馬鹿げたことばかり蔓延ってて驚くよ、 石段をひとつ飛ばして駆け上がる背中、 ふくらはぎの腓腹筋が跳ねるたび、 シャツの背が汗で貼りついては剝がれる。 海が見えるよ、つま先立ちしながら見えてくる飛行機、 ドタバタ劇のように全力で波乱万丈を捕まえに行く、 「腹が減った」「怖い」「寂しい」「触れたい」 その程度の単純な言葉だけで、 (Tell me what you fear the most) 毒に飲み込まれそうな君は誰だ? ああ、その毒がまわりきる前の、 まだ君であるうちの君に、僕は問いかける。
亡命の夜だ、シティジャズとナイトクラシック、 不可能を可能にしたって束の間の休息と苦悩。 生きているすべてが比喩のように感じるって言ったら、 きょとんとした顔をしていて、よ。 街灯を反射した鈍い銀色、 港湾施設の赤い航空障害灯、 沖を進む船の白い航海灯、 遠くの工場から漏れる橙色。 (Tell me what you need tonight) 素敵だから、頭の中を覗いてみたいな、 目の中から入っていって着ぐるみしながら、 アメリカ大陸を横断したい。
繊細で中性的で多様性の物語を始めようか、 僕等の街にもう壁はない。 国境線も、性別も、階級も、世代も、 オンラインとオフラインの境界さえも、 少しずつ透過していく。 いつまでもガキだってこったな男は、 ビッグバンみたいな衝突だけど、 魔法を解かないでご覧、 (Tell me what keeps your heart alive) 平熱とか等身大とか身の丈に飽きたんだ、 傍若無人な鉄の孤独はもういらない、 窓あけたままシャツも下着もいま脱ぎすてて、 見渡す限りの青い空だ。
Tell me what you feelin' (Tell me what’s on your mind) Tell me what you feelin' (Show me what’s inside) Tell me what you feelin' (Tell me why you’re shaking)
あの日とかいうその場所、 もう何も起きない部屋にも朝が訪れて、 遠い他人が生きる the very best 夕暮れに追いつかれないように。 「どんな気持ち?」 花束を引きずるほどの一日の果て、 風を抱くきみの感情のすべてが、 細胞を目覚めさせる。 ありありとした本当として響くに違いない、 心臓の音を大音量にして。
シム・シメールの宇宙 Let me breathe 鍵穴へと転生の繭 Stay in this moment