戦国ジジイ・りりのブログ

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2015年06月12日
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カテゴリ: 旅日記(近畿)
感じ方は人それぞれでしょうし、わたくしも別に霊感なぞがある訳じゃないですが、

現代風に俗っぽく言えば「パワースポット」て感じでしょうか。

円仁さんが「最後の修行」と覚悟をした場面でこの横川を選び、
また浄蔵が平将門調伏の修法の地に横川を選んだ( 「125)」 参照)というのも
横川を実際に訪れて初めて納得できた。

ただ、そういう場所には相性がある。
横川を愛した歴史上の著名人たちはおそらく横川が霊地であるがゆえに

浄土院 や 慈忍和尚廟 のように「ずっとここにいたい」と思うこともある。

初めて行く場所で何か気に入らないことがあると、「相性が悪い」と思ったりもする。
ここまでに書いたように、ぶっちゃけ現地では四季講堂の印象はイマイチだった。
だけど、愛してやまない良源さんの本拠地だから
「相性が悪い」の一言で切ってしまいたくもなかった。

それでも、横川でのわたくしは明らかにおかしかった。
四季講堂ではギリ鬼大師のおふだに救われたけど、
最もおかしな行動はこのあとの第2のお目当てで顕著に現れた。

ほかの場所だったら「拒絶されてるのカモ」と感じて
「相性が悪い」と結論するところだけど、「拒絶されてる」と認めたくはなかった。


「横川に狂わされた」

というものだった。

別にこわい場所という訳じゃないから、安心して横川においでください。
ただし、同じ霊地でも他の二塔とはかなり雰囲気の違うエリアであることは確かです。


さて、四季講堂を出ると右斜め前にはこれがある↓。


叡山3・横川31



やはり優先順位というものがあるので、四季講堂のあとで行こうと思って
着いた時にはスルーした。
で、いよいよ行ってみようと思って石碑の脇にある道を見ると


叡山3・横川46・道元旧跡への道


うわ、最悪・・・
コンクリの上に薄く積もった雪というのは、最も滑りやすいのだ。
脇には手すりもあるけど、どこまで手すりがあるかもわからないし、
延暦寺会館の脇なんかは相当凍ってたから、谷に下っていくこの石段も
ところによっては凍ってるかもしれない。

こうなってくると、なまじ整備された道よりは山道に雪が積もってる方が
よっぽど安全に歩けるもので、ゆっくり歩くにしてもそれなりの距離がありそうだから
相当時間がかかってしまう。
しかも、ケガしないという保証はどこにもない。

とゆー訳で、曹洞宗の宗祖・道元さんの旧跡を訪れるのは諦めました。
で、ここからは四季講堂の前の道を進みますが、まず大きな宝篋印塔があった↓。


叡山3・横川47


これは最澄たんの出家得度1200年を記念して
兵庫の相應峰寺から奉納されたものだそうな。
その先にある小さなお宮が叡山三弁財天のひとつ、箸塚弁財天。


叡山3・横川49・箸塚弁才天


転法輪印の付いた手水鉢では、雪をかぶった龍が凍えて
もはや鉢へ供給する水も吐き出せないようだった↓。


叡山3・横川51・箸塚弁才天


道なりに進んでいくと次に出るのが行院↓。
ここは修行道場で一般人は立入禁止。
ガイドブックには「常に読経の声が響いている」みたいに書かれているけど、
この時は声が聞こえてきた記憶はない。


叡山3・横川52


この向かいにも小さなお宮がある↓。
叡山にはてんこ盛りの伝承があるので、こういった小さな祠にも
いちいちいわれがあるんでしょうが、鳥居にある扁額はもう読めなくなっていた。


叡山3・横川53


行院の先で道は二手に分かれる。
まっつぐ行くと、日蓮さんが12年間修行したという定光院に着く。

日蓮さんはあまり一つ所に長くいなかったようで、
ゆえにゆかりの地が沢山あるようだけど、人生の中で定光院での滞在が一番長いんだそうな。

少し前にYouTubeで回峰行関連の動画などを色々観ていた時、
たまたま定光院を紹介している動画を見つけた(第17回「上田尚史のシャカリキ・ドン!」)。
それはお坊さんが定光院に勤める主任のお坊さんと対談するという番組だったんだけど、
叡山にある寺なので当然2人とも天台宗のお坊さんかと思っていたら、
対談が進むにつれどうやら2人とも日蓮宗のお坊さんらしいことがわかった。

それによると、定光院は叡山の中にあるから延暦寺の寺ではあるんだけど、
管理は日蓮宗がしているのだという。
日本仏教の母胎と言われる叡山には、これまでの記事で紹介してきたように
お祖師たちの旧跡もあちこちにありますが、僧坊が現存しない所がほとんどなので、
こういう管理の仕方をしているのは定光院ぐらいじゃないだろうか。
ほかに新仏教系で建物が残ってるのは 蓮如堂 ぐらいだもんなあ・・・

ま、建物があろうがなかろうがお祖師たちの旧跡は各宗派の僧侶や信者にとっては
大事な場所なのでそれなりに大切にされてお参りに来るんでしょうが、
管理まで任されるというのはすごい。
当然、定光院には日蓮宗から団体参拝に来たり、動画に出ていた日蓮宗の上田尚史師も
よく定光院を訪れると言っておられた。
なんでも、定光院は日蓮宗の宗門史跡なんだそうな。

ただ、行院から定光院までは少し歩きそうだし、だいぶ時間も押してたし
それより何より本日のハイライトがもう目前だったので
ここは定光院への道を取らず、左の山道に入る。

ま~、これで叡山が輩出したお祖師たちが出そろった訳ですが、
いわゆる「鎌倉新仏教」については色々と説があるものの、
一般的な6宗のお祖師のうち叡山から出ていないのは一遍だけかな?

今回の旅では横川の道元・日蓮旧跡には行かれなかったので
お祖師旧跡全制覇とはならなかったけど、今こうして記事を書いてると
これはこれで良かったのかな、とも思う。

なんでかって、いくら簡単に書くにせよ叡山卒業生のお祖師全員を紹介するとなったら
大変じゃないですか~!(←ホンネ)
ここまでで出てきたお祖師についてはまだこれから書くつもりなので、
本シリーズの最終回まで一体あと何話かかることやら


四季講堂から行院までは舗装路だったんだっけか。
けど、分岐からはこんな道↓。


叡山3・横川54


位置としてはこれから四季講堂の裏手へ回り込んでいく感じなんだけど、
一歩入っただけでがらりと雰囲気は変わる。

横川は標高自体はそう高くはないけど、山深いせいなのか
東塔などが晴れていても横川だけ雨だったり雪だったりということがあるんだそうな。
当然他よりも積雪は多い訳で、低い場所は日陰も多くなるから
一旦雪が積もるとなかなか溶けないんだという。
上に書いた動画では、定光院にはなんと除雪機の備えがあると言っていた。

道は緩やかに下っていく。
分岐から次のお目当てまでの道は「猿馬場」と呼ばれる。
山道にうっすらと積もった雪には足跡が付いてなかったので、
ゆんべ雪が降ってから今日はまだ誰も猿馬場を通って参拝していないらしい。

静寂の中、ゆっくりと雪を踏みしめながら歩いていくと5分ほどで
本日のハイライトにして次のお目当てに着いた。


叡山3・横川55・慈恵大師御廟


カンのいい方はわたくしが何を目指していたのかとっくにおわかりでしょうが、
これが慈恵大師良源さんの墓所「元三大師御廟」。
御廟は「みみょう」と読みます。

ええと、先に良源さんの残りの話を書いちゃおうかな。

本シリーズの前半では最澄と桓武を中心にみっちり時代背景を見ていきましたが、
後半では良源さんの時代を源信・禅師の君・政界と色んな角度から見ているので
あちこちで良源さんのことを書き散らしてしまった
が、まとまった話としては 「140」 の続きって感じになりますかね。
過去の記事と多少重複する部分もあるかもしれませんが、ご容赦ください。

真言宗の寛朝が「降魔の姿を見た」と語った天元4年(981)の五壇法 によって
円融天皇の病は奇跡的に回復。
修法を行った験者たちはそれぞれ褒賞され、寛朝は僧正、余慶は権大僧都、
禅師の君は権僧正となった。
69歳の良源さんはあの行基様以来の大僧正となり、
参内に輦車(てぐるま)の使用を特別に許可する「輦車の宣旨」が出され、
さらに法服・念珠や金百両などが下賜された。

「ブリタニカ国際大百科事典」によると輦車は

 【東宮以下大臣をはじめ大僧正が乗ることを許され、また女御、一部の更衣にも許された。】

というもので、『源氏物語』で継子の明石の女御の入内に付き添った
紫の上が乗っていたのも確か輦車だったよな。
ただ、紫の上は叙位を受けておらず臨時の宣旨が出されただけってことで
それも異例の扱いではあるでしょうが、そもそもあれフィクションだからな。

しかし、良源さんの「輦車の宣旨」は紛れもなく現実の出来事。
235年ぶりの大僧正の誕生だから平民の出で輦車に乗った人は
過去の歴史でもほとんどいないハズで、大僧正への昇進ともあわせて
僧侶として最高の栄誉を勝ち取ったことになる。

単独での栄誉に加え、 三僧正の誕生 という実にめでたい運びとなった。


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最終更新日  2015年06月12日 23時34分46秒


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