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2005年12月08日
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 昔、東京の東村山というところに住んでいた。
 あの頃、駅の改札を右に出て階段を下りると、駅前がロータリーになっていた。もうずいぶんと長い間行っていないので、駅の付近の様子もすっかり変わってしまったかもしれないが、以前、階段を下りて線路沿いに新宿方面に少し戻ると、おでんの屋台が夕方ごろからいつも出ていた。
 おでん屋は年にして70近くに見える親父が一人でやっているのだが、この親父が、かなりのノンベだった。近くの居酒屋などで飲んだ後、ンじゃ行くか、といってよることが多かったおでん屋の屋台だったが、この親父がしらふで出迎えたことは一度もなかった。他の客がいようがいまいが、常に赤ら顔で、若干ろれつが回っておらず、おでんの中に自分用の熱燗が入れてあった。これで商売になるのだろうか、と心配になることもあったが、酔っ払っていることをいいことに、よく親父をからかったりして遊んだ。
 あるとき、あのころ病院にいた森田先生と、屋台に行ったことがある。他に誰がいたかは忘れてしまったが、かなりよっていた私たちは、やはりかなり酔っていた親父に、「親父!今日は俺たちが残りのおでん全部買うから。¥5000円でどうだ?」などと話を持ちかけた。酔っていたせいなのか、それでも元が取れると思ったのかはわからないが、しばらく「そうだなぁ~」などといっていた親父は、自分の酒をつぎながら、「よっしゃ!」と条件を飲んだのである。森田先生も私も、「そうか親父、まあ、飲んでくれ。おごりだから」などと親父に日本酒を勧めながら、なにから食うか~などと盛り上がっていた。すると、別の客が屋台にやってきて、「親父、熱燗」などと注文を入れたのである。親父は突然すくっと立ち上がり、「ヘイ、熱燗ですね。おでんは何にいたしましょう。」などと、勝手に私たちが買い占めたおでんをその客に振舞い始めたのである。
 「おいおいおやじ、おでん全部5000円で売ってくれたんじゃないのかよ~」と詰め寄る私たちに、「んじゃ、全部で1000円でいいよ。」と、どんな計算をしているのかわからないどんぶりで勘定を出してきた。散々飲んで食って、親父におごりだ、なんて酒まで飲ませて1000円ならかなり安いかぁ、と、森田先生と、「しょうがねーなーおやじー」などといいながら1000円を渡して帰ってきたことがある。
 今年の札幌は、まだ雪がないが、凍てつく夜の街を歩いていると、おでんでもつつきたい気分に駆られる。札幌は雪が積もるので、さすがに屋台のおでんにありつける機会は少ない。あの親父のような屋台のおでん屋が、こんな凍てつく夜にいつもの場所で待っていてくれると、酔っ払いの親父とたわいもない話をしながら、心の中からホクホクとした暖かさを感じられるのかもしれない。





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最終更新日  2005年12月08日 22時08分32秒
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