投資逍遥

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2010/04/04
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テーマ: 化学(170)
カテゴリ: 化学
 信越化学工業は米国で塩化ビニール樹脂の原料工場を新設する。1000億円を投じ2011年に現地での生産能力を倍増する。同社は建材や水道管に使う塩ビ樹脂の世界最大手。原料を低コストで生産可能な米国を、中南米など拡大する新興国市場への供給拠点に位置付け、原料から樹脂までの一貫体制を強化する。国内の需要が低迷するなか、素材産業で成長市場開拓に向けた海外投資が本格化してきた。

 全額出資子会社のシンテック(テキサス州)がルイジアナ州の生産拠点に新工場を建設する。建設費用の1000億円は自己資金で賄う。08年10月に稼働した同拠点への累積投資額は2400億円となる。

 新工場の生産能力は年間80万トン。生産した液体の原料を塩ビ樹脂に加工して販売する。現在は主に米化学大手のダウ・ケミカルから原料を調達しているが、自社生産比率を3割から6割強に引き上げる。米国では塩ビ原料の製造に必要な岩塩や天然ガスが低コストで調達でき、内製化で樹脂の製造コストを削減する。

 塩ビ原料の製造過程で副産物として出るカセイソーダの年産能力も106万トンに倍増する。カセイソーダは製紙などに使う工業薬品で、北米の素材メーカーに販売する。

 信越化学は塩ビ樹脂販売で世界シェア1割強の最大手で、日米欧に製造拠点を持つ。同社は中国などでの生産はリスクが高いとみており、住宅市場の冷え込みで余裕のできた米国を、中南米や中東、中国といった新興国向けの供給拠点にする。

 経済産業省によると塩ビ樹脂の国内需要が13年に07年比11%減となるのに対し、世界需要は新興国をけん引役に17%増える見通し。国内最大手の東ソーも100億円を投じ、中国・広州市での塩ビ樹脂の生産能力を12年までに3倍に引き上げる。信越化学も競合する米国メーカーが業績低迷に苦しむなか、潤沢な資金を武器に一気に攻勢に出る。

 日本の素材産業はこれまで国内生産が中心だったが、成長市場と安価な原料を求め、海外に製造拠点を移す動きが相次いでいる。住友化学は昨春、総額1兆円を投じた石油化学製品の合弁コンビナートをサウジアラビアで稼働。王子製紙は中国江蘇省で2000億円を投じて紙パルプ工場の建設を進めている。(日経新聞より)


【上記の感想】

自動車や電機などの輸出関連企業が海外生産を増やしているのは当然として、素材産業にもその流れがあるようだ。

「成長市場と安価な原料を求め、海外に製造拠点を移す動きが相次いでいる」とのこと。

が、素材産業までもが生産拠点を海外に移すとなると、国内の雇用は大丈夫なのかと、妙なことが心配になってくる。
ただ、国内の人口減の流れは確実だと思うし、それほど心配することではないのかもしれない。



信越化学、住友化学、王子製紙など素材産業も海外生産という流れ





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Last updated  2010/04/04 09:59:04 PM
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