青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2023年01月10日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆Ovation  1863 Claasicトップクラック補修です
ギターオーナー様は、非公開とさせて頂きます

◆画像から確認して行きます

●Ovationのエレガットは2台目です
 最初に見た時はOvationにナイロン弦のイメージが無かったのですが、
 出音を聴いて流石と感心しました


●各所に手の込んだ造り込みです

●シャーラーのペグです。
 西ドイツの刻印なので、製作後相当年数が経過している様です





●剛性を高めるための、5Pネック構造の様です


●バックに点検口が有れば、リペアは簡単ですが、今回はパッチ補強は通用しませんので
 特に問題は有りません

◆リペア箇所の状態を確認します

●トップに2か所クラックが入ってまして、ブリッジ下のクラックの巾が最大値0.5mmと広くなってます


●ブリッジ下の巾を確認して、パッチ補強から突板を差し込み方法に変えます


●ブリッジ上のクラックは手も届きますし、重症では無いのでパッチ補強でOKです


●ブリッジ下のクラックは、最大巾が0.5mm有りますので、クラックを0.5mm巾に
 揃えて、エゾ松の突板を直線的に差し込んでリペアする方法が、最も合理的で効果の
 有る工法と判断しました。
  画像は0.5mm開いているクラックに、エゾ松を差し込んだリペア工法を説明する


◆参考画像です 

●クラック巾が0.5mm有り、パッチでの補強は不可能と判断して、突板を差し込む工法を選択しました

●ラリビーのトップクラックをリペアした時の画像です。
 今回も同じ工法でリペア致します➡この工法でOKを頂きましたので進めて行きます


●クラック全体を0.5mm巾に揃えます



 トップと同じ高さに揃えます


●上から完全に水平が出ているセラミックの板でクラックを押さえます


●判り難いかも知れませんが、差し込んだエゾ松がピッタリ入って入る事を確認しました


●厚めに塗って有るクリアを突板を平らにサンディングします
 このまま1日完全に固定する時間を空けます


●差し込んだエゾ松と色合わせをするために、端材の小口側に着色をして確認します
 ローズカラーが近似色ですが、本体は経年変化で飴色になってるため完全一致は
 難しいと思いますが、目立ちにくい様に着色して行きます


●エゾ松を差し込んだ場所の、ブレーシングを確認しますと、想通り剥離してました
 補強のブレーシングとブレーシングの間です


●限られたスペースでしたが、タイトボンドを流し込みスプールクランプで固定します


●接着固定を待ちます


●この画像は、サウンドホール上のクラックがトップ材にも及んでいるか確認してる様子です
 クラックの真下からライトを照らし、光が漏れるか確認しますと全く光が漏れて来ませんので
 厚めに吹かれたクリアのみで、トップ材には達していない事が確認出来ました。
 パッチ補強が必要か検討する必要が有ります


●クラックの入った位置に近い事を考慮して、パッチで補強する事にしました
 マホガニーの角材からパッチを作ります


●判り難いかも知れませんが、奥からパッチを接着して行きます


●クランプを使いますと、ピンポイントで正確な位置に接着する事が出来ます


●手前の位置にパッチを接着します


●パッチの接着が完了しました


●トップ側にコンパウンドを掛けて、クリア塗装の段差を消して有ります


●着色したエゾ松にクリアを塗ります


●フレットを磨き、フレットボードは蜜蝋を塗る前提ですので、クリーニングのレベルで
 留めて有ります


●フレットボードの仕上がりです


●最後のクリアを吹きました、バフ掛けは5日程度待って掛ける事が出来ます


●5日経過しましたので、ようやくバフを掛けて仕上げの段階になりました


●エゾ松の突板は画像のセンター部分です



●数カ所有ったクリアの塗装クラックも目立たなく控えめになりました


●パッチ補強の周囲はニカワを塗り付ける方法を取ります
 スパニッシュギターリストの【志那虎先生】の嘗ての日本を代表するスパニッシュギター
 リペア工房で、リペアされたメインギターと同じ工法です

◆弦を張り戻しセッティングして行きます

●シャーラーのペグはナイロン弦を巻く事を、前提に設計されているようで本当に巻き易いです


●ボディの仕上がりです


●セッティング前の弦高は、3.10mmでナイロン弦では低いセットですが
 指に来る感覚では、高く弾き難い感触です


●1E側は、3.00mmで高く感じます


●ロッド調整は、1フレットと全ポジのバズリが出ないギリギリのレベルで調整になりますので、
 ロッドに対するネックの時間差反応が落ち着くまで猶予が必要です


●現状のネックに対するベストと思われるロッド調整が済みましたので、1フレットに対する
 ナットの溝調整をします。
 ナイロン弦の場合は、0.5mmプラスα で調整する様にします


●6E/12Fは、2.75mmで弾き易くセットして有ります


●1E/12Fは、2.50mmにセットして有ります


●リペアは完了しましたが、お渡しは来週末までお待ちください



🌻K2ギターファクトリー
  千葉県八街市 八街 に-67-3 
   代表 加藤 和久
   ☏ O8O-5376-O998       
   ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております





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最終更新日  2023年02月08日 07時15分12秒
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