買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2014年10月20日
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埋まっていたのは、石だった。丸い、ちょうど卵くらいの大きさの石。それがいくつも出てきた。取り出しても取り出しても、同じような石ばかりだった。穴の中から石がなくなったとき、穴の縁に石の山ができた。
石の代わりに、部屋から持ってきたすり鉢と、トックリバチの小さな巣を、その穴に入れた。掘ったやわらかい土を両手ですくってかけ、すり鉢も乳棒も小さな徳利も見えなくなってから、スコップで残りの土を埋め戻した。
(柴崎友香さん「春の庭」P134)




一回読んで、面白いと思ったけど、よくわからなくて、すぐに、二回目を読んで、よくわからないけど、やっぱり面白かった。
テーマみたいなものは二の次のようだけれども、強いて言うなら、「死んだ父と、きちんとお別れすること」みたいなもんかと思います。

ところで、関西と関東では、スコップとシャベルの指すものが逆、なんだそうですが、柴崎さんは関西のかたなので、スコップはちっこいほうのことなんだと思います。

(文藝春秋社の紹介)
「第151回芥川賞受賞作。
行定勲監督によって映画化された「今日のできごと」をはじめ、なにげない日常生活の中に、同時代の気分をあざやかに切り取ってきた、実力派・柴崎友香がさらにその手法を深化させた最新作。
離婚したばかりの元美容師・太郎は、世田谷にある取り壊し寸前の古いアパートに引っ越してきた。あるとき、同じアパートに住む女が、塀を乗り越え、隣の家の敷地に侵入しようとしているのを目撃する。注意しようと呼び止めたところ、太郎は女から意外な動機を聞かされる・・・・・「街、路地、そして人々の暮らしが匂いをもって立体的に浮かび上がってくる」(宮本輝氏)など、選考委員の絶賛を浴びたみずみずしい感覚をお楽しみください。」


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Last updated  2014年10月20日 05時58分44秒
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