて、廻元が投げかけてきた心理テストにそっくりだと気づいた。 ならあいつが居るはずだよな? 下っていく先の方を透かし見たが人の気配はない。 ただただ真っ暗でしんとして冷たく深く静まり返った闇があるだけだ。「周一郎?」 呼んでみた。 しばらく耳を澄ませてみたが返答がない。「『直樹』?」 ひょっとして記憶が戻ったと思ったのは俺の都合のいい妄想だったのかと呼び名を変えてみたが、これにも返事がなかった。「うーむ」 これはまじで死んでるのか、俺は?「うーむ」 困ったな。 きっとあいつはパニックになってるぞ? 自分を責めて殺したいほど憎んでるに違いない。 死んだものは仕方ないのかもしれないが、それにしてもこれからどっちへ行けばいいのかと考えていると、今の上ってきた方から誰かがやってくるのが見えた。『滝さん』 にこやかに笑う顔、いそいそとした足取り、明るく声をかけてくる姿は『直樹』のものだ。『心配してました、どこに行ったのかと』 ああうん、すまん。 謝りながら、そうかこいつが残っちまったのか、と一瞬ためらったとたん、『あなたは肝心なところで抜けてますからね』 はい? 冷ややかな声が下っていった坂道の方から響いて慌てて振り向くと、そちらから眉をしかめたサングラス姿の周一郎がやってくる。『おかげで僕がどれだけ苦労するか』 心底うんざりした吐息まじりのつぶやきを漏らしながら、俺の隣までやってくる。『覚えててください、あなたの尻ぬぐいを誰がするのか』『覚えててね、僕がどれだけあなたが必要なのか』 左から周一郎が、右から『直樹』が同時にしゃべって混乱する。「は? あの」『忘れないでください、あなたはドジで間抜けなんだから』『忘れないでね、僕はあなたが傷つくと苦しいんだ』「お、おい」 頼むから同時にしゃべるな、どちらがどちらかわからなくなる。 そう言いかけて、いや待てよ、そう思い直す。 別にいいじゃないか。 どちらがどちらであっても、どちらも同じ人間なんだし。「えーと、つまり」 お前らは俺のことを大事にしてくれてるってことだよな?『っ』『うん』 一人が真っ赤になり、一人が満面の笑顔でうなずいて、ふいにお互いの方を向いて強く一歩を踏み出す。「えっ」 待てぶつかるやめろ、ってかそこには岩があるはずだろ。 そう口を挟む間もなく、俺の目の前で二人は自分達がまるで幽霊だったように交差してお互いの中をすり抜けた。呆気にとられた俺が固まっている間に背中合わせになった二人が今度は同時に俺を振り向き、次の瞬間。 ぱんっ、と目の前で巨大な扇が開かれた。 淡い桜色の地、そこに舞い狂う黒と金色の花弁は鮮やかで美しいがどこか闇をたたえている。人の心の光と影、その絡み合う見事さ、それを理解り合う困難さ。 ふいにくるりと扇が翻る。 今度は豊かに広げた枝と太い幹に幻のような花びらを散らせ、蝶を遊ばせる光景となる。穏やかに和やかな春の情景、だがしかしそれは一瞬の命とその後の闇を含んでいる。 どちらを選ぶ、そう廻元の声が響いた。 魔性の闇か、圧倒する光か。 周一郎の姿も『直樹』の姿もどこにもない。 そこにあるのは、目に見えない何者かの手によってくるくると翻され続ける扇のみ。 どちらを選ぶ。 選べるのはただ一人だぞ。 俺は。 俺は。 足を踏み出し、空中に舞う扇をぎゅっと掴んで引き寄せた、ところで目が覚めた。***************************** 脱稿、しました(喜)。 ラストまで終わりましたよ! 後は別館に移行していくのを進めてv 原版の二倍ぐらいにはなってますね(汗)。 最後の数章をまとめるときは,周囲の音シャットアウトでいきます。 書き出すと何がかかってても誰が話してても全然平気だけど、まとめあげてるときはあらゆる意味とか場面とかを雲母を重ねるように積み上げていくので、他からの何かが入るともうだめです。 今回の最終のまとめは「なぜ舞扇なのか」という友人の問いが大きなテーマになりました。与えてくれた友人に感謝します。 同時にまた自分の中で「なぜ舞扇なのか」についてもまとまってきて、なるほどと思いました。書き出したときはたぶんことばがはまりやすかったからとかそういう理由だったんじゃないかと思いますが、それでもやっぱり意味を感じていたのかあ、と。 今はまだぴんと来てないですが、これからじわじわ嬉しくなるんじゃないかな。 何せ自分の中で一度終わっていたシリーズを再構成する、しかも前よりパワーアップした形でやりたいというステップのはしっこが少し掴めた感じだから。 この『京都舞扇』のラストは前よりかなり削った部分も多い代わりに、深めた部分も多くて、最も大きなことはここに既に次の『月下魔術師』のラインが見え隠れしていたということを発見したことですね。 なるほどなあ、こうだったから、ああなるのか。 ならこうなってなくちゃいけないかったんだよなあ。 そういうシリーズものとしての認識みたいなもの。 原版はそうするとほんとあらすじだったんだなあと思います。 しかしなあ。 『京都舞扇』でこれなら、『古城物語』とか『遺産相続人』とかどうなっちゃうんだろう(笑)。 このレベルでちゃんと仕上げていけるのかな。 精進、精進、ですな。これまでのお話はここ→ 『京都舞扇』は8/22ぐらいまで続き、その後は今『ラズーン』の予定です。 『闇シリーズ』のファンの方は今しばらくお待ち下さい(ぺこり)。 お気に召したらクリックお願いいたします。↓
2008.08.16
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わかったかもしれない。 推力を保ったままの方向コントロール。 こうやればいいんだ。 ぶっ飛んだ世界に何があるのか、自分の居た所と比較して理解して納得して呑み込んで選び直して戻ってくる。 けど、それはもう前と同じじゃない。 居た世界に新たな色と音と匂いを持ち帰ってくる。 統合し、熟成させていく。 わかった。 わかった。 こういうふうにやればいい。 たまたまだけど、後ろで子ども達が『ハガレン』のビデオを見てた。 錬成陣なしで初めてエドが物質合成をする。 散る花びらと光。 ああ………そゆこと。 なるほどぉ……。 還れる場所ができたから……だな。 流れ星ではなくなった。 後は光度を上げるのみ(笑)。
2006.03.02
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今まで何度も「無力」だと責められた。 それは何かをしなかったからではなくて、何かをするべきだと期待されたのに、その期待に応えられなかったから、だ。 始めから力がなければ、そんなことは期待されない。力があるから、期待されて、そしてその期待を満たさなかったということで責められる。 そして、その期待に応えられなかった自分を恥じ、悔い、何度自分でも責めただろう。 力がほしいと思った。 もっと十分な、期待に応えられる力が。 けれど、不思議なことに、そうやって力を伸ばせば伸ばすほど、期待は増え、満たしてくれないとの嘆きが大きく聞こえてくる。 どういう構造なんだろうと思っていた。 それが相手の「自分の無力さを認識しないためのごまかし」であると思うこと、相手にしないことはたやすかったけれど、それでも相手が苦しんでいるのはわかる、傷んでいるのはわかる。 それをどうにかしたかった。 私はいつも相手が好きだったから。 それは、力では解決しない。 力を貯え伸ばし満たしても、その傷みはなくならないのだ。 むしろ、力を貯えるほどに問題は大きくなる。 それは鏡でもある。 無力を認められない私の鏡。 だからこそ、力を追い求めることよりも、自分の無力の認識が必要なのだ。 無力であること。何もできないこと。傷みに呻くしかなく、力に傷つくしかなく、嘆くしか立ち止まるしか竦むしかできないこと。 そこからの進み方は「力を貯える」ことではない。「私にはできないので、助けてほしい」と訴えること。 拒まれたり無視されたり踏み付けられたりするかもしれない恐怖に向かうこと。 心を襲う絶望に呑み込まれないこと。 自分を助けてくれる何かがどこかにきっとあると信じること。 強さと力は、他のものを助けるためにではなく、他のものを圧倒するためにではなく、希望を失わないこと、信頼をなくさないこと、繰り返しに溺れる日々を断ち切って、少しずつでも変わる痛みに耐えることに使われるためにある。 心の中で一つの問いが繰り返される。 それを真実だと誰が信じてくれるのか。 私が。 私が信じる。 私があなたの真実を信じる。 それは、私の真実を信じるということだから。
2005.02.28
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まだ中間地点にも辿りつかんよん(涙)。 いやー、手法がわかったから、あっさり進められるなんて思った私が馬鹿だった。キャラクターが違うんだから、展開もまた違ってくるってわかってたのに。 まあ、けれど、あっちこっち書いていっても大丈夫だって言うのはわかってるから、そこはうろたえずに済んでるかな。おかげで半端なファイルが散在してて、今の段階ではどれがどこに入るのかわかんねーよ、とぼやいてたら、ようやくまとまった5つばかりの章にほとんど入ってしまうのがわかって、正直なところびびりました。 は? 待って、あんだけ書いて、こんだけにしかなんないの? メモを呆然とみたら、書く予定の2つぐらいしか書いてないよ? まじ? そうなんだ、書きたいメインの、実は『まだ』導入部なんだよ、今は。 あうー。 でも、そっか個数が書き上げたところまでで、まだ10個だかんねえ。いいのか、それで、まあまあは。 え、とすると、中間地点のあの章って、20個ぐらいのとこに入るの? うへええ。 思わず情けない悲鳴を上げてしまいましたとさ。 まあ、そっか……。 一日一個書いても48だと一ヵ月半はあるかあ。 前のが二ヵ月ぐらいだったしなあ。 今回のもスムーズに進んで、終了は5月末ですか(汗)。 ははは。 このきわもんを二ヵ月抱えとくわけね。 『桜の護王』はもう後4つぐらいで終了ですね。 けど、読み終えてないって方もいるし、いつもなら4月末で下げるところですが、ちょっと様子見ながらしましょうか……。
2005.04.07
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他の方のHP見て、少し思い出したのだけど。 ずっと前のこと、ある人から「自分は魔術を知っているので、あなたを呪ってやる」と言われたことがある。 それはややこしく難しく入り組んだ喧嘩のはてのことなのだけど、そしてそれまでは、私はそれなりに相手の心情も理解できたし、理不尽だとは思ったけれど要求もわからなくもなくて、さあ、そう言っても信じたかどうか、私はその時点でも意外と相手の側にいたのだ。 けれど、途中から私は放り投げた。相手を、ではなく、もめている対象を、それにかけてた自分やプライドを、そしてまた、そのことばが遥か昔に自分に投げかけられたことのある時の辛い記憶を。 私が不幸で悲しくて辛いのは、おまえのせいだから、おまえさえ変わり、何かをすれば、私は幸福になり、全てはうまくおさまるのだ。 そう繰り返しかけられてきた呪文。 おおそうか。 何だか妙に冷静に私は思ったものだ。 ならば、私が消えてやろう。そうして、あんたが「幸せな人生」というものを送れるかどうか、試してみるがいい。私には、どうにも想像できないが。私がいなくなれば、あんたはまた、他の誰かに相手を移して「おまえのせいで幸せになれない」と言い続けるのではないかと思うが、そういうことは知ったこっちゃないから、まあいいだろう、と。 ところが、相手はそれだけでは不安だったのだろうな。 私を完全に打ちまかした感覚がないと、耐えられなかったのだろうな。 言わなくていい一言だった。 呪ってやる。 あんたも、あんたの回りにいる人間も。 ぶち。 それまでは落ち込んでた。自分が負けて惨めだった。自分なんかこの世にいないほうがいいと思った。もし、自分がいなくなることで、みんながうまくいくなら、それはそれでもいいのかもと思っていた。 けど。 ごおおっ、と胸の中に炎が動いた。 何だって? 今、何を言った? 私の大事な人達を傷つける、と言ったな? おお、そうか。 やってみろよ、そう顔を上げていた。 やってみろ。 私はすべてを失い諦めるつもりだった。自分が責を負って消えるつもりだった。けれど、それでは飽き足らないのだな、不安解消のためだけに、周囲を破壊して歩くというのだな。 では、もう退かない。わかった、とことん付き合ってやろう。守るものがない、自分さえ守る気のない人間の怖さ、心底から知るがいい。あんたの気配が少しでも漂ったら最後、どんな手段に訴えてでもあんたを抹殺してくれる、我が身が炎に包まれるなら、それでも結構、燃えながらあんたにしがみついて一緒に業火に焼き尽くしてやる。 それでもいいならかかってきなさい。そこまで自分が要らないのなら、よかろう、私が葬ってやる。 けれど、私が口にしたのは「そうですか」。 まっすぐ前を見て、相手のすべてを胸に刻みながら。めったにしないことだけど、「こいつは敵だ」と認識コードをつけながら。手出しをするなら容赦はしない、このまま消えるなら見のがしてやる。胸の中でそうつぶやいていた。 うひゃひゃひゃひゃ。 呪うことってそういうことでしょう。 我が身引き換えに、あるいは我が身を滅ぼしてでも相手を消すとまで思いきること。 さて、その後、相手は私を呪ったのか、呪ってないのか。 その後続いた細かな出来事の幾つかは、相手の呪いだったのかも知れないなあ。けれど、それは私についには打撃を与えなかったみたいだ。受け入れ口がなかったのか、シンクロするほどこっちが乗り切れなかったのか。それともはたまた、呪いは確かに成就していたのだが、相手の思っている「不幸」と私の思っている「不幸」が一致しなかったか。 そうだなあ。 呪いにせよ、祈りにせよ、相手のことを理解していなくては、そうそううまくいかないよなあ。理解し、ある程度はシンクロしないと、ラインが整わないよなあ。で、理解し、ある程度シンクロしちまっているとき、さあ、はたして、その人物に対する圧倒的な憎しみなんて、成立するもんかどうか。それこそ、呪い向きのエネルギーだろうけど。 ああ、こいつだって。 そう思ったが最後。 こいつだって、自分と似てるんじゃないか、ここんとこは。うん、何か、そうなると。 私の中の「来るなら来い、そうまでして不安を消したいのなら、一緒に焼き尽くしてやるから来い」と思った「呪い」だって。 そうだよな、反転してみれば、呪っている相手だって、その行き場のなさを一緒に焼き尽くしてくれる誰かが欲しいから、けれどそれで焼き尽くされるのは怖いから、近づかないで呪うしかないんだよなと思ったが最後。 すかあん、と私を通り抜けてしまうんだろう。 受け止めようとしたのに、呪いそれ自身が意味をなさなくなってしまって。 人を呪わば穴二つ、のはずなのに、こいつを呪ったあげくが自分一人が地獄に落ちてる、そんな事態を招いてしまう。 そういうことなのかもしれないなあ。 いやいやでも、心穏やかに暮したいんで、「それじゃあ超弩級の呪いを経験させてやる」なんて思ってくれなくていいです。怖いの痛いの苦手ですもん、ほんとに。
2002.11.21
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**************** 『それ』がいつ、己の心に芽生えたのか、当のミダス公にもわからなかった。ある日ふと囁いた魔性、そう言うしか仕方のないものだったのかも知れない。 陽光眩いミダスの屋敷でいつものように支配下(ロダ)の人々と謁見していた時、『それ』は昏い嘲りを伴ってミダス公の心を横切ったのだ。 平和なミダス、平和な治世。 ラズーンの下、四大公の分領地は豊かに富み栄え、一人娘のリディノは国中に春の女神と慕われる美少女、早くに母を亡くした影もなく明るく育ってくれている。申し分のない部下に妻こそいないが美しい娘、穏やかに落ち着いた日々、恐らくはミダス公もやがて老い、リディノの夫となる男を選んで後継ぎとし、やがて死んで、より穏やかな生活に入ることになるだろう……父も、またその父も歩んできたように。(父も、その父も、またその父も、代々、ずっと) 心の中で呟いて、ミダス公は続いた声にどきりとした。(それでどうなるのだ) 唐突な声、が、それは確かに他でもない自分の声だった。(それで何が動くのだ) 大公として生まれ、育ち、大公として死んで行く、それだけだ。平安という半透明な水の中に日差しは降り注ぎ、その表面は泡立つこともなく、その中でただ生命が連綿と続いていくだけだ。 今日も、明日も、明後日も。 いや、その区別さえ定かではないのではないか。 果てし無い今日だけが繰り返し繰り返しミダス公の意識の中を巡っていって、そして、ミダス公自身も、父と……あるいはその父と変わらぬ一生を費やしていく。日々が今日の繰り返しでしかないように、自分自身も父と同じ、言い換えればミダス公と言う、ラズーンのために置かれた命ある置物が果てしなく置き換わるだけ、果てしなく自分という同じ一生が繰り返されるだけ……ではないのか。(では、私は何のためにここにいるのだ) 四大公が命ある置物でしかないのなら、今ここにこうして生きている自分には一体何の意味があるのだ。自分でなくとも良いのか。自分と同じ能力と姿形を持つ何者かであっても、何の差し支えもないと言うのか。 ミダス公はやがて老いる。大公の地位はリディノの夫となる男が継ぐだろう。ミダス公とその男の違いはどこにあるのか。いや、違いはしない。ラズーンは、ミダス公が没した後も、何事もなかったかのように、その男を呼ぶだろう、『ミダス公』と。 何という永遠性……凍てつくほどの冷たさで、人間の個性をこれほど見事に剥ぎ取った制度が他にあるのだろうか。 ミダス公の頭の中を、いつかの夜、セシ公が本の戯言と称して、酒杯を片手に口にしたことばが通り過ぎていく。「この世界、時に奇妙とは思われぬか」 居並ぶジーフォ、アギャンの両名も、ミダス公同様訝しくセシ公を見た。「昔この世は荒廃しきっていたと言う。太古生物跳梁し、人は魔に怯え、獣に混じり生きていた。それが見る間に統合府を備え、四大公を置き、争いは静まり…」 またかと言う顔になったジーフォ公、今一つ訳のわからぬ様子のアギャン公と異なり、セシ公のことばは強く、ミダス公の心を捉えた。「あまりにも整いすぎている……そうは思われぬか」 そうとも、整いすぎている。あまりにも何もかも、まるで人の運命のように。 自分が死んでも、この世の中は何一つ変わらないだろう。昨日と同じ今日が来たように、今日と同じ明日が来るのだろう。いや、もしかして、自分が死んで次代のミダス公になっても、世の人々は誰もそれに気づかないのではないか。 物憂い倦怠感と孤絶感に包まれて、夜一人で街に出かけたミダス公は、薄暗い路地に蹲る子どもに出会った。汚れた衣を纏い、ボロ屑のように捨て去られた子どもは、目の前に立つ影にのろのろと目を上げた。生気なく濁った瞳を向け、恐る恐る手を差し出し、掠れた声で呟いた。「おめ…ぐみを…」「!!」「あっ…」 瞬間、ぞくりとした嫌悪感がミダス公の背中を駆け上がり、彼は無意識にその手を払い、足を振っていた。小さな悲鳴を上げてパタリと枯れ木のような痩せた躰が路地に倒れる。はっと我に返り、ミダス公ともあろうものが何と慈悲ないことを、と手を差し出そうとした矢先、心の奥底にわだかまっていた昏い想いが嗤った。 おお、そうやって、『ミダス公』を続けるがいい。『ミダス公』と言う永遠の呪縛に絡まれて生きるがいい。何一つ変わらぬわ、何一つ。「旦那……ひっ」 屈み込んだ彼におどおどと笑みを向けかけた子どもの手首……細く脆そうな……。ゆっくり足をあげ、その手首を踏みつける。声を上げて体を強張らせるのに容赦なく力を加える。「あっ…あ…旦那……さま……お……お許し……ぎゃっ!!」 鈍い音が響いて、懇願する子どもが仰け反って崩れた。汚れた頬に涙を流しながら低く呻き続ける。それをじっと見下ろしていたミダス公は、何かを待つようにしばらくその体勢を保っていた。「ひっ……ひっ……うっ…」 泣き続ける子ども、静まり返った路地、人の足音もなく。(何も変わらぬ…)「だ、旦那さ……ぎゃあっ」 振り上げた剣に子どもは蒼白になった。折られた手首の痛みも忘れたように、必死に後退りする。その肩口から胸元へ銀の光となって剣先が走る。悲鳴は一瞬、ぐずぐずと崩折れた子どもが虚ろな瞳でミダス公を仰ぎ、朱に染まった唇で問うた。「ど……して……」「…わしにもわからぬ」「そ…んな…」**************** 今までの話はこちら。
2020.07.19
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****************************「レス!」 ユーノは鋭く叫んで跪き、小さな両肩を掴んで顔を上げさせた。涙に濡れた煌めく瞳に胸を締めつけられる。「ごめん…ゆーの…」 唇を震わせて謝るレスファートを掬い上げるように見上げて微笑み、ユーノは囁く。「レスが好きだよ?」「……」「ボクもイルファもアシャも」 背後で何を当たり前のことを言っとる、とまぜ返すイルファをごちん、とアシャの拳が見舞った音が響いた。「謝るのはボクのほう」「……ゆーの…」「怪我させてごめんね?」「…っ」 びくっと震えたレスファートが大きく首を振る。「守り切れなくてごめん?」「ちが…っ」「もっと大事にしてあげられなくて、ごめんよ?」「ちがう、ちがうっ、ユーノ!」 しゃくりあげながらレスファートが飛びついてしがみついてくる。「ちがう、ちがう、ユーノ、ちがう、ぼくだって、ぼくだって」 旅、してるんだ、ぼくだってちゃんと、旅、してるんだ、ぼくのけがは、ぼくのせい、だからユーノはあやまらなくていいんだ。 泣きじゃくりながら訴えるレスファートの頭を撫でながら、ユーノは尋ねる。「レスはボクが怪我をした時、早く先へ行きたかった?」「っ、っ、っ」 レスファートが激しく首を振る。「ユーノ、ユーノが、げ、げんきに、なって、なって、くれ、くれて」 また一緒に旅をして。「は、はやくっ、じゃ、なく、って」 みんなで、いっしょに、こうやって、がんばって、わらって。 途切れ途切れに、それでも必死にことばを継ごうとして、レスファートは顔を真っ赤にして言い募る。「ぼく、も、いっしょに、いたっ、いたいっ、だけ…っっ」「そうだよね?」 ユーノはレスファートを抱き締め、髪に頬を擦り寄せる。「ボクも同じ」 どうやらユーノにまかせておけばよさそうだ、そう判断したらしいアシャとイルファが、カザドの襲撃で乱れてしまった野営の場所を整え、ごろごろ転がってる死体を台地の向こうへひきずっていくのを見ながら、ユーノは呟く。「ボクも、レスと一緒に居たいよ?」「……」「みんなと一緒に旅したい」 危険があって、十分な食事もない、雨風に苦しむこともある、それでも一難過ぎ去ってお互いの顔を見遣って笑う、無事でよかったと相手を振り向く、この一瞬がどれほど得難いものなのか、ユーノはよく知っている。「ずっと、一緒に」 ぎゅっとレスファートがしがみつく手に力を込めた。うんうんと大きく頷き、体を擦り寄せてくっついてくる。 そうだ、ずっと一緒に。 こうやって命の果てまで、みんなで旅を続けられたら。 今、ユーノはそう思っている自分に気付いている。 それでもいつか、旅は終わる。(サルト) 失ってしまった命を、今もなお愛しく思い出す。眉を寄せて、潤みかけた視界を堪える。 『ラズーン』に着くのか、どこかの地で果てるのか、それは誰もまだわからないことだけれど。 それでもいつか、旅は終わりを迎えるのだ。「だからさ、レス」 傷ついたら治しながら、怯んだら速度を落として、迷ったら一緒に彷徨い、次の一歩を捜しまわって。「怪我を治して一緒に行こう。怖いことがまだいっぱいあるかもしれないけれど」 それでもレスに一緒に行ってほしいんだ、これはボクのわがままだけど。 抱きかかえた温かな体をゆっくり宥めるように揺らすのは、遠い昔に寝かしつけられた時の記憶だろうか。「ボクのわがままを、きいてくれる?」「……」「レス……?」 くう、と小さな吐息が聞こえてユーノは瞬きした。 そう言えば、急にずしりと重くなった気がしていた。 肩にしがみついていた手が滑り落ちてだらりと揺れ、くうくうと明らかな寝息が耳元で響く。「……おーい…」 寝ちゃったのか。 確かに昼飯前で大立ち回りの後に怪我をして、心身ともにくたくたになってしまったのだろう。(レスのためにどこかでちょっと休めないかな) 溜め息をつきながら、ユーノはよいしょ、とレスファートを抱き上げる。「落ち着いたか?」 気付いたアシャが立ち上がった。**************************** 今までの話はこちら。
2017.04.11
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**************************** おはようございます、みなさん。 今日はまず隣の人を叩いてみて下さい。 ………はい、『無限大』くん。 ……ええ、そうです。 はい。 ………いえ、どこでもかまいません。 ……そうですね、強さも適当でいいですが、あまり恨みが残らない程度にしたほうがいいと思います。 場所としては腕か背中ぐらいがいいかとは思いますね。頭だと違う方へ発展しそうですし。 ……はい? まあ、そうですね。お隣と既に交戦状態にあるなら、別の人でもかまいません。 ………ええ、自分でやってみてもいいですが………難しいですよ。 えーと、あなたは………『さくりふぁいす』くん? あなたはいろいろ話をややこしくするのが好きではありませんか? そうではない? むしろ解決しようと奮闘努力している? なるほど。 その努力が身を結ぶものになるといいですね。 さて………おやおや、なぜそこに数人が溜まってるんですか? え? 誰でもいいと聞いたので目当てに向かったら溜まってしまった? ………。 あなたがたはどうも授業に集中できないようですね。 あなたがたの「叩きたい」という気持ちを発散するのに私の指示を使わないように。 時々そういう人々が居ますが、一般的にはそのような状況を「虎の威を借る狐」といいます。 意味は各自調べ直して下さい。 あなたがたの名前は『狐1』『狐2』『狐3』というところでいかがでしょう? ……嫌? 先日の授業で主語を持たないことばは主語のない中身を語る可能性があると話しましたが、主語のない行動も同様です。 あなたがたの行動は、あなたがたが自己判断ができないことを表現しています。 では、こうしましょう。 あなたがたがきちんと認識された行動を取れるようになるまで、あなたがたは番号で呼ぶことにします。 では『1』くん。 あなたです。 あなたはなぜ彼を選んだのですか。 ………なんとなく? わかりました。ではあなたの名前は『なんとなく1号』くんです。 …………はいはい、みなさん、一斉に笑ってはいけません。 いずれ自分の身に降り掛かることですよ。 では次の人? あなたは『2』ですが、理由は? え? つい? ではあなたは『つい2号』くんですね。 ………なんですか、そこ。 びみょーな意味だね? ことばには気をつけましょう、と言ったはずです。 『つい2号』くんの名前が「びみょー」ならば、それはあなたの中に「びみょー」なものが詰まっているということですよ? あなたは………『純白』くん? ふむ。 まあおいおい辞書を活用して下さい。 名前は願望と本質を表す、といいましたが、相反する場合には名前をつけるのは難しくなりますからね。 さて、さすがに『3』のあなたは答えるのを警戒してますね。 よろしい、何が起こりそうか、予測し対処するのは大切なことです。 では、あなたが、彼を選んだ理由はなんですか? …………生意気だから? おめでとう、よくやりましたね。 え? いえ、辞書なしで名前に辿りついたじゃありませんか。 あなたの名前、『3』は取り消して『生意気』くんとしましょう。 ………ええ、そうですよ。 はい? ああ………生意気なのはあなたではなく、彼なんだと? けれど、それはあなたの中のものが彼に映されただけのことです。 さて………囲まれていたあなた。 あなたの名前は空欄ですが、決まりましたか? ………そうですか。 では『鏡』はいかがでしょう。 え? …………きれい、ですか? ………いえ、性別種族外見は関係ありません。 これはあなたの本質の一部であって、しかも孤独な名前です。 ****************************
2016.01.17
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****************************(一種の天才だな) アシャは教えた動きを未熟ながら、ゆっくりと確実にこなしていこうとするユーノを見つめながら考えた。 常人なら20日はかかる。アシャのような金のオーラの持ち主である視察官(オペ)でも、ここまでくるのに5日はかかる課程を、ユーノはほぼ3日で覚え始めている。『あちこち怪我したから』 なぜこんなに自分の体をうまく使えるように訓練されているのだろう。ゼランが? まさかな。 不審がったアシャにユーノはあっさり言い放った。『あちこち、怪我して、それでも普通にしてなくちゃならなかったから、他の部分でどうやったら怪我してないように振る舞えるか、いろいろやってみてたんだよ。だから、こっちを動かさずにそっちだけ動かす、とかって結構得意なんだ』 馬鹿やろう。 一瞬そう詰りたくなった。 胸倉を掴んで引き寄せ抱きしめて、そんなことを得意がるもんじゃない、と。 怪我をしたのに訴えられない、休むことも許されずいつもの仕事をこなさなくちゃいけない、だから自分の体を限界まで使う術を身につけた、そう言っているのと同じなのに、気づいてないのか。 けれど、それがあったからこそ、こんなに短期間で視察官(オペ)の剣を飲み込むことができる体になっている。 そうして生き抜いてきたからこそ、アシャと出会うまで生きていてくれた。 ユーノの強さを喜べばいいのか悲しめばいいのか。 今抱きしめたいこの気持ちを抑えればいいのか伝えればいいのか。 惑乱に耐えかねて側を離れた。(この剣が使えるようになれば、『銀の王族』の視察官(オペ)ができてしまうな) 微かな苦笑をアシャは浮かべる。 よもや『太皇(スーグ)』もそんな事態を考えていなかっただろう。(特別な『銀の王族』) 自らの運命を自ら選び取っていく、その強靭な魂の出現は、ひょっとすると。「アオク!」 いきなり響いた叫び声に、アシャの思考は断ち切られた。ユーノも動きを止めて振り返る。 跳ねるように開かれた戸口で、泣き顔になっているエキオラが額の紅宝石をとって、アオクの手に握らせている。「行くのか?」「ああ」 アオクは鎧の下にエキオラの紅宝石を入れた。 ユーノが剣を納めて急いで近寄ってきた。「ボクも行くよ」「……とんでもない、と断るべきなのだろうが」 アオクは暗い笑みを広げた。「ありがたい、感謝する」「……お許しを…そして、どうかご無事で」 涙を溢れさせながら、エキオラがすがるようにユーノを見つめる。頷くユーノの背後から、アシャも口添えした。「俺も行こう……イルファ」「おう」 アオクとエキオラの後から戸口に顔を出したイルファがにやりと笑う。「後を頼むぞ」「まかしておけ。こっちへ来るようなことがあったら、刀の錆びにしてくれる」 ぽんぽんと誇らしげに叩く剣の柄にはやはり紅のリボンがしっかり結びついている。「……いい加減にそのリボンを取れ」「……いい天気だなあ」 戦い日和だぞ、とイルファが聴こえないふりをするのに溜め息をつきながら、アオクに続いて馬に乗った。「ユーノ、ちゃんと帰ってきてね」 ユーノはレスファートにしがみつかれている。今回は側にラセナも不安そうな顔で立っている。「お気をつけて」 ラセナが今にもユーノに唇をあてそうな気配で近寄るのに、慌ててユーノが馬に身を引き上げる。「行くぞ!」「はっ!」 走り出したアオクにユーノが短い声をかけて続く、そのとたん、「アオク……愛してるわ!」「!!」 ふいに激しい叫びがエキオラの口から迸った。 びくりと身を震わせたアオクが、それでも振り返らぬまま拳を握って馬の背に伏せる。 一瞬エキオラを振り返ったユーノが顔を戻す際、見つめていたアシャと視線があって顔を歪めた。唇を噛み、振り切るように顔を背けた表情は切なげで苦しげだ。 愛してる、か。(お前は、誰を想った) 後を追うアシャの胸にも、エキオラの声が重く響いた。**************************** 今までの話はこちら。』
2017.04.28
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それは私の役目ではない。 そう思って諦めることがある。 心底そうでありたいと願い、そうであろうと努力し続け、そうなったようにふるまい。 それでもある日、天啓のようにはっきりと気づく。 それは、私の役目ではない。 思い切るのは人であったり、物であったり、機会であったりする。大抵のことにはsegakiは諦めが悪いし、しつこいし、めったなことではだめだなんて思わない。 けれど、そこへ向かうたびにぴったりと閉ざされる扉の、隙間ない合わせ目を繰り返し眺めるうち、ようやく静かな諦観が育ってくる。 そうか。 それは私の役目ではないのだ、と。 同じようなことが、北海道の『べてるの家』について書かれた本にもあった。 精神的なトラブルを抱えた人々が、その弱さを絆に、ぶつかりあいもがきながら、それでも『豊かな関係』を結んでいる(それは浦河という街を含め、ということだが)『べてるの家』に暮す人々は、回復し『社会復帰』し、普通に暮そうとすると動けなくなる。問題が起きる。それをこの本『悩む力』(斉藤道雄/みすず書房)の中では、そういう生き方は彼らの生き方ではないと示されているような、と表現される。 その感覚を、よくわかる、と思う。 願いや想いとは別に、「そういう生き方をするようにはなっていないのだな」と納得していくときというのがある。 諦観と書いたけど、もうだめだというのではなく、やるだけやったから満足だというのでもなく、未練はありいら立ちはあるけれど、それでもどうしようもない何かの力が私にそれを望んでいない、としかいいようのない、一種不思議な納得だ。 それは死を迎えることと似ている。 結構な死体の数を見ている。 それが自分にどういう影響を与えているのか、ふとしたときに自分がうみだす描写に見い出し、どきりとすることがある。 私が死んでも世界は滅びない。 だからといって、私が無用なわけではない。 私が死ぬときに、世界もわずかに欠けるのだ。 けれど、それはずっと欠けたままではない。違う形の存在が、全体としては同じような密度で世界を満たしていく。 私はやってきて、通り過ぎる。 そういうことだ。 私はこれまで生きてきたけれど、この先の世界を生きるのは私の役目ではない。 そういうことだ。 それを納得する。 それを実感する。 だがそれは無に還元される虚しさとは違う。 何をやっても終わるだけだ、何も変わらないということではない。 横山秀夫氏の『クライマーズ・ハイ』(文藝春秋)の中には、自分の役目を背負ってもがく男達が描かれている。組織であったり、家庭であったり、時間であったり、人であったり、想いであったり、それはもうさまざまなのだが、それを断ち切らざるを得ない瞬間が、繰り返し描かれる。 私が横山氏の作品に魅かれるのは、そうやって自分の役目を抱え続ける中で開く、揺るぎない自分への信頼が見えるからだ。 望みと、閉ざされた扉と、立ちすくむ自分と、その向こうの栄光と、それら全てを俎上に乗せて抱え続けることで育っていく豊かさ・・・それは『べてる』に通じている。人が死に臨む瞬間に通じている。 老いを迎えること、はそういうことなのではないか。 自分の役目に納得する、ということ。 そして、それは、閉ざされた扉の前でどれほどじっと立っていられたかに由来する。 その時間の長さが矜持に変わる。 『桜の護王』、この章のテーマは『未来へ/kiroro』です。
2004.11.21
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元気です。 飯、食いました。 睡眠4時間は確保しました。 や、別に、不満はないです、自分の人生に。 だが。 一言だけ言わしちくれ。 60過ぎて「よく知らないけど、こうしたほうが正しいと思うよ、あ、やったことないし、そういうのはほんと知らないから、よくわからないけど」とか言うの、やめろ。 みんなの時間を食い潰すんじゃねえ。 議論ごっこなら砂場でやってきてくれ。 三言も言っちゃった(笑) お返事、作品アップ、遅れます。 ごめんなさい。
2007.06.11
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再アップしつつある、『桜の護王』。 読み手が一人でもいてくださるならって思っていたけれど、皆様から「楽しんでる」と教えて頂いて、かなりほっとしました。 ちなみに、これには一章ずつタイトルテーマみたいなものがありまして。 自分勝手に曲を当ててるんですが。 『花王紋』は『月虹/T.M.R.』。 『護王』は『LOVE PHANTOM/B'z』。 ご存知の方はイメージ重ねていただけると、また違った味わいもあるかと(笑)。 私の中では「終わった作品は倉庫行き」みたいな感覚が依然としてあるわけで、前にあげていたものをまんま出すなんて、そんな失礼なことしちゃいけない、みたいな気持ちもある。 卑下してるんじゃなくて、うーん、今の自分はもっと凄いぞ、みたいな自負に近いかもしれない。 けれど、ここ最近は、一定のレベルにはきてるのかな?と思うようになって、前の作品を再度同じ形でアップすることに抵抗がなくなりつつある。 それでも・・去年のになると・・・少しは抵抗が。 今ならもっと色っぽく書ける(え?/汗)。 一つ作品をあげるごとに、着実に一つずつ能力を手に入れる。その有り様は貪欲で。 それがsegaki。 ときによっては重苦しくてうっとうしいって言われるけれど、いろんな意味で「生死」に向き合わざるをえない日々からは、「終わりがある」という感覚から逃れられない。 だから、この一瞬を丁寧に大事に抱える。 二度と触れ合えないかもしれないから。 伝わればいい。 私がどれだけ世界に惚れてるか。 私がどれほど人が好きか。 不幸を味わったことがないからだって言う人は後を立たないけれどね。 ずっと前は生きていても意味はないと思っていた。 けれど、そのときよりうんと、今が幸福だから。 その幸福を感じた部分を伝えたい。 生きていても仕方ないって思う人間が、幸福を感じ取るまでに歩いていく軌跡を。 人が幸福であると感じることの要素を。 たやすくなんかないよ。 幸福を感じることは目に見えないささやかさの積み重ね。 そのささやかさを描きたい。 そのささやかさで。 人の心を揺さぶりたい。
2004.10.26
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冷えてきた。 震えながら被災地の人を思う。寒いだろうなあ。不安だろうなあ。つらいだろうなあ。 大きな物音と振動に体中が緊張するのを覚えている。阪神のとき、被災地ではなくて、その近くというだけだったのに、それらに緊張し臨戦状態に入らなくなるまでに一ヶ月以上かかった。 今回の地震で「ショック死」「ストレスによる死亡」がことばにとして表現されているのを、しみじみとして見る。神戸のときは、こういう死亡状況に人の目はいかなかったよなあ、と。 人は体や物だけで生きてるんじゃない。こういう大きな災害には、それをまざまざと見せつけられる気がする。 たくさんの救援物資があっても飢えていく人もあれば、お握り一個に生き返っていく人もいる。それは、それまでその人が過ごしてきた時間が、何を内側に育てていたかということなんだろう。 大きな事件や災害に、それを契機として新展開の人生へ向かう人もあれば、すがりつき守リ抜こうとして疲れ果てて動けなくなる人もいる。 昨日不思議な偶然で、何と言うか、あらゆるものががたがたと同時に起こった。まとめてみれば、それは私と私の家族における一つの時代が今終わろうとしているということなのだとわかったが、それでも、その含む意味の大きさにうなり、怯み、深い溜息をついてしまう。 物事がそれまでの流れで進まない時、二つの動きが大切だ。 一つはその変化に対する驚きや苦痛悲しみ苦しみを受け止め味わい抱えること(抱え込み孤立せよ、というのではない。それを自分の経験としてどう生きるかということだ)。 もう一つはその変化を理解し味わったのなら、きちんと切り捨て終わらせること。それは時に受け入れるよりも非情で厳しいものだけど。何よりも孤独で不安なものを背負わなくてはならないことだけど。 受容すること。 古い枠を捨てること。 このどちらが欠けても、問題は、終わらない。 わかっているし、経験も重ねているが、それでも迷い怯みたじろぐのが、また人、というもの。 ましてや、自分が動けば終わるというものではなくて、誰かの動きを見守ることが自分の唯一できる仕事であるというのは、その忍耐を試される・・・。 目を離さず、気持ちを逸らさず、見定めて、こだわる自分を断ち切っていくこと。 自分にできること。 外側ではこれ。 内側ではこれ。 見定めたものを十分にやり遂げること。 やり抜く事。半端な理由で自分を甘やかさないこと。 それが本当に正しかったのか正しくなかったのかは、死ぬときにわかる。 擬似的には。 今ここで死んでも、私はやるだけのことをやっている、と確かに天に向かって叫べるか。 そこに中心があるときにだけ、人は限界を越えられる。 そこで初めて見えてくる、静かで穏やかな道がある。 どうかその道へ、まっすぐひたすら進めますように。 道祖神よ、守りたまえ。
2004.10.28
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「桜の護王」アップします。 この章のテーマは『いつかのメリークリスマス/B'z』です。主人公洋子のテーマとも言えるかも。 オルゴールじみた音色で語られる、ほんとは恋人同士の歌なんでしょうが、洋子の中では最愛の(!)妹へ向けて歌われるもんですな。洋子の強さの源であり、弱さの象徴でもあるというか。 ここの妹とのやりとりはかなり気に入ってます。気に入ってるのにすぷらったじゃないかと言われると・・・・ははは、そーですね、ええ、気に入ったコはいじめたいもんじゃないですか(違う?)。 ひさびさに自転車で「立ちごけ」しちゃいました。 踏み切りで電車が通るの待とうと思って、足を歩道に突き・・・損ねて、ころりんと自転車ごと、ええ見事に転がりましたよ(涙)。きっと後方の車は「どないしたんや、あのおばはん」と目が点になったことだろう・・・。 ときどきやるんだよねえ。 前は前方に見えた緑があんまりきれいだったんで、思わず立って手を伸ばしまして。問題は自転車に乗ってるってことを忘れてたってこと。触れたけどね。うわー、触れたよーってにっこり笑った後、突っ込んで転びました。 むかーしは川のほとりの小道を突っ走ってて、おっとどっこいと思った瞬間に、まっすぐ川へ突っ込んでました。おお、突っ込んだよ。感心してる場合かね、川の真中で。 ダンナは「自転車で暴れるな」もしくは、「自転車に乗ってることを自覚しろ」と言う。 ・・・一言もございません。
2004.11.03
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『いい知らせです』「ん?」『双児が生まれました』「へえ」『もう一人、妊娠している女性がいます』。 数カ月後『グランドファーム』の主はどこか嬉しそうに俺に伝えた。『妊娠した女性はあなたのDNAを使った人工受胎ですよ』「ああ、なるほど」。俺のものはときどきスープに回収されて、ROBOTと結婚したが子どもの欲しい女性に渡されてる。どこの誰かは知らない。精子だけで父親になれるなんて思っちゃいない。 『しかも、その双児には遺伝子異常があります』「いいのか、それは?」 俺は理解できずに眉をしかめた。『グランドファーム』の『トータル・チェック』のカプセルに座りながら、やはりどこへ投げていいかわからないことばを持て余す。『もちろん、生存上に問題を起こす遺伝子異常は困りますが』「だろ?」『しかし遺伝子異常はDNAの変異です』「あ」。 相手の言いたいことがわかって笑う。「そっか、つまり『多様性の確保』ってことだな?」『そうです、丁寧に育てていけば、何とかこの先の人類を支えてくれるかもしれません』「なるほど」『しかし』「ん?」『不思議ですね。もう滅亡しかあり得ないと思っていましたが、こんな状況になって新たな多様性を自らのうちに生み出すのですね、生命体は』「したたかなもんさ、なあ?」。 くすくす笑いながら、カプセルを滑りおりる。「さて」『もう行くのですか?』「ぼちぼち、スープがすっ飛んできそうだろ?」『なるほど』「シーンっ!」。 この続きはコンテンツ『BLUE RAIN』同名タイトルからお楽しみ下さい。 ただし、このシリーズはかなり、かなり、女性向きですので、閲覧のさいには自己責任の上でお願いいたします。******************* おわったぞ~~~。 番外編含めて、終了。 今回のと次の、それに番外で終了。 但し、番外は~~~メール請求~~。 分離できるかなあとやってみたけど、無理でした~~~。本編にも入らない。時期的には、この章の前、ぐらいになるんだが。 甘い~~~。 甘い~~~。 いや~~。 さすが女性向き~~(違うだろ)。 いろいろ展開は考えた。 SFとしての完成度とか、物語としての充実度とか。 けどな。けどな~~。 元からはなからこれはずーっとODAIもんなのよ。だから、SFとしての世界を表現し尽すのはまっ先に捨てた選択肢(書ききれる力量がなかったとも言える/涙)。もちろん、シーン達に影響する部分はきちんと詰めたつもりだけど。人類の未来とか、社会の在り方は背負わさないことにした。 それから物語としてもっと先鋭的に進める手立てもあった。その場合は悲劇的に盛り上がることなる。確かに読み込み翻弄され、激情で読み終え、人類の問題に深く悩むことに・・・。しかし、悪いがsegakiはそんなもの読みたくねーんだよ。 はからずも「自分は何を扱えるのか」ってところに踏み込まざるをえなくて、それを丁寧に考えてみた。 ODAIって簡単なようで、単純なようで、当たり前のようで、しかも「幸福」にこれほどなかなか結びつかない(特に現代ではね? それがあれば幸せだったのは遠い昔のことだわん)ものってない。誰も彼も、そういうことの「ささやかなあったかさ」みたいなもんを忘れてしまって、劇的で衝動的で派手で凄いもんばっかりに目を奪われる。 けど、その行き着く先は、結局「殺す?」ってことになりそうで、それじゃああんまりに芸がないんじゃないのか、人類、って気がする。 けど、それを「穏やかに解決する」ことは、うんと地味で静かで目立たない。 そうだよ。 この問題の解決は、本当に目立たないところにあるんだ。 通り過ぎて気づかないところにある。 目立たないことを目立たないように書いてちゃ、小説じゃない。だから、その「目立たなくて普通のこと」をどうやってインパクト残しながら、胸の奥に食い込ませるかにひたすら努力を払ったつもり。 本当は、ODAI含めて読んでもらって、初めて通じる話なんだ。ODAIの派手派手しさに惑わされずにじっくり読んでもらえれば、私が何を追い掛けてたかわかってもらえるはずなんだ。けれど、ODAIは派手だ。夢みたいに。衝撃的で胸揺さぶるから、底に潜む流れを読み取るには、残念ながら人生をちゃんと生きてきた人の経験がいる。 全部の行為に意味がある。動作一つ、愛撫一つに意味がある。囲碁で一つの石ごとに全て多重の意味を含むように。 これらの物語の最後を、なぜ次の章でおさめることにしたのか。 それが伝わるといい。 なぜ最後の一文で終わることにしたのか、それもまた伝わるといい。 そしてまた、そうやっておさまった世界を、受け入れかねたsegakiがじたばたと番外編を書いてしまった愚かしさ、未熟さも、伝わるといい。 今回はいろんなことに初めての経験を積んだ。書き方も内容も扱い方も。 でも、書きまくった今年をおさめるにふさわしいものであったことを確信する。 同時に。 このテーマを与えて下さったうたさん。 あなたに深く感謝する。 それから多くの素晴らしい感想を与えて下さった皆様。 導いて下さってありがとう。 次回が最終になります。 こういうふうに終わらせました。 どうか見てやってくださいまし。
2004.12.19
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何とかリクエスト書けた、かな? ただいま、これでいかかでしょうかとお問い合わせ中です。 何か『BLUE RAIN』と花魁ものとラスクリものざかざか書いてたら、そのペースになってしまったらしく、もう一つ参加し始めたものまで一つ書き上げてしまいました(汗)。けど、これは来年応募開始なんだよん。何を焦っておることやら。もうしばらく手元に置いて、あれやこれやといじくるかなあ、けどもう、これはこれでいいやんなあ、と言う気分になりつつあるsegaki。 年末は大掃除とあれこれでのんびりまったりやっていこうと思っていたけれど、いやーん、どうにも止まらんし、ひょっとしたら年末前に何か始めてしまうかも。 この間は『BLUE RAIN』仕上げて、おお、さすがに疲れたぞ、ぼーっとしてしまうなあ、なんて思ってたのに、今回なんかその「ぼー」が半日しか続かんかったわ。 どうしたんでしょう、疾風怒濤、segakiってばほとんど爆走状態です。かといって、あんまりそこら中にハイテンションな書き込みして回ってくわけにもいかないし。 とりあえず、掃除でテンション分散させつつ、妄想も適度に発生させつつ、壊れないように年末年始を乗り越えたいと思います(え?)。
2004.12.23
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********************* 石塚さん、お先にどうぞ。 京介が微笑むと、何か言いたげな顔で石塚が動きを止めた。「……何?」「……伊吹さん、岩倉産業の大石さんと親しいんですか?」「……どうして?」 さりげなく席についてパソコンを立ち上げながら尋ねてみる。「何か連絡でも入った?」「伊吹さんを、って……朝もお電話が」「……そう」 ぴく、と震えたのはキーボードの上の指先だけ、それでも打つリズムは乱さないまま、京介は会話を続ける。「伝言があるの?」********************* はい? 『闇から』ですか? ってな突っ込みもあるかと思いますが(笑)。 「見る」ってのは「満る」ってことなんだね。 「見る」ってことは「愛する」ってことなんだ。 そっか。 そういうことなのか。 納得した、本日。*WEB拍手お返事*4/20>11:13 でも、どんなに強引でも、京介は美並に勝てないよねぇ。勝てないでしょうねえ(笑)。根っこの深さは同じでも、闘ってしのいできたのと耐えてしのいできたのの差、みたいなもんですか。最後の一歩を踏み込むのと籠るのとの差。傷を最小限にしようとするのと、肉を切らせて骨を断つ差(爆笑)。や、そこまでおおげさに言わなくとも、京介は美並に勝てませんね。惚れちゃってますから(笑)。 >16:08 溺れる者は藁をもつかむ。藁も必死に浮いているのに。ああ、なるほど! そうですよね、藁も必死に浮いている、その通りです。溺れてる人が気付いて、藁をつかんで泳げれば両方とも助かる。まさに名案です。きっとその答えをみんななかなか見つけられないんです。京介は自力で泳げるでしょうか。見守ってやって下さい。4/21>0:32 山椿、伊吹の原点を見たような気がします。やばい、京介ビンタしたい…!!! 原点でしょうね。忘れ切れない、強く激しい思いをどう生かすかで、人の一生は輝きも曇りもします。伊吹はきっと曇らせたくない一心で生きてきたんだと思います。おお、ビンタ!京介の横っ面にビンタ!(笑)。いいですね、それ。凄くいいです。でも、喜んだらどうしよう(こらこら/爆笑)。 たくさん、楽しい書き込みと拍手ありがとうございます。 いろいろ展開を悩んだのですが、とりあえず『闇から』に移行しました。 楽しんでいただけると嬉しいです。 いつも応援して下さる皆様に、心より、感謝を。 ありがとう。 お気に召したらぽちっと下さい♪
2007.04.21
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一段落、か?(そこ、「か」いらんやろ/笑) メール、BBS、拍手などなどお返事明日以降にいたします。 さすがに疲れたよ~~(苦笑)。
2007.05.20
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*********************** 岩倉産業がこの『Brechen』に社運をかけるほどの意気込みを見せているのが、HPからもよく伝わってくる。それは、石塚から知らされた、納期に間に合わせることができない弱小会社の気配を微塵も感じさせない。 まさか。 美並はますます眉を寄せた。 この奇妙な違和感は、今回の件が始めから予定されていた可能性があると教えている。「まず…」 口に含んだコーヒーがざらついて舌に残る。真崎の淹れたコーヒーを飲みたい、そう思って、それがひどく儚い願いになりそうな予感に美並は唇を噛んだ。 もし今回のことが全て大石の計算だったとしたら、今夜大石が美並に逢いたがったことには、きっと何かしら意味がある、そう考えるのは先走り過ぎだろうか。 逢うのはひょっとして間違いだろうか。*********************** すれ違う、心と現実。 めったに悪意ってのはないんだろうな、きっと。 ただ、それぞれの願いが、それぞれの形ですれ違う、だけ。 そのすれ違いが、悲しいだけ。 それは「いいもの」じゃない、と教えられてきた。 「いいものじゃないから、見せてはいけない」と。 でも、本当はそうじゃなかった。 それは「いいもの」だったんだ。 誰かの執着を煽り続けるほどに。 その執着ゆえに握り込んで手放すまいと思わせるほどに。 「見せる」ことで執着を煽り、危険がふりかかってくるから。 その危険から遠ざけようとして。 けれど「それがいいもので、それゆえ襲われるから危ないから、見せてはいけない」と言うより。 「それはいいものじゃない、見せても誰も望まない」 そう教えたほうが納得させやすかった、そういうことだ。 安全を守ろうとしてくれた。 方法が間違っていた。 狙われるからと囲い込むのではなく。 危険を教え、対処を一緒に考え、訓練させるべきだった。 組み換える。 視点と発想を。 危険を理解し、対処を学び、執着を払い除けて前へ進む。 その執着もまた愛ならば、それが真に豊かな実りとなるように、その方法が見つかるように祈る。 そして、また。 前へ。 まっすぐ顔を上げて。
2007.03.04
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********************** 真崎の代わりに美並を抱き寄せるようにくっついていたのは、一抱えもある茶色のくまのぬいぐるみで、御丁寧にプラスチックの眼鏡を掛けている。「なんだ、これは」 唸りながらそれを引き起こしてみると、見覚えのある真崎のネクタイが首に巻きついている。「か~ちょ~~」 いつこんなものを買ってきたんだ。 ってか、どう見たってこれは大石のくまの対抗版、けれど異常にでかい。一体幾らしたんだろう。 真崎がデパートでこれを指差して買う場面を想像して頭が痛くなる。 張り合ったんだよね。きっと張り合ったんだ、うん。 それより、風邪で寝込んでたはずの相手はどこに行ったんだ。********************** おまいは何考えてんだ、京介、の章(笑)。 大輔の煩悶には無関係に(は?/笑)、お話はさくさく進みます。 ことばを扱うのがいつまでたっても苦手です。 うまくしゃべれないです。 今9割ほどsegakiyuiなんで、余計にしゃべるのがへたで(汗)。 でも、しゃべらないと、代わりに人がしゃべってくれるんだなと最近思うようになりました(笑)。 ので、地道にぽつぽつお話を書いていくことにします。 東北地方で大きな地震がありました。 友人が無事でほっとしました。 どうか少しでも被害が少なく適切な対処が取られますように。*WEB拍手お返事*3/251:42 西のおはなし拝誦しております!こちらからですみません~~~。ありがとうございます(笑)。お元気そうだなとは思ってたんだけど、やっぱりお元気で嬉しいです。描写、うまく届きましたか。何だか今変化時みたいで、自分ではいつも通りのつもりなんですが、みなさんが妙に驚かれてるみたいなんで、何か変わってるんですよね?今自分が書ける一番完成度の高いやつを日々お見せしたいと頑張っております。喜んでもらえて嬉しいです……ちなみに、もう一回、翌朝なのに「それ」があります(爆笑)。お楽しみに(はい?/笑)長い書き込みも大好きです、ありがとうございました。 お気に召したらぽちっと下さい♪
2007.03.25
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うららうららと春風に 誘い出されて迷わされ 我が身を餌に宵闇の 魔物を夢の端に呼ぶ あれぞあやかし幻の 紅梅白梅雨に濡れ 融け崩れゆく夜の果て いざ一時の恋や恋 重ならずとも恋は恋 『Yui's Room』でアップしている詩から一つ。 最近、メルマガ登録、少しずつ増えてるようで嬉しいです。 有料無料いろいろありますが、有料のものも一ヶ月間は無料ですんで、お試し下さると有り難い(笑)。 ちなみにアルファポリスでただいま連載中のメルマガ
2007.03.27
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体の中にらせんを作り 底のレコードに飛び込んで かけらを集めながら戻ってくる 飛ぶわけないと反対されたラジコン飛行機が 夜の浜辺で舞い上がるのを確かめて笑う おぅけぃ 次は自分が戻る番 また無茶をしたと 仲間に叱られに帰ろう
2006.06.27
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