2010年08月31日
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 みすゞが童謡を書き始めたのは、20歳の頃からでした。
 4つの雑誌に投稿した作品が、そのすべてに掲載されるという鮮烈なデビューを飾ったみすゞは、『童話』の選者であった西條八十に「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛されるなど、めざましい活躍をみせていきました。
 大正末期から昭和初期にかけて、26歳の若さでこの世を去るまでに512編もの詩を綴ったとされます。
 それから50余年。長い年月埋もれていたみすゞの作品は、児童文学者の矢崎節夫氏(現金子みすゞ記念館館長)の執念ともいえる熱意により再び世に送り出され、今では小学校「国語」全社の教科書に掲載されるようになりました。


御本と海

ほかのどの子が持つてゐよ、
いろんな御本、このやうに。

ほかのどの子が知つてゐよ、


みんな御本をよまない子、
なにも知らない漁夫(れふし)の子。

みんなはみんなで海へゆく、
私は私で本を讀む、
大人がおひるねしてるころ。

みんなはいまごろ、あの海で、
波に乗つたり、もぐつたり、
人魚のやうに、あそぶだろ。

人魚のくにの、おはなしを、
御本のなかで、みてゐたら、
海へゆきたくなつちやつた。



『金子みすゞ童謡全集』(JURA出版局)より

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最終更新日  2010年08月31日 00時01分50秒
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