戦国ジジイ・りりのブログ

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2012年03月26日
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カテゴリ: 城(中国)
さて、この外観。


岡山城天守


なんといっても特徴的なのが、黒の下見板張。
天守の外壁は防火の観点から土壁であり、柱まで土壁で覆い隠すほど分厚い
「大壁造(おおかべづくり)」。
この土壁の仕上げの処理には大きく言って2種類ある。

 ・塗籠(ぬりごめ)・・漆喰を塗って白く化粧したもの
 ・下見板張(したみいたばり)・・下塗の上に黒塗りの板を張ったもの


漆喰は雨で剥がれ落ちてしまうので、10年に1度くらいの間隔で漆喰を塗り直す


そこで、土壁の保護のために板を張るのが下見板張。
耐久性に優れ、経済的。ただし、見栄えの点では塗籠に劣る。
まあ、見栄えは好みの問題でもあるけど。


しかし劣るとは言っても、それは松煙などのススと柿渋から造った墨を板に塗った
通常の下見板張の話で、安土城天主や秀吉の大坂城天守では、
下見板は高級な黒漆塗だった。
こうなるとゴージャスでラグジュアリーなのは、黒漆塗の下見板張の方になってくる。

秀吉に可愛がられて、その派手好きも受け継いだひでくんの岡山城天主も、
この黒漆塗。


ちなみに、黒漆塗よりももっと高級なのは、徳川家光の銅板張の江戸城天守。
最強なのは、鉄板を張った福山城天守。

もっとも、銅板張や鉄板張を下見板張とは言わないけど。フツー。

黒づくめの岡山城天守は、「烏城(うじょう)」とも、
また金箔瓦が使われていたので「金烏城(きんうじょう)」とも呼ばれる。



屋根は本瓦葺。
古来より、本瓦葺は寺院建築にのみ使われたもので、

植物を利用したものが使用された。

しかし、本瓦葺の防火性・耐久性などが天守の屋根に求められる条件を
満たしたため、慣例を打ち破って天守の屋根に採用された。
タフなだけじゃなく、格式も添えられたしね。

普通の天守の瓦は土製で素焼きのシンプルな瓦を使ってたけど、
安土城天主や秀吉の大坂城天守などでは、金箔を張った軒丸瓦などが使われた。
うむ、天下人ともなると、派手じゃの。

岡山城天守も、すでに何箇所かで書いた通り、金箔瓦が使われた。
ひでくんはあいにく天下人じゃないけど、秀吉の猶子であり、
外様でありながら秀吉さんちの一門扱い。
そして五大老の一人、と高貴な身分のおぼっちゃまだったからね。




次に、天守の意匠についてちょっとだけ見ていきましょうか。


岡山城天守拡大


枠内の部分が破風(屋根の端っこ)。
破風にも色々あるけど、これは千鳥破風。

天守にはこんなのがあちこちに付いてるのがほとんどだから、
城好きの方は見慣れてると思うけど、日本人って昔から破風大好きな
民族だったらしく、そこから生まれた言葉が現在でも使われてるんですよ。


奈良時代、破風のある建物のことを「真屋(まや)」と呼び、
破風のない建物をさげすんでいた。
そして破風のない建物のことは「東屋(あずまや)」といい、田舎屋の意味で
使っていたらしい。

そーゆー嗜好の民族なので、天守にも破風が採用された。
なんでも、破風のない天守はひとつもないらしい。

で、この破風の中にできる三角の部分を妻壁(つまかべ)といい、
ここの意匠を妻飾(つまかざり)という。
上の写真では(1)のところ。

この真ん中に短い棒を立て、両側から斜めに真ん中の棒に立てかけた意匠を
「豕扠首(いのこさす)」といい、古くから多くの寺院に用いられてきた
伝統的で格式の高い妻飾がここに使われている。

城郭建築ってのは、社寺建築の流れを汲むものが多いので、
それこそ切っても切り離せない関係にあるけど、
望楼型全盛期に築造された初期の天守には特に社寺建築の影響が強く
見られるそうな。

これまでに何度かリンクを載せている岡山市デジタルミュージアム様のサイトでも、
岡山城は同時期に作られたいくつかの天守のうちでも
「古式な様式で造られ、意匠を凝らした」天守であると書かれている。



写真の(2)、屋根の下に付いてる四角い棒っきれは、「垂木(たるき)」。
垂木の中で一番格式が高いのは、素木のままのもの。
でも軒は火がつきやすいため、天守では漆喰を塗るのが不可欠。
漆喰の塗り方も正式なのと略式と2種類あって、ここのは正統派。

岡山城天守は、その築造時期から、安土城や秀吉の大坂城との比較や類似点が
よく引きあいに出される。
安土城を摸したともいわれるし。

で、この垂木なんですが、写真では下見板張以外のところは白漆喰で塗られているから、
白い垂木は周りとマッチングしてる。

ところが、安土城や秀吉の大坂城とかは、黒漆塗の垂木だったという
可能性が指摘されてるんだって。
安土城天守の復元図は色々あるけど、ものによっては確かに屋根の下の部分とか
妻壁のところも黒塗にしてるので、バックの壁が黒なら、垂木が白じゃ
確かにおかしいよな~とも思うんだよね。

安土城郭資料館にある天守の模型には、残念ながら黒い垂木は付いてないけどね。


城郭資料館・模型3
       (安土城郭資料館)



現存天守には黒い垂木は例がない。
例がないから見たことないし、見たことないから見てみたい。
単純に、

「黒い垂木なんて、なんかカッコよくな~い?」

ってミーハー心なんだけど。


岡山城天守は古写真を元にしてるんだから、安土城とかと同じ時期とはいっても、
白い垂木ってのは確定だよな・・・と思いながらあらためて古写真を見てたら、
「実は垂木の胴の部分は黒だったんじゃないの!?」とか思えてきた。

あ、別に今のスタイルにケチを付ける訳じゃないですよ。
天守復元にあたっては、旧藩士の方々がまず中心となり、
それを岡山市が引き継いで現在に至るって話だしね、
それもすごい話だよな~と感銘を受けました。

ただ・・・
安土城だとかの失われた名城とダブらせて眼の前にある岡山城天守を見てると、
「こうだったのかな~」 とか
「こうだったらいいな~」 って妄想は尽きない。

岡山城を楽しみつつ、岡山城以外の城も思い描きながら楽しめる。
しかも、ここまでのところタダだし(笑)、
岡山城、オイシイわ~

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最終更新日  2013年07月16日 22時02分58秒


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