戦国ジジイ・りりのブログ

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2014年08月08日
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カテゴリ: 江戸めぐり
明暦の大火供養の仏像の隣にはもうひとつ供養碑がある↓。


巣鴨・本妙寺18・安政地震供養塔


なんか無縫塔のような形してるけど・・・
以前は銘まで見なかったので、セットで明暦の大火用かと思ってたけど、

  當山草創巳来古墳無縁霊魂
  南無妙法蓮華経
  安政●地震歴死焼亡群霊供羪

と表にあり、裏には「安政三・・・當・・・一六世」だけは読めるけど、
真ん中の部分が大きく欠損しているのでよくわからない。


安政3年(1856)に本妙寺16世住職が建立したってとこかな。

真ん中の「南無妙法蓮華経」は日蓮宗独特のひげ文字。
本妙寺は法華宗らしいです。



さて、本妙寺はこれでおしまい。
寺の前の道をそのまままっつぐ進んで、再び染井霊園へ入ります。

これは結構細い道なんだけど、歩いてるとやたら後ろに子供を積んだ
自転車が通りすぎていく。

なんで揃いも揃って子供を満載してるのかと思ったら、
霊園の隣は「東京スイミングセンター」なんだよな。
このプールはわたくしが物心ついた時からあるので、
結構古いよな~。


近くを通りそうな脇道がなくて、やっと出てきた小道を入ってみたら
お目当ての宝篋印塔ではないものの、やたら立派な墓があった↓。


巣鴨・染井霊園・山内家の墓



ここは一般の墓地のように細かく仕切られてはおらず、
広い区画。


中には(もと)武家の墓もある。
墓石もこれだし広いし、見るからにパンピーの墓じゃないので
もしや名のある家の墓じゃ・・・と思って墓石に刻まれてる部分をズームしてみたら


巣鴨・染井霊園・山内家の墓2



書き出しには「山内豊城翁」とある。
「豊」の字を使ってるので山内一豊の子孫の家系かと思って嬉々として写真を撮った。

・・・が、帰ってから「山内豊城」で検索してもわずかな件数しかヒットせず、
さらにその中で土佐の山内家っぽい記事はない。

いや、あるにはあったんだけど、それは土佐の藩主・山内豊城が
日本で初めての睾丸摘出手術を受けたという簡単な内容だった。
そうだよな、やっぱ土佐の山内さんちだよな~と思って山内家の系図を見たけど、
豊城の名前はない。

しょうがないので、睾丸摘出手術の方の記事を見てみたら、
確かにその手術を受けた人のようではあるけど、土佐の山内関係ではないらしい。
でもせっかく調べたので、以下「国立病院機構 千葉医療センターニュース」(第42号)
から簡単にご紹介します。


山内豊城(とよじょう)は文政5~6年(1822~3)の頃に
興津隼人(←誰だか不明)の祐筆を勤めるかたわら、手習いにも行っていた。
そこで手習いの仲間である田辺庄右衛門(佐藤泰然)と親しくなり、
妻「川端せい子」の妹を泰然が娶り、さらにお互いの子供同士が結婚するなど、
かなり親密な間柄だったらしい。

上の写真の左半分は奥さんに関する銘のようですが、
これには「河端清子」と刻まれている。

泰然は長崎留学で蘭学を学び、江戸に戻ってきた。

弘化4年(1847)頃から豊城の右睾丸が腫れ、潰瘍ができて痛み、
嘉永2年(1849)正月頃には歩くのもままならなくなるほどだった。

47歳の豊城は、義弟にあたる泰然(46歳)らに相談するも、

こりゃ、「取る」しかないね~

という宣告を受ける。

ただ、取るとは言っても、手術のノウハウが書かれた文献はあるものの、
時代の先端を行く当時の日本人蘭方医たちには当該手術の経験がない。
しかも難しい手術ということで、豊城は迷ったらしいが、
ついに手術を受けることを決断する。

この時の経験について豊城は「玉とり日記」なる随筆を残しているそうで、
手術前の心境を

身をせむるあだとしきけばけふこそは
       いざ切りすてめしぬをまためや

と詠んでおるそうな。

現代で医療ミスが起こると、ろくな経験のない医師が執刀してるなんてオソロシイ話が
話題になったりしますが、豊城の場合は医療チームの指揮者から
執刀医まで完全な未経験者揃い。
頼りは本だけ。
麻酔もなし。

まあ、すでに豊城の股間は「はちすのはなのひらくごとく」だったというから、
選択の余地はなかったんでしょうけど、それにしたって想像するだに恐ろしい

こうして、嘉永2年(1849)11月4日、本邦初の睾丸摘出術が始まった。
執刀医は3人、指示を出す役が1人、本で手順を確認する役が1人。
それから麻酔がないので、術中の豊城の気分を聞く「薬係り」が1人。
豊城の足を押さえる役が2人。
あと外回り2人ってあるんだけど、雑用とか見守り役かな。

上記サイトには「玉とり日記」の本文が掲載されてますが、
結構長いので簡単にジジイ風現代語でご紹介します。


艮斎(ごんさい:執刀医・三宅艮斎)は刀をおろして、陰茎の脇から「ふぐり」の右側を
  18センチほど断ち割ったが、ただヒヤヒヤもんだったよ~。
  ちょうど昼の12時の鐘が聞こえた頃だったな。

  今度は切った中を見たらしいんだけど、時おり響くこともあったけど、そんなに痛くも
  なかったし、我慢できないほどじゃなかったよ。中に水を注いで洗ってる時は冷たく
  感じたよな。医師たちは様々な術を施して、精系を糸で結ぶ時はもうこれまでか~と
  観念するだけで、腹の中に何か入ってくる感覚があったな。

  そうしてほどなく「ふぐり」を切り捨てると、そういう感覚はなくなったな。それで、
  いよいよ切り離す段になって、左右につながる筋などを切ったんだけど、2~3回は
  響く感じがしたものの、大したことはなかったよ。この玉を取った感覚というのは、
  なんともすっきりと清々しいものだったな~。

  それで、千歳の命も尽きたと心も落ち着いたんだけど、傷口を縫う時ってのが結構辛くて、
  周りの人に笑われちゃったよ。手術が終わる頃にはもうとっぷり日が暮れてたんだ~。


ま、大体こんな感じでしょうか。
11月だから日の短い時期ではあったけど、術前の準備も含めると
最低でも5~6時間はかかってそうだよな。
上記サイトの推定によると、豊城の病気は睾丸結核、奇形腫、精上皮腫の類か、とある。

「ふぐり」はイヌフグリなどの名称で御存知の方も多いでしょうが、
つまりは睾丸のことです。

いやあ、今回からはとっとと話を進めるつもりでしたが、
思いがけず面白いものに出会ってしまったので、つい・・・

しかしホント、勇気あるよな。
男性のみなさん、無麻酔でタマ取る度胸ありますか?
私ですか?
私は根性出そうにも、あいにく持ちあわせがございませんので・・・

わたくしのブログでは、汚物とか「下」の話は準レギュラー格ですが、
医療従事者ではないものの、それに多少関係する仕事をしておりますもので、
このテの話も恥じらいというものがございませんのよ。
ホホホ。



さて、豊城の墓付近から周りを見渡しても、あの立派な宝篋印塔群は見えない。
ちょっと来すぎちゃったかな・・・
でも暑かったのでもう今回はいいやと諦めて先へ進むことにした。

それで、この道を突き当りまで行くとスイミングセンターの裏手に出ますが、
そこに花吹雪公園なる広場があってベンチもあったので、ちと座って休憩。

ああ、もう10:30だ・・・
10時頃には地蔵通り商店街の方へ移動したかったんだけどな。
凍らせてきたアクエリアスで体を冷やして、ついでに持参したシリアルバーで
軽く腹ごしらえ。

今回は12時には行動を切り上げるつもりだけど、
昼ごはんを食べなきゃならないくらいまでは行動しない、
とも固く心に決めていた。

ので、最近では都内へも弁当持参で史跡めぐりなどをしてますが、
今回持ってきた食料はシリアルバー1本と、
小腹が減った時用のクッキーバー「ぐーぴたっ」だけ。
これで耐えられなくなったら、もう絶対帰る。

その貴重な食料をここで半分消費しました。
汗はダラダラだし、ちょっとピッチを上げていかないとな・・・
つっても、早くは歩けないんだけど。

霊園にカラスはつきものですが、この時も数羽のカラスがすぐ近くにいた↓。


巣鴨・染井霊園・公園にて



私のすぐ真後ろにも1羽いたので、食料を奪われないように
隠しながら食べてたんだけど、ここにいた子はみんな口を開けてた。
カラスも暑いのかな・・・


休憩を終えて、公園を出る。
霊園のはじっこにあたる公園の隣の場所はこうなってます↓。


巣鴨・松浦家墓所1



霊園内に最初入った時の看板で、ひとつ寄るところを増やしたので
それを次のお目当てにここまで来たんだけど、門が閉まってる・・・
えええ~、中見れないのお~?

んでもいじましく、門の隙間から中を撮影↓。


巣鴨・松浦家墓所2



中には墓がいくつか、それと奥の方には鳥居が見える。
なんとか見えんもんかな・・・

そうだ、公園の方はこんな立派な塀はなかったから、
脇から覗き見はできるだろう。
そう思って、ふたたび公園内へ。



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最終更新日  2014年08月09日 00時02分17秒


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