灯台

灯台

2026年09月21日
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『私達』という言葉から零れ落ちる人間


住まいや食べる場所がないときは、
とりあえず路上生活を始めよう。
電気代、ガス代払えない、
スマホ代も払えない、家賃なんか絶対に無理、
そうなったらスーパーマーケットに、
段ボールを取りに行こう、
さあ赤信号の向こう側まで連れてってくれよ、
行こうぜ、公園に野宿しに行こう。

冬の終わりの高架橋の下の段ボールに、
いまにも消えそうな小さな命だってあるからさ。
時々思う『私達』とは誰なんだろうか、と。
ありとあらゆる『私達の一部』とは何なんだろうか、と。
政治家のうすっぺらい選挙ポスターの言葉や、
態度や、その一挙手一投足まで、
こんな奴信用できるかって本当は言いたい瞬間を、
思い出した。
それ見て彼等はどう思うのだろうか。
何も、思わないのだろうか。
『私達』とは視聴率とか、平均とか、普通の範囲内にある、
ありとあらゆる『私達の一部』とは共同体とか、住所とか、
お役所仕事の中にあるのかも知れないし、
違うのかも知れない。
僕は人を平気で見抜く、ありえないほど深くまで覗き込む、
だって僕は人であって人ではないからだ。
ああ、いつからこんな醜くなって、
いつからこんな臆病になって、
いつからこんな不自由になった。

人間万事塞翁が馬だよ、
一歩間違ったら俺だったそうだったって奴が、
たまたま少ないだけさ、
人生経験が足りないよ、君は。
消耗品であり、大量生産品なのさ、
めぐりめぐって人間は誰かになる。
ホームレスには学校も会社もない、
家族も家もない、
でもあぶれ者さ、みんな弱いものさ、
低賃金労働者だっているさ、
何かよく分からないまま働いている人だっているさ、
そいつとホームレスと何が違うんだ、
穴の開いた靴下だって好きになれるかい、
汚れた服だって綺麗な服のように、
あったかいって言えるか?

仕事や経済基盤の喪失ってあるあるだよな、
会社の倒産、リストラ、仕事の減少、
家賃が払えなくなるとかさ、
頼れる人間関係の欠如、
問題が起きた際に相談できる家族や友人、
地域とのつながりが希薄で、孤立しているケースがあるよな。
心身の病気、怪我、高齢化。
生活が立ち行かなくなって、
病院だって行けないという人もいるぐらいだものなー、
発達障害や軽度の知的障害などを抱え、
十分なサポートを受けられないまま、
社会からドロップアウトしてしまうケースもある。
ネットカフェ等で寝泊まりする若者も増えているし、
表面化しにくい困窮状態から段階的に陥る。
蝕んでゆくもの、いまは足りない言葉、
それでもいずれ、ただ繋ぎ合っているだけだと破綻する、
人は何千回でもジャンプできる生き物ではないから。

ゴミ屋敷を見ていると、
ゴミを捨てられない人なのか、
それともホームレスの人なのか、
あるいは亡くなってそのままなのか、
色々考えてしまう。
どんなガラクタでも集めて売ればお金になる、
でも一番肝心な心だけは売ってないのさ。
目的地はどこまでも遠く遠く思えた、
夜の向こうは覗き込めないままで、
綺麗な思い出に浸るみたいに、
真夜中歩き続けたことを思い出す。
すべてが嫌になって愛せなくなって
自分さえ傷つけて、
こんなんなら消えてしまえって呪った日があるさ、
彷徨い歩いた夜に光が射した、
そうしたらまたゆっくりでも歩いていけるさ。

心が荒んでくると段々強盗に走ります、
警察官もやって来ます、
だから福祉事務所(市区町村の生活保護担当窓口)
があるんですね、知らなかったな―って、
知らない方がいいんですよー、
でもとりあえず、路上生活を始めよう。

マッチ売りの少女の絵本や、
あるいはフランダースの犬のアニメを観ていても、
貧困っていうのがまだ何か分かっていない人がいる、
すごい連中もいるものだねー、
てえしたもんだ、てえしたもんだ、すっげーな、
なんでそんな奴、生きてんだろ?
ユニセフだけじゃないだろって思う、
献血だけじゃないだろって思う、
募金だけじゃないだろって思う。

長時間労働、賃金未払い、
ブラック企業、ハラスメント。
借金問題、虐待や家庭内の悩み、
ひきこもり、DV、シングルマザー、
売春の強要・レイプ・AV出演被害、
ギャンブル、アルコール、薬物、
レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー、
刑務所から出所した後、
悩みを聞いてほしい、相談先が分からない、
難民・外国人。
人間っていうだけで人間らしい生活をしていない、
そんな人達が蓋を開ければわんさかいる。
臭い物に蓋をする、
綺麗な道路を作るから余計に目立つ、
本当はずっと前から何一つ解決していないことが、
いまもずっと同じまま存在している。

伸びてく影法師、ブランコが小さく揺れて、
何処からかやって来た人懐っこい猫を、
ずっと撫でていた、
心が凍り付いていたことがあるんだ、
もう一ミリだって動きたくないと思えたことがあるんだ、
そんな感情すら知らないような人間は沢山いて、
表情から簡単に読み取られることを知らない、
だから人間が不細工なんだよ。
ティッシュ配りのお兄さんも、
僧侶も何か近頃はちょっと人相が悪い。

出来損ないでもいいのさ、
優しい愛が誰にでも平等に与えられたらいいのにって思うのさ、
どうしようもない人間だって夢を語っていい、
不幸自慢したっていい、
僕は不幸自慢するのは嫌いだけど、
酒飲みながらなら聞いてやれるさー、
ツイてないと思ってる連中は沢山いる、
失敗だらけで俯きたがる人も沢山いる、
だからなんだよ、僕が神様とか、スピリチュアルとか、
なんだったら愛とか救いとかいう、
何もわかっていない綺麗ごとを用いる連中が、
大嫌いなのは。

「何で神様はこんな世界をおつくりになったのか?」
とお前が問うなら我はかく語りき、
「そいつがお前自身だからだろうさ」と。
もしお前が生きる意味が見いだせないというなら、
もしお前がこんな世界糞喰らえと思うなら、
こんな世界のシステム如きに、
何としてでも、何が何でも、
全力で逆らってるやるという気概がないのは何故か、
腑抜けてるのか、神とかいう奴の首根っこ掴まえろ、
そいつの胸倉掴んで窒息させろ、
なめるな、ここは人間の世界だ、
人間でしか救えないところに、
神ごときがしゃしゃり出て来るな。

孤立と諦め、働く意欲と現実のギャップ、
色んな人がいるよねー、
色とりどり、よりどりみどり、
でもステレオタイプな有象無象、
何となく知ってる誰かであり、他人さ。
缶を集めて売りに行くのをたまに見かけるな―、
汚いなって思ってる人もいるんだろうなー、
でも確率的に誰かはこうなるようになってる、
けど、そうじゃないって思う人もいる。
人が多すぎるんだ、
文明が進歩しすぎたんだ。
変わってゆく街のスピード追い越して、
時代はもう終電まで来たか、
いつになったら週末は来るのか、
ああいつになったら終末は来るのか。

「食べ物がない」「体調がわるい」
「泊まるところがない」「仕事を探したい」
「今すぐ仕事がしたい」「生活保護を申請したい」
などと思ったとき、
「どうすればよいのか?」を具体的に書いてる、
『路上脱出・生活SOSガイド』を読まなくちゃなー。
あなたの望む世界じゃないとは思うけど、
少しはマシならそのつまらない続きだって、
ちょっとは愛せるかな。

百万円で人を殺せる、
ホームレス狩りの危険性もある、
だから生活困窮者自立支援制度や、
炊き出しやシェルターの運営を行っている、
NPOなどの団体もいるんだなー、
知らなかったな―って、
知らないから世の中は偏見が多いんじゃないんですかね、
さあ、スーパーマーケットに、
段ボールを取りに行って、
川の土手に滑りに行こう。

勝ち組だけの都会とか、
金持ちだけの都会とか心底ゾッとするよ、
うんざりするんだ、
都会は人いきれで今日も息苦しくて
田舎はずっと明日が無くて息苦しい、
なのに満開の桜の木の下みたいに浮かれてでたらめだ、
スクランブル交差点みたいに色んな方向から行き来する、
そして蟻の巣へ帰る、
ドン・キホーテみたいな人工的な迷路さ。
メルセデスベンツに水跳ねられて、
クリーニング代を請求しに行きたい僕さ。

時々思う『私達』とは誰なんだろうか、と。
ありとあらゆる『私達の一部』とは何なんだろうか、と。
他者は何も思考することなくただ生き続けるだろう、
そして人は確実に死ぬだろう、
今日生きる権利も、人間の命は地球より重いといっても、
戦争や紛争は起きるだろう、
殺人事件や銀行強盗や、どうしてそんな馬鹿なことが、
平気でまかり通るのかって思えることが普通に起きるだろう、
夜明けのコーヒーみたいに苦くて暗い。
時々思う『私達』とは誰なんだろうか、と。
ありとあらゆる『私達の一部』とは何なんだろうか、と。
僕は夢を見なくなって久しい、
色んなことを諦めて色んなことに期待しなくなった、
ホームレスの感情のない見入られそうなビー玉のような瞳、
そんな顔をさせたのは誰なんだと思う、
それはお前か?
お前に責任がかぶさらないような仕組みが、
結局誰かがやってくれる自分は知らないということが、
パトカーのサイレンにすり替わり、
救急車のサイレンにすり替わる、
頭蓋骨が潰されたうさぎだ、みじめに轢かれた狸だ、
名前もない猫だ、公園の砂で干からびている蚯蚓だ、
それはお前か?
お前なのか?













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最終更新日  2026年09月21日 18時16分28秒


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