さすらいの若旦那の日記。

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2010.07.30
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カテゴリ: カテゴリ未分類
朝の日課。犬の散歩。

その途中、公園の傍の道端に、ミミズが何匹も干乾びて死んでいた。

外は焼けるような暑さである。

おそらく、土の中も温度がかなり高くなっているのだろう。

急激な温度の上昇に耐えかねて、ミミズたちは一斉に逃げ出そうとし他のかもしれない。

だが、土の中から這い出てしまうことは、ミミズたちにとって自殺行為に等しい。

都会ではもはや地面の大半をアスファルトが多い尽くしている。

アスファルトは土の中の温度よりもさらに高温に晒され、ミミズはきっと後悔しただろう。

少々熱くても、土の中にじっと我慢していればよかったと。



私は犬が歩くのを制止し、しばらく彼らの亡骸を眺めていた。

額から汗が噴き出し、頬を伝って流れ落ちる。

見上げれば、まぶしい太陽がその輪郭も分からないくらいギラギラと輝いていた。

汗を拭きながら俯き、少ししゃがんで彼らとの距離を狭めた。

もはやそれは、ミミズという生き物の体を成さず、グチャグチャな轢死体が空しかった。

私はふと、その様子を自分に置き換えてみた。

日々、ロボットのように繰り返される単純作業。

会社という無機質な空間で淡々と流れる時間。

土の中のミミズのように、ただ這いずり回っているばかり。

私の体は次第にその環境に耐えかね、いっそそんな土の中から出てしまおうと考える。

外にはきっと、今よりも快適ですばらしい桃源郷があるのではないかという幻想を抱く。



バブルの時代ならともかく、今、会社を飛び出すのはかなりの覚悟がいるだろう。

すぐに動けなくなり、干乾びてしまうかもしれない。

かといって、このまま暗い土の中で這いずりまわって生きていくのもやはり辛い。

結局、結論も答えも見つからないまま、私はゆっくり立ち上がった。

太陽はますますギラギラと輝き、一瞬思考を停止させる。



歩いていれば、何か答えが出るかもしれないと思った。

そんな淡い期待も、セミ達の大合唱で全てかき消されたような気がした。





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最終更新日  2010.07.31 00:28:16
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