S.GRAPHICS

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2002.07.27
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今日、取材で午後から116丁目のイーストハーレムにある
美味しいと評判のプエルトリカンの「デリ」に行った。
イーストハーレムは同じハーレムでも危険な地域として知られ、
英語もほとんど通じない。
人種は黒人に混じって、スパニッシュやカリビアンが多く、
行き交う人々はとても陽気だ。

このデリは電話すらない小さい店だが、
ちゃんとした構えで掃除も行き届いている。
店頭には訳の分からない揚げ物が何種類も並び、

午後2時過ぎだというのに店内は雑多な人種でごった返している。

チキンの丸焼き。
ブタ肉の炒めものをバナナに挟んで焼いたもの。
真っ黒のソーセージ。
ブタの耳の揚げ物。
ちまき風、お米とバナナ、ブタ肉の包み煮などなど。
何とか食べられそうなポテトボールを2個を注文して
店内のカウンターに持ち込んだ。
持参したお皿にきれいに盛り付け、
周囲を全く気にせず、バシャバシャ撮影し始めた。

こっちは先を急ぐサラリーマン。

レシートくれます?
マネージャー呼んでくれます?
シェフの顔写真を撮らせて欲しいんですが……。
と質問攻めだが、店員は一向に構わず
シェフは知らない。マネージャーはランチ。写真は嫌だ。

マイッタと思いながら半分諦めながら
暫くブツをカウンターで食べていると、
成りゆきをずっと見ていたとおぼしきカリビアン女性店員が、
「あんたたち、一体なんなの!だいたいねえ~~」
と威圧感いっぱいにカウンター越しに顔面に迫ってきた。
日本の新聞の取材なんですが……、
と、先から何度も何度も説明していることを
ことさらクリアリーに、負けじと大きな声でゆっくり話すと、
「エッ? なんだあ~、リポーターなの~~?」
やっと、ことの次第を把握してくれた。
店に入ってから、ここまで約20分。
で、その後「あの男がマネージャー」と教えてくれるのに約10分。

何や、おったんか! 早よ言わんかい! ったく。

しかし、マネージャーは写真お断り、例の女性が「私でもよければ?」
ということで無事レンズに納め、以降、質問は全て彼女に。

どのくらいココに勤めているの?
「5days」
えっ?5日?オイ、アンタ古株違うんかい!何や、その凄みは!
店にはメニューもカードもない。
で、お店のアドレスと電話番号を聞くと、
「う~~ん、○○○の……」
確認すると彼女の家の電話番号だったりする。
からかわれている訳じゃなく、すべて、こんな調子だ。

勝手にカチャカチャやって来て、
せわしなく注文し、質問し、飲み込むように食べて
逃げるように帰っていく変なアジア人。
きっと彼女には、そう映っているのだろう。

取りあえず、仕事終了。
帰り際、どうもありがとう!と彼女に声をかけると、
名前は?と聞かれ答えると
日本人?中国人?と逆にインタビューされ始め、
「I Love You?」の連発。
最後にはHUGまでされるほどの歓迎を受けた。

何が気に入られたのか未だ分からないが
たった1個1ドルのポテトボールの取材で
店を出るまでに1時間。

ベリィは明日勤続6日目になる看板オバチャンだ。





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Last updated  2012.04.15 06:52:05
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