戦国ジジイ・りりのブログ

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2015年07月28日
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カテゴリ: 旅日記(近畿)
その先が玄関。

叡山4・毘沙門堂116


叡山4・毘沙門堂117


叡山4・毘沙門堂118


ここだけ見ると、なんか禅宗寺院のようだな。
雲板ってフツーは結構高いところにあるもんだけど、これ鰐口??
しかし、鰐口だってこんな低い位置には吊らない。
貼り紙には「御用の方は銅鑼を鳴らしてお知らせください」てなことが書いてあるけど、
叩くものが置いてないぞ。


玄関の向かいにあるのが薬医門↓。

叡山4・毘沙門堂119

これだって本瓦葺の立派な門なんだけど、
豪華で重厚感のある勅使門を見たあとだとやけにつましく見える・・・
こちらの留蓋は

叡山4・毘沙門堂120

う~ん・・・
ハスの葉っぱとつぼみ、かな?
可憐なハスの花が咲いたのでも良かった気がするけど、
大輪の花にしないところが日本人ぽいとも言える(笑)。
上の写真にも写ってますが、薬医門の大棟周辺は

叡山4・毘沙門堂121

菊・きく・キク・・・・・

メインの境内の西端にあるのが庫裏↓。

叡山4・毘沙門堂122


叡山4・毘沙門堂123

建物群はひとまず以上ですが、まだ終わりじゃありません。

わたくしのもうひとつのお目当てがあるということだったので、
そのまま道なりにここを出ます↓。

叡山4・毘沙門堂124

道路に出て北へ少し向かったところにお目当てがあるということだったけど、
まず右手に墓地があるのが目に入った。
ふっ・・・そうです、次のお目当ては墓地でございます。

叡山4・毘沙門堂125

う~ん・・・
かなり古そうな墓石もあるけど、シンプルだからこれじゃなさそうだな。
でもとりあえず入ってみた。
上の写真の右手に写ってるのがここに眠る方々を記した墓碑で、

CIMG0940

大僧正とか法印とか天台座主とか探題とかいう文字が刻まれてるけど、
スタートが昭和21年でラストが平成11年だから、
最近の歴代門跡のようだな。
んでも、明らかに昭和のものじゃない古い墓石が気になるので
奥から写真を撮ってきました。

叡山4・毘沙門堂126

無縫塔は一番奥のこれだけで、あとは

叡山4・毘沙門堂127

といった感じのシンプルなスタイルに変わる。
うん、やっぱりここじゃなかったな。

墓地を出てまた少し進むと、左手にお目当てを見つけた。

叡山4・毘沙門堂129


叡山4・毘沙門堂130


叡山4・毘沙門堂131

はいい~、輪王寺宮の墓地でございます
2枚目の写真の手前にはシンプルな現代風の扉が取り付けられてますが、
カギがかかってて中には入れません。

でも 寛永寺にある宮の墓所 はガードが固くて中の様子は一切覗けないし、
日光にある墓所はおそらくほとんどが供養塔だろうけど、
場所がわかりづらくてまだわたくしは行ってない・・・
でも、現在では日光の墓所も拝観できないんじゃないかな。

てことで、宮のゆかりの品々に引き続き、
中に入れないながらも宮にゆかりの深い寺の中ではもっとも手軽に
輪王寺宮の墓所に参拝できるのがここ毘沙門堂でございます。

寛永寺シリーズでも書きましたが、輪王寺宮は僧侶でありながらも
「輪王寺宮家」の当主でもあるので、皇族である宮の墓所は宮内庁の管轄のようです。
白いテントのお姉さんに聞いた耳寄りな話というのは、
宮の墓所には宮内庁の職員が定期的にお掃除に来るというもの。

実はこの旅から帰って寛永寺の両大師に行った時に、
売店コーナーで両大師にある宮の墓所についても聞いてみました。

両大師の売店コーナーにはたいてい若いお坊さんがいるんだけど、
この時は職員のおじさんで、良源さんグッズを買ったついでに
両大師の墓所にも宮内庁からお掃除隊がやって来るのか聞いてみたら、
やっぱり来るんだとのこと。
月イチぐらいかと思ったら、確か2週に1回のペースで来ると言っていた気がする。

教えてもらったわたくしは「おお、やっぱりそうか~」と喜んだものの、
そんなことを聞く人間はやはりおらんらしく相当不審者に思われたようで、

「なんでですか?何かあるんですか?」

と思いっきりけげんな顔をしておじさんに聞き返された。
おじさん、毘沙門堂の墓所のこと知ってるかな・・・
でもいちおう、




と言ってみたけど、おじさんの「うろんな奴」という表情は変わらなかった。
まあさ、歴史ファンなんて変わり者が多いから(私だけか?)
中には宮に食いつく人間もおるのだよ、おじさん。

しかし、そうなると宮内庁ってのも結構大変だな。
陵(みささぎ)にはそんなに沢山行った訳じゃないけど、
わたくしが見たのはどこも綺麗になってたもんな。
奈良や京都なんて古い都には沢山陵があるし、その上皇族の墓所まで管理するとなったら
それだけでかなりの人件費がかかってるってことだよな。



さて、毘沙門堂の宮の墓所を紹介する前に、
1人の輪王寺宮に仕えた男の手記を紹介します。

これが本シリーズの当初から予告していた「イベント」で、
最近諸事情により更新頻度が落ちてるせいもあって
本シリーズの完結まではまだ先が長いのでもう書くのをやめようかとも思いましたが、
こんな史料を紹介する人間もそうおらんだろうし、
せっかく史料を入手したのでやはり書いておくことにしました。
ここ以外では書く機会もないだろうからね。

男の名は、薗田秀延(そのだ・ひでのぶ:1676-1748)。
本ブログでもおなじみの、寛永寺門主第5世にして輪王寺宮第3世である
公弁法親王に仕えた方です。

輪王寺宮は僧侶としての側面と宮家の当主としての側面との2つを合わせ持っていた。
そういう高貴なお方だから側近も当然沢山いて、
僧侶としての宮に仕える人達を「院家」(いんげ)、
宮家の当主としての宮に仕える人達を「坊官」(ぼうかん)といったそうな。

院家は僧侶だけど坊官は輪王寺宮家の家臣であり、身分は武士。
公弁法親王より7歳年下の薗田秀延は坊官の1人だった。
寛永寺の僧侶であり寛永寺研究の第一人者と思われる浦井正明氏の解説によると
秀延は坊官の中でも結構上位にあったようで、
14歳の時からずっと宮に仕えていた秀延の宮への深い愛がつづられた文章を
今回紹介する訳ですが、本文は次回から始めるとして少し史料紹介をします。

秀延の遺稿集は『玉川子園田君遺稿』というもので、
宮以外のことを書いた文章も収められている。
これは現在は横浜市港北区にある金蔵寺に伝わるもので、
金蔵寺の所蔵文書を整理した横浜市歴史博物館が秀延の遺稿集に着目して
博物館の関連組織「横浜古文書を読む会」に解読を依頼して
活字化して一般に紹介してくれたものをわたくしが手に入れた訳です。

そのあたりの経緯なども本文とあわせて『横浜市歴史博物館紀要 VOL.9』に
紹介されてますが、ま、いくら秀延が宮に仕えた坊官の上席者といっても
歴史の中ではマイナーもいいとこなので、まず秀延が何者なのか突き止めるにも
色々大変だったらしい。
歴史の研究ってのはこうした地味な作業を積み重ねて出来上がるものなんだなと
つくづく思いました。

わたくしがこの史料の存在を知ったのは寛永寺シリーズでさんざんお世話になった
『上野寛永寺 将軍家の葬儀』(浦井正明著/吉川弘文館)で、
『遺稿』には5代将軍・綱吉の葬儀に関する手記もあって、浦井氏によると
幕府の公的な記録とはまた別の角度から見た記録ということで貴重なものだそうだけど、
宮に関する手記もまた貴重なものらしい。

宮に関する秀延の手記は「手むけ山」(たむけやま)と題したもので、
秀延がこよなく愛する公弁法親王の死から始まっている。

 【なお、こうした現実に即した宮の死に関する記録は、現在のところ他にその例を見ない
  もので、将軍の死時の記録との比較という一点から考えても、また葬送儀礼の研究から
  見ても、きわめて貴重な史料なのである。】
  (『上野寛永寺 将軍家の葬儀』より)

そういう貴重な史料だけども、ネットで検索しても歴史ファンで
この史料を紹介している人はいないらしい。
幸い、『上野寛永寺 将軍家の葬儀』にはかいつまんでの解説が載っているので、
浦井氏の解説を参考にしつつ秀延になりきってわたくしの感性で
書いてみようと思います。
ただ、訳文としては当然正確性に欠けるので、詳しく知りたい方は
『横浜市歴史博物館紀要 VOL.9』(横浜市歴史博物館発行)を
ご覧になってください。


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最終更新日  2015年07月28日 23時51分23秒


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