PR
Free Space
Calendar
Comments
Freepage List
「ブルブルッ!」
打ち合わせ中にポケットの中のiPhoneがバイブで何かを告げる。引っ張り出してチラ見すると、地震予測アプリ「ゆれくるコール」が東京で震度2の地震。震源は三陸沖、、、数日前に大きな地震があって、余震が何度も続いているところだ。またか、、、。
場所は飯田橋駅の南、ファイナンシャルアカデミーのオフィス。セミナー講演の打ち合わせをしていたところだった。テーブルの向かいに座ったJFAのFさんが、たずねてくる。
「何ですか?」
「あぁ、地震予測のアプリですよ。震度2が来るみたいです。」
と言って少し経ってからユサユサと揺れ始める。
ちょっと大きいなと思ってもう一度見返すと震度5強になってる。
「これは、、、ヤバいですよ!」
既に周りは大きく横揺れし始めてミシミシと聞きたくない音を立てていた。ニュージーランドの建物倒壊の映像が脳裏をよぎって、外に出たい衝動に駆られてビルの1Fから表に出た。
自分が今いたビルの柱が揺れている。
地面が波を打って揺れている。
電信柱がメトロノームのように左右にしなっている。
人間、想定していない状態に置かれると体が硬直するらしい。
どうしていいか、全く分からない。一緒に打ち合わせをしていたIさんも、宙を見上げている。
見る見るうちに視界と感覚の差が激しくなって来る。
揺れは収まるどころか、激しさを増していく。
目の前のビルのガラスのドアが開いたり閉じたり、勝手にバタバタしはじめる。
視線を空に移すと、電線がのたうち回る。
頭上の高層ビルがガラス張りの体躯をくねらせながら揺れている。
バラバラとビルから人が道路に出ようとして、頭上も危険だと感じて軒先でおのおの、体を硬直させている。みんな同じ感覚だろう。
長く続いた横揺れ。。。
・・・
やっと揺れが収まった。
iPhoneの画面を見ると、さっき震度5弱と出ていたはずが震度6弱に変わってる。
東京で震度6弱だと、、、震源の宮城県はどんなだ?
ビルの中に戻って、終わりかけていた打ち合わせを締めようとするものの、何を話していたのか思い出せない。どうにもならない笑顔で、とりあえず打ち合わせを終えて、オフィスを後にする。
またJFAで夕方に講演の予定があったので近くのカフェに移動して待つことに。人びとが街の辻々に出て不安そうな顔で立ち尽くしている。
カフェに入ろうとしたときに再び余震。レジの人に「大丈夫ですか?」と質問する人あり。「オーダーは大丈夫ですが、、、」と若いレジの女の子が不安そうに答える。
コーヒーを飲みながら本を読もうとするが数分おきに続く余震で集中出来ず。入店する人、出て行く人、みんなソワソワしてる。
席について、自宅にいるはずの相方(妻)に連絡を取ろうと電話を試みるが、、、繋がらない。SMSも80%まで行って「送信失敗」。
でも音声通話が繋がらなくても、パケット網は生きてる。そうだ、Twitterだ!Twitterで相方のアカウントを探して、ダイレクトメッセージを打つ。。。打てた!
・・・待てよ、彼女はTwitterをほとんど使ってない。
悩みながらも30秒ごとにiPhoneを立ち上げてTwitterのTLに見入る。どうやら、、、仙台あたりは大変なことになっているらしい。。。
大き目の余震が来たとき、隣の席のオジさんが話しかけてくる。「揺れてますよね?」
・・・分かってるでしょ?と思いつつも「大きいですね」とたぶん元気のない笑顔で返してる自分。
ありきたりの会話でも、なんだか嬉しい。
ダメ元で「Twitterを見て!」と書いたSMSを相方に送る。送信プロセスを示すバーが伸びて、、、90%で止まる。送信失敗のビックリマークが付く。もう一度トライ、、、伸びて、、、止まる、、、が送れた!
ほどなくTwitterで返信が帰ってくる。「大丈夫、公園に避難してる。」、、、良かった。。。
ほっとしつつTwitterを流れる最新情報とデマを眺めていると、Facebookの新着メッセージが。先ほど一緒に打ち合わせをしていたJFAのIさんから、予定していた夕方のセミナー講演が中止になったことのこと。また、ありがたいことに帰る事が出来なければオフィスに来てとの申し入れを頂く。ネットの情報を見る限り、JRにしてもメトロにしても動いている可能性はほぼゼロなので、お言葉に甘えることに。返信を返して、カフェを後にする。
道路ではコート姿のサラリーマンがあちこちでタクシーを捕まえようと車道に載り出て手を上げている。ケータイで連絡を付けようと何度もトライしている女の子もいた。
半分好奇心に駆られてメトロの飯田橋駅の改札まで行ってみる。混雑はしていないものの明らかに動いていない様子で、改札前で再開を待つ人はまばら。ゲートにいた駅員さんに再開の目処について一応質問してみると「そんなレベルではないんです、、、災害レベルなんで復旧の見込みは分かりません、、、。」と引き攣った顔で答えてくれた。自分の好奇心が恥ずかしく思えた。。。
JFAのオフィスに戻ると、みなさんから歓声。「良かった!」
どうやら返信が届いていなかったため、心配をして頂いた模様。
現地では同校の代表、泉さんの陣頭指揮で安全確保と情報収集が、スタッフの方々の暖かな団結力の元で整然と行われました。有事のリーダーシップとはこう言うものかと感動。
9時を回って徐々に地下鉄が復旧。早い段階で半蔵門線が九段下-押上間で復旧して、自分は九段下まで歩けば最寄り駅まで帰る事が出来るようになった。
現地にはまだ帰れない方もたくさんいらっしゃったが、用も無いのに居座るのも邪魔になり、自分の家族も気になる。後ろ髪を引かれる気もしながらも、現地をあとに。
九段下から乗り込んだ半蔵門線は途中三越前あたりから若干混雑をしつつも無事最寄り駅の住吉まで到着。自分が乗っていた半蔵門線から、同じく再開した都営新宿線の本八幡方面へたくさんの人が同駅で乗り換えてた。まだ先の道のりが長い人が多いんだ。
引き続きSMSが不安定なのでTwitterで相方と連絡を取る。近隣の小学校に避難していたが、自宅前で待ち合わせて自宅マンションに戻ることに。
自宅は築38年、SRC造りの古いマンション。一目見て彼女が避難していた理由を理解。エントランス周辺の大理石やパネルブロックにところどころヒビが入り、床には石とガラスの破片が散乱。見上げるとエントランス上のガラスが一部割れている。よほど揺れて、怖かったんだろう。。。
時間が経つにつれて、自分が経験したものが未曾有の大災害の一部だったことを知ることになった。
犠牲となった方々のご冥福をお祈りします。
遺された自分たちは、復興へ向けて力強く生きていかなければ。
セコイアの木の下で 伊藤 潤
引越し代を安くするコツ 2012.08.22
誕生日に見るSNS栄枯盛衰 2011.06.25
ボーナス2011夏の陣 2011.06.14