さすらいの若旦那の日記。

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2005.09.27
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カテゴリ: 感動して下さい。
先日 実家に帰省した時に 老人ホームに入所しているおばあちゃんに会いに行った。

実家からは それほど遠くない場所にその施設はある。

実家にも 最近 ろくに帰ってなかった私にとって、おばあちゃんに会うのも
本当に久し振りだった。

この前会ったのは一体いつだろう?
思い出せないくらい おばあちゃんには会ってなかった。

母からおばちゃんのことは聞いていた。
少し痴呆が出始め、老人ホームに入所せざるを得なくなったことも・・・。

実家に立ち寄った私たち家族は、母を車に乗せ、おばあちゃんのいる施設に向かった。


フリースペースでテレビを見ているお年寄りもみんな こちらを見つめた。

おそらく彼女達の家族も そう頻繁に会いに来ないのだろう。
まるで珍しいものを見るかのように ずっと視線をこちらに向けていた。


おばあちゃんのいる部屋に着いた。
顔も手も足も しわだらけのおばあちゃん。
ひさしぶり・・・。会いに来たよ・・・。

一瞬 おばあちゃんは 私のことがわからなかった。
母が「おばあちゃん、これ誰かわかる? ○○ちゃんやで」と助け舟を出した。

「おばあちゃんの孫の○○ちゃんやで、ほら、思い出して」

しわくちゃの顔がこちらをじっと見た。少し 時間がさかのぼったような気がした。
次の瞬間、おばあちゃんは「ああ、○○ちゃんか」とつぶやき、


「何年ぶりかなぁ、おばあちゃん・・・○○ちゃんに会うのは」母がさらに続けた。

「あの小さかった○○ちゃんか・・・。ほんまに○○ちゃんか・・・」
おばあちゃんは かけていた老眼鏡を外し、こぼれかけた涙を拭った。

私はぐっと涙をこらえていた。
母と妻がいたので 泣く事が恥ずかしかったのである。


人目をはばからず 母も泣き出した。

「ぜんぜん会いに来なくてごめん・・・」言葉が出なかった。
言葉には出なかったが、心の中で大きく叫んでいた。

それから、おばあちゃんはいろんな事を聞いてきた。
子供は何人いるの? 男?女?
しばらくして、また 子供は何人いるの?と聞いた。
それからおばあちゃんは、
「あの世から早くお迎えが来てくれるのを毎日待ってるのに全然 来ないんや」と笑いながらつぶやいた。

私は 堪えきれず、トイレに行くといってその場を離れた。
トイレで泣いた。大泣きに泣いた・・・。

人は一人で生きているんじゃない。
おばあちゃんがいて母がいて、私がこの世にいる。

まわりのことを考えず、ただ毎日を流されるまま過ごしてきた自分が腹立たしくなった。

おばあちゃんは 薄れ行く記憶の中、私を覚えていてくれた・・・。
私の記憶はしっかりとおばちゃんの脳に刻み込まれていた・・・。


だが おばあちゃんが私を覚えていてくれるのもあとわずかかもしれない・・・。
その先にはおばあちゃんとの永遠の別れが待っている・・・。

いつまでも泣いているわけにはいかなかった。
顔を洗い、部屋に戻った。

涙は出たが、嬉しかった。
私のことを覚えていてくれたことが 本当に嬉しかった。


帰り道、母は「今日はほんとに良かった・・・」と何度も言った。
私とおばあちゃんが再会できたのを本当に喜んでいた。

「仕事が落ち着いたら また会いに来るよ。大変だけどおばあちゃんのこと、頼んだよ」

実家に母を送り届けて 帰り際、そう言って別れた。


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最終更新日  2005.10.09 11:48:58
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Re:おばあちゃんとの再会。(09/27)  
リカミント  さん
今日の日記、読んでいて、私も思わず目頭が熱くなりました。
・・・と言うのも、私の大好きだった祖母が、昨年末に他界してしまったから・・・。
亡くなる前の晩は、私が病院に泊り込み、一晩中手を握ってました。
最後まで、頭がしっかりしていたので、意識が混濁する中で、私にも“ありがとう”って言ってくれたのを思い出してしまいました。
どうか、おばあちゃまを、大切になさって下さいね。
それから、ご長寿をお祈り致します。 (2005.09.27 14:09:50)

Re:おばあちゃんとの再会。(09/27)  
学天坊  さん
私には4人とも祖父母はもういません。
みんな病院で逝ってしまいました。
残されたものは、後悔の念で一杯になります。
今のうち、大事にしてあげて下さい。 (2005.09.27 22:25:53)

祖母のこと、思い出しました  
moon_bear66  さん
前回里帰りした際の私の祖母の姿と重なりました。
病院のベットで横になりながら
ポロポロ涙をこぼしていました。
そして同じことを何度も何度も話していました。
その時、遠くへ嫁いだことを少し後悔しました。
少しでも長く生きて欲しいと思います。

(2005.09.28 00:20:34)

訪問ありがとう!  
読ませてもらいながら、今年の2月に亡くなった父を思い出しました。 父は心臓の病気でした。 
結婚して親元離れて21年経ちますが、実家に帰省したのは5本の指で余るほどだ。 亡くなる2日前に、兄貴から電話があり、ちょっと待ってね!と言う。何かと思ったら、電話の声が父に代わっていました。 呼吸もろくに出来ないほど弱ってるはずなのに、父の声は元気でした。が、何を言ってるのか聞き取れません。 最後の声を振り絞ってるかのようでした。 2日後の早朝に兄貴の電話で亡くなった事を聞かされました。 私は主人の介護をしてるので、父の葬儀に出席できませんでした。
とうとう最後まで親不孝してしまいました。
長崎と東京ですが、海外にでも住んでるかのように
遠く感じました。
(2005.09.28 01:06:32)

私の祖母は・・・  
もう誰の事もわかりません。
お世話をしてくれている、センターの人の事も、息子である父のことも、孫のことも・・・。

思い出してもらえて、羨ましかった。
なんだか、なみだがとまりません。 (2005.09.29 03:01:20)

こんばんは  
ぴーこ8631  さん
[壁]‥) チラッ 身して帰ろう思いましたが。

少しだけ。

でも、言葉につまってしまう。

ただ涙。

私もばあちゃんを大事に思っています。

大切な人です。 (2005.09.29 21:10:28)

こんばんはー。  
若泉さな絵  さん
私はおばあちゃん子だったせいで、
おばあちゃんの話には弱いです。
すぐに涙腺がゆるむタイプ。
なので、このお話もちょっとね、
ゆるんじゃいました。 (2005.09.30 21:08:58)

もらいなき。。  
chinoise  さん
わたしも同じような経験があります。。
だからちょっともらい泣きしてしまいました。
そして、日記を読ませてもらってふと思い出して
モブ・ノリオさんの「介護入門」を買ってきて読みました。
また涙。。
おばあちゃんの笑顔にまたすぐ会えるといいですね。 (2005.10.01 00:11:04)

こんばんにゃ~!  
おひさしぶりでございます!
やっと復活して遊びに来たら、またまた良い話
ジ~ンときました。おばあちゃんてどうして温かく
感じるんですかね・・・!? (2005.10.04 21:45:26)

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