2004.11.18
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カテゴリ: 健康情報
臓腑兼証

人体の各臓腑間は生理上も密接に関係しているため、ある臓腑が発病すると他の臓腑も
影響を受ける場合がある。同時に二つ以上の病証がみられるものを臓腑兼証という。

1.心腎不交〔心腎陰虚+心火亢進〕
 心煩、不眠、心悸、健忘、眩暈、耳鳴り、腰のだるさ、五心煩熱、咽乾、口燥
 舌質紅、脈細数

2.心脾両虚〔心血虚+脾気虚〕
 心悸、健忘、不眠、多夢、眩暈、食欲減退、腹脹、泥状便、倦怠、脱力感、顔色萎黄、皮下出血等
 舌質淡嫩 脈細弱


 心悸、健忘、不眠、多夢、眩暈、耳鳴り、震顫、両眼の乾き、物が見にくい、爪甲の色が悪い等
 舌質淡・苔白、脈細弱 

4.心腎陽虚
 寒がる、四肢の冷え、畏寒、心悸、小便不利、浮腫〔特に下肢〕、唇や爪甲が淡暗や青紫色
 舌質青紫・暗淡・苔白滑、脈沈微細

5.心肺気虚
 心悸、息切れ、咳喘、胸悶、息が詰まる、自汗、脱力感、動くと悪化、顔色が白く冴えない等
 舌質淡・苔白、脈沈弱あるいは結代

6.脾肺気虚
 長期に渡る咳、息切れ、咳喘、痰は多く白い、食欲不振、腹脹や下痢を伴う、力が入らない等
 舌質淡・苔白、脈細弱


 寒がる、下肢の冷え、顔色が白い、腰・膝・少腹部の冷痛、下痢〔未消化〕、五更泄瀉、浮腫等
 舌質淡胖・苔白滑、脈沈細

8.肺腎陰虚
 咳嗽、痰は少量か時に血が混ざる、口咽乾燥、両頬が赤い、盗汗、腰や膝のだるさ、遺精等
 舌質紅・少苔、脈細数


 頭暈、目眩、健忘、不眠、耳鳴り、咽乾、口燥、脇痛、腰や肩のだるさ、五心煩熱、盗汗等
 舌質紅・苔少、脈細数

10.肝脾不調
 胸肋部の脹満や疼痛、溜息をつく、精神抑鬱、易怒、食少、腹脹、大便不調、腸鳴、失気等
 舌苔白あるいは膩、脈弦

11.肝胃不和〔肝火上炎→胃気上逆〕
 胸脇や胃の脹満や疼痛、呑酸、煩躁、易怒、しゃっくり、ゲップ等
 舌質紅・苔薄黄、脈弦あるいは弦数

12.肝火犯肺
 胸脇灼痛、イライラ、易怒、頭暈、目赤、煩熱、口苦、咳嗽、咳血、痰は粘りのある黄色
 舌質紅・苔薄黄、脈弦数

代表的とされている臓腑兼証です。実際の臨床では臓腑単独の病証よりも、むしろ複雑な臓腑兼証が多くみられます。例えば肝腎陰虚の病証では舌質紅少津・脈細数ですが、この患者さんに食積などで湿邪があると舌苔が白く厚くなったり、脈が濡脈等を示したりします。
日本では針灸治療が普及しているとはいえず来院が遅れがちになるため、疾病が慢性期に入っている場合が多いからと思われますが、証が複数ある病証は当たり前で臨床は複雑に絡んだ糸を解いていく作業ともいえます。





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最終更新日  2004.11.18 11:44:17
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Re:【中医学基礎理論 その12】(11/18)  
そろそろ難しくなってきた奈々であります。
もつと優しくちて頂戴な~。
(2004.11.20 14:39:22)

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