灯台

灯台

2016年10月03日
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 対席的なところにある奴隷の烙印でも押されたかのような街で、

 ぱらぱら、スケッチブックの自画像を見つめている。

 あんまり嬉しそうに笑うから不安もとけるって? まさか・・。

 アルバムの中に、本当の僕はいない・・。


 自我の形成は劣等感の形成というやつで、

 コカコーラ一本飲み干させる。

 周囲はR&Bやヒップホップを聴いてたんだけど、



 性格の不一致――。

 それは高度な文明の持つ無意識の優越性の中に潜んだ後退的な感情。

 でも蛍光灯やLEDの光を冷たく感じるのと同じさ。

 現像液にたっぷりとひたされた僕等の、思い出・・。

 洗面台の鏡を覗くと、さっきよりだいぶ赤みが戻った自分の顔・・。


 人が感じる明るさや色は絶対的な光学量よりも、

 その周辺からの相対的な変化量に大きく依存している。


 眠ってドアを開け、請求棄却、

 君は空の鳥籠の中さ――。


 軒下のロビンソン・クルーソーは、

 学校は下らないと言った。



 誰だって若いころは、整形級メイクで、

 超広角レンズ、高解像度イメージセンサが搭載されていて、

 エンジン特性を生かした軽快なハンドリング!


 前に地元に帰ったとき、母校を見に行ったんだ。

 懐かしさはあったけど、黒ずんだ重い液体のようなよどみがあって、




 いつか僕はヨットのことを考えていた。

 風向きが変わる日のことを。

 でも僕はただそういう気候変動を嫌っていただけのような気もする。

 心は裏返し、気を抜くと、一日と一年をあっという間に取り換えてしまう。

 人に馬鹿にされたくない軽蔑されたくないと思うたびに、

 意識の表面では否定に走る。

 胸の中にある正体不明、不可解な黒い感情――。


 でもどれだけ自己弁護をしても無駄さ、

 分かりあえない距離は長い時間をかけて気付かせる。

 人生に疲れている・・。


 「でもこうとも言える、

 だからこそ、コーヒーが美味しい――。」


 ぼかしたり、すりかえたり、

 そういうのが、いまじゃ、生々しかったりして・・。

 でもいつかは抉られる敗残者の自己防衛術さえも、

 意味やイメージによって、ゼリー状の憂鬱。

 あるいは類似性や類比性によって、阻喪や放心の涯、

 文字盤を走る長針になる。


 気づいた瞬間から、空っぽの空想と虚無とおぼしき胃を自覚する。

 生存競争さ、追い立てられて走って、逃げて、戦って、また逃げて、

 どれだけ酒を飲んでも癒せない渇き――。

 大好きな者を共有できる人たち。

 違和感はあるけど、僕よりずっとまともな人たち・・。

 そして唾を飲み込むのにも似た、引き締まった空気。


 さようならと言ってしまうんだ、僕は。

 ありがとうと言ってしまうんだ、僕は・・。


 僕は時々自分の人生を見つけられずにいることに悩む。

 今日と明日の交差するところで、本当の自分を探してる。

 腐海と対峙するナウシカみたいに、

 頽廃がひそかに或る人間の心の中にかくれて存在しながら、

 それでもきわどいところで均衡を保っている。

 暗黒の、広漠な土地に放置された、巨大な心細さ・・。

 情報の亡霊、声の中に見つけられない、悪魔・・。

 何となく抱えていた夢に近づくために――。


 映画館でつかまえた暗闇は明るい希望だっ――た・・。

 息を吸うように嘘をつく。

 落ちていきそうな感覚と、それに引きずられないようにする毎日、

 そして一歩一歩、道化芝居が堂に入ってくる、

 歌いながら本当に何処までも遠く行けるような気持ち――。


 でも僕は全知全能でも神の器でもカリスマでもない。

 情報を知識に変えていく、少しも波立とうとしない感情が、

 ネオンをよりきらびやかに見せるとしても、

 僕はただ、夏の日の海のような感情を探してい――る・・。


 たとえいつかそんな欺瞞が暴露して心臓が羞恥に震える日が来ても、

 死の前であらゆる妄想は墜ちるだろう。

 睫毛の影に潤みを湛えた黒い眼、

 たとえば、ぼんやりと一人取り残されたビルの前にいる僕に。


 交差点の真ん中でブレーキを踏んだ車よ・・。












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最終更新日  2016年10月04日 18時56分39秒


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