さすらいの若旦那の日記。

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2007.07.25
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テーマ: たわごと(27810)
カテゴリ: カテゴリ未分類
スヤスヤと寝息を立てながら、彼女がもたれかかってきた。
拒むでもなく、私は彼女に二の腕を預けた。

ときおり目を覚ましそうになる彼女。
一体どんな夢を見ているのだろうか。

今日一日の会社での出来事?
過去の楽しかった思い出?

深く深く、眠りの奥のほうへと彼女は誘われていく。
このままずっと瞳を閉じたままなんじゃないだろうかと心配になる。

どぎつくない、優しくほのかな香り。


彼女が少し動くたびに、軽くカールされた髪が私の腕をくすぐる。
起さぬよう、そのまま身動きもせず彼女の枕になる私。

悪くは、ない。
大歓迎、という訳でもない。

だいいち、「もたれてもいいですか?」とも聞かれていない。
もちろん、聞かれれば「喜んで!」と答えるのだが。

そのうち私の腕が心地よい痺れを感じ始めた。
無理もない。かれこれ30分近く同じ格好を維持しているのだから。

もうそろそろいいんじゃないか。
夢を見る時間というものはそんなに長くは続かないんだよ。

意を決して私は彼女に、「おい、朝だぞ!会社に遅れるぞ!」と囁いた。


いつから超能力者になったのだろう。
私のテレパシーが彼女に伝わったかに見えた。

はっと目を開けた彼女。
おはよう。よく眠ったね。

キョロキョロしながら辺りをうかがう彼女。


やがて街のネオンサインをすり抜けた電車が、郊外の駅に滑り込んだ。
車掌のアナウンス。ゆっくりと電車が駅のホームに止まる。

ドアが開き、彼女は再び会釈をしながらそそくさと電車を降りていった。
私の降りる駅は次である。軽く腕をさすりながら、痺れが治まるのを待った。

程なく電車は次の駅に到着し、私はまだ少し痺れの残った側の腕でカバンを持つ。
大勢の人たちが電車から吐き出され、改札口を抜けて霧散した。

冷房で適度に冷やされた体が、じめじめした外気で一気に不快感を増す。
さっきまでの甘い香りと腕への重みの記憶が、じんわりと汗と共に体から抜けていった。

夜はますます更けていく。
帰ったら、今日も真っ先に缶ビールでも飲むか。

歩く速度を少し緩め、ポケットからハンカチを取り出した。

額に滲み出た甘い記憶をそっと拭いながら家路を急いだ。


2005-11-26 12:37:32 ←←←ポチっとな!





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最終更新日  2007.07.26 01:13:19
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