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2005年04月06日
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 このような状況の場合、日本の保健所ではどのような対応を取
 るかという質問に、私なりに考えて見ました。

 食中毒調査は 「 食中毒処理要領 」というマニュアルに定めら
れており、原則的にそのマニュアルに沿って調査を行います。

 趣旨に、食品衛生の究極の目的は、飲食に起因する衛生上の危
 害を防止することにあるが、もし万一食中毒事故の発生をみた
 場合には、直ちにその拡大防止に努めなければならない。その
 ためには、事故発生を早期に探知もしくは発見し、その事故の

 序を排除するための適切な措置を講じなければならない。とあ
 ります。

 食中毒事故を探知したら、直ちに調査を開始します。食中毒調
 査というと直ぐ細菌検査をイメージしますが、食品衛生監視員
 として調査にタッチしていくと、食中毒事件全体の構成を調べ
 る事が重要で、細菌検査も調査の中の1つの検査に過ぎないこ
 とがわかります。疫学とか事件の状況で見ていく事が多いです。
 病原微生物の性質、症状や潜伏時間等から、様々な状況を当て
 はめて推理していきます。人は同じ様な間違いや勘違いを起こ
 しますので、同様の事件から見たり、その裏付けを取って行く
 等刑事ドラマや推理小説とよく似ているのです。相手は食中毒

 すく、細菌検査や理化学検査結果が決め手になるだけです。

 原因の追求のトップに、「症候学的観察」があり、食中毒は、
 原因食品摂取後、数時間からおそくとも3日以内におこるもの
 であり、その症状も、微生物性のものは急性胃腸炎の形をとる
 ものが多く、病因物質によって独特な症状があります。嘔吐を

 位です。

 質問の状況は、「日本人中心のソフトボ-ル大会で、同じレス
 トランに注文した弁当を食べた人が,激しく嘔吐下痢に見舞われ、
 計40人に症状がでて15人ほどが入院しました。」

 患者さんの発症は食べてから早いようで、「激しく嘔吐下痢」
 から判断して、 黄色ブドウ球菌 による食中毒と推理しました。
 昔は同じ様な食中毒がおにぎり(福岡地方はかしわのおにぎり
 が多かった)で起こしていました。

 この「症候学的観察」は基本で、第1報が電話で入っても、記
 者発表用の資料でも必須です。過去の和歌山のカレーヒ素事件
 では、最初の症候学的観察が不十分でヒ素中毒を黄色ブドウ球
 菌食中毒と間違え、当時の中学生がこれに気づき、文藝春秋に
 詳細に書いて間違いを指摘したのを読んだ事があり、スタート
 を間違えると大変です。

 取りあえず今日はここまで。





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最終更新日  2005年04月06日 13時28分16秒
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