戦国ジジイ・りりのブログ

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2012年06月23日
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カテゴリ: 旅日記(近畿)
 【一切経蔵

  慶長7年、毛利輝元公が山口県の洞春寺より移築したもので、輪蔵に収められた
  一切経は、高麗版として名高い。

  建物は室町時代の作、重層宝形(ほうぎょう)造りと称し、唐様建築で上部は
  「鏡天井」、四方は「明層(めいそう)」と云い、高い所から光を取り入れる仕組み
  である。

  輪蔵は八角八柱造り、八方に千鳥破風を作り、龕(がん)内に経論の守護である
  中国の人、傅大士を安置する。】
  (内部解説板より)




大津・三井寺・一切経堂15

まずは輪蔵ね。

小さな箱が沢山収納されてますが、この中に大蔵経が収められてます。
前回の解説に、「回転書架」とありましたが、これが回るんです。
くるくると。

・・・あ、私は回さなかったけどね(笑)。
ってか、柵があって回せるほどには近づけませんので。

大蔵経のすべてを読まなくっても、これをくるりと回すだけで
読んだのと同じだけの御利益があると信じられていた、
なんともすごい本棚です。

今・・・はきっと、経典は別保管だよね。

だってここ、無人のお堂だし。



この頃は古建築に興味を持ち始めた頃で、
今回の大津編と次回の山口をきっかけに独学で勉強するようになった。
やっぱり、良いものに触れると色々と知りたくなるからね。

まだこの時は、各部の名称だとか構造なんかもあまりわかってなかったけど、


で、輪蔵を前にして見とれることしばし・・・


輪蔵の組物は、三手先かな?
垂木(屋根を支える部材)なんか、すっごい細いの。
こんな細かいもん、よく造ったよな~。


大津・三井寺・一切経堂13

↑屋根の上には、千鳥破風。
これが八面にそれぞれついてる。

小箱が入った書架の最上部には大きな花頭(かとう)窓。
木鼻・尾垂木の形なども、いずれも禅宗様(ぜんしゅうよう。唐様とも)。


輪蔵の上には龕(がん)という、仏像を収める厨子があったが、
現地では見えなかった。
今も載ってるのかわからないけど、下から見上げたんじゃ見えないと思う。

上の解説では、この龕の中にいたのは傅大士(ふだいし)となってるけど、
この傅大士さんは、中国は南北朝時代の梁の坊様で、
輪蔵を始めた方といわれている。

そこから輪蔵の守護神とされ、後には普建童子・普成童子の2人の子とあわせて
三尊像として輪蔵に欠かせない存在となったそうな。


で、昭和38年、この龕の中から7体の円空仏が見つかったという。

造仏聖・円空(1632-1695)は三井寺とのゆかりがあったそうで、
三井寺のホームページには

 【その頃、円空は三井寺に足繁く訪れ、元禄二年(1689)時の長吏、尊栄大僧正から
  血脈(けちみゃく:師から弟子に授ける法統)を受ける。また、美濃の国池尻にある
  自坊、弥勒寺を三井寺の末寺として召し加えられ、戦乱の大火で消失した弥勒寺の
  再興に努める。】

とあるので、その縁で三井寺に7体もあるのかもしれないね。
この円空仏には、現在は金堂で会うことができます。


龕がいつのものかはわからないけど、
傅大士さんと輪蔵の関係からすると、輪蔵とセットで造られたんじゃないかと
想像するけど・・・

なんで一切経蔵の龕なんかに、円空仏を収めたろう??



さて、経蔵の天井は「鏡天井」。
見ての通り、今でいう鏡で造られたものではなく、
天上に板を張って鏡面のように仕上げたものをいう。

これも禅宗様の特徴。

天上には絵が描かれている。
今はかすかにしか色が残ってないけど、大内時代にはどんな
きらびやかな建物だったろうかと想像せずにはいられない。

っつっても、実際に当時のものを見たら、極彩色できらびやかすぎて
腰抜かすかもしれないけど(笑)。


前回の一切経蔵の写真と解説をあわせて見て欲しいんですが、
経蔵は外から見ると、二階建てに見える。

大津・三井寺・一切経堂(部分2)

けど、実際は一階のように見える部分は裳階(もこし)といって、
おおきな「ひさし」のようなもの。

ので、内部はこんな風に吹き抜け。

大津・三井寺・一切経堂14

輪蔵自体も結構大きいけど、台座の上に載ってるしね。
それをすっぽり収める建物だから、これくらいの高さがないとね。

上に見える明かり取りが、解説にある「明層」だな。


きらきらした綺麗なものが好きな人には、
色あせて古ぼけてて、全っ然つまらない建物かもしれない。

でも私には、建築のビジュアル面だけでも見飽きない。
それに、大内さんちの遺産だし。
で、上ばっかりずっと見上げてたので、非常に首が疲れた(笑)。


内部を堪能した後、一旦外へ。

経蔵の外観も、これまで見たことがないような実に変わったものだった。
↓これは、まばら垂木っていうのかな・・・

大津・三井寺・一切経堂9



大津・三井寺・一切経堂11

↑蛙股も変わってる。
欄間は「波形連子」っていうらしい。
ここからも採光できるようになっている。


まだまだ寺院建築についてはわからないことだらけだけど、
それでも古い禅宗式の建物みたいだな~って事だけは
何となくわかる。

鎌倉なんかは、こんなタイプの寺院がいっぱいありそうだな・・・

ちなみに、この一切経蔵は、三井寺の建築物の中でも
唯一の純禅宗様式の建物なんだとか。


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最終更新日  2012年06月23日 18時24分44秒


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