戦国ジジイ・りりのブログ

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2016年01月19日
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カテゴリ: 江戸めぐり
一石橋の歴史は意外に古く、江戸初期にはすでに木造の橋が架けられていたという。

前回の図で外堀の東側の町人地は、日本橋川の北に金座があり、
金座の南には「本両替町」、日本橋川の南に「呉服町」があった。
一石橋の名の由来は、元の橋が破損した際、本両替町住人の金座支配・後藤庄三郎さんと
呉服町住人の呉服町頭取・後藤縫殿助さんのダブル後藤が援助して橋を再建したため、
後藤を「五斗」として五斗×2=一石と洒落たものだそうな。
また、後藤さんの再建につきまんま「後藤橋」と呼ばれていたともいう。

そのほか、「八つ見橋」という名も持つ。
これは一石橋の上から一石橋も含めて8つの橋を一度に見渡せたことに由来するそうで、


八つ見橋


まず一石橋で1つ。
外堀に架かる常磐橋・呉服橋・鍛冶橋で3つ。
道三堀の道三橋と銭瓶(ぜにかめ)橋で2つ。
日本橋川の日本橋と江戸橋で2つの計8つ。

条件的には銭瓶橋なんかも8つ見通せそうだけど、
ちょっと外堀より内側に入ってるからな・・・
角度と位置のわずかな差で、一石橋の方が橋見には有利だったのかもしれない。
それに、コの字になってるところは言わずと知れた桝形門で、
外堀より西は町人が気軽に立ち入れないエリアでもある。

現在では一石橋は呉服橋に名称を乗っ取られたような形で
あまり世間に知られてはいないけど、かつての一石橋は八つ見の橋ということで


現在?
・・・は、常磐橋方面は手前の道路に遮られてるし、
日本橋方面は前回ラストの写真のように首都高に遮られてこれまた見通せない。
道三堀や一石橋から南の外堀は埋立てられてもう橋はないし。


さて、一石橋に背を向けて外堀通りを南下するとすぐ呉服橋交差点がある↓。


東山御物展・呉服橋交差点


写真に写ってる車道の半分から向こう側はかつての外堀。
外堀通りとクロスするのが永代通り↓。


東山御物展・呉服橋交差点2


これが道三堀だったら楽しいのだけど、
あいにく道三堀はちょっとうねった形になっていて現在の永代通りとは重ならない。
が、上の写真でビルに挟まれている車道の向かって右半分くらいの位置に呉服橋があり、
橋の向こうには桝形を具えた御門があった。


呉服橋の交差点を渡って信号待ちをしていたら、福山通運のトラックが停まってた。
も~う、「福山編」以降福山通運のトラックを見かけると
バックを確認するクセがついちゃって、この時もさりげなくチェックすると


東山御物展・ばらのまちステッカー


あったあ~!
ばらのまちステッカー !!
時々、ステッカーを貼ってないトラックも見かけるけどね。
これを見るとちょっと嬉しくなる。

ここから永代通りを西に向かいます。
外堀通りを渡る時に南側を撮った写真↓。


東山御物展・外堀通り


場所によっても多少の違いがあるけど、この場所は車道がまるごと外堀という訳ではなく、
車道部分は往時も通りになっていて、右に写ってる建物あたりが堀。
なので、呉服橋交差点で外堀通りを西に向かって渡る時には
ちょうどこれから呉服橋を渡ろうかという格好になる。

それで、右に写ってる新鉄鋼ビルはこの時工事中だったんだけど、
工事用外壁にはかつての呉服橋の写真のパネルが展示されていた↓。


東山御物展・明治元年呉服橋


たった150年ほどで街並みがこれだけ変わるなんて、
当時は誰も思わなかったに違いない。
それにしても、かつての外堀は石垣で覆われていたのに、
江戸城を守った大量の石たちはどこへ行ってしまったんだろう。
今もビルの下に埋もれてるのかな?
いやでも、近代の大規模ビルなんて基礎工事でかなりの深さまで手が入るみたいだから、
石垣の石がゴロゴロ埋もれてたら邪魔か。

永代通りを西に進んでいくと、通りの反対側に誰かいた↓。


東山御物展・プロメテウス?


ナニアレ・・・
金色のメロスが走ってるのかと思った

永代通りを西に歩いていくと、JRの高架が現れる。
すぐ南には東京駅。
永代通りの北側は大手町、南側は丸の内。
歩くわたくしの眼にはオフィス街らしい光景が映る↓。


東山御物展・大手町


これが大手町ファーストスクエアで複合ビルなのかな。
大体この辺りが道三堀を渡るような格好になる場所で、
大手町ファーストスクエアのあるあたりにはかつて「御作事方」があり、
道三堀を挟んだ向かい側には「御評定所」や「伝奏屋敷」があって、
永代通りはこの先で「歩兵屯所」を突っ切る形になる。

それを突っ切ると出るのが

東山御物展・江戸城へ


江戸城。
日本一の巨城がもうひとつの「将軍たちの宝」でございます。

実はわたくし、江戸城をまともに見たことがございません。
もちろん、堀越しに見たり新年の一般参賀で皇居に行ったことなどは何度もあるけど、
城に興味を持ってから中に入ったことがなかったんです。
ので、せっかく日本橋まで来たんだし、ここはやはり登城しておくべきだろうと思って。
しかし、この時点からすでに多くの観光客の姿が遠くに見えている。
ここはガイジンも多く来るだろうし、人が多そうだけど仕方ない。

写真奥の真ん中あたりに見えてるのが現在の大手門。
かつては写真を撮った場所あたりに「腰掛」が設置されていた。
定例や行事の際の大名の登城日にはこの付近もかなりのラッシュだったことだろう。



え~、やっと江戸城までたどり着きましたが、
ここで少し江戸城の始まり頃までの歴史の話に移ります。
まずは『落穂集』が語る江戸城の創始から。

Q:ご当地のお城はいつ頃、誰が縄張りを行い、築いたのですか?

  A:私が若い頃に聞いた老人の話によりますと、以前相模の国に「両管領」といわれる
    上杉氏がおりましてな。一方は山内殿、もう一方は扇谷殿といいまして、扇谷殿の家老に
    太田備中守資清という人がおりました。資清の子息には左衛門大夫資長がいて、出家して
    道灌斎と名を改めました。道灌斎は文武両道に秀で、とりわけ築城術にたけた人でも
    ありました。

    道灌斎は当時、武州川越の城主だったんですが、鎌倉との連絡のために江戸付近に
    ひとつ城を設けようということになり、あちこち場所を物色して最初は元吉祥寺
   (現・水道橋付近)の高台に地面取りを始めたそうです。そんなある日の夜、
    夢でお告げを受けたそうで、道灌斎がこれから築城しようとしている場所に行って
    葉のついた竹を城の縄張の境界へ刺し、土地の百姓を呼んで聞きました。


 「この竹より内側の村の名はなんという?」
 「へえ、千代田、宝田、祝言村という三ヶ村です」
   「国の名は武蔵、郡の名は豊島、村の名は三ヶ村とは実にめでたい名ではないか。
    ここに城を築けば末々までの当家の繁栄は間違いないな。
    よっしゃ、ここにけって~!!」


   としてこの場所に決めたそうで、したがって権現様の御入国以前はこのお城は
   「千代田が城」といったそうですよ。
   (巻1)



というちとウソくさい話になってますが(笑)、
江戸付近は河口なので高台を選ぶのは当然のことでもあり、
ゆえに秩父から進出してきた 秩父流平氏の江戸氏 も同じ場所に館を構えたのだろう。

ただ、大川(隅田川)の東側と違って東京湾奥の西側エリアは起伏に富んだ地形でもあり、
選択肢はいくつかあったものと思われる。
塩見鮮一郎氏は上野のお山も好条件を備えた場所だろうに、
なぜか上野は一度も城が建てられなかったのが不思議だとしておられる。

 【当時の城地にしては、少々、広すぎたのかもしれないし、木々がうっそうと茂り、
  手を加えるのが大変だったのかもしれない。その山中には、細い道が一本通じ、
五条天神 (上野公園内にある)とか小野照崎神社(小野篁をまつり、今は台東区下谷)
  などがあるだけだった。】
  (『賤民の場所 江戸の城と川』河出文庫より)

う~ん、江戸氏の館、太田道灌の江戸城ともに徳川の江戸城と同じ場所にある。
けど、同じといっても規模はケタ違いで、江戸氏・太田氏はのちの江戸城本丸の場所に
城を構えた。
本丸はのちほど紹介しますが、ひとつの郭としてはかなり広い。
が、同じ広さでもそれが城の一部なのか城全体なのかではずいぶんと違ってくる。

城全体として考えれば、本丸エリアは道灌当時としては確かに手頃な広さともいえるし、
それに比べれば上野のお山はちと広すぎるような気もする。
でも場合によっては上野のお山が日本の中心地になってた可能性もあった訳だよな。
上野に城ができてたら、あるいは今頃パンダさんがいたのは千代田だったのかもしれない。



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最終更新日  2016年01月19日 22時22分11秒


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