戦国ジジイ・りりのブログ

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2013年07月09日
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カテゴリ: 城(中国)
福山城復元図・白図(9話)



御風呂屋の奥は、ちょっとぽっかりした空間↓。


福山・福山城・本丸御殿跡9



「福山城本丸御殿指図」なんかではここは何も描かれてないけど、
割に広い空間だし書院に面した場所だし、
能舞台とか茶室ぐらい置けそうに思うけどね。 


その先、現在本丸と呼ばれる敷地の南東隅(図のマル8)にはこれがある↓。


福山・福山城・月見櫓





  月見櫓はもと京都伏見城内にあったものを移建したもので、本来は着見櫓の
  ことである。追手側(南)も入江方面も展望出来る南東隅に築かれ、藩主等の
  到着を見極める役割をなしていた。1階南面に石落としがあり、古い建築様式を
  もっている。明治初年にとりこわされたが、昭和41年秋、天守閣とともに
  外観復原されたものである。現在は貸会場として利用されている。】
  (福山城博物館リーフレットより)


今回の福山城シリーズはいつになく楽しくない記述が続いてるので、
読んで下さる方もあまり楽しくないでしょうが、
私だって楽しいことばかり書いていたいんです。

ので、クレームは福山市にお願いします(←責任転嫁)


「いつものことじゃん」て?
へいへい、どーせね・・・



さて、この月見櫓。
藩主の到着を目ざとく見つけるための着見、というよりは
監視のための付見、と一般的に紹介されてるように思う。



まず明治6年に県から民間に払い下げが決まったことから始まる。

建造物・樹木などを入札にかけたがなかなか買い手が付かず、
値下げして切り売りして少しずつはけていった。
天守と伏見櫓が売れ残ったのは 「福山城(4)」 に書いた通りです。

落札と同時に物件を引き上げるという条件だったらしく、
モノが売れていくたびに城内は荒廃していくという状況だった。

どんどん荒れていく城跡を見て心を痛めた士族や市民は、
明治7年9月に本丸とまだ残っていた建物の無償払い下げおよび
城地を公園として保存することを申請した。

同年10月、伊藤博文により許可がおり、
翌年1月、大久保利通から敷地は公園とし、建物は永久保存するよう通達が出された。

そこで寄付金を元手に公園の経営に着手し、城跡の一部を改造。
天守へは1銭で入れたという。
が、すぐに経営難に陥り、荒廃した天守の修理費も工面できず、
明治17年県に公園を返納。

県営の公園となっても資金不足は相変わらずで、結局城地は荒れていった。

明治21年3月、有志により活性化プロジェクトが発足。
月見櫓の跡地に「葦陽館」を建てて貸会場とする策を練って、
株主263人を集めて建設した、とな。



これを見る限りでは、明治8年1月の一蔵どん・・・
いえ、大久保利通の通達以後は建物は取り壊されてないはずなので、
それ以前に売られていったものかと思った。

が、「新版福山城」の月見櫓の項には、
『明治12年頃取り壊されており』とある。

えええ~・・・
保存するために公園化したんじゃないの?
「建物は永久保存」という一蔵どんの指令は無視かえ?



取り壊された理由はわからないけど、貸会場「葦陽館」がここに建てられたのは、
やっぱり展望がよかったからなのかな。

「葦陽館」の名称は、福山城の別名「葦陽城」からきてるんでしょうね。

 【後世、久松城(福山城の正式名称)のことを雅名で「葦陽城-いようじょう-」と
  いっているが、「葦」は芦田川、「陽」は水の北を陽と呼びならわしていることから、
  瀬戸内海の北にそびえている城という意味で詩人などが呼びなしてはじまった
  ものだろう。(中略)当時詩人仲間では久松城を葦陽城と呼びならわして
  いたようである。】
  (「新版福山城」より。カッコ内は戦国ジジイが追加)


そして、昭和41年、現在のニュー月見櫓が建てられた。

リーフレットの解説によると、外観を復原したとあるけど、
「備後歴史探訪倶楽部」様のサイトで検証がなされていて(リンクは こちら )、
それに従って自分の写真とオリジナル月見櫓の古写真を見比べてみると、
確かに窓の位置などは違っている。

なので、内部はもちろんのこと、外観もそれっぽい感じに仕上げたもの、
と言ってよさそうだな。
そもそも私が知る限りでは古写真で月見櫓が鮮明に写ってるものってないので、
写真を元に完全外観復元なんて無理な話だもんな~。



さて、それではニュー月見櫓の外観を見てみましょう。

本瓦葺、総塗籠。
垂木の形および柱型・長押形を出す。
2階には赤いオシャレな高欄が付く・・・が、古写真では
高欄があるようなないような・・・でオリジナルがどうだったのか
イマイチわからない。

妻壁は 木連格子 。
総じて格の高い造りをしているようだけど、
なんかこの木連格子、白塗りしてある・・・
漆喰?

塗籠の妻壁に木連格子をかぶせるのはアリみたいなんだけど、
木連格子そのものを塗るってのは正しい手法なんでしょうか?

左側はちょっと木に隠れちゃってるけど、渡櫓を付櫓としていたようなので、
それを摸したものと思われる。


もちょっと、櫓に近づいてみましょう。


福山・福山城・月見櫓3



↑入口。
内部は貸会場とはいえ、あくまで櫓としての外観なので、狭い(笑)。
でもやっぱり、入口の階段の脇にはこんなものもあって
思わず笑いをそそられる↓。


福山・福山城・月見櫓7



あっ、ちょっと・・・
このメーターの右脇に落ちてるのって、瓦の破片みたいなんだけど。

瓦好きのわたくしが思わず食いつくアイテムですが、
当然オリジナル月見櫓の瓦のハズもなく・・・

ついでに中も覗く↓。
ツッコミばっかりで何ですが、本来の櫓の窓の格子の間隔は
もちょっと狭いと思われます。
これじゃ外から見通せちゃう。

ガラス越しに見ると中にはちょっと古風な木の階段があり、
この辺にはごちゃごちゃとモノが置かれていたようだった。
ホントに今も使われてるのかな?


福山・福山城・月見櫓6




下から見上げたとこ↓。
軒丸瓦は水野紋、長押形には釘隠しが付いてオシャレ感アップ。


福山・福山城・月見櫓4


やっぱり、「月見櫓」という名称からイメージされるものを
外観に反映させたって感じだな。

別に、オリジナルと違うであろう箇所があるからって、
価値がないって言ってるんじゃないですよ。
まあ、単に「外観を復原した」よりは
「古写真などを元に、おおよその外観を復元した」って
正確に表現してくれた方が誤解を招かなくてグッドだとは思うけど。


入口付近、南側から下を見たところ↓。


福山・福山城・月見櫓5から二の丸



終わりかけの紅葉が半分ほどを占めてますが(笑)、
この正面の先の方は大手よりちょっと東側の場所にあたる。

現在では木の上に写っている福山駅の建物に遮られちゃってるけど、
往時は確かに南側の城下はよく見渡せただろうと思う。


で、櫓の南側の面を下から見上げるとこうなります↓。


福山・福山城・二の丸25・月見櫓下


初重南面は軒唐破風。
紅梁には柄が彫られ、水野紋の蟇股付き。


福山・福山城・二の丸26・月見櫓



瓦は1回くらいは葺き替えられてるんじゃないかと推測されるので、
後期には軒丸瓦は阿部紋あたりになってたんじゃないかと思うけど、
蟇股はどうでしょう・・・

櫓の蟇股なんてほとんどお飾りだろうし、あまり替える必要もなさそうだから、
伏見城からの移築説が正しいのであれば、取り壊されるまでずっと
葵紋のままだったかな?
オリジナルに蟇股があったなら、の話だけどね。


で、2枚上の写真の、建物と石垣の接する部分が
上記リンク先の「備後歴史探訪倶楽部」様のページに書かれている
でこぼこなままの石垣ね。
ホントだ、言われるまで気が付かなかったな~。


真ん中部分は出窓型石落とし。
が、古写真では確かに軒唐破風になってはいるものの、
出窓かはよくわからないし、石落としがあるのかはもっとわからない。

それに、どうも窓の数が違うように見える。



今度は付櫓の方へ。
付櫓の北面↓。


福山・福山城・月見櫓11



左手前にあるのは


福山・福山城・月見櫓9


井戸?
の再現?
ちょっと意図がよくわかりませぬが・・・

で、たしか写真正面の土塀の狭間から覗いたとこ↓。


福山・福山城・月見櫓10から二の丸東側


すぐ下は現在二の丸と呼ばれる郭。

その先には現代的な景観が広がってますが、現在三の丸と呼ばれる一帯であり、
正面にあるピンクの建物が今回の私のお宿。
ふふふ、キャッスルビュー、楽しみだなあ


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最終更新日  2013年07月10日 22時18分46秒


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