戦国ジジイ・りりのブログ

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2012年09月15日
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カテゴリ: 旅日記(中国)
庫裏の入り口でピンポンを押したら、反応があった。
よかった、ここは人がいた・・・

出てきたのは、たぶん奥様だと思う。
違ってたら失礼だけど、ここでは奥様とさせていただきます。


「あの、縁起とか書いたものがあれば
いただきたいんですけど・・・」


と言ってみたら、玄関に置いてあったものをくれた。

「あの、外の看板に、隆景公の寄進の品があるとあったんですけど、
拝観させてはいただけないですよねえ・・・
あの、紫檀の唐物の・・・」


とダメ元で聞いてみたら、

「あ、ええ、それは・・・」

と口ごもって、奥様はちょっと困った顔をされた。

「ちょっと今日は住職がいないもので、私では・・・」
「そ、そうですか・・・」

というやり取りを少しした後、よく経緯は覚えてないけど、

「本堂の方へ・・・」

というセリフが出た。

「本堂?本堂から回ればいいですか!?」

「あ、ええ・・・じゃあ、本堂の方からお上がりください」


なんか上がらせていただくことになった。



本堂の正面から靴を脱いで上がると、資料を手にした奥様が待機していた。
まずは、すぐ上にある鳳凰の彫物から見せていただく。

(す、すいません、さっき勝手に見せてもらっちゃったんですぅ・・・)

外側から見るとあの欄間は鳳凰だけど、裏から見ると柄が違う。
確か、植物柄だったっけか・・・


「これから法要があるので、今日はこんななんですけど・・・」

うひゃあ・・・
そんな時に案内してもらってるのか、私
申し訳ありません・・・



その後、奥へと案内された。

本堂から渡り廊下みたいなところを通って奥へ奥へと行った先の建物の入り口で、



「ここが開山堂です」

開山堂・・・これが!?
てっきり、米山寺の霊堂みたいに独立した建物が境内にあるのかと思っていた。

こ、これじゃ外からも拝むことはできなかったわ・・・


正面におわすのが、たぶん隆景寄進と伝えられる唐物の聖観音紫檀佛。
その脇侍として、大元師と達磨師の木像。


この時は結構気が動転してて、あまり御本尊様は拝めなかった。
奥様は忙しいのに、まったり見学する訳にもいかないし。


で、向かって左側にはお位牌がずらりと並ぶ。
もちろん、竹原小早川家歴代のお位牌。

前後2列に並んだお位牌の中で、ひときわ大きなのが2つ。

「こちらが隆景公のお位牌です。
黄梅院殿とあるでしょう?」


覗きこむと、確かに隆景の戒名「黄梅院殿三品泰雲紹閑大居士神儀」とある。

米山寺の霊堂に並んでたお位牌は木造のものだったけど、
法常寺にあるのは普通「位牌」といわれて私達が思い浮かべるタイプのもの。


隆景の死後、葬儀は竹原家の菩提寺・法常寺で行われ、ここで荼毘に付された。
その後で、沼田家の菩提寺・米山寺に葬られた。

隆景によって沼田家と竹原家が統一されたといっても、
やはりそれぞれの歴史があるから、葬儀から埋葬までを
法常寺と米山寺で分担して受け持ったって感じなんだろうか。

米山寺の位牌群の文字は読めなかったけど、おそらく米山寺の霊堂にも
隆景の位牌はあると思う。

けど、死後の手続を2つの寺で分担してやっていて、
墓が米山寺にあるのなら、位牌は法常寺で持ちそうな気がする・・・

京都大徳寺の黄梅院にも隆景の位牌はあるでしょうけど、
それはもちろんメインのものではないでしょうしね。


「これが本物のお位牌ですか?」

なんて失礼な事は聞かなかったけど、
たぶんそうなんじゃないのかな・・・
まあ、別にメインのものでなくっても全然構わないんだけど。
そんなことより、まさかお位牌を見せていただけるなんて~!!



お位牌の置かれている3段の段の端には、1段目と2段目に小さな厨子が置かれていた。
確か最初は2つとも扉が閉まってたと思うけど、

「こちらが隆景公の木像です」

と言った後で、さらりと厨子の扉を開けてくれた。


えええええ~!!
本当にいいんですかあ~!!!
(←実際、叫んだ)

上の段の隆景ちゃんは、そうだな・・・
ちょっと小さめのお内裏様をご想像ください。
それの、中納言正装隆景バージョンて感じ。

下の段のは、さらに小さい。

顔は2つとも違う面差しだけど、
どちらもかすかに微笑んでおられる。


「本堂に上がる途中の小祠に寄ってきましたか?
この小さい方の像は、以前はあの祠の中にあったんですよ」

「あ・・・小祠は後で行こうと思ってまして・・・
じゃあ、看板に毎年7月にお祭りを続けているとありましたけど、
こちらがそうなんですね」

「それが、檀家さんの高齢化とか色々な事情がありまして、
このところお祭りができていないんです。
なので、外の小祠からここへ移してあるんですよ」



うわっ、そんな話、聞いたことない・・・
聞いてて鳥肌が立った。

奥様のレアな話はまだ続く。


「隆景公の荼毘は、本堂の正面で行われたと伝えられています。
荼毘の時には下に大きな石を2つ敷いて、
その石は後になってそれぞれ違う檀家さんにお譲りして、
その方の墓石の土台になっているそうです。

この間も郷土史家の方が来られて、あれとそれがそうだって
指差してました。」

「じゃ、じゃあ、今もその石はお寺の中に
あるって事なんですね・・・」


「住職がいればもっと色々なお話ができるんでしょうけど、
私はよくわからないので・・・」

と奥様はおっしゃったけど、とんでもない!!
こんな話、聞いたことない!!


「こういうお寺とかを回ってるんですか?
どちらから?」


とかって話をしてるうち、米山寺の話が出たので、

「昨日はあいにくご不在だったようですけど・・・」

ってしおりの件を報告したら、

「予約とかしておけば、お話できたかもしれませんけどねえ・・・」

って言われた。

予約・・・ああ、そういうもんなのか。
そうかもしれないな。



忙しい中を御厚意でピンチヒッターを務めて下さった奥様に、
こういう事を切り出すのは非常にためらわれたのだけど、
あまりお時間を取らせるのも申し訳ないので、
思い切って言ってみた。

「あの、しゃ、写真を撮っても、いいですか・・・」

奥様は一瞬たじろいだように見えたけど、

「どうぞ」

と言ってくださった。

はああ、なんてラッキー!!


あまりお待たせしてはいけないと思って、
お位牌と木像の写真だけ撮って、入り口で待っている奥様の元へ駆け戻った。

2人で戻る途中、奥様のお姉さんが千葉の市川市にいるという
話なんかしながら歩いてたら、

「学生さん?」

っておもむろに聞かれた。ここで見栄張っても仕方ないので、

「いえ、大昔にとうに卒業しました・・・」

と正直に答えた。エッヘン


今年はあんまりお出かけしてないからしばらくこのセリフを言われてなかったけど、
史跡とか寺社の訪問者の平均年齢って高めだから、
こういう所ではどうも実年齢より若く見えるみたいなんだよね~。



お忙しい中案内して下さった奥様には、感謝の気持ちでいっぱい。
心からのお礼を言って、本堂を出る。


三原・法常寺37・火葬の現場


まさにこの場所で、隆景ちゃんが荼毘に付されたのかあ・・・
さっきお賽銭を入れた後にもここから境内を眺めたけど、
知ってるのと知らないのでは全然違うよな・・・

とぼんやりしながら歩いていって、ふと気が付いた。

ああっ、隆景の荼毘の場所をつるんと歩いちゃったよ~!!

・・・だって、敷石があるから、つい・・・



奥様に撮影の許可は頂いたものの、応対して下さったのがご住職だったら、
もしかしたら撮影は断られてたかもしれない。
ので、開山堂で撮った写真は今回は公開しませんので御了承ください。


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最終更新日  2015年04月10日 23時12分29秒
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