灯台

灯台

2026年09月12日
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あやかし


あや、あや、夜半のまに。
紅梅襲の袂に、
名古屋帯の変わり結び。
かむなぎの娘、
稚気と羞恥みを持ち、
あわいの橋に、影ひとつ。

——さらに向こう。
星の真砂の如く、恒河沙数の如く、
そこに、——「妖」の世界がある。

ざらりとなのめ、
口伝の必衰退、
十二指腸分の傍ら寂し、
くちのはいちごは何処にある、
満ちると欠けるのそぞろ歩き、
朱の葉はらりと水鏡。

——水面に映る、——鏡像。
映っているのは、——空ではない。
「戻れなかった」
すなわち、——「夢の国」に、——残った。
その影は、その影は。

あやかし、まやかし、
かどわかし。
かへりごとはさしいらへ、
けばけばしき身繕ひ。
行燈の灯消えりゃ鵺が啼き、
痴れ事、賭け事、祭り事。

——不規則に、——響く。
正解のない、——揺蕩い、
その音に、——名もなき灯りが。

おいでやおいでよ、
後ろの正面誰でしょね?
見え紛ふせせらぎ、せぜらぎ。
祇園精舎の鐘を絶つ、
朱の契りを、くぐりゃんせ、
揺蕩い歌えば淀んだ枯山水。   

月は、——満月。
しかし、——欠けない。
何故なら、——ここでは、
——「満ちる」と「欠ける」の、
——区別がない。

ゆらり、ゆらり、煙る門。
竹皮草履に、深爪、
弾指の間、あしのふしのま、
鬼魅が跋扈する、
さこそ、さぞや、なに、隠れ里。
ひふみ、よいまや、常夜の戸。

「いざなぎ」は、——伊邪那岐。
「いざない」は、——誘い。
——そしてそれは、——嗤う。

かげろう、まほろば、
うつつの端。
今宵狙うは玉手の箱か嘘の葛籠。
鬼灯の朱い実を袂に忍ばせよ、
踏めば戻れぬ夢の国、
なでふことなし、鳰の浮巣。

「まほろ」は、——「まほろば」
——理想郷。
「まぼろし」は、——「幻」
二つは、——表裏一体。













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最終更新日  2026年09月12日 17時13分54秒


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