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2008年08月28日
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テーマ: お勧めの本(8118)
カテゴリ: 読後感想文



ひとつの出来事、

あるいはひとりの人を語る方法として、

主人公が周りの人の告白を

インタビューしながら進む技法をとるものがある。


例えば、宮本輝の「月光の東」や

桐野夏生の「柔らかな頬」なども同様の技法を用いている。



『月光の東』は、

「月光の東まで追いかけて」という謎の言葉を元に

ある一人の女性を探す物語。

もちろん、宮本輝が書いた本なので、

他にも人間関係が複雑に絡み合い、

ある意味癒される部分や救いもある。


この女性を知る男達が、

彼女に対する思いを語り、

それと共に彼女の半生が次第に明らかになる話なのだが、

結局、主人公は彼女に会えず(ニアミスはあり・・・だったような・・)

最後まで、この謎の言葉も彼女自身に対しても

すっきりするものがなく、あたし自身は物足りなさが残った。


そして『柔らかな頬』は、

主人公の長女が別荘で失踪してしまう。

誰が犯人なのか?という形をとってはいるのだが、

結局、最後まで犯人は明かされない。

そう、つまりこの作品は、失踪事件を軸として話は進むのだが、

どちらかというと主人公である母親の

包み隠しのないエゴや欲求、女としての性、

そういったものが露悪趣味のように露呈されてしまう。

そしてそれを取り巻く人々も然り。

作者は、事件の解決を求めているわけではなく、

人が追い詰められたとき、

どんな気持ちになり、どのように逃げる、または対決するのか

そちらの方に重きをおいているので

長女の失踪を軸にしていながらも、

人間の影の部分を露呈する、という

それが主題になっているのが桐野夏生の描く真骨頂であり、

彼女らしいと言えば彼女らしいのだが

あたし的にはちょっと残念だった。


この二冊の本の結論ははっきりしないまま、

または未消化なまま終わっている。

それぞれ好きな作家なだけに

2つの作品ともとてもがっかりした覚えがある。




夕食はすき焼きにしようと思っていたが、

旦那が打ち合わせになってしまったので・・・

●牛丼

 これは子供用。

 玉ネギと焼き豆腐・牛肉を酒と醤油・砂糖・ミリンで

 甘辛く煮て、温泉卵とあさつきを散らしたもの。

 大人はご飯抜きで具だけをつまみに。

0827

●なすとがんもどきの煮物

 ナスは皮を剥き、縦に6つくらいに切り、

 がんもどきと一緒に煮たもの。

●味噌汁

 わかめとナメコ・・・だったっけな?

 吸い口にあさつきとミョウガ。

●もずく





それなのに ああ それなのに それなのに・・・・・



また、同じ形式の本を選んでしまった・・・・・


『吉原手引草』 松井今朝子




帯にはこのように書かれている。

「なぜ、吉原一を誇った花魁葛城は、

忽然と姿を消したのか?

―遣手、幇間、楼主、女衒、お大臣

吉原に生きる魑魅魍魎の口から語られる廓の表と裏。

やがて隠された真実が、葛城の決意と悲しみが、

徐々に明らかになっていく。

誰の言葉が真実なのか。

失踪事件の謎を負いながら、

嘘と真が渦巻く吉原を見事に紡ぎあげた、

次世代を担う俊英の傑作!」



目次を見ると吉原に生きる、

あらゆる仕事で生業を立てている人たちの

仕事と名前が挙げられており、

ある意味、目次でありながらこの本の中の登場人物の

目録になっている。



まだまだ他にも仕事はあるのだろうが、

幇間(太鼓持ち)ややり手婆のように知られたものから

指きり屋という聞きなれない仕事まで知ることができた。


もちろん本題は消えた花魁の行方なのだが、

他にも、吉原のしきたりや

客が花魁と会うための手順も事細かに書かれており、

興味は尽きない話ばかりだった。


作者は京都祇園生まれ。

歌舞伎の企画・制作に携わった後、

演劇評論家・演出家・映画監督であり

関西歌舞伎演出に力を注ぎ、

戦後、演出した歌舞伎は「武智歌舞伎」と言われた

故・武智鉄二氏に師事し、歌舞伎の脚色・演出を手がけた。

97年に『東洲しゃらくさし』で小説家としてデビューし、

『吉原手引草』で第137回直木賞を受賞した、とある。




『さくらん』 安野モヨコ作で、

強烈な個性を持つ花魁の姿を見たが、

彼女の書く小説には、

それ以上の息遣いや生臭さ、

人々の思惑が描かれており、

ふっ  とした拍子にすぐ近くにいるのではないか、と

思わせる筆力を感じられた。


あたしのように性悪説(というか性野生動物説)を

掲げている人間にも

もしかしたら性善説は信じられるかもしれない、と思わせる

結末にも救いがあり、とても良かった。







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最終更新日  2008年08月31日 17時01分48秒 コメント(10) | コメントを書く
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